金ひかるさんのレビュー一覧

小さな花束を持って 小説

池戸裕子  金ひかる 

本当にハッピーエンドなのか?

宗馬(攻)が、BLのキャラクターとしては、(私の)非常に嫌いなタイプでした。恋愛至上主義である必要はまったくないけど、でも恋愛より絶対優先するものがあるなら、最初から関わらなきゃいいと思ってしまうんですよ。七生(受)はわりとよかったんですけどね。もともと健気は好みですから。でも、相手がダメだとどんなに健気でも共感し切れません。そう思うと、やっぱり宗馬が無理だった、これに尽きるんですね。

最後…

1

春一番の嵐 小説

若月京子  金ひかる 

薄い・・・

うーん、さらっと読めるんです。それは間違いないんですが・・・正直、中身はすごく『薄い』ですね。キャラクターもまるっきりテンプレだし。ひかり(受)に生身の男の子(というより人間)っぽさを感じないんですよ。ひたすら無垢で天然な可愛い子。
ただ、若月さんの作品ではいちばんよかったかもしれません。

若月さんの文章って、なんとなく気になるんですよね。特に地の文が 、なんというのか作文みたいなんです…

1

真夜中に降る光 小説

砂原糖子  金ひかる 

ピアスのシーンがとても良かったです。



砂原先生の作品、自分には合わないなぁとちょっと嫌煙していた節(すみませっ…!)があったのですが、この作品は面白くてスイスイ読めました。
「懐かない猫が絆されていく」という、BLには王道?的なお話が好きな人は、凄く楽しく読める作品だと思います。
前作未読でしたが、楽しく読めたので全然平気でした。

受けの新二くんが、ピアスを開けるシーンがとても印象的です。
セックスのときにも攻めがピアスを弄んで…

1

負けるもんか! 小説

榊花月  金ひかる 

毒が足りない

寮ものです。
『でも、しょうがない』のスピンオフですね。かなり登場人物がかぶってるから、先にそっちを読んでおいたほうが面白く読めると思います。読んでなくてもストーリーを把握するのに問題はないですが。

主人公は、義理の兄を追いかけて山奥の全寮制の学校に入ってきた弟くん。かなりのワガママ坊やで、あっちこっちに噛みついて騒ぎを起こします。
義理の兄に対しては、愛と憎しみの相反する気持ちを持っている。

1

やさしく殺して、僕の心を。 小説

神奈木智  金ひかる 

みんなちょっとずつ足りない

 神崎菜央は、二歳で両親と死別し、その後は施設で生活をしてきた。
 そんな菜央は、住むところを確保するために、自分の顔だけを武器にして、好きでもない相手の家を転々としていた。
 ところが、その相手との別れ話がこじれ、菜央は殺されかけてしまう。
 そんなピンチを助けてくれたのは、エリート然とした男で、数ヶ月後、今度は本当に刺された菜央を再び助けてくれたのは、同じ男だった。
 意識が遠のく間際…

5

捨てていってくれ 小説

高遠琉加  金ひかる 

年下攻め好きには是非!!

これはもう、高遠さんのお話の中で一番好きかもしれません。
何度でも読み返したくなります。

「犬と小説家と妄想癖」のスピンオフですが、
未読でも問題はないです。
(私は一応読みましたが)

水梨がワンコといえども、ただ闇雲に沖屋を慕っているわけでもなく、
これが結構しっかりしてて好感が持てました。
やたら「好き好き好き!!!」みたいなのよりツボります。

体は許してくれても、…

5

でも、しょうがない 小説

榊花月  金ひかる 

のほほん学園もの

榊花月さんにしては珍しい王道ちっくな学園ものでした。全寮制の、山奥の男子校。しかも生徒会長がいて寮長がいて、というベタベタな設定あり。
主人公なそこに3ヶ月間限定で中途入学することになる。で、小学生時代に犬猿の仲だった攻めと再会する。かつて狂犬のようだった攻めは、メガネをかけた優等生な寮長になっていた。

随所に面白いところはあったんですが、全体的には物足りなかったかなァという印象でした。
キャラ…

1

法医学教室の美女と野獣 小説

うえだ真由  金ひかる 

うえださんのお仕事もの(?)

ホントにひさびさ~の新刊です。

うえださんのお仕事ものは、仕事描写が多くてもなぜか好きです。それどころかこの作品に至っては、『BLじゃなくてもいい』(『こんなのBLじゃねえよ!』ではありませんので)と思うくらい、ラブ抜きでも面白かったです。

うえださんらしく、事件ものでも淡々とストーリーは進んで行きます。ただ、作中の『事件』(とはいえ、法医学者から見た形ですから、傍観者的ですが)にまつ…

1

ぼくの履歴書(表題作 ゴミ置き場から愛をこめて) 小説

白銀みるく  金ひかる 

深い。

これは、表紙やあらすじのほのぼのした雰囲気とは違って、かなり『痛さ』や『重さ』を含んだ作品です。『センシティブ・ラブストーリー』ってつもりで読むと、ノックアウトされかねません。
竜也(攻)の一人称で、語り口がちょっとコメディテイストなので、そのぶん和らいではいますが、容赦なくグロい描写もあります。昴(受)自身が、かなりひどい虐待を受けて来ていますしね。

私はいわゆる『痛い作品』は苦手で、そ…

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スリーピング・クール・ビューティ 小説

鳥谷しず  金ひかる 

相性の問題です(私との)。

新人さんとは思えないほどの力量です。それは素直に感服します。でも、それと(私の個人的な)作品の評価は別なんです。

なによりも、ディアプラスにあるまじきHの濃さ(プレイの種類も描写の仕方も)に愕然としました。まったく余計なお世話なんですが、なぜディアプラスに投稿したんですか?とお訊きしたいわ・・・

あ、私は濃いH描写そのものがダメなわけではありません(何よりもHを求めるというタイプではな…

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