電子限定書き下ろしSS付き特別版
世界観が素晴らしいファンタジーです。読後の満足感、幸せ感に、まだドキドキしています。王国ファンタジーや、騎士の出るファンタジーが好きな方、主従萌えな方に是非とも読んでいただきたいです!
二冊同時発売の、シリーズ二冊目です。私は、今作のみ購入しました(1作目の表紙が不穏すぎて勇気がでなかった)。今作のみでも世界観に入り込めましたし、充分楽しめます。が、やっぱりもう一作も気になってしまうので、二作とも購入することをお勧めします。
「聖ルドヴィカの泉」で奇跡を起こせる存在として誰よりも高い身分とされる協会の司祭。時期司祭候補とされるマティアスと、幼い頃に彼を助けたことをキッカケに鍛冶屋の息子からマティアス専属の騎士になるレーヴェの、主従愛と、彼らの奇跡の物語です。
マティアス様が、家族や協会の中で大事に育てられ、レーヴェからは真綿で包み込むような愛情を向けられ、そんな中で違和感のないほど優しくて愛情深い、尊い存在なのです。父からは、身体と魂が繋がってないのかと心配されるほど。
そんなマティアス様の信頼を一身に受け、騎士として成長し、またマティアス様の世話を焼く騎士、レーヴェ。生真面目で誠実、マティアス様を敬愛します。マティアス様を穢してはならないと欲情する自分を戒めます。
2人の互いを想う気持ちの大きさや、性についてまっさらなマティアス様とそこに苦悩するレーヴェや、主従だからこその信頼や悩みに非常に萌えました。恋愛要素としては微笑ましく、応援したくなるような純愛です。そして、どんな危機が訪れようとも2人は共にいて、危機の中でも不思議な安心感があります。表紙の通り、美しいほどの光に満ちた物語です。
恋愛だけではない、奇跡を起こす泉を取り巻く王国を護る2人の物語に、きっと満足感と、幸せな気分に浸らせてくれると思います。
『道』を追い求める人のお話が好きです。
勿論、BL読みな訳ですから、LOVEを読みたいんです。
だから、自分に課せられた使命とLOVEがどう絡んでくるのかが、ガッツリ書かれている話が好きなんです。
おまけに私は、LOVEを理由にして『道』を捨てて欲しくないんですよね。
その間で悩み苦しんでいただいたりすると「あああああ、萌えーっ」となってしまうのです。
まさしくそういう私の好みのど真ん中を射るような物語でした。
イグナーツとヨシュカが主人公だった『アヴァロンの東』のストーリーを、レーヴェ(レオンハルト)とマティアス側から書いています。
ただ、此方のお話、シェーンハイト国が兄弟に別れて戦争を始める前、レーヴェとマティアスの結びつきが作られるまでの部分が主なんです。
マティアスはこの国の信仰の源とも言うべき『奇跡の泉』を守る家の長子であり『奇跡持ち』として生まれています。一方、レーヴェは鍛冶屋の息子。幼くして優秀なマティアスが巡回祈祷に来た村で、レーヴェが彼の命を救うという運命的な出会いをし、司祭付きの騎士と「将来は司教になるであろう」と言われる司祭という関係になります。
で、このマティアスなんですけれど、生まれながらに「天使か!」と言われるような人なんですよ。
自分の身を顧みず、誰であろうと同じ様に愛そうとしますし、実際、そんな風に愛せるんです。
レーヴェの方は、そんなマティアスに性的な欲望も抱いているのですけれど、彼を汚すようなことは絶対にしないという強い意志を持って側にいるものですから「フィジカル方面のLOVEにどうやって持ち込むんだろう?謀で媚薬とか?」なんていうゲスい想像をしていたんですけれども。
実際、それに近いシーンもあるんですけれども、でも、それは2人の苦悩を深めるだけのものでした。
マティアスは神に背かず禁忌を犯さないままでレーヴェを愛したいと望みます。
自分の想いが汚らしいものではないと考えるからなんですよ。
それが結実する場面の素晴らしいこと!
140p~145Pなんですけれどもね。
『誰かを一途に想う経験をしたからこそ、この世の全てを更に強く愛することが出来る』ということにマティアスが気づくシーンですよ。
こういうのを天啓って言うんでしょうね。
読んでいて、本当に光が注した様に感じました。
『アヴァロンの東』のお話のキモになっていた『和平の失敗の原因』についての解決も綴られています。
魔女の呪いだったのね。
その魔女との戦いの終結方法についても感心したんですよ。
キーワードは『遍く』でした。
愛も光も、それ以外の貴重なものも、遍く降り注ぐという粋なお話の作り。
大変満足いたしました。
帯にある「おかえり、わたしの騎士」
この言葉にキュンっときたら読んで下さい!
作者さん曰く執筆順の「アヴァロンの東」から読む方がいいですが、私の読後感としては、もしも苦手描写や不安要素を感じてる方はこちらの「ルドヴィカの騎士」から読むと入りやすいかもです。
同じ出来事をそれぞれの視点で語っているのですが、こちらの方がマイルドなので。
ただ、金銀は対になってるので、どちらも読むことで両視点で楽しめ、補完もできます。
そして今作はぎゅうぎゅう二段組です!
それでも足らずおかわり希望してしまうくらいに、もうもう、最高です。
マティアス様にやられました。
最高・最強のキャラクターです。
文句なく今年一番の萌キャラです!!
このキャラが凄い!があったら殿堂入りです。
マティアス様の一挙手一投足から目が離せません!
釘付けです!
