久江羽さんのレビュー一覧

猫のためいき。 小説

朝丘戻  井上ナヲ 

会話できることは、通じ合うこと

雑貨店店長・志郎とアルバイト店員・雅のなんだか不思議な恋の駆け引きのお話でした。

お互いよくしゃべるくせに、本心を言葉に表すのが非情にへたくそで、自分の気持ちは上手く伝えられないくせに、相手の気持ちを逆撫でるような暴言を吐いたり、そこに思いっきり突込みを入れたり・・・

過去の経験が彼らにそんな態度をとらせているらしいのですが、不器用ながらも志郎の本気が雅に伝わって、不思議な力関係にある…

2

いつかお姫様が 小説

久我有加  山中ヒコ 

二人で完結している世界

キレイ系王子様攻×オトメ系男前受の学園ラブと裏表紙にも書かれていますが、「かわいがりたい」男・市村×「かわいがられたい」男・佐山のお話でした。

あくまでも女性に対するがごとく佐山を守りエスコートしたがる市村。
佐山の方も、市村に大事にされるのを心地よく思っていて、こんな微妙な好みに合う相手なんて、そうそういないですよっていう感じの、割れ鍋に綴じ蓋カップルです。

2話目の【白雪王子】で…

0

言ノ葉ノ世界 小説

砂原糖子  三池ろむこ 

仮原くん、これからは真面目に働いてください

「言ノ葉ノ花」のスピンオフ作品です。
今度は生まれつき心の声が聞こえるばかりに心が荒んでずる賢く生きてきた男・仮原と、めちゃくちゃ真面目でバカ正直で純粋な男・藤野のお話です。

展開としては前作と変わらず、心の声が聞こえるばかりに苦悩する男と、心を知られてしまって戸惑う男というシチュエーションなのですが、今回のポイントは心の声を聞いても心地よいというところでしょうか。
仮原の荒んだ気持ちが…

0

1円の男 コミック

モンデンアキコ 

いい男がたくさんで嬉しい

【探し物はなんですか?】【1円の男】
眼鏡美人で後ろ向きで淫乱でツンデレなゲイの銀行員・政木と結構真面目でまさにワンコな私立探偵・三条のお話。
恋愛に不器用な政木と彼にほだされちゃった三条の、ある意味王道なお話でした。
しかし、トラブルの元凶、政木の元彼(?)恭一がなんだかいい子なんで、失恋しちゃったのが可愛そうでした。

【貸し借りなしで】【負けず嫌いもほどほどに】
大学時代からの友…

3

ぎこちないけど愛だろう コミック

深井結己 

どれも良作ですが、最後の短編だけでも読んでください

ここのところ麗人本誌をそこそこ読んでいるので、表題作は本誌で既に読んでいました。
でもやっぱり続けて読むとお話のながらが途切れないので、物語に入りやすいですね。

それぞれの心の傷を癒すのにちょうど良かったから、軽い気持ちで体の関係だけできてしまった喫茶店の店主と客(初めは行き倒れだったけど)のお話。
過去のトラウマから、それぞれが本気の恋に育てるのに臆病になりながらも、割り切れないでいる…

1

警視庁十三階にて 小説

春原いずみ  宮本佳野 

恋愛よりもお仕事がおもしろい

まだお話が広がりそうなキャラ設定だと思うので、萌ですが、大変好みでした。面白かった。

舞台は警視庁公安部外事課。
冷徹無比なアンドロイドと言われたキャリア組みの綾瀬尚登が、二階級降格で異動してきます。
どうやら彼の外見や性格、仕事ぶりに惚れこんだ係長の警視正・瑞木が自ら拾ってきたらしいのですが、このいきさつはさらっと流されていて詳しく語られていません。
ロシアのスパイと、彼に情報を流す…

5

ろくでなし 小説

中原一也  和鐵屋匠 

惣流家の面々もいいですが、相沢くんが好きだ!

ちょうど1年前に刊行された「あばずれ」のスピンオフ作品です。
あちらは惣流家の長男のお話でしたが、こちらは「うそつき」が次男「ろくでなし」が父親のお話になっています。

「あばずれ」の感想で最後の方に『始めのうちに退場なさってしまったヘタレの志垣獣医のその後と、最後の方で突然現れた一郎パパが拾ってきた習字男のことが大変気になります』と書いたのですが、まんま、彼らのお話が補完されている状態です…

2

なぜ彼らは恋をしたか 小説

秀香穂里  梨とりこ 

負けを認めたときの潔さ

実は途中までは中立もしくは萌の下かなと思いながら読んでいました。
なぜなら主人公の一人・緒方があまりにも鼻持ちならない嫌な奴に見えたからです。
自分の才能に自信を持ち、ポリシーに芯が通っているのはいいことですが、柔軟性があまりに不足しているなぁと思ったからです。
しかし、その割には堂島の誘いにしぶしぶながらも乗るし・・・
あれ、ちょっと改心しようと思ったのかな?と思えば、派手なしっぺ返しを…

3

イノセンス ~幼馴染み~ 小説

砂原糖子  陵クミコ 

私は好きです。

実は、こちらでちょっとした酷評を先に目にしていたので、こわごわ読み始めた部分があるのですが、そんな懸念は不要でした。

キャラ設定が特殊なので、もしかしたら只のお涙頂戴ものととられてしまう可能性もあるかと思いますが、私としては、睦に癒されている部分が多かったし、彼を取り囲む人たちの“結構いい人”なところにまた感動したりして、終わりよければ全てよしの気持ちいい読後感でした。

乃々山睦はいわ…

7

運命なのに最悪な教師 コミック

梶本潤 

本の作り方にちょっと疑問が・・・

表題作は、憧れの先生を追って教師になり、同じ学校に赴任した衿原先生の受難のお話です。
憧れと現実は大いに違って・・・っていう展開の、やや襲い受け気味なお話でした。これに限っていえば萌の下かな。
まだ続きそうな気配の短編で、未消化な部分があるからです。

【僕があなたに恋した瞬間】の方が、この本ではページを使っています。
前作「その男、ロクデナシ」のスピンオフです。
デザイン事務所の中で…

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