ぼくとの出会いを運命にしてみますか?

月夕のヨル

gesseki no yoru

月夕のヨル
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

220

レビュー数
2
得点
21
評価数
5
平均
4.4 / 5
神率
80%
著者
 
イラスト
 
媒体
BL小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
価格
¥740(税抜)  ¥800(税込)
ISBN
9784866571546

あらすじ

大学生の明は初恋の叔父を事故で亡くし、3年ものあいだ叶わぬ想いを抱えて生きてきた。
ある日淋しさから叔父の名前をネットで検索し、食事処のブログに辿り着く。
客の人生や日々を温かな目線で綴る店主の晴夜の人柄に癒され、やがて会いにいく明。
昇華できない想いを吐露するうちに、彼は「ぼくとの出会いを運命にしてみますか?」と提案してきて――
喪失を知る二人がさよならのない愛を得る物語。

表題作月夕のヨル

東晴夜、明とアニパーで知り合った食事処店主、35
神岡明、叶わぬ想いを抱える大学生、21~22

その他の収録作品

  • 心に在る春
  • 十五年後のヨル
  • あとがき
  • 6月11日のヨル

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レビュー投稿数2

生きること

こちら「アニパーシリーズ」です。
前作の「氷泥のユキ」がとても心に響いたので、今作も購入しました。
「氷泥のユキ」が『命に限りがあるから知られる絶対の幸福』。
で、今作の「月夕のヨル」が『さよならのない愛を得る物語』。

ところが、「さよならのない」でイメージした結末とはあまりにかけ離れていて、強いショックを受けました。
2作とも「生きること」がテーマとなってるんですね。

生きること。
愛すること。
やがて訪れる最期・・・。


主人公であるヨル(明)は、初恋の相手である叔父を亡くしています。
そして、晴夜も過去に痛い喪失を味わっている。
そんな二人が心を通わせる事で、喪失を乗り越え本当の愛を得る・・・。

正直、何故ここで優しいままのラストにしてくれなかったのかと、最初は頭を殴り付けられたかのようなショックを受けました。
この結末を受け入れるには、私のメンタルは弱すぎる。

でも、作者さんが本当に伝えたかった事と言うのは、ここまで書くことでしか完結しないのだろうと言う事も理解出来ます。
二人は本当の意味で、さよならの無い愛を得たんでしょう。
透明感のある優しい文章で綴られるからこそ、より心を打たれる物語でした。

以下、核心的なネタバレです。
↓↓↓








こちら、死ネタです。
攻めである晴夜が亡くなると言うラストです。
死因等は書かれていませんが、おそらく50才そこそこ。
早すぎる死です。
晴夜がオーナーである食事処の、お客に向けたメッセージと言う形で死が告げられます。
苦手な方は避けた方がよいかと思われます。
実は私自身もまだ混乱してるのですが、同じくらい二人の愛の形に心を打たれているのです。
自信を持っておすすめとは言えない反面、この二人の物語を読んでもらいたいとも強く思う。

評価が大変難しいのですが、自身の心に従って「神」を付けさせてもらいます。

3

さよならのない愛の話

朝丘先生のお話は文章がとても綺麗で繊細で、その言い回し好きだな、と思わず読み返してしまいます。
今回も、そんな言葉がたくさん散りばめられた、素敵な作品でした。

このお話は、「さよならのない愛の話」と書かれていますがこの言葉以上にしっくりくる言葉がありません。読み終えて、その表現の秀逸さに感銘を受けました。
ただ、中身を読まずにその言葉を見た方が思い浮かべるラストと、今作のラストは真逆かもしれません、とだけ、伝えておきます。

とくに大きな出来事があるわけでも、ジェットコースターのようにめまぐるしい変化があるわけでもないのですが、朝丘先生の美しい文章で繰り広げられる情景の一つ一つが愛おしい珠玉の作品だと感じました。読後の喪失感と、胸の奥にじんわり広がるあったかみがとても心地よかったです。


!!以下詳細含め重大なネタバレあります!!

主人公(受け)のヨル、こと明はいい意味で現実にはいないまっすぐなド天然と、前に進めない意気地なしな性格、でも何があっても晴夜を信じ続ける芯の強さはアンバランスさが魅力でした。
彼は亡き叔父の存在を常に心のどこかで感じており、それは晴夜と出会ったからと言って綺麗サッパリ忘れるわけではありません。でも人間の喪失ってそういうものなのではないかな、と感じました。
喪失を抱えながら精一杯晴夜との最後の恋を堪能したからこそ、十数年後の晴夜との最期を穏やかに過ごせたのだと思います。

攻めの晴夜ですが、彼も少し浮世離れしている感じはありますが、明よりは現実味を帯びているカッコいいお兄さんです。
彼の綴る言葉は秀逸で優しくて、ユーモアがあって、実際にいたら私もファンになってしまいそうです。
晴夜ターンが最後しかないのでなんとも言えませんが、途中、晴夜の気持ちを考えるとぎゅうううと胸が苦しくなってしまい、しかしそれを明の前であからさまには出さない彼の人間性のよさが魅力でした。忘れられない誰かを胸の奥に持っている恋人を、まるごとぎゅっと愛して甘やかして、とても素敵な人だと思います。

心春ちゃん。彼女はとても重要なキャラクターです。番外編?で幸せになってくれてとても嬉しかった。あまりに危なっかしいふわふわした明を現実的な観点から守ってあげる彼女は、明をヒーローだという。素敵な関係だな、と思いながら読んでいました。

ロボロンとおくさ、この2キャラも明の感情の変化に大きく作用していきます。ここら辺を絡ませるのが上手な朝丘先生、さすがです。

年の差もある分、先立たれる、ということは不可避だと思います。何か事故などがあったわけではなく、ただゆるやかに、同じ時を過ごし、そして亡くなっていく。でも、彼らはさよならではなく「またね」なのです。その言葉の暖かさが読後にじんわりと広がり、涙が出ました。

先立たれるシーンまで書かれているので喪失感は拭えませんが、明が晴夜と出会う前に抱えていた叔父の喪失感と、晴夜が先立ったときの喪失感は全くの別物です。その暖かさをぜひ感じて欲しいなと思いました。

5

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