初心というか染み一つないまっさらでピュアなエピソードが散りばめられ、萌の極致です。
神が創りたもうた奇跡のような人物です。
天使っ♪
ぜひ味わって、沢山の人に萌え転がって欲しいです~。
そしてそして、央川みはら先生のイラストも最高です。
特に口絵カラーイラストが私は大好きなので、このイラストにピンときた人は読んで大正解です!
(更にカバー下の装丁もとても素敵なのです。こういう細かいお仕事にこの作品がいかに素晴らしいかも顕れてるかと)
金銀読んだ後は同人誌、「Hymne ヒュムネ」をぜひ!
まさに賛歌な一冊です。
余力ある方はできれば、amazon、コミコミ、ホーリンの特典SSの網羅お薦めします。
そして、この作品で尾上先生を知った方は、夏に向けて1945シリーズやその他作品に手を出して沼ること請け合いです!
体は弱いけれど類まれなる司祭の才能に恵まれたマティアス。
マティアスとの運命的な出会いにより、たくましく実直な騎士となったレーヴェ。
二人が教会の禁忌と魔女の策略を乗り越え結ばれ、やがて世界を救っていく壮大でロマンティックな物語。
リアル感のあるBLが好きで、これまでファンタジーはほとんど読まなかったのですが、本作品にはすごく入り込みました。熱く伝わってくるものがあるのです。
一番心に響いたことは、レーヴェとマティアスの愛が二人の間だけにとどまらず、マティアスを通じて、あふれるように周りに広がっていくことです。二人の愛は彼等の世界を照らす光のようです。
マティアスは司祭として、レーヴェは騎士として。互いを愛することで、より強く、気高く、誠実にその道を極めていくことができる。二人でひとり。並んで歩む二人は、まさに“比翼の鳥”ではないかと思うのです。結ばれることでより高く遠くまで飛んでいける二人がとても眩しく、憧れてやみません。
表紙でレーヴェに寄り添うマティアスの手にとまる鳥は、“比翼の鳥”の二人を象徴しているように思えてきます(考えすぎでしょうか)。
互いの使命を何より大切にする二人のストイックさもたまらなく好きです。
神に許されたものだと確信を得て、初めて二人が交わるときのあふれる喜びと熱量は、二人が堪えてきた分大きいように感じました。誓いの清らかなエロスが素敵です。
愛し合う者同士が身体で愛を確かめ合うことを神が禁じるのはおかしいではないか、と真実を探し続けるマティアスの姿にも心を打たれます。体は弱いですが、信念の人なのですね。答えを得られるのは、マティアスのように深く求め続ける者だけなのでしょう。生きる大小の悩みも同じなのかもしれないと、ふと思いました。困難に思えることも、諦めずに探し続けたらいつか答えが見つかるのかもしれないと、勇気をもらった気がします。
レーヴェとマティアスが“比翼の鳥”ならば、一度は死に分かたれてもなお寄り添い続けるイグナーツとヨシュカは“連理の枝”を連想させます。もしや尾上さんはこの漢詩をもとに二組の愛を考えられたのでは…。お聞きしてみたいです。
同じ時間軸で二つの物語が描かれることで、登場人物の一人一人に物語があるのだと気づかされます。リアル世界でも同じですね。当たり前のことなのですが、つい忘れてしまいます。
奇跡の泉をめぐる物語、次回作もとても楽しみです。
奇跡の泉シリーズ第二弾。
同時発売で先に金の方を読んだんですが、そっちはいまいち響かなかった。
表紙の感じからして銀であるこっちの方が絶対に自分好みだろうなぁとは思ってたんですが、直感は正しい!
好み過ぎて倒れそうな話になってました。
こちらは前作の受であるヨシュカのお兄ちゃん、マティアスのお話です。
世界観は前作で頭に入っているので、導入部分からすんなりと入ることができました。
長々と説明が続かないので、よりキャラクター中心に話が進んでいたという印象です。
また二段組でみっちりしているので、読後の充実感も半端ない。
今作はハイメロート家の奇跡持ち、才能たっぷりの司祭である受と、鍛冶屋の息子で騎士に憧れていた攻が運命的な出会いを果たして唯一無二の主従として国の中心に上り詰めていくという、なんとも清々しい逆玉物語です。
前作ではいまいち登場人物に感情移入ができず、どうして好きになったのかも理解に苦しんでいたのですが、今作はその辺まったく首をかしげる余地もなく、互いが互いでないとダメなんだという強い絆で結ばれていることがひしひしと感じられ胸熱……。
一見弱弱しく見える受も、ひとたび攻のためともなれば自分の命を懸けてでも守り抜こうとする姿勢がもう何とも言えず愛しい。
自然と周囲に人も動物も集まってくるような、光がそこに凝縮されあたたかなオーラを纏っているような存在です。
攻はそんな受にぴったりと寄り添い、最初の誓いを頑ななまでに守り通す潔さ。
まさに騎士そのものでした。
身分の違いを超えて結びつくふたりの強い絆は涙なしには読むことができず、作中何度も胸がきゅうきゅうと締め付けられながら二人の歩みを見つめていました。
度重なる困難にもくじけることなく、その時々で自分たちにできる最善を尽くす姿は勇ましくもあり、神々しくもあり、大きな厄災に立ち向かう二人が選んだ戦術が、まさかあの時の戯言を実現しちゃったのには思わず吹き出してしまいました。
そうくるか!
二人を取り巻く人間たちに悪意がないのも読んでいてストレスを感じずに済みました。
分断された国が和平を結び、風の通るさわやかな丘でふたりが末永く幸せであることを願ってやみません。
前作ではイラストが好みでなかったのですが、今作は一転してとても好みのものでした。
色使いもきれいで、とくに口絵に関しては神々しくさえある。
最後まで読んでもう一度カラー口絵を見てみると、散りばめられた色の洪水と優しい世界に幸福感で胸が苦しくなりました。