葡萄瓜さんのレビュー一覧

ましたの腐男子くん コミック

黒岩チハヤ 

帯の発案者の属性を熱烈に知りたい

ページを進めるまでは斜に構えていた訳ですよ。
「ああ、腐男子をネタにした本ですね釣りっぽいですよね」
などと若干荒みながら。提示されている粗筋も何となく
釣りっぽいよなぁと舐めてかかっていた訳です。

まあ…なんと言う事でしょう。
見事にその予測は良い方向で裏切られました。
それぞれの属性をきちんと活かしながら展開される恋模様は
カバー下も含めて大変美味しいものでございました。

9

海辺のエトランゼ コミック

紀伊カンナ 

確かに洗われますが

非常に残念な点。
本書は帯とカバー裏表紙の梗概で既に九割方の
ネタバレがされています。
残り一割が重要と言えば重要ですが、その辺の
判断は物語との相性によるでしょう。

読んで幸せになれる作品であるのは間違いないのですが、
じゃあ歯応えはどうかと言うと今一つはっきりしない、
と愚考します。
本編だけなら「こう言う作風も有りだよね」で
呑み込めてしまう所が、梗概と帯がある意味敷居…

4

リリパット コミック

松崎司 

出オチの後の鮮やかさ

何とも名状し難い出オチで始まる表題作ですが、
本筋はかなり骨太なラブコメです。
松崎さんの作風と言うと鬼畜をこじらせたり
肉弾戦をこじらせたりと言うイメージを強く
持たれている方が多くおいでかと思われますが、
表題作はその要領でラブコメをこじらせています。
しかも搾りたてそのまま無調整で出して来るので
読者としては気恥ずかしくてたまらない。
いっそ肉弾戦中心を求めたくなります。

1

恋とはバカであることだ コミック

おげれつたなか 

確かにこじれている

作品の本筋はどれをとってもスタンダードなものでは
ないかと読み取りました。
しかしながらそれに紐づけされている細かい情報が
兎に角多い。そちらを処理していく内に本筋を
あれよあれよと読み過ごしてしまうと言う感じでした。
絵柄が好きな方はこの本を表紙買いしてもきっと大丈夫でしょう。
後の懸念は話の筋と展開と味付けが好みであるかどうかと
言う事に尽きるかと。
評者自身は各話共に後6ペー…

4

タクシードライバーのフラチな業務日誌 コミック

龍華哲 

とりあえずの処方箋

この程度ならネタバレにならないだろうと判断して
のっけから申し上げます。
この一冊で恋愛を展開している人達の中には悪党は
居ません。恋泥棒ならいますが。
そう言う意味ではゆるゆるした気持ちで読める一冊かと
思われます。
全体のテンポはと申し上げますと表題作を取り上げた
表紙が雄弁に物語っておりますね。コミカルで非常に
歯切れが良く、むしろ話の筋に流されるままさらりと
読んだ方が恋…

2

逃げたヒツジの捕まえ方 コミック

青山十三 

白絹綸子

この一冊に収められた物語は二通りに味わう事が出来ます。
一つの味わい方は文字通り恋物語として。
もう一つの味わい方は、断片的な謎を手繰り寄せて継ぎ合わせて
想いを馳せると言うやり方で。
ただ、総てが詳らかにならない方がこの物語達をゆっくり
味わう事が出来るでしょう。

空想と残酷は常に背中合わせです。
雄弁な空想とそれに向きあえず目を逸らす残酷。
その残酷にほんの少し正面を向いて…

2

ロスト・コントロール ~虚無仮説(2)~ 小説

黒木夏兒  蒔舞(シーウ)  yoco 

見事なバランス

メンズロマンスと言うよりはメンズラブ寄りな
感覚の纏まり方でしたね。
サスペンスとしてもロマンスとしてもきちんと
成立させつつ、そこに普通の関係まで織り込んで
別の視点からでも充分読める様に仕上げてある。
まったくもってお見事なバランス感覚です。
なにより、無駄な登場人物が一人としていない。
どの関係も必ず因果で結ばれる様に構成され、
そこに計算臭さが感じられない。
あとがきがま…

5

ロスト・コントロール ~虚無仮説(1)~ 小説

黒木夏兒  蒔舞(シーウ)  yoco 

容赦なし

最初の数ページは正直不安しか感じませんでした。
サスペンスとしては上物かも知れないがロマンスとしては
どうなんだろうと。
ところがページが進むにつれ張り巡らされた伏線の行方が
色々と気になってくる非常に厄介な状況に。
文庫でもノベルスでもなく敢えて単行本形態でこの作品が
刊行されたのは正解でしたね。文庫やノベルスなら必要以上に
開いては閉じ開いては閉じ…と遣ってしまいそうなので
本…

3

ふーたの初恋キャンバス コミック

拓平 

安全パイ

作品として完成度が高いので安心して読めます。
読み手のコンディションが余程悪くなければ
ページの進みも多分早い筈です。
それだけにBLとしての波瀾万丈が織り込まれていても
何となくしっくりこなかったりもするのです。
無理矢理BLの型にはめなくてもこの完成度なら
また違う切り口で恋模様を魅せる事が出来たんじゃ
ないかなと言う贅沢な残念感があります。
とは言ってもかなり上手く収まってる…

2

エネミーエネミー コミック

流れないテッシュ 

不思議な居心地

率直に言うと、気分を変えたくて表紙で選んだ
一冊でした。
それがまあなんと言う事でしょう。
かなり心地好く馴染んでしまっているのですね。
確かにこの方の絵柄は確実に好みが分かれます。
ところがその絵柄で紐解かれる物語は今風の男の子の
心情を織り込みながらかなりスタンダードに
近いものでして。
ええ、そうなんです。評者の守備範囲なんですね。
だから読んでいて不思議な居心地を感じてし…

3
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