コウキ。さんのレビュー一覧

彼岸の赤 小説

尾上与一  コウキ。 

仏門トラジコメディ

恐ろしくネガティブで自虐的な受けに、ほぼ寺の中と周辺で進行するストーリー展開。
良く言えば繊細、悪く言えば閉鎖的で気詰まりな世界観で
随所に「赤」のモチーフが登場するにも関わらず作品のテーマカラーは中間色のような、
ぼんやりした印象がぬぐえない作品だと個人的に感じました。

この陰鬱な空気感の中にあるそこはかとない可笑しみは
文学的とも言えるし、ほのぼの/コメディ系のカテゴリにも分類で…

7

ぼくのスター 小説

一穂ミチ  コウキ。 

侑史みたいな子って

リアルに、いて欲しい。

ある時から不登校になって、
一日のほとんどの時間を、アイドル・ほたるんただ一人だけの事を考えて過ごしているようで、
実はちゃんと、卒業にぎりぎり間に合うように計算して学校にも行っているし、
試験もそれなりの成績を維持できるように自宅でお勉強もしている。
共働きで忙しい両親に、少しでも負担にならないように、トイレットペーパーの在庫を注意していたりもする。
そも…

2

泣きメン コミック

コウキ。 

涙もろい男の魅力はどこにあるのか?

この作家さんの初コミック?あれ、と思ったら先日出た一穂さんの小説の挿絵の方!
ちょっと苦手な絵だったのですよね。
鼻の位置が安定しないという特徴があるのではないかと思うのです。
この単行本は11年から今年初めまでの作品を収録。
確かに11年の作品と思うとふつう進化すると思われるのにどうしてこんなに不安定に?
あと、頬の赤くなる描写の斜線もスリ傷のようでちょっと気になる。
パッと見た目の…

3

ぼくのスター 小説

一穂ミチ  コウキ。 

「らしさ」満載。

あ~これは一穂せんせいだから許される本だね。
ギリギリBLライン。だけれどそんなこと気にせずグイグイ読ませてくれる。
これよ!これなのよねぇ。
 
キラキラで切なくて、
何かに、あるいはどこかに届きそうで届かないもどかしい感じ…青春ってこんな感じだよねぇ。
そういうのが過不足なく、ことさらに青春崇拝されることなく、でも丁寧に丁寧に重なって紡がれるストーリー。
 
こういう書き方は一…

2

ぼくのスター 小説

一穂ミチ  コウキ。 

青春なキラキラ

一穂さんらしい文体で、繊細で素敵だな~と
思える作品でした。

アイドルオタクで引きこもり高校生と
俳優の卵の高校生2人のお話でした。

侑史の家に、いきなり同級生の航輝がやって来て、
学校に来いと言います。
そして、侑史のような引きこもりの役のオーディションを受けるので、
一緒にいて、観察させてと言われるのでした。

侑史がなんとも素敵な人でした。
侑史のスレていない、丁…

2

ぼくのスター 小説

一穂ミチ  コウキ。 

青春の象徴

最初読み始めたとき、今を時めくアイドル(AKBみたいな)の熱心なファン=ドルオタ。そんな男子がどうやって男子との恋愛ができるんだろう?
と不思議で仕方ありませんでした。
しかし、展開するにつれて彼が半ひきこもりになり、いあゆるアイドルに逃げた(この言い方が正しいかどうかはアレであるが、自分にはそう見えた)その理由が後半になり語られることにより、彼にはその素養はあったのだということは十分にわかり…

4

ぼくのスター 小説

一穂ミチ  コウキ。 

“高校生”の透明感

まるで「ご自身が高校生なんじゃ!?」と思ってしまうような
学校行事でのエピソードや、会話中の崩れた日本語。
これ、他の作家さんだったらどうだろうと思ってもみましたが
贔屓目なのかもだけどミチさんのは凄く好き。
だって自然なんですもん!!
「あーいるよね、こういう若い子達」ってするする読めます。

さらっとアイドルオタの侑史に「キモ」っていうのに
嫌悪感をいだかせないって、
航輝そ…

3

ぼくのスター 小説

一穂ミチ  コウキ。 

妹に救われその兄にも救われ恋になる?

微妙に評価の分かれる作品なのだと思うのですが、ひきこもりでアイドルオタクが主役。
しかし単なるオタクとは読み進めるうちに違うのではないかと思えてきます。
友人だと思っていた相手とのトラブルで傷つき不登校になる受け様なのですが、
その傷ついてしまった時に偶然目にしたアイドルが攻め様の妹だったのです。
何故か妹のほたるんに心惹かれ癒され、何とか学校も出席日数ギリギリ&テストは受けるで
一応高…

3

ぼくのスター 小説

一穂ミチ  コウキ。 

キラキラしてキュンキュンする

一穂先生が書く高校生は、何故こんなに瑞々しくて魅力的なんだろう。

半引きこもりの侑史は、在宅専門のアイドルオタ。
学校にもたまにしか行かない彼の生きることを支えているのは、
ベビブロ(ベビーブロッサム)というAKBみたいなアイドルグループのほたるんだ。
そこに突然突風のように登場して、彼を外の世界に吹き上げる航輝。
高3で同じクラスになったらしいけれど、顔も分からなかった彼に巻き込ま…

11

ぼくのスター 小説

一穂ミチ  コウキ。 

アイドルオタ・・・に入り込めるかどうか

AK○48にどっぷりハマってる男の子が、
きれいでかわいいアイドルに夢中な男の子が、男を好きになることってあると思う?
そんな発想からはじまったのかなぁ~と思うようなお話。

ベビーブロッサムという競争主義のアイドルグループのトップを走る、
久保田ほたる、こと「ほたるん」が大好きな「在宅」オタがこの本の主人公の侑史。
卒業できるギリギリの日数しか学校に行かない、半引きこもり。

そ…

4
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