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表題作青いイルカ

樹悦司,フードチェーン店を継いだ社長
波間光希,介護福祉士の資格も持つハウスキーパー24

その他の収録作品

  • 波に漂う

あらすじ

交通事故で足を骨折した会社社長・樹の元にハウスキーパーとしてやってきたのは、波間という若い男だった。最初は仕事が出来るのか訝んでいた樹だったが、その完璧な仕事ぶりから、波間は樹にとって手放せない存在になっていく。波間の細かい気配りや優しさから、波間に惹かれた樹は、彼と恋人の関係に持ち込むことに成功する。そんな中、会社役員の造反から、樹の会社が存続の危機に陥ってしまい…。

作品情報

作品名
青いイルカ
著者
火崎勇 
イラスト
神成ネオ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344825437
2.6

(5)

(0)

萌々

(1)

(1)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
10
評価数
5
平均
2.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

人間不信気味の攻め様が初めて心を許せる相手

人間不信気味で卑屈な攻め様とイルカみたいに弱った心を持った相手に
そっと寄り添うようなハウスキーパーの受け様との恋でした。
母子家庭で育ち、母親が病に倒れ、いないと思っていた父親がチェーン店を
経営する社長だと知り、母親の入院費の為に子供のいなかった実父と義母の元へ
いく事になった攻め様は、その後父親が亡くなった後に会社を引き継ぐ事になる。
それも自ら望んだものでは無く、実母が亡くなりお墓を立てる費用を上げるから
なんていう理由で愛人の子供として嫌われ無視されて来た攻め様は社長になる。

古い体制の会社を立て直し&害虫退治みたいなかなりワンマン経営をしていて
信用できるものしか傍に置かないよな攻め様。
その攻め様が事故を起こし、足を骨折してしまったことから知り合いの紹介で
若い男性のハウスキーパーを雇う事になり受け様の出会うのです。
受け様は施設育ちながらも既にハウスキーパーとしては優秀で、人を信用しない
攻め様も受け様といる事で安らぎを感じる。
始めは色々受け様を試すような事をしたり言ったりするのですが、きっちり仕事として
プロに接する受け様を知り好感を持つようになる。

この攻め様は自分のまわりに集まる人間がいつも下心を持っている事に嫌気がさし
恋人も作らず、金銭的な性欲処理の人間を雇っているような傲慢系でもあります。
受け様と知合った事は攻め様にとってとてもラッキーなことなんです。
ふとしたきっかけでセフレがいなくなったことで攻め様はその切っ掛けの一端を
担ってしまった受け様にセフレをしろと・・・・
しかし受け様は恋人ならと・・・

恋人として付き合い始めてからも受け様に対して何かあるのではなんて思うくらい
疑り深い攻め様ですが、誰にも本気にならなかった攻め様は本当に受け様を
愛しく思うようになり始めた時に重役の裏切りで会社が倒産の危機に陥る。
その事実を受け様にも話、金の切れ目が縁の切れ目みたいに、受け様に辞めてもいいと、
しかし受け様は攻め様が何もなくても攻め様だけがいればいいなんて健気発言。

でも攻め様は受け様に、受け様だけではダメなのかと言われ、そうだと・・・・
ちょっとした誤解なんですが受け様は姿を消してしまう。
しかしそんな時に銀行への支払いをしてくれた人物がいる事を知り・・・

う~ん、攻め様視点で描かれているのですが、受け様の影が薄すぎて物足りない。
後半になって受け様がイルカと呼ばれる事やそれとは対極に青髭だとも言われる噂が
有る事も出てくるのですが、それで終わりって感じなんです。
人間不信気味の攻め様の恋する相手はホントは酷く寂しがり屋さんなんて思う
ストーリーなのですが、ちょっぴり深さがなくて残念でした。

1

無欲のハウスキーパー

事故により骨折してしまった会社社長と、家に来たハウスキーパーの組み合わせのお話。
火崎さんの作品はよほどのことでないと、萌えとかそういう以前に小説として、いつもある一定のパターンとクオリティが保たれているので、安心安定のあまりはずれない作家さんだと思います。
ただそれがすごく面白いかとか興奮したとかというとそれは差があるわけで、
今回はうまいけど盛り上がりという点で、すごく入り込めたというものではなかったのでこの評価です。
でも言っておきますが、本当にうまくはあるんですよ。

話は攻め視点です。
だからなのか、入り込み度が今ひとつ受けの恋愛への入り込みにどうも?な部分があるかもしれません。

事故で骨折したフードチェーン会社の社長・樹は、一人暮らしのため秘書の今井にハウスキーパーを手配されます。
やってきたハウスキーパーは波間と言い、実に勘のよい働きをしてムダがなく、彼の仕事ぶりに感心するのですが、性的にも関心を少し抱きます。
樹の地位や権力に近づいてくる関係が嫌で、性欲処理に呼んでいた男が波間のアドバイスと協力で実家へ帰ることになってしまい、波間に不満をぶつける樹は性欲処理も波間にさせようとするのだが
波間は恋人ならしてもいいと言う。そして樹を好きだというのです。
恋人になっても、彼のハウスキーパーとしての仕事はきちんとオンオフで切り替えがきちんと出来ており、樹も居心地の良さをかんじてたのですが、
会社の古株社員の背任により会社自体が窮地に陥り、もう波間は雇えないからと恋人関係も解消する樹なのですが・・・

波間の生い立ちがあって出来上がった波間の仕事に対する姿勢は、心からの奉仕。
それが結果として、悪い噂を呼んだりもしたが好きな人のために役に立ったという伏線。
どうして、樹がすきになるのか?
いつもの如くラスト近辺でのタネ明かしによって明確になるのですが、他の人たちは波間の後ろに過去の誰かを見て感謝してくれるのに対して、樹は波間自身をみてくれたからという理由。
えっ?今まで老人ばかりだったのが、若い人になったからじゃないのか?とか思ったりもできなくもないですが・・・
波間が初心かったのかな?初体験も年上の女性とか言っていたので、ひょっとしておばあさんに襲いかかられたとか妄想しちゃった(笑)

『波に漂う』は、まだ家政夫の仕事を続ける波間に今回好意を持つ男が出てきて、樹が多いに嫉妬して、相手を牽制するお話ですw

波間が老人をお世話することが多く、人を癒すという意味でイルカのようだと言われたということで、この題名だそうです。

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