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表題作恋するケモノのしつけ方

大藪迅 柄の悪い個人経営の司法書士
槇香雨 何故か男にモテてしまう美術教師 

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

何故か男にモテまくる魔性の美術教師・香雨は、振られたショックで登校拒否になった生徒・佑斗の家を訪ねるが、そこで香雨に一目惚れした佑斗の兄・迅からも強引に迫られることに。更にそれが佑斗の対抗心も煽って…

(出版社より)

作品情報

作品名
恋するケモノのしつけ方
著者
成瀬かの 
イラスト
六芦かえで 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784041004005
2.4

(9)

(0)

萌々

(1)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
2
得点
19
評価数
9
平均
2.4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

ケダモノは意外に繊細で?

高校の美術教師とその教え子の兄とのゲイ&ノンケ戦線的なラブバトル
受け様は誰もが見惚れてしまうような美貌の持ち主なのですが、本人は不満気味
中世的で線の細い体型は腕に覚えのある受け様にとっては自慢にもならない。
そして、男子校で教鞭をとっているのに、何故か生徒に告白される日々にうんざりで
更に62人目の告白をした男子生徒が卒業を半年に控えた今、不登校になってしまい
綺麗な顔とのギャップありで辛辣な受け様にフラれた事が原因だと分かっているが
振られたくらいで不登校している生徒に憤懣を覚える受け様。
しかし、美術部顧問で副担なので担任と家庭訪問へいく事になるのですが
付いた先で耳にしたのは弟を恫喝するように激しく怒る兄の声。
しかし、その内容は受け様も思っていた事なので親近感を持つ受け様。

しかし、直接あった途端に何故か口説かれるようになり、更に受け様が憧れてやまない
体型と腕力まで持っている攻め様に今度は逆に敵愾心を覚える受け様なのです。
受け様の辛辣ながらも手なずけるような対応に生徒は登校するようになりますが
その生徒から自分の兄貴にゲイだから気をつけてくれと・・・
でもその翌日には弟の事で相談があると言われ疑心を感じながらも一緒に出掛けてしまう

その日から受け様は攻め様に熱く口説かれるようになるのですが、
受け様はゲイじゃないからその気にもなれないと一刀両断するのですが
腕に覚えのある受け様がいくらねじ伏せようとしても何故か攻め様には敵わなくて
更に、受け様は攻め様と対峙する時に強いものと戦うことで起こる高揚を覚える。

この受け様は見た目と違いかなり凶暴で、闘争本能がかなりありまくりタイプ
逆に腕に自信があるから警戒心が薄いので、トラブルに巻き込まれ攻め様に
助け出され、男同士だからと拒絶していたのに、過剰なスキンシップで感じてしまう。
そこから受け様は攻め様の事を意識してしまうのですが、ノンケだと思い込んでるから
なかなか攻め様に対する気持ちを自覚出来ないのです。

攻め様はかなり執拗に受け様に仕掛けるのですが、クールに拒絶されながらも
毎日何度もメールしちゃうくらいのマメさで、受け様を怒らせたと思った時などは
返信がこない携帯片手にため息つくほど繊細だったりするんです。
こちらもオレ様で強引かと思えば繊細なんて、ギャップありの攻め様です。

攻め様の元カレが現れた事で一気に二人の関係が相愛になるのですが
意外に男前な受け様の尻に敷かれるのではないかと思えるようなストーリーでした。

2

ケモノはどっちかというと

最初の攻めの登場シーンを見ると、一見こちらがケモノなのか?とおもいましたが、読んでいくとなんと受けちゃんのこと!
「しつけ」という表現が正しいかどうか手懐けでもあるんですが、まあ的を得た題名でしょう♪

外見が男らしくなりたかったのになれなかった美術教師・コウは、武道などをやっていたので見た目の綺麗さとうらはらに結構腕に自信がある。
普通の女子がいる学校へ行ったら、告られた女子とデキちゃいそうと、それが面倒くさくて男子高へ赴任したという、多分根っから女子が好きな人だと思われますw
ところが、男子高でモテモテで、告白してきた62人目の生徒・佑斗をお断りすると、その翌日から彼は学校を休んでしまう。
しかたなく担任と(コウは副担)家庭訪問すると、佑斗の兄がコウに興味津々。
無事佑斗の説得に成功して登校させることができるようになるのですが、兄の迅が口説いてくる。

このコウ、結構気が強く負けず嫌いです。
襲ってくる迅を本来かわせるはず、普通なら撃退できるのに彼の方がボクシングをやっていたため上手だったという点で、意識が向く。
自分より強い男というのが多分一番のポイントだったと思います。
二人が近づいていく過程には、そのための色々があったりするのですが、
あれだけ、俺はゲイじゃないと言い張っていたコウがいつの間にか乙女な部分を見せ、翻弄されて悩んだり、嫉妬したり、あまつさえ迅で自慰をしてしまったりと、
本来の建前と反対にはまっていく姿が楽しいです。

逆に最初の登場で、弟に起こっていたからかもしれないですが、傍若無人な態度を取る迅が、展開とともにとてもイイ人になっていくのが見えます。
その割に一目惚れだったと言い出すからビックリですよw

お話としてはとてもよくできてるな~と思います。
主人公のコウの「フー!シャーッ!!」な感じもよく出てるし、はまっていく姿も楽しいし、魅力的なキャラクターたちだったと思います。
ただ激しく萌え萌えした!とか、展開にものすごくびっくりしたとか、すごくワクワクしたとかまではいたらなかったかな?
とにかく、軽すぎず重すぎず、ちょうどいいという上手さが目立った作品でした。
萌え萌えまで一歩及ばず。。。かな~?

1

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