Sakura0904
序盤ではさほどメイン2人に惹かれなかったのですが、読み進めるにつれ、じわじわとそれぞれの可愛さが見えてきて萌えが増していく、そんな作品でした。少女漫画家と舞台俳優という面白い組み合わせですが、どちらも仕事面の描写は多くありません。仕事で燻っている相手を慰める、なんてシーンもありません。ただただ、30代前後の男2人が日常の中で真面目に恋人らしい睦み合いを模索しているストーリーが、時に滑稽に、時にち…
70ページにも満たない電子作品で、タイトルや表紙からある程度ストーリーの想像もつくと思うのですが、短い中でも要所要所で読者にインパクトを与えるコマをしっかり用意されていて、1巻でぐっと引き込まれてしまいました。ヤヒロが陸上部に所属していて、爽やかな早朝に1人で街やグラウンドを走るシーンがあったり、兄が料理上手でとても美味しそうな夜食や弁当が出てきたり、健全で理想的な要素が多い分、兄の映った動画の…
読み終わってみて、このタイトル以上に相応しい表題はないなと思いました。人が恋に落ちる過程を1巻まるまる使って丁寧に辿ってくれるBL作品って、意外と貴重なんじゃないでしょうか。それもありふれたシチュエーション、ありふれたキャラクター、素朴な空気感で描き出してくれる作品は。木下先生の王子様系キャラやユニークな導入・攻め受けの組み合わせが楽しめる作品も好きですが、こういう親近感の湧く作品も大好きなんで…
ホラー色が大分濃くなってきました。ホラー映画を1人で観れるほど肝が据わっていないので、巻の部屋はかなり怖かったです。ただ、主軸によしきと光(ヒカル)の関係があるので、やはりそこがただのホラー作品とは違って魅力を感じ続ける理由になっています。読者もよしきもヒカルへの畏れはほぼなくなってきていると思いますが、物語が終わりに近づくにつれ、彼が向かう先に不安も感じているはずです。この世ではないどこかへ行…
どんな理由が明かされてもけっして許容はしない、と上巻を読んだ時に頑なに思いましたが、結局下巻では木場に同情の余地を感じてしまいました。やはり、大人の罪が一番重いと思う。子供にした仕打ちは本人を苦しめ、その本人がまた別の人間を苦しめる、と悪循環を生んでしまう。ただ、事件については父親が唆したわけではありませんから、私は100%木場の罪だと思っています。一瞬でも踏み止まる理性はあったはず。何の非もな…
表題作も同時収録作も、一口に面白いと言ってしまうと不謹慎だと受け取られかねない内容でしたが、ストーリーに捻りがあって面白かったので、そこは正直に言いたいですね。木場が秋鷹と何らかの繋がりがあったであろうことは匂わされていましたが、そっちの当事者だとは夢にも思わなかったので、途中で告白されてとても驚きました。100%冤罪だったと知ると、秋鷹の奪われた15年があまりにも重くのしかかってきます。たとえ…
秋仁が香港に攫われた時以上にシリアスだったイノセントアイズ編が堂々の完結を迎えました。麻見と何度引き離されても、最後は無事に戻ってくる秋仁に毎回安堵しています。今回は洗脳まで受けてしまいどうなることやらでしたが、短い間にあれだけ濃い関係を築いたわけですから、麻見を思い出すトリガーは秋仁の中にたくさん眠っていたでしょう。秋仁が麻見に伝えたかった言葉を今度こそ伝えられたシーンにぐっときました。
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二転三転する目まぐるしい展開に結局誰が悪いのか、ラスボスなのかと目を白黒させて読みました。リムリスとアスタドールを巡る経緯はやはり複雑でしたが。ゼネドゥーラの皇帝はまともな考えを持っていたのが救いかな。バルドは素と魔獣の2人に分裂してしまい、これはハヴィにとって美味しい展開でもあり、より大変さが増す展開でもあり、良くも悪くもという感じでしたね。今までどちらのバルドに対しても優位に立って可愛がって…
いまいちリムリスとアスタドールの関係性を把握しきれませんでしたが、アスタドールの狙いと今のリムリスがけっして悪人ではないということは掴めたので、読み進めるのに支障があるほどではありませんでした。バルドはまたもや捕らえられてしまいますが、そもそも彼が魔獣を宿すように狙いが定められていたわけですから、何度も囚われの身になるのも納得。魔神として覚醒したバルドは、性格こそ素のバルドと違って好戦的で傲慢さ…
5巻も波乱に富んでいましたが、序盤に濡れ場があったり、後半はまたバルドが捕まってしまいますがハヴィとの絆が感じられたりで、BL面での満足度は高い巻でした。バルドは自分からハヴィを求めることへの抵抗はほとんどなくなったようで、でも、ハヴィと愛し合う時には初心な反応も見せてくれ、受けとして絶妙に愛らしく開花しましたね。これは当のハヴィもたまらないだろうと思います。
そして、リムリスの存在感が…