雀影さんのレビュー一覧

ステラリウム コミック

青井秋 

もっと大きな紙面で見たい

Cannaコミックスから新刊が出るので、未レビューになっていた去年の本を発掘。

細密なきれいな絵で、静かにつづられる物語。
「星を作る工場」の設定や、この世界観は好き。
繊細な絵柄もきれいだと思う。
ただ、このコミックスのサイズ感や紙質だと、せっかくの細密な絵柄の良さがいかされない感じですごくもったいない。
っていうか、はっきり言って読みにくい。
構図もすごく洗練されていて,ふきだ…

2

六花さんとニーノくん 失恋さえできなかった恋 コミック

青井さび(内田つち) 

お話はかわいい

表題作は、初恋だった兄の元恋人に偶然再会して大人同士として徐々に愛し合うようになる話。
じっくり、じんわり、ほのぼのとした雰囲気で、お話はかわいくていい。
他の収録作の三編も、高校生君たちの恋愛未満の淡い思いをやさしく描いたかわいいお話。
ラブっぽいシーンは表題作に辛うじてちょっぴりある程度で、全体に地味だけどほんわり。
この雰囲気も、ストーリーも、好きなタイプ。
でも中立なのは、ただ一…

1

黒わんこと金キツネ コミック

香坂あきほ 

牙萌?

犬の村を舞台にしたケモ耳LOVE.

黒わんこ(レトリバー)レンに拾われて今は一緒に住んでいる金キツネ・ユキ、そしてユキをレンと一緒に見つけた隣家にすむハルト。
幼なじみ3人の微妙な三角関係のお話「黒わんこと金キツネ」編と、
レンとユキがまとまっちゃった後のハルトと町の医師シエルのお話「メガネわんことツンデレわんこ」編の2カップルのお話が展開。
とってもきれいな絵で、ケモ耳と牙がすごく自…

0

セフレのハートの掴み方 コミック

淀川ゆお 

重要なのは一般人

ここで言う一般人とは、単にノンケということではなくて、隙さえあれば所かまわず致してしまう、エロマンガのために存在するようなキャラクターたちの濡れ場に遭遇してうろたえるような羞恥心のあるキャラクター、つまり弓道部の部長・東雲誠一君のことだ。

「腐男子クンの~」がアレだった淀川さんに再挑戦で読んでみたこの本は、登場キャラがちょっとづつリンクしていく読み切り連作。
例によってキャラたちは、登場す…

1

ナンバーコール コミック

古矢渚 

安定感

同じ高校に通いながら、コースが違うために接点のなかった二人が、ふとしたきっかけで知り合い、なんとはなしに交流を持つ内に「トクベツ」な感情を抱くようになるお話。
エロは全く無しだけど、根っからのゲイだと自覚があるわけでもない、普通に受験生の高校3年生が、いきなり「好きかもー!」でズコバコやっちゃうよりは、こんな風にコミックス1冊を使って、徐々に自分の気持ちが、ただの友情じゃない「トクベツ」な関係に…

2

ばらのお庭のけものたち コミック

雨森ジジ 

綿の国星

この猫ちゃんの可愛さは、大島弓子「綿の国星」を思い出させて懐かしい。
あちらは少女漫画誌で連載だったので、子猫の女の子の成長と飼い主の男の子の恋のお話だったが、こちらはBLなので、猫の子を始め犬の子も人間の子達もみんな男の子だ。
主人公?の猫さんは高貴な毛並みのロシアンブルー。
ばらの花咲く庭で、ばらの花を食べて、これも萩尾望都「ポーの一族」を連想させる。
そんな、懐かしい、BLがまだBL…

0

飴とキス コミック

秋平しろ 

見つめ合うということ

子どもの頃に不細工とからかわれたのがきっかけで、自分の顔に自信が持てずに、恋愛なんて自分と無関係と思いこんで生きてきた主人公が、憧れの人と両思いとわかりお付き合いすることになって、右往左往するお話。
頼りなくて儚げだけどシャープな、この、ものすごく細い描線が、このお話の設定と凄く合っている。
自分では不細工っていっている前田の顔が、実際にはどんななのか、この絵からはなかなか窺い知れないというか…

3

汚部屋住人の顛末 コミック

禾スパナ 

いい感じに拗らせてる

としか、いいようがない、デビューコミックス。
どの作品の登場キャラも、心の闇や心の虚で、自覚してか無自覚にか、病みまくっている。
細くて繊細な描線で描かれたキャラ達はどれもみな、一見繊細で優しげだけど、心の中には不安定な闇がゆらゆらしていて、時々微妙に不安定になる絵がまたその病み具合を無自覚に増幅している感じ。
時として、キャラの心の動きが自己完結で分かりにくいところも無いわけじゃないけど、…

1

俺とお前のラブハラスメンツ コミック

里西立樺(サトニシ) 

きのこくん

表題作は、ちょっとオバカでガキっぽい、高校生くん達の、ヤリたいサカりたい騒ぎのお話。
エロのためのエロみたいなストーリー展開ではあるのだけれど、男の子同士が、初めての恋とセックスにビックリしながらのめり込んでいく様がかわいい。

後半はバンド物で2連発。
まだ売れてないバンド、ニルアドのボーカル鶴見の話と、ギター吉住の話。
それぞれお相手は、正統派ロックバンドの人気ボーカル勝浦と、超人気…

2

ばら色の研究と花喰らふきみ コミック

ビリー・バリバリー 

絵が好き

もうそれだけで、「神」決定レベル。
ストーリーの流れも過不足なく分かりやすく、全体にハイレベル。
特に表題作の絵、これだけ繊細で耽美なアイテムをビッシリちりばめながらもこのサイズのコミックスになった時に読みやすいのって素晴らしい。
他の収録作品も、表題作とは全く違ったタイプのお話なのに、それぞれストーリーと絵の雰囲気がピッタリ。
「先天性WILD」の脊髄反射で生きる好きになったらいじめっこ…

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