Mさんのレビュー一覧

夜情にゆだねて 小説

秀香穂里  ヤマダサクラコ 

疲れて逃げてきて

 大手出版社の編集者である篠原遼路は、急遽不本意ながら故郷の金沢へ戻った。
 遼路の実家は老舗の旅館で、あとをつぐものだと思われていた遼路の兄が男の教え子と失踪し、父が倒れたため、期間限定で手伝うために帰ってきたのだ。
 母親には休職したと嘘をついたけれど、実は東京でのゴタゴタに疲れた遼路は、職場に辞表を出した上での帰郷であった。
 さりとて、本当に旅館を継ぐ意思もなく、父が元気になれば、ま…

1

こどもの瞳 小説

木原音瀬  街子マドカ 

ものすごく不完全燃焼

 妻を病気で亡くしてから、二年。
 柏原岬は、小学生である自分の子どもと、二人で慎ましく生活をしていた。
 高卒で自動車工場に勤める岬は、収入は少ないけれど、仕事の仲間に恵まれ、何とか生活をしていた。
 そんな岬の元に、突然、生き別れになっていた兄・仁の会社の人間が現れた。
 彼らは、兄が記憶喪失になったと言い、岬の名前を呼んでいるので会いに来て欲しいと言うが、二年前、病気の妻に手術を受け…

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いけにえの華族 小説

バーバラ片桐  門地かおり 

調教モノです。

 華族の令息であった真城光亨は、軍人である南三条久嗣に買われた。それも、性奴として。
 衣服を奪われ、まとうことを許されたのは緋襦袢のみ。体奥に淫具入れられたまま縛られ、男を悦ばす身体に調教される。
 そんな屈辱的な扱いに、光亨はひどくプライド傷つけられ、決して屈しまいとする。
 けれど、責め嬲られた後、久嗣から与えられる優しい口付けに、光亨の心は揺れる。
 光亨を責めながらも決して最後ま…

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札幌の休日3(文庫版) 小説

桜木知沙子  北沢きょう 

成長物語

 芦谷と言い争いになり、まるで傷つけるためだけのように口付けられた皇。
 そのキスに絶望した皇は、自分に告白してくれた奈里子と付き合い始める。
 しかし、皇は決して奈里子を大切にしているとは言い難い行動を取り、芦谷はもちろん、サークルの仲間とも距離をおくようになり、皇の生活は荒み始める。
 そんなさなか、皇は姉の婚約者との顔合わせのため、実家に帰ることになる。
 皇の唯一の理解者であった…

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リロード 小説

いおかいつき  國沢智 

これから逆はあるのか?

 河東一馬は、警視庁に勤める検挙率No.1刑事。
 しかし、その無鉄砲な捜査方法は、大きなマイナスにもなっていた。
 その一馬が、科学技術研究所に顔を出すと、見慣れぬ男が一人。
 本日付けで配属となったその男は、名前を神宮聡志と言い、クールな上に優秀な研究者だというが、配属早々、一馬に向かってきつい皮肉をぶつけてくる。
 その後も二人は度々顔を合わせるが、度々ぶつかってしまう関係になる。

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夏にはじまる恋人時間 小説

いおかいつき  佐々成美 

いなくなった恋人との再会

 遺品整理屋の若松義祥が請け負ったのは、たった1人で身寄りもなくアパートで生活していた老人の遺品整理。
 死後、部屋に貼られていた身内と思しき連絡先に連絡を取ってみるも、連れなく遺品も何もいらない。すべて捨ててくれ、との返事。
 義祥の職場では、トラブル防止のためにも、遺品を整理する時には身内にいてもらうこと、になっている。
 そのため、何とか身内である息子を説得しようと名古屋まで出向くこと…

2
非BL作品

龍は麾く 四龍島シリーズ 小説

真堂樹  浅見侑 

ここまできたなら最後まで

 ついに月亮が、白龍を攻めるための人手を集め始めた。
 黒龍全体が不穏な空気に包まれ、黒龍市民の中にも、月亮のやり方を疑問視するものも現れつつあった。
 飛は、何とかこの争いを納めようと、雷英の手引きにより、黒党羽の根城に忍び込み、現状に不満を抱く若い党羽たちに協力を求めた。
 だが、その時、雷英が、飛こそが月亮の嫡子であると、明かしてしまう。
 はからずも次期『黒龍』の名を背負うことにな…

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恋が始まるケモノ耳 小説

髙月まつり  サマミヤアカザ 

とりあえずケモノ耳!

 世界中で猛威を振るう「ミミ・インフルエンザ」。
 普通のインフルエンザよりは症状は軽いものの、かかると何と耳が生えてしまうのだ。
 生えてくる耳は、うさ耳、猫耳・熊耳と様々だが、子どもや女性が生えるのならまだしも、男性が生えてしまうと一大事。
 かっこ悪くて外を歩くこともままならないし、感染症なので移されることを恐れた人には避けられる。
 そんなミミ・インフルエンザに罹患したのは山下朔。…

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琥珀色の誘惑 小説

義月粧子  奈良千春 

シンデレラ要素?

 過去23年間、地味でずっと冴えない人生を送ってきた圭司。
 そんな圭司を過去最悪の事態が襲った。
 勤めていた会社を突然、リストラされた上に、アパートが火事になってしまい、家まで失ってしまったのだった。
 頼れる実家もなく、友人もいない圭司は、行く宛てもなく途方に暮れてしまう。
 ついつい酒に逃げ、酔いつぶれた圭司が目覚めたのは、とあるバーであった。
 そのバーは、雰囲気もよく落ち着い…

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獅子の系譜 小説

遠野春日  夏河シオリ 

まさかの前後編

 蘇芳は、巨大財閥を牽引する貴公子。
 幼少の頃から、帝王学を学ばされ、会社を引き継ぐために育てられたが、その分、周囲にも自分自身ではなくバックの会社を見られ利用しようとされることも多かった。
 そのため、蘇芳は誰にも利用されまいと人嫌いで通すようになっていた。
 そして、元々の蘇芳の見た目の美しさとあいまって、ついたあだ名が氷の貴公子。
 誰しもが近寄りがたく感じるはずの蘇芳に、ある日突…

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