乱菊さんのレビュー一覧

B.L.T 小説

木原音瀬  稲荷家房之介 

なぜあなたとなのか、ということ

本作は同人誌に収録された「ライン」に続編の「B.L.T」を加えて発行されたものである。
当時中学生だった北澤眞人に、サラリーマンの大宮雄介が電車内で痴漢したことからストーリーは始まる。
気の強い北澤は大宮を見つけ出し、優位な立場を利用して我儘放題の日々を過ごすようになるが、この痴漢と被害者の関係性が意外と面白く読めたのは、北澤が性悪な性格をしていたことと、大宮が我慢強くて常識人だったことかもし…

6

百日の薔薇(2) コミック

稲荷家房之介 

肉球編は必見

スパイの嫌疑をかけられてひどい尋問を受けるクラウスを、毅然とした態度で守ったタキ。
あんな酷いことをされた後だって言うのに、やっぱりタキって潔癖なほどにクラウスを信じきっているのねえ。
それなのにバカチンのクラウスは、タキを欲する自分を穢らわしいと思っているだろうと・・・まだそんなことを言ってるなんて。
ばかー!ほんとばかー!

お話は同盟国の不審な動きとともに、タキを取り巻く空気も不穏…

5

普通の恋 小説

榎田尤利  宮本佳野 

「普通」ということ

「普通」にこだわり自分の気持ちに「自然」になれないふたりを描いた前作『普通の男(ひと)』。
そして心のままに「自然」に相手を想う気持ちが、自分にとって「普通」なんだと気づいた、その後のふたりを描いた本作『普通の恋』。
どちらからでも問題ないが、出来れば順番に読んだ方が、まどろっこしい男どもの心情が追えて楽しいかもしれない。
宮本佳野の挿絵もほんのり色っぽくて、榎田尤利との相性は相変わらずバッ…

6

桃色天狗 コミック

ユキムラ 

ツンデレにも程がある

心がほわっとする感じとでも言うのか。
とても温かいお話だと思った。
その昔、妖物(あやかしもの)たちから恐れられていた最強の調伏士、五式藤吉という男がいた。
藤吉はある時、幼い天狗の命を救ったのだが、その天狗が600年経った現在、藤吉の子孫である虎鉄につきまといを・・・もとい、彼に出来なかった恩返しをしにきたのだと現れたのが事の始まり。

天狗は『和山百地守科兼時(にぎやまももちのかみ・…

2

恋のまんなか コミック

松本ミーコハウス 

それだけのこと

小説で例えるなら「行間に込められた想い」とでも言うのか。
そういうものがコマとコマと間から溢れ出てくるような、そんな作品だなと思った。
ただこのお話はどちらかと言えば小説向きの題材かなとも感じたので、これを漫画で表現されると確かに少々言葉足らずな印象は拭いきれない。
その為、どうしても評価は分かれてしまう作品なのかなとも思った。

学年トップの優等生・一之瀬と、家庭環境が劣悪な不良生徒・…

17

青水無月 小説

水原とほる  稲荷家房之介 

「兄さんが、欲しくてたまらない」のキャッチは伊達じゃない

メインの2人の関係は、腹違いとか種違いとか親同士が再婚とか・・・そのような甘いものではなくガチで兄弟であった。
何とか読み切ったものの、やはり近親相姦に私のツボはないと確信した。
ものすごく現実味のないストーリー(と、脳が感じようとしている?)で、全てが心を上滑りしてゆくようだった。
やはり最低限、他人でヨロシク!なのである。

そうは言いつつも、みっちり全部読みきったわけだが、特に納得…

9

17才の密かな欲情 番外編 コミック

高久尚子 

大島先生もかなり気になる存在

コミックス初回特典の小冊子とはまた別モノの番外編。
とは言うものの、小冊子がかなり過激エロだったので、今回もそう雰囲気的には変わらない感じだ。
内容的には両想いになってから余裕綽綽の高村と、益々可愛らしい凛の他愛もない日常話がメインに描かれている。
何と言うか「エロを描くぞ!」という高久さんの意気込みが、そこかしこからビシバシ伝わってくるので、何も考えずに凛の甘えんぼ振りと高村のエロオヤジっ…

4

恋の話がしたい コミック

ヤマシタトモコ 

カバー裏には気を付けて!

「イルミナシオン」ではドアップのひとり表紙が印象的だったヤマシタトモコだけども、今回の表紙もBL表紙の定石を軽く無視して、え?風景だけ?と思いきや、よく見れば景色に溶け込むように小さく2人が居るじゃないの。
うーむ、この方は人の裏をかくのが好きなんだろうか。
と言うか、かなり色んな自由を許されている立場なんだろう・・・売れっ子だから(笑)

表題作はヤマシタさんにしては可愛らしくて、そして…

12

センチメンタルガーデンラバー コミック

小椋ムク 

ねこまっしぐら。

ネコが極上に可愛いという噂を聞きつけ、小椋ムク初読み。
全体的に少女漫画のような柔らかいタッチで、とても優しい雰囲気が漂う1冊。
けれども普段なら、恐らく後回しになる類いの作家かな・・・と思った。
その証拠に1冊目の「ふるえる夜のひみつごと」は未読と言うか未購入。
全く眼中に入ってなかったようだ。
そんな小椋さんへの先入観をひっくり返してくれたのは・・・・・・そう、ネコ!ネコだ!

7

我楽多増刊号号外6 コミック

樹要 

紛れもなくガチ。

樹要「ワガママだけど愛しくて」の秋吉兄弟編。
ここ最近の増刊号は秋吉兄弟がよく登場しているが、まだまだ作者的には描き足りないようで、また夏頃にお目見えとのこと。

本編でも濃ゆい関係の2人だったが、番外編でも毎度のようにエロスだ。
と言うか、兄・一史が変態ドSエロ魔人なので、それに振り回される弟・征二が少し可哀相なんだけども。
個人的には普通なら好んでは手に取らないガチ兄弟カップルだが、…

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