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まず19世紀と思われるイギリス貴族の庭園、邸宅といった舞台背景が楽しめました。
ジェーン・オースティンなどのイギリス貴族が絡む19世紀恋愛ものが好きな私にとっては、大好物の題材です。(映画で言えば「いつか晴れた日に」など)
それをBLでやるとは!すごいね、勇気ある!しかも初コミックで!
ここで描かれているのは屋敷の主人であるアーサーと使用人(執事兼庭師)ロランとの恋。
上流階級と労働者階級の恋、おまけに男同士。
不毛な恋といって良いわけで、当然この作品中の二人も大いに悩むんですよね。
おそばにいたい・・・
あいつを手放したくない・・・的な感じです。
身も蓋もなく書いてますけど、黄色のラッパスイセンの花言葉である「報われぬ恋」を絡めてここらへんの描写は実に繊細に描かれています。この葛藤が読み手としては最大に美味しい。
ロランの「笑っていられれば幸せな訳じゃない」のくだりがグッときます。
そして愛していると返せなかった心中が切なすぎます。
どうやっても厳然とした身分差が立ちはだかるんですよね。 愛に応えれば、確かうろ覚えの知識ですけど、社交界から追放=社会的な死のはずです。そんなことを主人にさせる訳にはいかない訳で、本当にこのままこの二人、どうなるんだろう・・・と思ってたら、まさかの!
そっちか、アーサー。これにはひたすら感動しました。
途中の当て馬君に言われた「ひたすら奪う愛」ではなく与える愛。しかも自分を!予想もしていなかった着地点でした。
その後の幸せの咲く場所でのロランの穏やかな表情、微笑み、幸せそうで何よりでした。
上下差のある恋なので、言葉遣いの違いを楽しめるかと思いましたが、
・ もともとロランは口数が少なめ。
・幼い頃から一緒に育ち、幼い頃は友達同士の言葉遣いだったせいか、二人だけの他に誰もいない時には当時の言葉遣いに戻る。(できればそこも徹底して敬語を保って欲しかった。)
・ロランは受けなので、そもそも敬語攻めではない・・・
ということで身分差恋愛で美味しい敬語に関しては萌えませんでした。
残念なのが、貴族であるアーサーの顔が何だか使用人顔で、ちょっとノーブルに見えないところと、「若き貴族と執事の禁じられた恋」という程の壮大さがなくて、田舎貴族と庭師との恋と少しこじんまり感があったところでしょうか。
萌え要素としては萌え二つなんですが、初コミックで多数の文学作品として取り上げられてきたこの時代を背景にBLで描こうと思った勇気と、最後のアーサーの選択に敬意を示して神を捧げます。
私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews
で教えていただいたのがこちらの一冊。
教えていただいた姐さま、本当にありがとうございました。
ちるちるのレビューを見て気になったので買いました。初読みの作家さんです。
貴族と執事のひたむきな愛に感動しました。
幼い頃から一緒にいたロランに想いを寄せるも、受け入れてもらえないもどかしさにイラつくアーサーも切なかったですが、好きなのに使用人である為、アーサー気持ちに応えられないロランが健気で悲しくて泣きそうになりました。
「笑っていられれば幸せなわけじゃない」というロランに愕然としました。アーサーの前で笑えなかったのはもちろん、彼のそばにいるのが辛かったからですよね。愛しているけど、けっして報われない相手の側にいて、さぞ切ない想いをしたことだろうと思います。それでも、アーサーの側でないと幸せになれないと言ったロラン。
一方、自分で引き止めておきながら、想いを受け入れてもらえないと知った途端、暇を出すアーサーに少しだけモヤっとしました。しかも、ちょいちょい花に八つ当たりしてるし。ロランに比べたらアーサーの方がまだ少し子供っぽさがありますね。
バッドエンドで終わったらどうしよう、と途中ヒヤヒヤする場面もありましたが、ちゃんと結ばれてよかったです。
一途な主従関係の物語が好きなので、私の好みでした。
本当に偶然いきついた本。
初読み作家さんでした。
最近は決まったコミックしか読んでなかったのですが、
これはなんとなく 作品から呼ばれた気がして。
いやーあたりました。
大好きです、こういう躊躇い、戸惑い、葛藤だらけの攻め受けさん。
ご紹介いただいたレビューアのみなさん、本当にありがとう。
万人受けする絵ではないと思うので、チェックいただいたうえで
ご購入ください。
でも最後まで、ほんとにいいっすよー
最後は、二人して ふんわり幸せそうで、ああよかったなあ と
思います。
一緒にいられる人を見つけることができるのって、本当に
それだけで十分だと 思うんだよね。
主人と使用人の身分差純愛ストーリーでした。
舞台はおそらく19世紀のイギリスで庭園や花々が美しくその時代の雰囲気がとてもよく出ています。
初めは屋敷の主人アーサーは我が儘で横暴な癇癪持ちのお坊ちゃんという感じであまり良い印象ではありませんでしたが、使用人のロランに冷たく当たった後に「さっきはすまなかった···」と素直に謝っているのを見て、何だ只の不器用さんか!と急に愛しく見えて来ました。
好きだと告白し拒まれたら花に当たったり、ロランが屋敷を出ると知れば泣いて縋ったりとまるで大きな子供のようです。
草木や花よりも自分を見てほしいのに!という気持ちが暴走した結果ロランの大切にしている花畑を荒してしまった子供時代と全く変わっていない。
ロランはそんなアーサーを放っておけず傍にいる事を選びます。
しかし両想いなのにこんなにもすんなり行かないものなんですねぇ···。
お互いもう一歩踏み出す勇気があればもっと早く幸せになれただろうに。
ちなみにロランがひっそり育てていたダッフォディル(ラッパスイセン)の花言葉は『報われない恋』です···健気( ; _ ; )
ロランを口説く(?)アーサーの元学友カレルは花好きでロランとも話が合い、物腰も穏やかな英国紳士です。
アーサーみたいな気性の荒い人じゃなくてカレルと一緒になった方がいいのにーと思ってしまいました(^_^;)
ロランが慎ましやかでヤマトナデシコみたいな女性的な感じがしたので、これ受けは女性でも成り立つよなぁ···と思わなくもないですが。
男同士という事より身分差の方が障害になっている印象でした。
最後の展開は王道かもしれませんがドラマチックで素敵でした!
ノスタルジックな世界観とセンチメンタルで叙情的なストーリーが楽しめる読み応えのある作品でした。
初読み作家さんです。
この作家さんの絵のスタイルが、19世紀のイギリスと思われる舞台にぴったり合って情緒が感じられます。
幼い頃から共に育った貴族の息子と使用人の2人との切ない物語が全編にわたって繊細に語られています。
2人の間で交わされる言葉は決して多くはないのですが、2人の仕草や表情で心が読めて、その切なさにキュンキュンします。
主人公2人と、攻め様の友人の3人が主要登場人物なのですが、3人とも魅力的でした。
身分の差があるために、とてももどかしい展開なんですが、こういう身分違いの切ない恋愛モノや、ビクトリア時代辺りのお話がお好きな方にはとてもお薦めな作品だと思います。