名作「言ノ葉ノ花」スピンオフ登場!!

言ノ葉ノ世界

kotonoha no sekai

言ノ葉ノ世界
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神37
  • 萌×222
  • 萌32
  • 中立6
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
23
得点
375
評価数
104
平均
3.7 / 5
神率
35.6%
著者
砂原糖子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
三池ろむこ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
言ノ葉ノ花
発売日
価格
¥560(税抜)  
ISBN
9784403522406

あらすじ

生まれつき人の心の声が聞ける仮原は、それを利用してずる賢く生きてきた。
ある日、車と接触してケガをする。その車に乗っていたのが大学准教授の藤野だった。
仮原が初めて出会った心の声と口で発する言葉が全く同じ人間。
まるで輪唱のように響く藤野の“声”と言葉を心地よく感じ、そんな自分に苛立った仮原は、
藤野がゲイであると知り、偽りで彼に「好きだ」と告げるが……。

表題作言ノ葉ノ世界

他人の“声”が聞こえる男・仮原眞也(25)
M大学理学部生物学科准教授・藤野幸孝(31)

その他の収録作品

  • 言ノ葉ノ世界
  • 言ノ葉ノ光
  • あとがき

レビュー投稿数23

信じたいと願えば願うほどなんだか切ない

(by宇多田ヒカルさん)…と、思わずにはいられない作品です。
もう、すっごく良かった~~~~~~~ですっ!!!!!
私は雑誌掲載分である前半を既に拝読していたのですが、こうして文庫化となると、一層一層より一層!!!!!大好きになりました。後半の書き下ろし 「言ノ葉ノ光」 で、何倍も仮原がいとおしくなりました…。

前半の雑誌掲載分では、仮原が砂原先生作品でも稀に見る?いやな奴だという印象を得ました。人の心の声が聞こえるということを悪用しているし、それを悪いとも思っていないし、自分よりも弱い人間を平気で詰れるような奴だったんですよね。
本音を言わないことであったり、手の内を明かさないことで成り立っているモノを平気で壊しにいくんです。コノヤロゥ…!!!! と思ってしまうくらいに人にチャチャを入れる奴だったのですが、藤野に出会い、藤野に恋をしてからの彼はほんっとうに可愛かった~ 。゚(゚´Д`゚)゚。

積極的に人の心に踏み入っていった頃とは反対に、藤野の心の声が怖くなってしまう。それはきっと、自分を愛していながらも自分の能力を受け入れてくれなかった母親に由来しているんですよね。
息をするみたいに心の声を読んでしまう仮原に、「うんざり」 しながらも 「ごめんなさい」 と思っていた母。それはどちらも本音だったし、だからこそ仮原も母を恨みきれないのだと思います。でも藤野は仮原の母親ではない他人だから、「うんざり」 したらそれっきりになってしまうんですよね。
仮原の能力を知った藤野が、必ずしもそれを良しとは思っていないらしいのは前半の方で分かっている。だから仮原は、なんとかして心の声が聞こえなくならないかと考え出すのだと思いました。

藤野に嫌われたくないから…という理由で能力を失いたいと思う仮原の気持ち、とても素敵でした。
でも、もしほんとうに聞こえなくなったら…仮原はきっと余村よりも参ってしまうのではないでしょうか。余村(前作「言ノ葉ノ花」の主人公)は大人になってから聞こえ、また聞こえなくもなりましたが、彼は先天的なんですよね。生まれてからずっとそうであったものがきゅうにそうでなくなったら、たぶんもう “自分” ではなくなってしまうんじゃないかな。
藤野のことを好きになったのは 「心の声が聞こえる自分」 だし、藤野が好きになった相手も同じです。だから、彼は、子供のころから迷子みたいに彷徨っている自分自身を受止めてあげるべきなのだ…と、拝読中にとても感じていました。

結果、仮原の願いはやはり叶わずに終わるので良かったです。
自己主張をあまりしない藤野が、はっきりと仮原を認めているのだと示してくれる場面が素晴らしかった。前半からは考えられないくらい、すっごく強くなっていたなと思います。
替わりに仮原は、お話が進むにつれてどんどん弱くなっている気がします。周りの人間に散々幻滅していながらも、仮原が一番信じられなかったのは自分自身だったのだと思いました。本気で人と関わりあいたいと思ったとき、ほんとうは心の声が聞こえるなんて無意味…あるいはマイナスの要素なのだと知ってしまってから、仮原は可哀相なくらいに迷っていました。
心の声はいつまでたっても聞こえるし、藤野とどれだけ繋がっていられるか分からないし…、他人の心の声が聞こえるからこそ、一人だけで完結させてしまおうとしているのかな、と感じました。

