火崎勇さんのレビュー一覧

十の願い 小説

火崎勇  三池ろむこ 

泣かせるお話

一気に読んで、あれよあれよと、ころっと泣かされてしまった。

ただし、恋愛としての切なさより、主人公・深夜の生い立ちに泣かされる方向で。

虐待されて、捨てられて、生きることに何も望みを持っていなかった深夜が、養護施設から養子に引き取られた家の養父に教えられ、ようやく自分で「願うこと」と、ささやかな安寧を得ます。
しかし、そんなささやかな安寧も、相次いで養父母を亡くすことで・・・
そし…

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その指の触れるもの 小説

火崎勇  斎藤あつめ 

退魔物風味

退魔物とまでは行きませんが、ほんのりありえそうな地味な退魔風味といった所かな。
古い物に宿る何かが分かるという骨董屋の孫平坂[攻]は、操[受]の祖母の依頼で祖母宅にある付喪神が宿っている物を探しています。
祖母の家に暫く住み込む事になった操はそんなミステリアスな男、平坂と出会います。
祖母宅の蔵で、裏地に春画が描かれた着物を偶然部屋に持ち帰る事になってしまった操は、その夜に平坂に襲われる夢を…

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Voice 小説

火崎勇  桜城やや 

一目惚れならぬ一聞惚れ

ドラマCDを聞いた後に原作を読んだので攻の嶋垣が堀内さん声で再生されちゃいました。

翠[受]は学生時代に友人の付き合いで行った大学の学祭で印象的な声を聞き魅きつけられます。
その後も彼のその声はずっと心に残り続けるんですね。
一目惚れならぬ一聞惚れってヤツでしょうか。
そして入社した社長嶋垣が、その声の持ち主であった事を知ります。
嶋垣の声には不思議な力があって、催眠術の様に他人の心…

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十の願い 小説

火崎勇  三池ろむこ 

叶う望みは10個だけじゃないんだよ

親に虐待されて、何も望むことをやめてしまった子供時代から、願いが叶う喜びを養父母によって教えられた青年が、愛を求める姿を描いた作品。
あまりにこの主人公・乃坂のトラウマが深すぎて、怖がって前向きになれない姿が見ものかな?

望まない事を覚えてしまった深夜に、望を叶える方法を教えるおじいちゃん(養父)の姿、
おばあちゃん(養母)を失くしてしまう時の深夜の恐怖と悲しみ。
前半の、彼の生い立ち…

1

花嫁の品格 小説

火崎勇  六芦かえで 

家政夫から

お金もあり背が高くて顔も良くて女性には不自由していない司馬[攻]ですが熱い恋愛はせずにあくまで割り切った付き合いしかしておらず結婚願望は無い男。
そんな司馬の所にある日、嫁を紹介してやると言われていた知り合いに言われて司馬宅へと杉山[受]がやってきます。
よりによって男を花嫁候補としておくってくるかとやや呆れる司馬ですが、住む所もない杉山は家事はプロ並みとあってとりあえず家政夫として同居させる…

0

アナタの見ている向こう側 小説

火崎勇  松尾マアタ 

宮本がかわいかった

火崎さんの作品って印象として、主人公がポジティブで、そこが好きで読みやすい。
この作品の宮本も、ルックスが良くて、才能があって仕事ができて、おかげでちょっとはお金もあってと、自分に自信があるから、自分のワガママを通すし、プライドもある、すごくポジティブで明るい俺様。

そんな宮本が、行きつけのカフェレストランで、自分を見ずに一緒にいる福原だけを見ているシェフの関東の視線に気付いて…

今…

4

花嫁の品格 小説

火崎勇  六芦かえで 

花嫁候補は男の子?!

今回は友人から受様を紹介されるデイトレーダーと
家政婦として攻様宅にやってきた大学生のお話です。

二人の出会いからまとまるまでの本編と
その後を描いた番外編を収録。

攻様は個人投資で生計を立てている
デイトレーダーです。

攻様はとある証券会社のパーティで
ある男と出会います。

その男は変わりモノではあるものの
中味は案外まともな人物だったのですが
彼の唯一にして…

1

悪辣で優しい男 小説

火崎勇  稲荷家房之介 

結構好きです

仕事のためならば枕接待もする攻め
枕接待と知りつつホテル代など受理する経理の受けのお話です

最低な男だと自分でわかっている攻めと
利益のために誰とでも寝るんだから自分とも寝てくれるんだと思い込んでいる受け
攻めは本気だと説得を試みるのですが
受けは「誰にでもいうんでしょ?」と聞く耳をもたず

本気なのにわかってもらえない攻め
本気だと信じられない受け

このすれ違ってる感じ…

2

恋愛禁猟区 小説

火崎勇  小山田あみ 

平凡な会社員が

どんでん返しー!!!って訳ではないんですがこの作品はネタバレは極力避けて読んだ方が楽しめるかと。
平凡な会社員である柚芽[受]は、行きつけの店でいつも窓際に座っている男に魅かれ、こっそりと見つめてます。
偶然、同じエレベーターに閉じこめられる事となり、閉所恐怖症の柚芽は軽いパニックを起こしてしまい過呼吸を防ぐ為に彼に口付けられます。
気付いた時には彼はおらず、残されたのはネクタイピンだけ。

2

敵は恋人! 小説

火崎勇  角田緑 

真っ当な高校生

中盤から作者が書きたい事は何となく伝わって来るんですが、それが成功しているかというと残念ながらあまり効果的な展開って感じではない。
伏線は幾つかあるんだけど、肝心の叔父和博の伏線が弱いなあという感じ。
それでもまあ結構楽しく読めたのは、両親を揃って亡くし、引き取られた叔父夫婦でも叔母が亡くなってしまうという不幸続きにも関わらず実希が実に真っ当というか必要以上に落ち込んだりもしないし、現実を見据…

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