コウキ。さんのレビュー一覧

彼岸の赤 小説

尾上与一  コウキ。 

重く冷たい心象風景とどこか抜けた笑いのバランス。

尾上与一さん。今後、炸裂する「何か」がある作家さんゆえ、
少し、辛口レビューといきましょうか。
この方の作品はまだ二作目ですが、「なんだなんだ!?BL版梶井基次郎か!?」と
思わせる強烈な色彩感覚と、独特なシュールさはありますが、
下手すっと破綻寸前の危なっかしさが残る…。

風景の書き出しは非常にいい。
「二月病」では寒々とした田舎の風景、本作では山寺のゆっくり流れていく時間が体感…

5

七つの海より遠く 小説

和泉桂  コウキ。 

ファンタジーだったんですね~

表紙等見て、「時代物かぁ~」と思い読み始め・・・かなり後になってから「???」という感じでした。
Hもほぼ無く、BLと言われなければ、わからないかも(結局、最後にはHもするのでBLですけど・・・)
でも・・・ちょっと「ファンタジー寄り」かな?
受けちゃんが、もう少しハラハラさせるような性格だったら、もう少し盛り上がったかな?
嫌いなお話ではないけど、「船乗り」の荒っぽいところとか、受けちゃ…

0

七つの海より遠く 小説

和泉桂  コウキ。 

武士道なのかヤマトナデシコなのか

商船の船長と遭難してしまって船長に助けられた女装訳あり男子とのラブ。
時代背景も設定も有りそうでなさそうなファンタジーテイストの作品で、
架空の世界でのお話と言う感じでなかなか面白いのですが、何やら気になる事も多くて
続編かスピンオフ作でもあったらいいなと思いましたね。

大日本帝国の受け様は帝都の学生なのですが、ある日英国で蒸気機関を研究開発してる
受け様の父親が行方知れずになり、単…

2

七つの海より遠く 小説

和泉桂  コウキ。 

今まで読んだ和泉さんでいちばん好きかもしれない。

まずはひとこと、これは本来の和泉さんの持ち味を求める方には、まったく物足りないでしょうね。
この評価は『本来の和泉さん』は今ひとつ合わない私の、極めて個人的な好みです。

私は、なんというか『和泉さんの持ち味がよく出ている(と思われる評価の高い)作品』は、ほぼ受け付けません。和泉さんが好んで書かれるキャラクターのタイプが、私の好みとまったく相容れないんですよ。

決してキライな作家さんじ…

4

七つの海より遠く 小説

和泉桂  コウキ。 

私にはかわいすぎた。

かわいらしいお話でした。
和泉さんのかわいい系のお話ですね。
その中でもかなりかわいい方向なんじゃ?

訳あって女装して英国へと向かう船に乗っていた珪。
その船が難破し海に投げ出されてしまう。
そんな珪を助けたのは華やかな金髪の男・ライルで…。

和泉さん曰く明治っぽい感じのパラレルファンタジーのような。
最初の方はその世界観というか蒸気機関とかのお話が出てくるのでなかなか物語に…

0

七つの海より遠く 小説

和泉桂  コウキ。 

男前船長と大和撫子

タイトルからいって海軍ものなのかと思いましたが、ちょっと違いました。作者いわく明治っぽいファンタジーだそうで、パラレルワールドの物語です。ちょっぴり謎があるけど明るい話なので、最後まで一気に楽しく読めました。
イラストも世界観に合っていて可愛いです。

主人公の珪は父と離れて帝都の寮で暮らす男子高校生。可愛い顔のせいで文化祭で女装させられたりしつつも、楽しい日々を送っています。そこで英国に単…

2

彼岸の赤 小説

尾上与一  コウキ。 

BL版 仏教のすすめ 入門編 ~縁と業~

 坊さんには一切萌えを感じないもので、最初はためらっていたのですが、『二月病』があまりにも素晴らしかったので、勇気を持って読み始めましたら。

 夢中になりました。大変面白かったです。仏教の教えが大変わかりやすく書いてあり、しかも登場人物たちのありようがまさに深く仏教的なのです。

 「恋慈って変な名前だなあ…」って思っていましたら、その謎が彼の生い立ちによってわかり。恋慈が幸久を一見誤解…

5

彼岸の赤 小説

尾上与一  コウキ。 

生きる赦し

2月にホーリーからデビューした作家さんの今月はドルチェから。
視点や表現が独特でユニーク(面白いと言う意味ではなく)なんだと思いました。
「二月病」では少し切なさが表立った作品だったのですが、今回も切なさやりきれなさが満載かとおもいきや!?
その理由や事柄は悲惨であるものの、対照的な生き方をする二人が主人公であったために、そして何よりラストでの或る意味ドンデン的な展開。
絶望的な僧侶以外は…

2

彼岸の赤 小説

尾上与一  コウキ。 

まじめなヤクザと僧侶

攻めの幸久はかなりいい人です。ヤクザには偶然もかさなり、たまたま引きずられて、なってしまっただけというか。つい人に譲ってしまう性格が災いしてきた、常識人です。
 人の罪をかぶって入った刑務所から出ても失職してて。でもまあ人生を再出発だ、というところで受けの僧侶:恋慈に、飛び降り自殺に間違われ、大怪我をします。
恋慈のお寺で過ごすうち、攻めの幸久は恋を自覚し、告白するのだけど、恋慈は幸久に惹かれ…

5

彼岸の赤 小説

尾上与一  コウキ。 

死んでしまった心の再生

元ヤクザと寺の僧侶との勘違いとトラブルから始まった切なくの甘いお話です。

攻め様は元ヤクザ、知り合いの罪をかぶって身代わりに捕まり刑務所を半年ぶりで
出所してきたのですが、組からは既にクビにされていて・・・
まぁ、ヤクザと言ってもなりたくてなった人ではなく、成り行きで拉致されるように
IT系にもそこそこ知識があった為に、末端の組員に違法AVコピーや経理なんかを
させられていた雇われヤ…

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