電子限定版 イラスト入り
恋しくて、恋をしてほしくて、欲しくて。……欲しくて――
久々に特典冊子付きのものを購入したくなるくらい気合いを入れてしまいました。
ゲイであることに引け目を感じる中で複雑な家庭環境を送る高校生男子の日向。
ネットゲーム上で出会った男性に恋心を抱くけれど、女子高生と勘違いされたのをあえて誤解を解かずに付き合い続けるうちに嘘をついている罪悪感と膨らんでいく想いが切なくてゲーム仲間の励ましと同じように応援したり慰めてあげたくなりました。
相手の陶磁器会社勤務33歳バツイチ男性の方は、見た目はかっこよくて優しいけれど仕事にも恋愛にも対人関係にもあまり積極性がなく波風立てずに流されて生きてると言う感じがします。
それが、日向と出会って恋する想いも誰かを守りたいと言う衝動も溢れてきて、仕事での新しい発想につながっていくという盛り上がりにワクワクしました。
脇役陣も個性豊かで楽しかったです。
一番は、日向の幼馴染の忍。てっきり実はずっと日向が好きで側にいた、同性なので言えずに守ってきたと言う設定なのかと感じてましたが日向に対しては本当に良き親友で何もかも分かっていて知らないふりして励ましたり背中を押したりしていたいい友人です。
ただし彼の恋話の方は今後色々苦労はありそうなので、面白い物語ができたら日向達の近況と合わせてスピンオフができたらすごく嬉しいです。
そして性格悪い新の同期の棚橋。
平気で人を傷つけ他人の痛みのわからない男です。頭も良く上昇志向満載で、出世のためなら人を押し退けても傷つけてもいいと信じてる。
けれど自分は純粋に人に好かれず結局誰もいなくなるような人間だと自覚してる人です。
だから本当は歯がゆく思うことはあっても新に憧れて悔しく思ってるからひっかきまわしたくなるんでしょうね。
まあ恐れたほど非道な人じゃなくて日向が傷つけられなくてよかったです。
BLとは関係ない部分でも、転勤していった佐和やお調子ものだけど人懐こい後輩の小鎌(彼が新・日向のキューピットになるんですね)、ゲーム仲間や予備校の友人たちなどその後の人生が気になるそんな人たちがいっぱいいます。
「坂道のソラ」と同じアニパー(SNS)を舞台した作品。
坂道のソラを読んでいないくても問題なく読めますが、読んでおくとより楽しめると思います。
今回の作品も朝丘先生らしい優しい世界観の中でストーリーが展開されていました。
男性しか愛せないことを病気だと義父にけなされ、家の中で疎外されながら生活している日向。
本当に純粋でいい子なだけに日向を見ていると切なくなります。
そんな日向がアニパーの中で自分の性別を偽って知り合ったシンさんと惹かれあっていきます。
二人とも無条件に相手を信頼し愛情を向けてしまうところや、
登場人物に良い人がいすぎるあたりは若干現実的ではないですが
まぁそれも含めこの作品の素敵なところだと思います。
ちなみに当て馬のタナは嫌なやつだったけど、作品を盛り上げてくれてよかった。
好き過ぎてレビューしにくい。。。そんな気持ちです。
『坂道のソラ』読後、こちらを読んでいます。
アニパーによって出会い結ばれる物語。
受験生の日向はゲイ。家では継父からゲイであることによる迫害を受け、自分自身を否定し自分の将来に落胆している。そんな日向が可哀相で、泣けてきました。
自分がアニパーをして出会っていたら、親身になって聞いている。作中トラコやサヤがそうしてくれて、誰も自分の味方はいないと思っていた日向が救われていくのが、読んでいて幸せでした。
アニパーで出会ったシンは、『坂道のソラ』のシイバや『氷泥のユキ』のクマさんのように、私生活が自信に満ちた彼ではなく、バツイチで仕事も手応えを感じず、将来独りで生きていくと感じているという、現実味のあるイケメン。
だから、お互いが文字だけの世界で出会い、救われて惹かれ合ったのでしょうね。
性別を偽ってしまっていましたが、直接会うまでのチャットが、温かくてキュンとします。このやり取りだけでも顔のニヤニヤは止まらないです。
幼なじみの忍や、新の同僚棚橋など、クセがあったりして気になる人物が出ていて、スピンオフとして出ないかなぁと期待!
大好きな作者さんの、大好きなシリーズ。
癒されたい方や、幸せな気持ちになりたい方、ぜひ読んで頂き、この世界を堪能して貰いたいなぁと思います。
シリーズを読み通すぞ!というつもりはなかったので順番が前後してしまってるのですが、なにげなーく積んでた”氷泥のユキ”→”坂道のソラ”ときて、本作にたどり着きました。で、今のところ一番好きです。窓辺>坂道>氷泥 な感じでした。
正直、”氷泥”を読んだときは、受の乙女気質がなんとなくハマらないなぁ、、とか思ってたのに、”坂道”で「あ、こっちのが好き、他もっと読みたい」となって、シリーズ3作目で号泣に至りました。
家庭環境と性癖に悩む高校生(受)と、30代にして燃え尽き症候群的なリーマン(攻)の切なくて優しくて甘くて美しいラブストーリーでした。この絶妙な切なさと甘さのバランスが朝丘先生らしさなんでしょうか?どの作品も、一回り以上の年の差があるCPなのですが、各キャラクター設定の絶妙な組み合わせで(あぁ、そうだよね。この二人が恋に落ちるのが必然)ぐいぐい読ませてくれるなぁと思いました。
それぞれの視点で丁寧に描かれる日常と合わせて、二人がいつも会うSNS上でのやりとり(チャットや手紙)を追いながら、「あぁ~、この二人どうなっていくの~」とめっちゃ心を持っていかれてました。
実際に会うところから始まる”日なたの恋”は、日向の健気さや懸命さに圧倒されて、、一緒に泣いてしまいました…。なんなん、この可愛さ。。鳩尾を素手で掴まれているくらい”きゅぅ~~”と。そんな日向と会って話して、”やっぱりヒナタだ”と腑に落ちる早瀬(攻)の誠実さにも胸が熱くなりました。最終的に安堵と尊さと、あふれる萌えによる余韻にずぶずぶになっていました。
一点だけ消化不良だったのが、早瀬(攻)のライバルで上司の棚橋の存在!もうどう見ても、早瀬と棚橋って拗れた恋愛関係にしか見えなくて、ひそかにこちらのラインも萌えでした。タナにも救済をお願いしたいところです。
この暗い所から解放してくれる、空みたいな人だった――。
高校生の日向は家族にゲイだとばれ、継父から冷たい仕打ちを受けていた。
自分の存在価値と将来に希望を見いだせずにいながらも明るく前むきに努力していた日向。
そんなある夜、SNSで「シン」という男性と出会い、女の子だと勘違いされてしまう。
シンの優しい人となりに惹かれてしまった日向は、どうしても本当のことが告げられず……。
坂道のソラに続いて読んでます。
SNSで出会ったことがきっかけで事件になったり、危険になったりすることがニュースになっている今、本質的にはSNSで出会っても、リアルで出会っても、変わらないんだなと思い直した。
新は日向にネカマされたけど、だからこそ、恋愛対象として違和感なく見れたのかな。出会いってやっぱり大事だし、日向と男として出会ってたら恋愛対象には含まれなかったかも?
でも、辛い分、ハラハラドキドキした分、日向が男でも女でも好きになってくれてよかった!
日向と新がこれから先、幸せな日々を歩めますように