恋の微熱

甘やかされるのが嬉しくて、触れられると心地よくて―――　胸の奥が苦しかった。暴漢に襲われ、家を飛び出した晶斗の前に現れた男。彼こそが10年前晶斗と「駆け落ち」した相手・恭之だった。お互いを想う気持ちのみで無力だった2人のそれは、僅か1週間で幕を下ろし、晶斗の心に深い爪痕を残していたのだが…。再会した恭之は、あの頃と同じ甘く優しい声で「やり直そう」と晶斗に囁く。晶斗にその誘いを拒む術はなかった。全身で感じる恭之の独占欲、巧みな愛撫、熱い身体、甘い声──1週間だけの甘い夢。幸せと絶望に翻弄される晶斗は…？──短編「愛の情熱」も同時収録。