茶鬼さんのレビュー一覧

甘い恋の育て方 コミック

菊屋きく子 

いぢわるな目付きという表現が上手い!

『やましいからだ』の時もそうでしたが、菊屋さんの絵は、ちょっとサドっ気を匂わせる、イヂワルな目付のキャラが魅せる♪
それは、ツンデレだったり、本当のSだったり、ただの無頓着だったり、意味は多義にわたり、目付一つで色々な意味を表現する部分が大好きだったりする。
絵はかわいらしく、シンプルな絵でとても見やすい。
洋服屋、喫茶店、サラリーマンと、3種類の恋の短編集がユーモア溢れていて、それぞれの関…

1

青年は愛を乞う コミック

日野ガラス 

テーマが一貫していて心に迫る魅せ方です

デビューコミックスなんですね。
名が”ガラス”というだけあって、主人公のガラスのハートが響いてきました。
受けの気持ちに女性読者が、とても感情移入しやすい作りに仕上がっていて、共感を得ること間違いない本です。
また、テーマもゲイを自覚している青年がノンケを好きになりというシチュ。
そして、その気持ちは知られちゃいけないと思うと同時に、男子が女子を好きになるように、普通に恋愛をしたいだけ、と…

3

月夜の子守唄 小説

清白ミユキ  朝南かつみ 

朝南イラストが神!

この作家さん初めてなんですが、何と言っても表紙買いですっ!!
表紙がモノトーンぽく一見地味な感じなんですがそれでも充分に色気が、フェロモンが浸み出してますよ♪
表紙を開いたカラーページのイラストなどもう、これだけで神ですっ!!
裸でもない、絡み絵でもない、ただ黒の紋付の月代侍の後姿と、着流しの浪人の2ショットが・・・身悶えしそうなんですがっ!

ところで、肝心のお話デス。
親の仇を討つ…

3

花を買う男 小説

有田万里  高原里佳 

JUNEとも違う、ゲイ小説

93年に出版された作品で、98年に舞台化もされたそうですよ!
当時のBL界の上でこの作品の位置づけは斬新なものだったようです。
JUNE的といわれれば、登場人物の少年の生い立ちや、その生活など、確かにそれを周到してはいるし、エンドの仕方も其れ風の展開をしているのですが、主要主人公がゲイである大人である部分。
彼の姿が、体験記的なゲイ小説風な様相をしていることから、どちらともとれる作品になって…

1

星に願ったりなんかしない コミック

篠原栄 

全編、天文部が舞台のお話

男子高とはいえ、3人しかいない天文部が皆総ホモ!?
特別お金持ちの学校とか、ものすごくドラマティックとかクサイ設定がない、等身大の男の子達が主人公だったので、この学園モノは自分的に合格v
それぞれの登場人物の天文に関する思い入れがきちんとしており、またコメディ要素も含まれて、デフォルメはあるものの、充分に楽しめました。
学園モノ苦手なほうな自分にもOK。

表題は、学園祭でプラネタリウム…

3

エンドゲーム 1 コミック

山中ヒコ 

ゆっくり、丁寧に、でも胸を締め付けてきます

この作品、とても丁寧にゆっくりと進行します。
登場人物の気持ちがじわりじわりと浸み出していて、胸が痛いのです。
一見すると、ちょっとした日常、過去を織り交ぜながらその都度に、どんなに克哉が透を好きなのか、そんな部分を見せるお話なので、じれったさが先立ってしまうと、とてもイライラした話に見えてしまうかもしれません。
でも、このじれったいほどの進行が後の2巻への進行に役に立つのだと信じています!…

5

好きというのになぜかしら コミック

阿部あかね 

阿部作品の長髪はサイコー!

何てゾクゾクする作品でしょう!!
長髪好きにはたまらん一冊ですが、何よりもその性格。
『奪われる~』の鬼畜・美長もさることながら、今度はそのレストランオーナー武久の一見大人な風でありながら、じわじわと絞め殺すような執着。
孫悟空を手の上で遊ばせてしまうようなお釈迦様のような風を呈しながら、その実は・・・な姿。
そして絶倫ぶり!?
もう好みダイレクトにツボツキまくりに、”お前はもう死んでい…

4

捨てていってくれ 小説

高遠琉加  金ひかる 

全然「置屋のヤリ手婆ぁ」なんかじゃなかった!

『犬と小説家と妄想癖』のスピンオフ新装版で、一編、旧版に載っていない話が挿入されています。
本編で、不破に恋する鮎川の気持ちを乱すような意味深の行動をとっていたイケスカナイ編集者・沖屋の物語です。
そもそも沖屋の名前が「置屋のヤリ手婆ぁ」なんていうから、どんな狡猾な人物なんだろうと思っていましたら、意外や意外!
すごく素敵な人物で、とっても好きになっちゃいました。

お話は、沖屋が編集長…

3

SEX PISTOLS 3 コミック

寿たらこ 

切なさあふれて、思わず涙

コメディでもあるのだけれど、段々と切なさが押し寄せてくるようになった第三巻です。
前半が ハブ×マングース、後半が 国政×ノリ夫
胸にズキンときて、思わず涙してしまった!
まさか、この本で泣くとは想いもよらなかったのです。

ハブ(大将)×マングース(シマ)
は、家柄的に天敵なのでロミジュリ状態。
しかも、シマには双子のウメもいて、ウメも大将が好きで。
高校のころから続いた、何とな…

1

保健室のターゲット コミック

毬田ユズ 

腹黒ドSの大人げない大人

この本は一冊の中に、腹黒ドSとネガティブ野郎がぎっしりと詰まっていて、内容的にも充実しているんでは?と思います。
初読み作家さんでしたが、満足度は高いです♪

表題は、ミイラ取りがミイラになる的な、大人を騙すつもりが、すっかりペースに引き込まれて、、という、大人が大人げなく高校生相手に駆け引きを仕掛ける部分がほの暗くていいのです(え、ドM?)
養護教諭の三浦がホモらしいということで、モテ高…

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