Sakura0904
3巻はいろんな意味でイレギュラーなストーリーでしたが、帰国して仕事に忙殺される2人は通常運転で2巻までのノリが戻ってきたな、と楽しく読めました。死ぬほど忙しいからこそ、家でほんの少し重なる時間の尊さが沁みて、愛情もセックスも盛り上がる。ある意味理想的な生活かもしれませんね。蕪木が事故に遭う展開には驚きましたが、切り抜け方はさすが蕪木。茄子川が1人で悶々と自分の存在意義について考えている間、入院中…
どうなることやらと思った匡人の実家編でしたが、序盤でほっこりさせてくれました。やっぱり母親は鋭いものだなぁ。そんな母親に安心して息子を預けられると太鼓判を押された旭、内心とっても嬉しかったんじゃないでしょうか。いつか正真正銘家族の一員として受け入れられた旭が、匡人と彼の母親と3人で寛ぐ姿を見たいです。
そして、物語は旭が抱える根深い不安の問題にシフトしていきます。第三者に引っかき回された…
タイトルと表紙から多分自分好みの作品だろうなぁと予想していましたが、思った通りでした(笑)。年下なのにまったく先輩方にへつらうところがなく、ほぼ無表情で淡々と返す塩野のイマドキなんだかそうじゃないのかよく分からない性格が最高でした。自分につっかかってくる彼に嫌われていると思っていたのが一転、好きだから誰にでも優しいところがムカつくんだと言われ、彼を意識せざるを得なくなる多古井。飲む姿やしゃべり方…
だんだん攻め受け2人の可愛らしさが掴めてきました。ハイスペックだけど恋愛童貞というキャラは、上に立つ人間だからこそちゃんと自分のことを客観視しているパターンも多いように思いますが、直純の場合はまったく客観視できていないタイプなんですね(笑)。みちるに刺激されないと気付けない愚かさが可愛く思えてきました。智紀も1巻では直純の顔にやられてばかりであまり魅力的に感じませんでしたが、泥酔した翌日に直純の…
昨日1巻を読んですごくハマったので、すぐに続きが読めて嬉しいです。今回は後輩の佐原が入ってきて、和泉の負けず嫌いが深掘りされる流れに。長く付き合っていくなら千堂も読者も一度そこにきちんと向き合う必要があったんだと思います。和泉のそれは単なる性格ではなく、長年の両親と兄との関係性から心に深く刻み込まれた洗脳のようなもの。2位以下で悔しいと思う感情は誰しも持つものですが、1位でない自分を無価値に感じ…
どの作品も一定以上のクオリティで、怖さの種類も多様なので1冊で存分に楽しめました。凡乃ヌイス先生の『6と7』はホラーというより世にも奇妙な物語的雰囲気が強めでしたが、亡くしてしまった恋人の姿でいられたら無下にはできませんよね。死に向き合えなくなるし、こういう乗っ取り系は本当に切ないです。
そして、後ろの2作だった日乃チハヤ先生の『運命の赤い糸』とさきしたせんむ先生の『ほねとかわとがはがれ…
ホストでノンケのヤリチンが男同士の快楽を知って溺れていく話かと序盤では思いましたが、意外な純愛にストーリーが展開していったので新鮮でした。猫目でおバカで、でもホストの仕事に一生懸命向き合って順位を上げようと努力するタカヤが愛おしくて。BLにおけるホストキャラって大体顔がよくて元々売れているので、ホストの世界でも一番下から地道に頑張ろうとしているキャラは応援したくなりますね。
そして、そん…
女性のいない戦場や訓練所では、いつの時代どこの国でも男性同士で慰め合う文化はあると思いますが、愛のない絡みから情の交わる絡みへ変化していく互いの心情が、ほぼ濡れ場ばかりの流れの中で上手く描き出されていました。相手を女性の代わりとして始める者もいれば、元々ゲイで男ばかりの空間を利用する者もいて。後者はやはり故郷では生きづらさを感じており、それは戦時中も今も大して変わらないのかもしれません。
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生意気なノンケの男がゲイに後ろの快感を教えられて堕ちる、という話の流れはよくありますが、この作品はいろいろと他とは一線を画す要素が詰まっていたなぁと思います。まず、敦が本気でゲイを見下していたわけではなく、素直に反省できる性格の持ち主であったことが大きな魅力の1つでしょう。友達にゲイネタを振られることにもやもやしていた彼の気持ち。そういうネタに抵抗がない、一緒に面白がれる人ばかりではないというこ…
セフレ、ただヤりたい欲を満たすためだけの関係性から、相手が自分の中でどんどん存在感を増していく変化に戸惑う展開がとても自然に、リアルに描かれていました。諏訪も長峰も歯に衣着せぬ物言いをするタイプで、特に諏訪は自分の変化に戸惑いつつも、それを長く溜め込んでおかずに素直に長峰に言ってしまえる清々しい性格が逆に貴重で、恋人として得がたい人間なんじゃないでしょうか。割り切った関係にしか興味がないと言いつ…