むつこさんのレビュー一覧

犬ほど素敵な商売はない 小説

榎田尤利  志水ゆき 

傑作発見

調教モノかと思ったら、ぜんぜん違いました。
最初はお金のために犬のふりをしているだけの主人公が、だんだん「犬でありたい」と思うようになる。
そう思うようになるまでの展開が自然で、共感してしまった。私も犬になりたい。普通は共感しないです、榎田さんの描写力に感服しました。
嵐のなか、外に繋がれたまま、簡単に逃げられるのに逃げない。飼い主のほうは、もういいから俺から逃げろって言ってたんですよね。でも逃げ…

6

熱情 小説

ごとうしのぶ  高久尚子 

超面白かった

ごとうしのぶ作品のなかで一番好きになった。オモロー!
教師(志摩)と生徒(光)の恋です。
光は志摩に片思い。ある日、思いあまって志摩をレイプしてしまう。
志摩先生は、「卒業までの期間限定で恋人ごっこしてやるよ」と。
卒業まで光は何度も何度も志摩を抱くんだけど、志摩の心がまったく見えない。
レイプから始まる恋ってよくあるけど、ごとうしのぶさんは意外な結末を用意してくれてて、そういうことか!って感じで…

4

楽園建造計画 2 小説

高遠琉加  依田沙江美 

胸が震えた

なんだろうこの喪失感は。ページを閉じたとき、胸に穴が空いてる気がした。
二巻は一巻よりも過去の話です。一巻より格段に面白かった。
アパートのメンツは同じです。
主人公は響川。
借金を抱えて、自分をいじめるように無茶苦茶に働いてる。それを志田が助けようとする。
この二巻のラスト、志田の悔しさに共鳴して、思わず泣いた。絞り出すような志田のセリフのひとつひとつに、しびれた。
切ないです。
あ、あと、峰岸…

2

楽園建造計画 3 小説

高遠琉加  依田沙江美 

号泣のツボ

高遠さん、私をどんだけ号泣させたら気が済むんですか。
ツボに入りました。読みながらお酒も飲んでましたがw
ボロアパート物語の第三巻目です。
前半は響川が主人公、後半は高穂が主人公。
前半部分で私、最初の数ページ目から泣きはじめ、それからずーーっとずーーっと泣いてた。
切なくて泣いて。痛くて泣いて。幸せなシーンでは不気味な笑みを浮かべながら「よかった…」と泣いてた。
志田、最高だよあんたは。
不器用…

2

午前五時のシンデレラ 小説

いつき朔夜  北畠あけ乃 

ああああヤバイ

また私のツボをピンポイントで刺激する作家さんに出会ってしまいました。
パチンコ大嫌いな私は最初、「えー、パチンコ屋が舞台ぃぃ?しかも釘師って…ケッ。九州弁かいな。方言萌えもないしなァ…」な気分で読みはじめました。
途中から、釘師最高!九州弁萌え!です。ヤラレタ…orz
あと、セックスの場面は今まで読んだ小説のなかで一番好きだった。
攻めが無駄に長い羞恥プレイ系のセリフを吐かないところと、受けがアン…

4

七日間の囚人 小説

夜光花  あそう瑞穂 

面白かった…

今まで読んだ監禁モノのなかで、一番好きかも。登場人物はほぼ二人です。
目覚めると、全裸で手錠に繋がれてる要と亮二。
犯人は二人が働くカフェのオーナーだというのは分かったが、なんの目的でしたのか、まったく分からない。
亮二は要を好きなんですが、要は亮二を嫌いなんです。
この状況を打破するために、二人で協力しなきゃいけない。
閉ざされた二人きりの空間のなかで、要は狂いそうになる。でも、亮二の優しさに触…

4

バカな犬ほど可愛くて 小説

英田サキ  麻生海 

年下ワンコ攻め最高

話は王道まっしぐらって感じでした。
意外性はないんだけど、ツボというツボを必ず押してくれながら進むストーリー展開に、ニヤニヤしたり、切なくなったりしながら読みました。
英田サキさんは上手いなァ。なんでこんなに私のツボを知ってるのかしら。不思議。
年下の駄目ワンコな攻めくんは、めちゃくちゃ可愛かったです。
ほっこり幸せ気分になれた。素敵な物語をありがとうございました。

4

楽園建造計画 4 小説

高遠琉加  依田沙江美 

楽園とは何だろう

独特の空気感です。
高遠さんスゴイっす。
なにげない風景、なにげない会話、自分でも分からない曖昧な気持ち、そういうものをひたすら塗り重ねるようにして、物語が作り上げられていた。
空気感に酔った。
んで、やっぱり泣いた。
胸の奥にある大事な場所にそっと触れられてるような感覚が、たまらなかった。
ジリジリするような、ヒリヒリするような、三木と蝶野の恋だ。
高遠さんは与えてくれないのだ。そして、それが必…

3

幼馴染み 1983-2004 小説

吉原理恵子 

原点?

20年前の作品らしいですが──古さは感じなかった。
明と克美の恋です。
幼馴染み、下克上、ヤンチャ受け、クール攻め、好きすぎるあまりレイプしてしまうところから始まる恋、ツンデレ、などなど、萌え要素がガッツリ入ってて(当時はその手の用語はなかった、よね?)、本当に面白かった。
嫉妬のあまり怖くなる、っていうか頭おかしくなる攻め、大好きだー。明くん好き。自分の幼馴染みには要らんけどw

2

今宵、雲の上のキッチンで 小説

ひちわゆか  紺野けい子 

いい話でした

ひちわゆかさんの人気の秘密がやっと分かった気がした一冊がこれでした。
毒舌受けと不器用なヘタレ攻め。とくにヘタレ攻めが魅力たっぷりです。可愛くてクラクラしました。
お互いにゲイで、お互いに初対面から惹かれてて、なのに上手くいかないのはお互いに口が悪いから。
言ってはいけない発言を繰り返しては落ち込む二人が可愛くて微笑ましくて切なかった。
でも顔を隠してたら素直になれる。
とあるきっかけで、顔を隠し…

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