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と私は考えています。これぞ王道。似たようなストーリーがどれだけ溢れているでしょう。まさに耽美。切なく儚く激しい愛。それを表現するに至ったタイトル『間の楔』
私が中学時代にはJuneですでに名作、伝説となっていました。たまたま、本屋で小説を見つけた時は震えました 笑。24年前、昔の話です。
今思えば(腐)友と金を出しあい、OVAを手に入れ家族がいないのを見計らって見ていました。高慢不敵な塩沢イアソンの声で、リキの股間を上下するイアソン…友と悶えた記憶があります 笑。
汚ならしいスラムの生身のリキ。神に等しい人工コンピューターユピテルに溺愛され、叡知の結集とも言われる美貌の人工体、イアソン。この二人が偶然ともいえる出会いからすべては始まり、衝撃的な最後を迎えるのです。
二人の脇を固めるキャラクターは、皆が準主役と言えるでしょう。リキとイアソンのプライドと矜持の衝突。その隙間を流れる執着。
人工体と生身。飼い主とペット。コックリングと自由。ブロンディのトップである、イアソンがただのセクサロイドになるときリキは自分の思いを恐れる。
ただのBLではない。他レビューでも表現したが、まさにこれが骨太June世代の代表作と言ってもいいと思う。
知らない世代がどう感じるかはわからないが、気骨は感じると思う。
ちなみに私は今でもたまにYouTubeで再生してしまいます 笑。
25年以上前、中学生だった私の心を撃ち抜き世界を変えた一冊。
その後BLに限らず様々なジャンルの小説を読んできましたが、おそらく最も再読した作品であり、読んでいる途中で「終わってほしくない!もっと読んでいたい!」と初めて切望した作品でもあります。
あらすじを非常に大まかに言うと、特権階級のイアソンとスラム街出身のリキが出逢い、愛憎はもちろんのこと矜持、独占欲、征服欲が渦巻くなか「恋愛」とは違う地平で織り成された物語。
物語は終盤にかけて不穏な方向へ加速され、誰にもどうすることも出来ない切迫した場所へ帰着します。
けれど、その帰着した最期の場面においても二人とも自分自身で選択したものであり、その決意や覚悟や心の深い場所からやっと表層に現れ出た「愛」によく似た二人にしか共有できない感情の機微に読み手の私は嗚咽を漏らしながら号泣しました。
主人公の一人のリキは個人的な双璧の一人(BL界ではリキ。少女漫画界ではアッシュ・リンクス)なのですが、今もなおリキの特性を持っている登場人物に惹かれます。
リキは整った容姿(美人系だが女性的とは全く違う)で腕っぷしが強く、クレバーで強気。誰にも媚びへつらわず己の足で立っている。反面、仲間には情があり信頼が厚い。
そんなリキに執着し、どんな手段を使っても自分の傍に置き続けたいイアソンとの抜き差しならない関係性はどちらも引かず折れずで、所謂甘い空気など醸し出すことなく物語は進んでいきます。
馴れ合いなど微塵もありません。
けれど、だからといって互いの心になにも生まれていなかったかといえば決してそんなことはなく、誰にも入り込めない二人だけの魂の交歓があり、余人が何かを差し込める余地などなかったのです。
ただ、その他人から見た「二人の関係性」の在り方の解りにくさが剣難への扉を開いてしまったことがやるせなさを誘います。
どうにもならないが故の、こうでしかない終わり方。
お伽噺のように“二人は幸せにくらしました”ではないエンディングに私の魂は震え、今もなお読むことなく頭で反芻するだけで涙腺が緩みそうになります。
BLではなく、正しく「JUNE」の作品でもはや古典の域だと思います。
好き嫌いがはっきりと別れると思いますが、少しでも興味があれば一読をお勧めします。
古きよき、JUNEが体感できる本!きっとあまりにも有名で基本の作品。
その昔二次創作の同人誌しか読んだことなかった私に、商業誌を読む友人が
「まずはこれを読め!」と貸してもらい、読みました。
ツンデレ(…、いや最後までデレない)でスラム街のヘッドでカリスマ性がある
受のリキと、エリート階級で美しく有能な攻のイアソンという階級格差がすごくいい!
はじめ、スラム街の男がみんなリキに性的に憧れているのに対して、
「なんだ?このホモばっかりの世界観は…」とびっくり…。
機械に人間の出生数を管理され、勝手に増えないように男女比が極端に偏っている(女性が少ない)という世界であることがちゃんと説明されていました。
物語独自のワードと設定も多いけど、その分しっかりとした土台が作られてるため
うすっぺらい感じがしないストーリーになっています。
おそらく初めて人を好きになったが、プライドなのか、拒絶される恐怖感からなのか
リキにちゃんと想いを言わないイアソンさんにやきもき。
ちゃんと伝えてれば、もっと違う未来があったんじゃないか…。
でもそんな雰囲気がまさにJUNE!ってかんじです。
ですが面白さは王道そのもの。特にリキとイアソンの感情の収束が素晴らしいです。
死ネタといえば安っぽい印象ですが本作の説得力は凄まじい。感情表現豊かな文章と魅力的な設定は普段小説に感情移入しない人間でも知らず知らずに引き込まれてしまうと思います。コ○クリングもいい味出してますね。雰囲気のための小道具かと思いきや展開上ああなってリキの心の動きが表現するなんて痺れました。
欠点をあげるなら脚本のテンポが悪い事、文章が主観的になりがちの2点。
そのせいで場面が飛び飛び、今いつなのか何をやってるのか分かりづらいです。
ついでに作者の傾向として、マンセー、嫉妬されまくりの主人公は評価が分かれるでしょう。
でも問題点はそれだけ。そんなもの気にならないぐらい本当に面白かったです。
コレはBLじゃない、正に王道のJUNE作品です。
耽美・金髪×黒髪・回りみんなHOMO!・そしてラストは号泣必至の鬱エンド。
この頃のJUNE作品で明るくハッピーエンドって本当貴重だったからなぁ。
とにかく、リキもイアソンも素直じゃない。
しかしそこがいい、簡単に絆されない強さがこの作品にはあった。
野良犬にも、血統書付きの犬にもプライドはあってそこはお互い譲る気なんぞ毛の先程も持ち合わせていない。
そんな「男」のお話、最近はめっきりご無沙汰ですねぇ。
初読みが中学生の時だったので、文章を読むだけでも一苦労した思い出が。
今なら、また違った観点で読めるかも知れない。