仮原ってほんとうにほんとうに寂し男…というか、寂しんぼだったんだなぁと思います。相手から言葉による反応が返ってくる前に諦めてしまう…、心の声が聞こえるってそういうことなんですよね。仮原はそうして総てを諦めてしまう前に藤野の差し出した手を掴んだわけですが、もしそれを突っぱねてしまったら……、その未来が 「アキムラ」 なのだと思いました。
砂原先生曰く 「余村ではないが限りなく彼である存在」 だそうですが、余村も、あのとき修一が掴んだ腕を振り払ってしまっていたらアキムラになっていたんですよ、きっと。

心の声が聞こえるという能力に意味を与えるとしたら、私は 「人を信じる強さを学ぶ」 ためだと思います。
それを学べた人だけが独りぼっちではなくなるのだと思います。
アキムラも…、最後には強くなれたのでしょうか。

9

伊吹亜弓

茶鬼さん☆

はぅっ
ちるちるさんに投稿するコメントは、だいたい後になって恥ずかしくなるテンションなのですが…今回も例外なく愕然としております… orz
恥ずかしいテンションのコメ、大変しつれいしました…っ(ナイアガラの汗
そして茶鬼さんにいただいたコメで更にパトスが…!
そう、そうなんです! 「信じること」 なんですよねっっ
良い作品て、ほんとうはレビュという描写を超えるものだと思います。
もう…、いまだに茶鬼さんのレビュのタイトルを見つめていると涙が出ます。
おかしいくらいインスパイアされました。
素敵レビュありがとうございます!!

茶鬼

伊吹亜弓さま

激しいパトスのほとばしり、波動になって伝わってまいりましたぁぁぁぁ~!
もうすでに、多数の方がレビュされていたので、簡潔にと思ったら、
たった一言「信じること」という言葉しか出てこなかった(大汗)
まさか1行で済ますわけにいかず苦労したという裏話、、
ありがとうございましたっ☆

流れに逆らってみた(´・ω・)ノヨシヨシ

はーい(--;)ノ
私は、前作『言ノ葉ノ花』よりもコッチのほうが好きですо(ж>▽<)y ☆

なんたって、攻め受けともに性格がいいb

攻めは「心の声が聞こえる」という自分の力を使って独り者の老人をだまし、金を稼いでる……というのですが、どうみても偽悪者にしか見えない。
さりげなくおばあさんの落し物を拾ってあげたりだとか、どう見てもいいやつだろ!
受けは、完璧ないい奴☆
心の声と実際の声が同じって言は、裏表が無いってこと。人を疑わないし、なにしても怒らないし、お人よしだし。確かに、偽善者っぽい。でも、偽善者じゃないってことが攻めには分かる(もちろん読者にも分かる)。そこがいいんだなぁ~(*^^*)
とにかく、二人とも性格がいいんだ!!

それと、「心の声が聞こえる」ってゆう設定が最後まで生かしてあるのも良かった!

前作だと、途中でなくなっちゃうし。まぁこういう設定の話にありがちなパターンだったけど……力が無くなった後の葛藤とか。
でも、私としてはもっと「心の声が聞こえる」っていう設定を生かして欲しかった!!
前作では、恋に落ちるきっかけってことぐらいにしか印象に残らなかったし。

でも今作では力はずーーーっと消えない☆
どころか、ずーーーっと心の声が聞こえてる!!もうそれだけで「神」決定だし♪
タイトルに「言ノ葉」ってつけるくらいなんだから、生かさなきゃもったいない(>_<)
力を受け入れながら、どうやって折り合いをつけていくのか……っていう過程を見るのが楽しかった!ってか切なかった~(;д;)

そりて、攻めが受けにすがり付くっていう画もいい!ポイント高い☆


あと、皆様もいっている「アキムラ」ね。
「アキムラカズヨ」って聞いたとき、「えっ?もしかして余村?なに?なにがあったの?」と混乱しましたが、何となくパラレルかなぁと途中で思ってはいました(願望だったかも)。
私的には、この「アキムラ」の存在も含めて「神」評価です。
彼の存在と、彼の恋……「あったかもしれない」余村のもう一つの人生を思わせる切ないストーリーはプラスポイントでしたо(ж>▽<)y ☆

