佐々木久美子さんのレビュー一覧

におう桜のあだくらべ 小説

久我有加  佐々木久美子 

人情ものってやっぱりいいですね

本作は「頰にしたたる恋の雨」の関連作、というか前日譚の位置付けですが、「頰に〜」に出てくる真寿市師匠がまだ駆け出しの頃の、真寿市(当時は真太)の兄弟子真吾の恋模様です。
より昔(明治中期)の時代で、言葉も柔らか。今のTVで見る芸人さん達の使う言葉とは色々と違います。
見た目は地味だけれどじっくりと噺を聞かせる上手い真吾と、華やかで明るい芸風、出てくるだけで目を引くような椿丸、そんな個人の持って…

6

専制君主のロマンス 小説

鷺沼やすな  佐々木久美子 

甘いんだけど微妙な隙間もある二人

表題作カップルの短編5作品です。
いずれも似たような長さのショートで、二人の仲が進展していくという感じでした。

ジンクス
ジンクス2「サクラサク。」
ジンクス3「クラム ザ レインボウ」
は、雛崎(受け)視点です。抱かれるという自分に戸惑いながら受け入れます。
血が苦手な雛崎が克服しようと、風森(攻め)の傷口に口づけるという思考がちょっと突飛かなと思いましたが、それ以外は特に違和感…

1

月とナイフ 小説

月上ひなこ  佐々木久美子 

ヴァンパイアもの

吸血鬼ものです。
300年の時を生きるヴァンパイアのカグヤ(受け)は、昔死に瀕したところを救った子供、グリフォンに時を経て再会します。グリフォンは青年貴族となり、遊び人のようになっていましたが、なぜかカグヤに会うなり執着するように…という展開。

お軽い青年貴族な攻めにあまり好感を抱けず、受けに付きまとっているのが邪魔に思えてしまいました。せっかく受け攻めの視点入れ替わり式なのだから、攻めの…

4

座敷童に恋をした。 小説

いおかいつき  佐々木久美子 

憧れの妖怪ライフ

妖怪の見える青年・祈と、今は亡き祖父の家で同居することになった妖怪たちの、ちょっと変わった日常のお話です。

妖怪譚としての派手さはありません。祈を含め登場人物がみな淡々としているというかオトナというか…感情の起伏が激しくないので、ドラマティックさや萌えという点では今ひとつかなー。憧れの妖怪ライフにワクワクしている祈は可愛くて癒やされました。

座敷童の咲楽(攻)はクールで頼りがいのあるイ…

1

月とナイフ 小説

月上ひなこ  佐々木久美子 

どこかで二人、幸せに暮らしていて欲しい…。

中世ヨーロッパを舞台としたヴァンパイアもの。ダークな雰囲気に満ちた正統派です。
あらすじに、青年貴族×ヴァンパイアの運命の恋とありますが、正に運命と言う言葉がピッタリ来る素敵なお話です。世界観にどっぷり浸かって心が震える感じで、読み終わった後もしばらく余韻が抜けません!!

ヴァンパイアのカグヤ(受け)は、かつて落馬して命を落としかけていた少年・グリフォン(攻め)を救います。
そして12年…

7

嫌になるほど 小説

中原一也  佐々木久美子 

本気を信じてもらえない男と、素直になれない男と。

「両片想い」も、中原一也の筆にかかるとこう料理されるのか!

元々10年前に2年ほどセフレとして付き合っていた二人だけど、望我がギャンブルにのめり込んで失踪し、一度は終わっていた関係。だが2年前急に現れて一緒に探偵事務所をやる事に。
素直になれない波多野は、いつも望我に突っかかってしまう。
ある依頼で不良少年を探していた時、彼の使っていた覚せい剤?の炙りを吸い込んでしまった波多野は、性欲が…

4

リミット 小説

水壬楓子  佐々木久美子 

書き下ろしが読みたくて

2005年リンクスロマンスに書き下ろしショートが収録された文庫版です。

ノベルズを持っているのですが、書き下ろしショートの「バータイム」が読みたくて購入しました。
受けが集まってのノロケ(愚痴?)ですが、残念ながら「クラッシュ」の夏目は不在です。その代わり、「ダミー」の環が登場していますが、あまりに自然なんで第二シーズンの作品だと先生のあとがきを読むまで気が付きませんでした。

真城が…

0

純潔の愛人(コイビト) 小説

水月真兎  佐々木久美子 

とにかく受けが可愛い

1冊すべて表題作で、明良(受け)の視点でストーリーは進みます。

いわゆる「借金のカタに愛人になる」という内容なのですが、序盤に登場する子供の頃であった「お兄ちゃん」が孝一(攻め)であることは容易に想像がつきますし、孝一が明良を大切にしているのが伝わります。それなのに、明良はなんで抱いてくれないの?!と困惑している様が可愛らしいです。

借金のカタにという過程も、家族は反対しますし、すんな…

0

執事の特権 小説

榎田尤利  佐々木久美子 

呪いを解く呪文・・・それは?o(´▽`*)/

面白かったです(*^ワ^*)  受けが極度の潔癖性で、人間嫌いで、毒舌家で、わがままetcとのことで、私の周りにはいないタイプ。いったいこんな受けがいかにしてH出来るようになるのか?BLなんだからきっと最終的にはそういう展開になるはず、ですよね?と言うことで好奇心旺盛な私としては、これを読まずには天国に行けない!という思いで購入(笑)

読み始めて数十ページ程経った頃、「あれ?」と思いました。…

5

ひとでなしの恋人 小説

松幸かほ  佐々木久美子 

なんだか惜しい感じ

1冊すべて表題作です。
瑞樹(受け)がメインですが、竜崎(攻め)の視点も入るので心情が分かりやすいです。

瑞樹はパン屋。綺麗な外見と異なり、言葉も態度も乱暴なほど男らしい男です。友人・青山に頼まれて、ヤクザの竜崎と面会したところ、一度限りのつもりが…という話です。

最初は面白かったのですが、途中から失速という感じで惜しい気がしました。
瑞樹がヤクザの青山より上位というのは面白かった…

0
PAGE TOP