葡萄瓜さんのレビュー一覧

夜明けのブルース コミック

羽生山へび子 

純情の在り処

人生に対してかなり不器用な人達が泥臭い恋模様を
展開する…と言う道具立てだけを見れば自分には
関わりが無いから映画でも観るつもりで楽しもうかなんて
気楽になれそうなもんですが…。
なんだかねえ…この人達は自分の片想いについては
変に要領よく真っ直ぐなもんだから傍で見ていると
どうもハラハラしてしまう。
まあ良くしたもので脇を固める人達がひと癖ふた癖
ありながら暖かい人達なもので物語…

2

大きなサボテンの木の下で コミック

歩田川和果 

悟りました

この方の作品にお付き合いする事五冊目にして
評者はようやっと悟りました。
この方が描いてみたいのは男の可愛げなんじゃないかと。
で、それがなんて通じ難いかと言うと…毎度毎度の帯を
ポンと放り出されたんじゃいきなりは戸惑いますって。
この本の帯から話をスルッと見通せる人がいたら間違いなく
カミホトケでしょうね。
そうでなくとも『サボテン・イグアナ・ガラパゴス』の
三題話をどう解きゃい…

8

ふじむすめ コミック

歩田川和果 

確かに面倒臭い

評者はまず一言申し上げたい。
この本と距離を置くならせめて三度は読んでから
断を下して戴きたいと。
さらりとした一読ではこの本の中に生きてる人達の
腹の中は多分見透かせないでしょうから。
悪い人達じゃないんですよ。ただ意識無意識に
かかわらず腹芸を応酬し合ってる人達なだけで。
だからやる事やってとりあえずに収まっても
まだ何か燻ってるんだろうなと中々に安心できない。
それでもそれ…

4

やさしいやちよ コミック

三崎汐 

足掛かり

抱いている気持が何か違うものだとは判っている。
でもどう違うのか確証を得ないと中々動けない。
そう言う少年【一部大人】群像が詰まった一冊。
激しく高らかな表現がお好きな方にはいささか
物足りないかも知れません。

でも、ただ勢いに流されて燃え盛る炎よりも
じわじわと燃えてゆく熾火の方がたちが悪いの
ですよ。良くも悪くも。
そう言う熾火はこの本の随所に配置されており、
消すも消さ…

4

見栄張りあってすれ違い コミック

ゆくえ萌葱 

寸前の美味しさ

表題作に行く前に延々と併録作が続く…
これは些か危険なパターンです。
併録作と読者のそりが合わなければ
表題作の出来もそんなものかと予想して
本を閉じてしまう可能性だってある訳ですから。
でもこの一冊にはそれは杞憂だった様ですね。
併録作は表題作の前振りともいうべき話だし、
きちんと流れが導かれてましたから。

で、表題作の二人も併録作の二人も
最後の一線は越えておりません。

2

はるのうららの コミック

三崎汐 

追いつめるのは誰か

手書き文字の帯が、とにかく鮮烈でした。
だから手に取るのを一瞬躊躇して、読むまで
少し時間がかかったのです。

そして一読した内容は、煌めいていながらも
重い内容でした。
口の悪い登場人物にも恐らく積極的な悪意の
持ち合わせはないのです。
ただ、自分が理解出来ないものに対して放置も
許容も出来ない。それ故に拒絶に走るしかない。
しかしその拒絶が他者を傷つけると言う事には
意識…

8

ボクらの恋はケモノ道! コミック

 

Sample Case

まず一言おことわりを入れて置くと、このアンソロジーの
世界観は学園もので統一されておりません。
カバーだけを見ると全編学園ものであると理解されそうですが、
様々な世界観の完全獣人BLが収録された一冊です。
それもその筈。この一冊は或る学園の生徒会によってまとめられた
様々な恋愛ケースの報告書、と言う体裁なのですから。

さてその恋愛の展開法ですが、概ねごく大人しい部類の
BLアンソ…

1

貴様と俺 コミック

紺野キタ 

絶妙なおとぼけ

BLにありそうでない主題「リストラ」を描きながら
ここまでほのぼのした作風がまず狡い。
そして一歩間違えば内外ともに修羅場になりそうな関係を
描いていながらここまでほのぼのなのが更に狡い。
そして極めつけはタイトルで…この登場人物達から
どこをどうやれば『貴様』なんて絶妙な距離感を
持った言葉が零れだすのかと小一時間聴き質したくなる様な
狡さです。
同時収録作のタイトルが『貴様と俺…

9

坊主かわいや袈裟までいとし 1 コミック

本間アキラ 

おぅどぅのよぉでおぅどうでない、ハァベンベン

ふざけた様なレビューの題ですが、評者は至極真面目です。

坊主ものと言う分野は、読者作者とも意識するしないに
かかわらず純情・純粋である事即ち罪作りであると解釈され、
そこを如何に活かしながら清らかな人を俗と愛に染めて
ゆくのかが見せ所の一つであると心得られている様な
気が致します。
ところがこの作品は俗を貴ばず純情純粋と貴び、それを
軸にして恋の煩悶を見事に描いている。
罪作り…

4

アイスクリームライン(下) コミック

たし 

一瞬は煌めく

中学3年の時に出会って、高校2年の冬休みまでの
戸惑いを経て、高校3年の夏に恋愛を始めるまで。
少年だった二人の約半年を費やした想いの成長を
描いた完結巻となります。

少年達、いえ、青年達の恋愛譚と言うよりは
成長譚に限りなく近い物語ですね。
成長の為に想いが起爆剤になったんだから恋愛譚で
良いんじゃないの?と言う見方もありましょうが、
評者は想い云々には賛同できても恋愛かどう…

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