5

私、好きです

 雑誌で読んだのにね、また買っちゃった。

 2回目だから、泣きはしなかったけど(1回目は泣いてしまった)、やっぱり好きかな。

 心の声が聞こえようが聞こえまいが、ひととのコミュニケーションは難しいよね。人と人とは完全に分かりあえることはないけど、だからこそ切なさと喜びがあるんじゃないかな~~~なんて思ってしまった。

 私、この方の書く小説が大好きなのですが、好きな要素が庶民的なところ! 設定は変わってるのに、雑貨屋のボロさとか、攻めのダメっぽさとか(ほんとは優しいんだろうけど)、リアルなところが好き。逆にお金持ちの社長(すごいダメなところがあると萌えるけど)とかアラブの石油王とかは興味のない人間なので、私と同じような嗜好の人にはいいかも?

 それにしても、前の「言丿葉丿花」でも思ったけど、心の声が聞こえると……エロいよね!!!!
 

3

エピローグに涙腺崩壊

やられた、エピローグに全部持っていかれた( ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )
本作の攻めは悪い奴でしたねー
ラストまであまり好きになれなかった。
ただ、心の『声』が聞こえるということは、人を孤独にさせるんでしょうね。

心の声と実際の声に差がない藤野。
仮原は藤野の『声』を輪唱みたいだと表現したけど、気持ちと言葉に齟齬がない人間て奇跡だと思う。
とても素直で正直だということ。
だからこそ仮原は惹かれたのでしょう。

お年寄りに擦り寄って騙し、人を見下し、何も期待しない男。
そんな仮原が初めての恋を知り、藤野に必死に追いすがる。
突き放しては追いかけて、また突き放しては縋り……この繰り返し。
もどかしくて苛つくし、馬鹿な男だとも思いました。
それでも憎みきれないのは、生まれた時から『声』が聞こえる仮原が孤独で寂しいから。
心のどこかで幸せになってほしいと思ってしまうから。

このシリーズで砂原先生が言いたいことは、『声』が聞こえる人の苦しみじゃなく、『言葉』で伝えることの大切さなんだと思うのです。
言葉を以て、信じる気持ちを以って、人は心を通じ合わせるのですよね。
とても素敵なメッセージだなと思いました。

そして何より私の心を揺さぶったのが、アキムラとシュウ。
二人の再会に涙が止まらなかった。
仮原ありがとう。藤野(の学生さん)ありがとう。
二人を会わせてくれてありがとう。

0

「言ノ葉ノ花」とセットで

◾︎仮原×藤野
「言ノ葉ノ花」と「相手の心がわかる登場人物が出てくる」というところだけ共通した別のCPです。こちらだけ読んでも話はわかるけれど、前作を読んでいた方が良いところが一点あり、その一点が人によってはものすごく重要だったりします。セットで読んだからこその良さ。

ゲイバー行った後のエッチシーン、藤野のお尻にすんなり指がはいるのは、やっぱりゲイバーいくから綺麗にしてきたからなのかしらと思うとエロいですね。
「言ノ葉ノ花」でも割とスルッと入っていたので、ファンタジーお尻ってだけな気もするけど、そう捉えると自分は嬉しいからそう思っておこう笑

こちらも「言ノ葉ノ花」と同じく、いつの間にか仮原の方が藤野へ縋りたくなるほど好きになっている。大好きな展開再び。余村と違って普段強がっていた分、また長谷部と違って藤野が明確に仮原を突き放した分、絶望が凄まじいです。彼は"アキムラカズヨ"にならずに済んだ…

10年ぶりぐらいで読み返してるので、すっかり忘れてましたこの恐怖を。"アキムラカズヨ"が"余村和明"のアナグラムなの、震えるほど怖い。あとがきでも語られてますが、「言ノ葉ノ花」も恐ろしいものに思えてくる。彼が、家もなく女子高生を唆し土下座をする世界が確かに存在するんですよ。仮原と藤野の幸せな世界の存在を肯定することは即ち"アキムラカズヨ"の悲劇を肯定することになる辛さ。この発想が砂原先生にあると言う事実が恐ろしい。一方エピローグがあるところも砂原先生らしい。

