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この「エンド・ラブ」よかった~という話を聞いて、読んでみました。
本当によかった…うん、好きだなぁ。
最近軽めのかわいい話を多く読んでいたせいもあるのかもしれないけれど、
この本の切ない気持ちや、
純粋で強い想いをもがきながら相手にぶつけていく様子が、心を打ちました。
長くない話だけれど(ちょうど本の半分ずつくらいで、2つの物語)、
なかなかの読み応えを感じました。
セリフがよくて、描かれていないことまで想像させてくれるからかな。
花火をしながら、
「こういうデートをしてみたかった」と言う攻めと、
「こういうことしか出来なかったからさ…」という受け。
2人の過去がすごく詳しく語られるわけじゃないのに、ストンと落ちていくものがある。
そして、4年にも渡り何度もセックスした仲なのに、
心を繋げた時に初めて裸で抱き合って…なんて、グッとくる。
これからは、
ちゃんと相手を見つめつつ自分をさらけ出して、今までの距離を埋めていくのでしょう。
職場も一緒なのに、知らないことがまだまだ互いにいっぱいある様子のふたりが、
とても愛おしかったです。
ふたりの遠慮のない掛け合いも、かわいくてすごく好き。
あとがきにあったカキネさんのコメント、
「イケメンは残念であるほど萌える」に、激しく同意w
そういう残念イケメンのちょっと切なさもあるお話を、また描いてくれたら嬉しいなぁ。
『愛のびんぞこ。』で気になったカキネさん。
こちらのレビューを参考にさせていただき手に取った今作は
2組のCPの物語が収録されています。
○エンド・ラブ/ファースト・ラブ
忘れられない元恋人がいる医師宮野さん(受け)と
彼の大学の後輩で同じく医師の厳原さん(攻め)の話。
身体の関係から始まった二人は、求めるものが違っていた。
宮野さんは、忘れられない恋人と果たせなかった身体の関係を求め、
厳原さんは、好きな人とただ一緒にいることを求めていて。
そんな二人が、身体を越えて心を重ね
共にどちらの目的も満たしていく様子がとても良かった。
endって、”終わり”という意味もあると同時に、
”目的”という意味もありますよね。
心と体の目的を果たしてはじまった二人の恋は、
これからもずっと続いていくだろうと
ほっこりした気持ちで読み終えることができました。
○また明日朝食にて
表題作の、元の作品。
高校時代の元同級生、プロボクサーのヤスくん(攻め)と
定食屋店主で料理人のナツくん(受け)の話。
高校時代一緒に観たボクシングの試合がきっかけで、
ヤスくんはボクサーになることを決め
ナツくんは、ヤスくんに美味しいごはんを作ろうと料理人を志す。
それは将来を決めるきっかけであると同時に、恋に落ちた瞬間でもあり...
想いを言葉に乗せてようやく気持ちを通わせた二人の姿は素敵で、
『直接話せ』と背中を押した、
二人の先輩である宮野さんもイイ味出してました!
私的萌えポイントは、『ファースト・ラブ』と描き下ろしの厳原さん。
ポーカーフェイスのクールな人だと思っていたら
恋に不慣れな、執着気質な人だったとは!ズルイ設定にきゅん!
”医者ごっこ”には少し呆れながらも、やっぱり可愛いかったです。
カキネさんは、元々絵柄が好みなのですが、
用いられる言葉もすごく良くて、胸を打つ台詞は必読必見です。
コミカルな場面もすごくツボで...
素敵な作家さんに出会えて嬉しいなあ。
表紙がきれいで初買いの作者さんだったのですが、
なんていうかですね。
どストライク!!
もう二人ともきゃわわ・・・!!
キャラクターだけでも十分ハァハァできるレベルだというのに台詞もたまらん!!
