茶鬼さんのレビュー一覧

青いイルカ 小説

火崎勇  神成ネオ 

無欲のハウスキーパー

事故により骨折してしまった会社社長と、家に来たハウスキーパーの組み合わせのお話。
火崎さんの作品はよほどのことでないと、萌えとかそういう以前に小説として、いつもある一定のパターンとクオリティが保たれているので、安心安定のあまりはずれない作家さんだと思います。
ただそれがすごく面白いかとか興奮したとかというとそれは差があるわけで、
今回はうまいけど盛り上がりという点で、すごく入り込めたというも…

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Blue Rose 榎田尤利作品集 小説

榎田尤利  高階佑 

自己破壊願望の姿として

01年からの、男娼:青を主人公にした作品を1冊にまとめたもの。
過去作品は2冊ですが、この「Blue Rose」と「Sleeping Rose」では1年後という設定もあり、主人公のあり方が多少違ってきます。
Blueでは、青の男娼としての仕事の姿と客とのスタンス、そして全編を通して道しるべとなる存在、昔の親友:トオルの登場。
Sleepでは、高級男娼としての青の姿ではなくて、彼自身の問題の話…

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恋するケモノのしつけ方 小説

成瀬かの  六芦かえで 

ケモノはどっちかというと

最初の攻めの登場シーンを見ると、一見こちらがケモノなのか?とおもいましたが、読んでいくとなんと受けちゃんのこと!
「しつけ」という表現が正しいかどうか手懐けでもあるんですが、まあ的を得た題名でしょう♪

外見が男らしくなりたかったのになれなかった美術教師・コウは、武道などをやっていたので見た目の綺麗さとうらはらに結構腕に自信がある。
普通の女子がいる学校へ行ったら、告られた女子とデキちゃい…

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イクメン☆ラバーズ 小説

如月芹   SILVA 

まるで共働き夫婦を連想させて

作者さんの初単行本になるそうです。
イラストが文具擬人化の本を描かれたSILVAさんですね。
とっても優しい雰囲気の表紙に惹かれます。
両親を失くした甥っ子を引き取った恋人と主人公の、今まで二人だけの生活に子供が入ってきたことで、二人のあり方を見つめ直すお話だったのかな
大雑把に書くとそんなお話。

ビルのオーナーでもある恋人・貴彦とほぼ同居の形で同じビルに住んでいる主人公のバーのオー…

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ふかい森のなかで 小説

水原とほる  小山田あみ 

裸の王様

元々内向的な性格の上、外に女を作る父、外に男を作り子供を捨てて家を出た母、しかも父親の企業はブラック企業に上がるほどのあまり評判が宜しくない会社。
そんな事が重なって、苛めにあい、より内向的性格に卑屈と諦めが加わり、ほとんどひきこもりのようになってしまった対人スキルのない主人公。
そんな彼の元に、父親が寄越した話相手という年下の大学生の男。
単純に、彼によって主人公が目を開いて外へ出るという…

1

親友とその息子 小説

中原一也  兼守美行 

なまはげ攻め!?

作者さんあとがきで、なまはげ攻めと称していますが、
攻めの形相がどうも濃い顔らしく、しかめっ面をしているとき、怒ったとき、般若じゃなくてシーサーとかなまはげになるんだそうです(笑)
なので、受けはそんな攻めをずっと一途に想ってますから、なまはげグッズ・シーサーグッズを集めてる自称マニアだそうでw
しかし、この”なまはげ攻め”実に的を得た表現でしてね、
顔がなまはげなだけじゃない!「悪い子は…

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薔薇の誕生 小説

夜光花  奈良千春 

う~ん、そうきたか!

10年に初めて出てからドキワクを与え続けてくれた薔薇がいよいよ完結しました!
アダムとの決戦を控え、重要な人物が亡くなり、騎士団は劣勢な状況。
もちろん、啓とラウルとレヴィンの3角関係の行方も気になるけれど、守護者でありながら不死者であるレヴィンが一体どうなるのか?
啓の母であるマリアは敵なのか味方なのか?
一体どうやって倒すのかも重要ですが、まだアダムや不死者がどうして生まれたのかそんな…

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微睡む夜明けの秘めごと 小説

華藤えれな  梨とりこ 

意外にもその心は純でした

白夜のロシアが舞台のお話。
テロ、軍、マフィア、政治的汚職、フリージャーナリスト、臓器売買、
結構主人公たちを取り巻く環境は、かなり物騒です。
しかし、中心は主人公たちの恋愛で、そんな深い設定も結構てんこ盛りなのに、わりとさらっと解決してしまって、一体どんな技を使ったんだ?とちょっと不思議に思わないこともない。
却って、その設定にあまり疑問を感じてしまうと上滑りしてしまう危険がありました。…

4

天涯行き 小説

凪良ゆう  高久尚子 

未来に夢を馳せて・・・

凪良さんの、暗くて重い方のお話です。
お話の本筋がそれですから、エンド後は苦労はあるだろうけど二人にとっては幸せが待っているはず。
マイナスから始まったそのグラフが波打ちながら緩やかに上昇していく流れを見せます。
読後思ったのは、この本に登場する主要な人々は、皆何かに囚われて抜け出せないかわいそうな人たちだったということです。
それを打破できなかったり、しようとしなかったり、方法を間違って…

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二重螺旋外伝 灼視線 小説

吉原理恵子  円陣闇丸 

まーちゃん視点です

まず最初に装丁の事。
chara15周年記念作品として「二重螺旋」が選ばれたのは、そしてその中でも詳しく描かれることのなかった長男の雅紀視点が描かれるのは嬉しいことでした。
お値段も一般書籍並の1470円ですから、過去書籍になった作品もそうであったように、シンプル装丁ではあるかとは思いましたが周年記念であるから、せめて、カラーイラスト集とか付けて欲しかったとか思うのは欲張りでしょうか。

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