萌2〜神

0

スピンオフ‼ ここまでくると哲学書のようなBL作品を読んでる感じ‼

「言ノ葉ノ花」のスピンオフという事で、どんな絡みをみせてくれるのか、読むまでとても楽しみでした。

内容は、他人の心の声が聞ける仮原×生真面目で裏表のない大学准教授・藤野の年下攻めのお話。

前作とは、設定は全て真逆。
仮原は年下攻めは一緒ですけど、先天的に心の声が聞こえていたという設定。
先天的に声が聞こえてきたということもあり、それが仮原には普通の事だったので、余村とは違って、人を信じきれない気持が根強くて、反対に、心を聞かないでいることができたり、聞こえる事を利用して悪事を働いていたりと、結構厄介な人物でした。
性格がひねくれてしまったのも仕方がない事なんですけど、人を信じる事には、凄く臆病な繊細な人でした。

そんな仮原には、藤村という存在は怖くもあり、大切な存在になっていくんです。
藤村は、とても真面目で、何事に対しても善意に受け止める優しいん人。
そして、今まで出会ったことのない、裏も表も全く一緒の人でした。
私は文中の、藤野の仮説の考え方が好きです。
「元々人間に心の声を聞く力があったけれど退化した」
こういう考え方は面白いと思ったし、実際にはあり得ることではないんですけど、藤村という存在が言うことによって、作品に上手く絡めている所が好きでした。

ここからは思い切りネタバレになるので、すみません。

読み始めて、スピンオフでも、あ〜登場人物は関係ないんだなあと思いながら読んでいたら…仮原に絡んでくる人物が、どう考えても余村にそっくり!
え〜あの2人のその後はこんな事になっていたのか‼…と、結局、長谷部を信じ切れなかったからなの…と哀しくて、不安な気持で一杯になりながら読んでしまいました。

「言ノ葉ノ花」のお話がお気に入りだった分、主役2人たちより、こっちの2人の方が気になってしまいました(笑)
そして、せつないハッピーエンドなエピローグ‼
再会し、今度こそ離れそうにない、2人の信じ合う心は絶対だと思わせる終わり方は良かったですし、やっと安心みたいな感じでした…

ところが、あとがきを読んで「パラレル」だったことが発覚‼ そんな作家さんのもくろみがあったとは驚きでした!
でも、パラレルなんだけど、本当は余村のお話だったのではないかと思わせる作りなんです。
上手くは説明しにくいんですけど、仮原を絡めた事に最大の意味があったのではと…。
ま〜パラレルと描かれているので、もしかしたら前作の2人もこうなっていたかも?という仮説で読むと、違う意味では面白い作りだったと思います。
砂原マジックでした。
色んな意味でグルグル考えながら読めてしまう、この作品は哲学書を読んでいる感じさえしました。

BLなのでエロもしっかり、萌もあります。
今回は、心の声が聞こえる攻だったので、言葉攻めにニヤニヤ萌えれましたし、Hの時の藤村の心の声は、真逆なので快楽に溺れていく声は可愛くて、エロ増で美味しく読ませて頂きました。

この作品も、根底のテーマは変わりません。
そこは前作と一緒で、「言葉の大切さ、人を信じる強さ•大切さ」が伝わってくる作品だったと思います。

突然、心の声が聞こえて、幸せになった途端聞こえなくなってしまう余村と、物心ついた時から心の声が聞こえていて、これからも心の声付き合っていかなければならない仮原。
本当に奥深いお話になっていて、バラバラに読んでも分かるつくりになっていても、二冊読んで一作品なんだなあと思わざるおえませんでした。

ただ、前作に比べてしまうと、心揺さぶられる物は少なかったかなあと思い、少し評価が低めになってしまいました。

砂原糖子先生‼
これからも目が離せない作家さんだと思いました。
オススメしたいと思います。

5

冷徹で傲慢な顔の裏に隠した、臆病な素顔

今回の『言ノ葉』ワールドは、他人の声が聞こえる男・仮原と、心の声と生身の声が全く同じ男・藤野のお話です。
前作『言ノ葉ノ花』は、ウジウジすぎる主人公(受)がちょっと苦手だったんですが(攻が不憫すぎて)
今回の主人公は、もう見事に捻くれまくっていて、それが逆に気持ちいいくらいでした。