最初に書いた通り表紙買いだったので家で裏のあらすじを読んだときは正直言って
「また体だけの~系か・・・」
なんて思ってしまったのですが
今までに感じたことがないレベルでたぎりました。
もう大好きな作品です。
同時収録の『また明日朝食にて』もすごくよかったです。
表題作のエンドラブ・ファーストラブほどではないですがすごく楽しめました(こっちがいまいちとかではなく表題作が個人的にどつぼなだけですからね!;)
泣き顔とかふにゃっとした顔が大好きなのでおなかいっぱいですb
今度本屋行ったら作者買いしてしまいそうです;
行間を読むどころではなく、ページ外まで読んでしまう。
小ネタに妄想を膨らませた結果、本編にない架空の設定で登場人物を嫌悪してしまうことがある。
そんな方にはたまらない作品でした。
【エンド・ラブ】(前後編)【ファースト・ラブ】 萌2
高校時代、付き合っていた恋人がいた。
ある日、「結婚するから」と去っていった恋人への想いを断ち切れない外科医の宮野に、大学からの後輩外科医の厳原(いずはら)は「体だけ下さい」と言ってきて…。
いやー、切なかったです。
何が切ないって、高校時代からの恋人と宮野はキスしかしてないんです。
体が弱くて激しい運動を禁じられていた恋人とのえろすは自殺行為。
というわけでキスだけで何年間も付き合ってきたのに、いきなり「結婚」ですよ。
見合い結婚=家を途絶えさせないためというイメージがあるので、えろすができないのになぜ?という疑問は生じますが、「いつか2人で抱き合える日のために」医療の道へ進んだ恋人を捨てて、親が用意した「ふつうのしあわせ」を受け入れなければならないのもつらい…。
この作品、三者三様の切なさが味わえます。
宮野は待っていても仕方ないかつての恋人への想いをいつまでも断ち切れない。
身体的に綺麗なまま終わった恋って、余計に引きずることってありますよね。
元気になったら一緒にこんなこともあんなこともしようっていう約束もいっぱいあったんだろうな…、叶えられなかった約束が多いほど、これも引きずるんだよな…。
そんな深読みで余計切なくなる。
そして宮野の恋人だった高尾もまた切ない。
結局、結婚生活はうまく行かず、宮野の入る病院を探して手術を受けることになったものの、かつての恋人にはもう別の男の影が…。
高尾は勝手に見えるし、宮野には「怖かった」と言っているけれど、深読みしてしまうと、病気のせいで家族に負担ばかりかけたという気持ちって拭えないと思うんです。
そんな自分が親の期待に少しでも応えられるなら…って思うのは仕方ないことなんじゃないかと。
それでも宮野を忘れられずに、数年越しに約束を叶えに来たと思うと、ただの当て馬とは思えない存在でした。
これ、高尾目線で描かれていても相当切ないなあ、と。
厳原も、ずっと高尾ありきの宮野を想って、何度フラれても諦められなくて。
やっと体だけは自分のものに出来たとは言え、こころはまだ高尾にあるのが分かるから切ない。
そんなときに当の高尾が現れたら、焦るし、自棄にもなるというもの。
というわけで、どの人物の気持ちも分かるだけに、切なさ3倍でした。
【また明日朝食にて】(前後編) 萌
ボクサーと定食屋。
食べ物好きにはたまらない、定食屋設定。
料理を作ることしかできないナツと、食事制限をしなければいけないヤス。
相手に対して自分が役に立てない、と思い知らされたときの無力感ってはんぱない。
宮野が先輩として登場します。予想に反してちょっと軽い。
こちらも切なさが爆発してました。
「また明日」というセリフの使い方がすごく効果的でした。
深読みしすぎたせいか、読み終わったあともなかなかこの世界から出てくることができませんでした。
余韻を楽しめる、良い作品です。
ドクター同士、先輩医師と後輩医師との切ないラブストーリーでした。
先輩医師の受け様と攻め様は身体だけの関係を4年も続けている。
それは、医学生時代から後輩である攻め様に告白され続けた結果の心を伴わない関係。
受け様は過去の恋を未だに引きずっていて、納得のいかなかった恋が自分の中で
全然終わっていない、その恋があるから二度と恋なんてしないと思っている。
そんな受け様の気持ちを知りどうしても諦めきれない攻め様の出した最大限の申し出が
心はいらないから、身体だけの関係を持つと言うことだったのです。
受け様の過去の恋は、プラトニックでそれも相手が病弱で身体が弱いからで、
医者になった理由もその元恋人を治してあげたい一心からなんです。
元彼との別れ、それも一方的に結婚すると言う理由からで、その時受け様の愛する心が
止まってしまった・・・そんな展開でした。
元彼も再び出てくるのですが、その別れも恋をして相手が好きだから臆病になってしまった
そんな心の弱さが別れに繋がっていましたね。
攻め様は過去の受け様の恋を自分が忘れさせてやると言う気持ちが強かったのですが、
受け様の元カレが現れ、その元カレが受け様を今でも好きなことに気が付き、
受け様を諦める事を決める、攻め様に去られた受け様はそこで自分の心の変化に惑う。
いつの間にか新しい恋が始まっていたのかもと思える内容だけど、前に進むには
過去の恋との決別が必要なのですが、そこで元カレの過去の思いを知る事にもなる。
恋は人間を弱くも愚かにもしてしまう、そんなストーリーで、恋人同士になった後も
初めての恋に、俺様だと思っていた攻め様の意外な可愛い面が萌えましたね。