茶鬼さんのレビュー一覧

優しい罠 小説

剛しいら  緒田涼歌 

教授の密やかな楽しみ

男性機能を失った男が、自分の代わりを相手にあてがう。
あれ?谷崎潤一郎(?)小説にもそんな話があったよな・・・と、シチュは似ております。
主人公は若者・美乃理なのでしょうが、彼を手のひらで転がす叔父の葛城が影の主役です。

5年前恋人との修羅場で男性機能を失った大学教授の葛城は、一人優雅に自分の生活を満喫している。
そこへ再婚した妹の連れ相の連れ子(ややこしい!)の美乃理が、いきなり家を…

3

青の疑惑 小説

水原とほる   

ここまでくると清々しいスポーツのようなSM

普通SMというと、淫靡なエロエロを想像しますが、この作品はMもSも真正の半端じゃない人達なので、スポーツでいうと世界最高峰登山のような、F1の様な、死と隣あわせながら極めた時の達成感さえ感じるプレイです。
なんちゃってSMは、変に恥じらったり嫌がったりするからエロくなっちゃうんですよね。
そういう意味でこれは清々しいSMです。

医師を目指しながらも片目を傷つけたことで断念し、現在は叔父の…

14

僕に恋愛は向いてない コミック

藤本ハルキ 

こういう気持ちわかるな~

あっさりした絵で、話もお茶漬のようにサラサラサラと食べられるけど、時々わさびがピリっとしたり、みたいな短編集。

表題作、高校時代に優しくしてくれた友人に恋心を抱いたのに、下心のない優しさを相手も自分が好きと勘違いして振られた経験から、ムチャしても自分でいいと言ってくれる人にしようと、そのせいでとんでもない相手ばかり選んでしまう恋愛ダメ男。
偶然出会った居酒屋バイトがこれまた面倒見のいい男で…

1

amato amaro コミック

basso 

友情、愛情、どっち?

bassoさんの2冊目の作品は、一冊目の「クマとインテリ」三冊目の「ガットスフォルトナート」の登場人物が出てきていて、それぞれの過去や現在や関係がわかります。
読む順番はどちらでもいけそうですが、自分的に1→3→2を選んでみました。

経済学者とボディガードの話は「アマートアマーロ」の3話目まで。
どちらにも属さない、どちらかというと左寄りの発言でテロリストに狙われているビットーリオに親友…

3

夢中になっちまえ! コミック

内田カヲル 

アイドルとスタントマンのカップル

30歳はおやじなのか?微妙に手前の気もするが。
思い込んだら一途のバカワンコアイドルと、寡黙なだけに違った表情をする時が妙にかわいいスタントマンの組み合わせは波乱を呼びます。

最初の印象が良くなかった同士のアイドル小町と、そのスタントマン半沢。
でも、ハンパにアクションをしていない姿勢を見た半沢が失礼をしたと素直に謝る姿に小町はびっくりし、またその笑顔に惚れたようです。
そこからが小町…

3

メガネの貴公子 小説

須坂蒼  祭河ななを 

メガネ業界のシンデレラストーリー

メガネといえば鬼畜を連想しそうですが、これは甘甘のほんわかストーリーでした。
攻め様はあくまでも紳士で(書き下ろしでは変身してますが)、受け様はひたすら純真・健気で、時々キュンキュンしながらサラサラっと読めます。

北海道のすずき眼鏡店の店主は23歳のひなた。
おじいちゃんから継いだ技術と、眼鏡に対する情熱で、お得意様から信頼を得て、お店の切り盛りをしている、まだ恋をしたことのない男子です…

3

銀の鎮魂歌 小説

吉原理恵子  小島文美 

憎しみの愛の昇華の形

ハンカチを用意してください、できればタオル地がいいです。
自分は電車で読んでしまって危うい目に会いました(汗、、)
最初から最後まで胸を締め付けれる苦しさに、どこまで耐えられるのか、心を試されているような愛の姿がここにありました。

17歳にして王になったルシアンに「誕生日の贈り物として操をもらう」として強引に奪われたものの恋人となったキラ。
しかし、乳兄弟として育った王の妹イリスをかば…

7

キミは甘い甘い… コミック

花村イチカ 

本当にケーキのように甘くてエロカワです。

少女マンガのような可憐な登場人物達が、甘酸っぱいレモネードのような恋を繰り広げるお話たちです。
胸がキュンキュンってトキメキます。

大好きな片瀬に片思いしている小鶸。
鼻血を出した小鶸にいきなりキスするのがなぜかエロさを醸し出します。
その後、気持ちが通じ合い、そして体を求めるのに戸惑って、結ばれて、恋人になったのにヤキモチを焼いて不安になったりと、青春期の恋のグルグルがエロさを伴って…

1

サミア 小説

須和雪里  門地かおり 

泣きました!

ちるちるのレビューを見て大変に興味を持ち読みましたが、本当良かったです!
エイリアンなんて、とんでも設定とおもいきや"ET”より切ない話に涙があふれてしまいました。

昔住んでいた星で罪を犯した為に最高刑とされる「不死」を与えられたサミア。
唯一死ぬ為に放出されたツールを求めて果てしない旅で、出会った人間が友則。
彼の不思議な色を持つ爪がサミアを、その苦しみから解く為の唯一の存…

10

二重螺旋 小説

吉原理恵子  円陣闇丸 

それぞれに執着したゆがみが起こす愛憎

一見幸せそうに見えた家族に、父親の不倫と家出によって起こる崩壊。
それは、家族個人それぞれまで壊すことになってしまった。
シリアスでドロドロした愛憎が吉原さんの心情をつづるモノローグ多めの文章が抜きんでて際立たせる衝撃の秀作だと思います。

極度のブラコンで長兄の雅紀が大好きな長女の紗也加
父親が大好きで親戚にも可愛がられる末っ子の祐太
真ん中の男の子として、中立的立場にある二男の尚人…

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