主人公・仮原は、他人の心の声が聞こえるのをいいことに、孤独な老人に近づき信用させ、その財産を奪う…ということを生業にしている(自称)。
そして現在も、病院で親しくなった老婆の雑貨屋兼住居であるビルを引き継ぎ、そこで暮らしている。
他人の声が聞こえるということを最大限に利用しつつも、その能力を嫌っていた仮原は、ある日“心の声”と“生身の声”が全く同じ男・藤野と出会い――
仮原は心の声が聞こえる自分を卑下しながら生きていました。
他人の声を聞き、利用する自分を最低だと罵りつつも、本当はそんなことがしたかったわけじゃなかったと思います。
幼いころ、自分の能力のせいで家庭を崩壊させてしまった仮原。
そんな昔から、自分の能力を呪いながら生きてきたんだと思います。
口から発せられる言葉とは裏腹のことを発する心の声。
そんなものが四六時中聞こえてくることに、うんざりしきっていました。
そんな仮原の前に現れた、表と裏が全く同じ男・藤野。
そんな人間は初めてで、彼のことが気になる仮原。
藤野がゲイだと知った瞬間、彼に近づき、恋人のような関係になるのですが…

他人の心の声が聞こえると藤野にカミングアウトした後の仮原は、ものすごく痛々しかったです。
今までは散々利用してきた心の声ですが、自分への疑いや戸惑いを藤野の心の声として聞いた時にはとても傷つきました。
また、藤野に「自分の心の声を聞いているのではないか」と疑われるのが怖くて(実際仮原は心の声を聞かないでいるのができないのですが)
頑張って聞かないように上の空でいてみたり。
心の声が聞こえることによる苦しみや、それによる仮原の傷ついた思いが、
これでもかと書かれていて、中盤は本当につらい展開です。
普段私たちが暮らしている中で「心の声が聞こえたらいいのに…」と感じる時もしばしばあると思います。
でもやっぱり、聞こえて嬉しいのはプラスの感情ばかりであり
結局人が心で感じているのはマイナスの感情が多いのかもしれませんよね。
そう思うと、心の声なんて聞こえないのが一番ですよね…。
この能力については前作でも余村が苦しんでいたのですが、仮原と藤野なら、
なんか上手いことやっていきそうな気もします。
もともと表裏のない藤野ですし、そんな仮原の能力を「便利だ」なんて思っちゃう彼ですし。
きっと恥ずかしい台詞はいっぱい仮原に聞かれちゃうとは思いますが、
聞かれてはまずい台詞は藤野はそんなにしないはずです。

今回はこの仮原という男の、強気で傲慢な態度でありながらも、実は繊細で優しくて、自分の能力を一番呪っている男…という
なんとも不器用でバカな男がとっても魅力的でした。
精一杯悪ぶっているけれど、藤野にすがりつき涙をこぼすシーンでは、
本当の仮原という男が見えた気がしました。
また、一人ぼっちの老人を騙している…と自分を卑下する彼ですが
その老人たちが、仮原と一緒に過ごした時間をとても幸せだと思ってくれたなら
“騙している”とは思えないんです。
探し物をしている老婆を助けるシーンも、老婆が見づらいだろうと無意識にライトをつけてあげるシーンも
それは全部、仮原の“優しさ”だと思いました。
老婆も、また藤野も言っていますが、本当は仮原は誰よりも優しい男なんでしょう。
優しいからこそ、他人を傷つけないように、自分のこの能力を憎んでいるのかもしれませんね。
そんな凸凹な仮原が、ラストには本当に愛しく感じるようになりました。
藤野のような嘘をつかない、ストレートに仮原を思ってくれる男が、彼をいやしてくれるといいですね。

またこの作中には前作の余村を彷彿とさせる人物が登場するのですが…
これについては砂原先生があとがきで、“限りなく余村のつもりだけど、パラレルワールドなので別人”とおっしゃられていました。
きっと読みながら心配した人も多いはず。
しかしこの人物が作中でわりと大きな役割を担っているんですよね…。
最後までこの人にもドキドキさせられっぱなしでした。

今回も痛くて切ない「言ノ葉」ワールド。
それでも恋をするのを止められないピュアな男どもに萌え萌えしてしまいました。
主役二人に関しては前作より大好きです。
そしてエロかったです、とっても。
なんといっても受がエロエロ~!!!
三池ろむこ先生のイラストもエロエロ~!!
是非是非、その目でお確かめください(笑)

