雀影さんのレビュー一覧

さいはての庭 小説

千地イチ  伊東七つ生 

家にはヤモリ、池にはイモリ

鎌倉を舞台にした、人魚との恋を描いたミステリアス・サスペンス。




嘘です。
嘘ではないけど、ネタバレです。
かつて一度だけ訪れたことのある、憧れの作家が住まう鎌倉の屋敷。
自分の人生を終わらせてしまおうと、その前に、最後にもう一度思い出の屋敷を確かめたいと思っていた荘介だったが、ひょんな事から思いもかけず、その屋敷で家政夫生活をすることになって…。
さいはての庭で、今までた…

0

破滅の恋~meu amour~ 小説

華藤えれな  緒田涼歌 

レイナルドの不在

マフィアでファドのドラマティックラブ。
どこか鄙びた、ポルトガルの首都リスボンを舞台に、日本人音楽留学生と、ポルトガルマフィアの幹部の運命の交錯、性格も国籍も育ちも違う二人の情熱的な愛のもつれあい。裏テーマはメランコリックラテンだそうで、2段組でびっしりたっぷりの1冊。
分量はたっぷりだし、主人公叶多が辿り味わう諸々は、どっぷりディープで非常に盛りだくさんではあるのだけど、なんだか読後の印象が…

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白の純真 Prince of Silva 小説

岩本薫  蓮川愛 

まあ、シーツはしょうがないよね

ガブリエルの真の目的に見当を付けた蓮とヴィクトールは、ガブリエルの先手を打とうと密林へと謎の植物ブルシャの探査に向かうのですが、留守中に屋敷で起きた事件のため探査を一旦あきらめて戻ることになります。
今回タイトルの白は、蓮の交際相手として縁談が持ち上がるカストロネベス家の令嬢ルシアナを象徴する色。
蓮もヴィクトールも、お互いへの恋情で目が曇っているので、まんまと付け入られてしまいます。
最終…

3

ギヴン 3 コミック

キヅナツキ 

描き下ろし4コマが楽しい

ようやくBLコミックらしくなってきた第3巻。
高校生組の、この、ジレジレ、モダモダ感は大好物だし、年齢差のあるバンド設定も大好物なので、これだけでも、ずっとじっくり追いかけていられる。
とはいえ、やはりもうちょっと、色っぽいナニかも欲しかったりして、でも、高校生組は、このままゆっくりがいいなぁと思っていたら、、、
大学生組に絡んで登場の新キャラ雨月が、非常においしそうなおじゃま虫キャラで、ど…

0

銀の謀略 Prince of Silva 小説

岩本薫  蓮川愛 

恋人になったけど

このシリーズも最初の「碧の王子」がでてから既に3年以上経っているのね。
とりあえず購入して積んでいたのを、次巻の「白の純真」とまとめて引っ張り出してきた。
この巻では、ようやく恋人と呼べる関係になれて舞い上がっている蓮と、とうとう腹をくくった鏑木の前に、周到に張り巡らされていた謀略がいよいよ姿を現して…、っていうストーリー。
前の巻では鏑木が(BL小説ではお馴染みの)記憶喪失ネタでしたが、今…

1

窓辺のヒナタ 小説

朝丘戻  yoco 

きれいな世界

きれいなお話だったなぁ、というのが、まず最初の感想。
きれいな心を持った無垢な少年が、優しくて穏やかな仮想空間で、夢のように理想的な相手と巡り会って幸せになる話。
きれい事過ぎるお話でもあるけれど、そこがこの作品であったりこの作者さんの持ち味なので、脇役女子が多く絡むところや、エロ描写の薄いところや、そもそも本が厚いところといった、読み手を選ぶタイプの作品ではあるけれど、私は、この分量を小説で…

5

眠れる森の博士 小説

いおかいつき  小山田あみ 

愛のありか

愛の対象は、いったいどこにあるのかを探す物語。

帯でほぼネタばらしされているけど、SF的設定の作品です。
こういうSF的設定のある作品って、その設定の前提の科学的根拠が、どれだけ納得できるか、その説得力みたいなもの次第で、上手くのれなかったりすることもあるのだけれど、この作品は、その大前提の設定や説明が上手かった。
実際にどうやって身体を培養したかは重要じゃなくて、それより、記憶の更新に…

3

愛されたがる男 小説

樹生かなめ  奈良千春 

お友達のスピンオフとかないのかな?

「不条理な男」の続編。
前作は、不条理きわまりない男なのに、好きで好きで、離れたくない一心で耐えてきた明人が、とうとう反撃に出て、ようやく恋人に?って所で終わっていたが、今度は、お互い両思いだって認めたはずなのに、何で上手く関係が進まないんだ!って、すったもんだする話。
室生のせいで、明人だけででなく、二人の友人もそれぞれ恋のトラブルに巻き込まれて…。
これまで自分さえ耐えればいいと自分の思…

1

横顔と虹彩 イエスかノーか半分か 番外篇 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

これが緊張

不遇?の当て馬・竜起くんの番外編。
主人公は下請け制作会社のAD名和田深。
竜起のいる報道番組の仕事をすることになった深だったが、生放送のスタジオとその番組を取り仕切るアナウンサー達は、深がこれまでやっていたバラエティ番組とはまた違った世界で…。
相馬にあこがれて横顔をこっそり後ろから見続けていた深に、正面から踏み込んできた竜起のキラキラした虹彩。
深と竜起が出会って互いに意識し合うように…

3

不条理な男 小説

樹生かなめ  奈良千春 

昔は奈良先生も普通に爽やかな大学生とか描かれてたのね

積み箱から発掘。
もうね、タイトルからあらすじから、地雷臭以外しないのにね、何でこの本が積み箱に入っていたんだろうって不思議になるレベルで、
想像するに、かなり古い本なので、まだ商業BL読み始めの頃に、絵師買いで中古本を総浚いとかして家にやってきたのだろうな。
私はこの手の攻めが地雷だけど、こういう、もう、はっきり言って病気レベルの攻めに執着されるのが好きっていう性癖の方なら楽しめるのかも知…

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