今作もドラマCD化決定ということで、私の中では早くも鳥原浩輔さん×野島健児さんで展開しているのですが、どうでしょう?ww

4

信じる事が一番なんだな

心の声が聞こえてしまうという設定の2作目。
自分的には、前作はひきずらないように、別物として読むことができました。

前作は、後天的に声が聞こえるようになった余村がヘタレて悩んで後ろ向きになって、という感じの能力への対応でしたが、
今回の主人公・仮原は、先天的能力で、それのせいでひねくれて能力を憎んで恨んで、人を信じることを出来ない、とってもかわいそうな人だった気がします。
そんな彼が出会ったのが、裏表のないゲイの藤野。
二人とも、寂しかったんだよなと思いました。
素直な声を聞かせてくれる藤野に居心地の良さを感じる仮原と、つまらない話でも聞いてくれて、自分を思いやってくれるような言葉をくれる姿に最初はどうであれ、惹かれて行く藤野。
でも、仮原のひねくれ根性が、怖いと思う気持ちがひねくれた態度をとらせてしまう。
どうしようもない仮原の姿はみじめでした。
本音が聞こえるのって、本当に怖いと思います。
それがネガティブなものなら余計に落ち、ポジティブなら引き上げられ、上辺だけでなく心底からの声だから、傷つき方は上辺の声より徹底的に打ちのめされるのですよね。
お互いを信じあえること、それが心の声云々より、一番大事なことなんだよなと思わせました。

作中に占い師なるホームレス男性が出てきて、それが、、というパラレル裏設定だったそうですが、自分的にはまったく別人として捕えることができました。
逆にそんなにおわす登場の必要はあったのか、もう一人の設定というのは必要だったのかどうか、そこが疑問には思いました。

3

伊吹亜弓

ぅああああああ茶鬼さんんん!!!!!!!
私が思うことをこんなに簡潔にまとめてくださって…ありがとうございます!(意味不明
もう茶鬼さんのこのレビュのタイトルにグッときすぎて「そうなんだよようなんだよ、わぁああああ!」となって、それにあとちょっとでこの作品がランキンの1位になることもあって、自分のブログからほぼテンプレで私もレビュあげちゃいました! ←

茶鬼さんのレビュを拝読してまた涙が出てきちゃったんですけれど…えっと…なんで役に立ったボタンには神とかないんでしょうか?(大丈夫ですか
すみませんパトスのみでこの文章打っています、スルーしてください…!

言ノ葉シリーズ2作目

まるごと一冊がひとつのストーリー入り。

「言ノ葉シリーズ」の2作目。
ですが、1作目を読んでいないと全く意味が解らないという事ではありません。
作家さんも、スピンオフとおっしゃっていて、これだけ読んでもOKですね。

こちらの作品にも、前の作品にもそうですが、
全身が「善」で出来ているような人が出てきます。
こんな人、世の中にいるんだろうか?と思いながら読んでました。
でもそれって・・・自分が「悪」まみれだからなんだろうな(笑)

こちらの作品は、前作より甘さがちょっと抑え目な気がしました。
なので、割とサラッと読めました。

3

愛とは信じる事

「言ノ葉」シリーズ2作目。
といっても続編ではなく、全く違うCPのストーリーです。
設定は同じで、「声」が聞こえる人間と、聞こえない普通の人間が出会い、惹かれて求め合うのだけれど、能力につまずいてギクシャクし、また許しあう……というような展開です。
今回は攻めの方が「能力者」しかも生まれつき「聞こえる」人間です。そして、受けがゲイという設定。
ノンケの攻めが、受けに興味を持つきっかけは、心の声と言葉に出す声が一致していた事。その「声」はまるでカノンのような美しい輪唱に聞こえる。
攻めは前作「言ノ葉ノ花」の余村と違い、能力を受け入れて、自称孤独な老人を言いくるめてる、でも実際は困っているところを察して手助けしたり。根は優しいんでしょうね。根は「犬」なんですよ。時に甘噛み加減がわからないおバカわんこ。
展開は、本気になった攻めが受けに嫉妬したり乱暴にしたり、それで嫌われたらどうしようみたいなモダモダがあり、結局は心の声が聞こえようが聞こえまいが、言葉に出した気持ちを信じ合う事でしか愛は深まらない、というところに着地します。
本作では謎の占い師が登場しますが、この人の存在は必要だったかなぁ?名前も某人物のアナグラムだし、経歴が思わせぶりで、しかしあとがきにて作者様が「別人です」と仰ってるので、その辺が私個人のモヤモヤポイントでした。

3

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