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…私の兄を探して欲しいのです 「生きている保証はねぇよ?」
「境界の果て、とろける誘惑」と「赤い花、ちるちる。」をオススメしてもらったレビュワーさんから、さらに本作もオススメしていただきました。
試し読みした時、いきなり受けが攻め以外の人と強制的にヤる描写があったり、「ジーンリッチとは?」って脳内ハテナが飛び交ったり、登場人物覚えられるかな…とか(情報屋の社員と受けの髪型が似てるし、黒髪二人も出てくるし)思って一度断念してたんです。
でもそのレビュワーさんから「そこまで難しい話じゃない」と助言をいただき、さらに今回、著作を連続で二作(「神様~」と「赤い花~」)もスラスラ読めて大変満足できたため、こちらもいけそう!とポチリ。
結果、おっしゃる通りでした。
私と同じ理由で迷ってる方へ:ぜひとも読んでいただきたいです。
この唯一無二の設定・世界観やレトロ美しい絵柄が刺さる人は多いはず…!
人間と動物のハイブリッド獣人がフツーにいて、貧富によって生活圏を2つに分けられた近未来的な世界での
「情報屋x攻めに兄の所在調査を依頼した、貴族で若き当主」。
上記登場人物のうち2人が同一人物だと知った瞬間、「あ、助言ホントだ」と安心しましたし、「特殊設定が生かされてなくて残念」というレビューもちらほらあるので、ソコまで重要ではないのかな?と。
(皆さんには本当に感謝です)
受けが女性のように泣くBLはあまり好きじゃないんですが、本作は全くの無問題で、目頭が熱くなりました。
兄の正体は薄々は気付いてました。
前述の設定、私はよく生かされてると思いましたね。
兄に対するモヤモヤも攻めがガツン!と言ってくれたのでスッキリ。
タイトルのユニゾンは「同じメロディを複数の声や楽器で奏でること」なので、「二人同時に仮面をかぶる=嘘をつき続ける」。
小さくて意外と正直なナワテも可愛い。
ウカさんも性格めっちゃ男前!
「見罷(まか)る」という言葉は初めて聞きました。
相変わらずBLって勉強なるわぁ…
<誤字発見>
・×「プルトコル」→◎「プロトコル」
・×「本当に疎まれていやのは」→◎「いたのは」
<注意点>
・兄→弟への感情アリ
・読むと無性にザッハトルテが食べたくなります(当社比)
アンダーエリアとアッパーエリアに別れる都市 金にならない依頼ばかりを受ける情報屋に持ち込まれたのはアッパーエリアに住む貴族からの兄探し
貧富の差で生活エリアを分けられ 人間と優れた遺伝子の掛け合わせで作られた人間と異種間配合のハイブリット種が入り交じる異様世界
洋服や室内装飾のレトロさに反して進化の末の荒廃感 古いものと新しいものが混在するパッと見ありがちな設定なのにその世界観に引き込まれるのは画力のせいだろうか?
異様な世界で起こった割に淡々とすすむお話 読んでいれば早い時点で兄がどうなっているのか想像は出来たんだけど そこをどう繋ぐかがこのお話最大の魅せ場?
家と階級に縛られ思い合うことも許されなかった兄弟の呪縛からの奪還
利用しあうだけの関係が愛に変わり守るべきものへ変わる
エゴでここまで人間変わる ってのを存分に味わわされるんだけど
面白いわこれ
いやぁ ちょっと続き出してくれないかな…
〖DMM電子書籍〗
修正 : 白抜き
カバー折り返し : なし
カバー下 : なし
帯 : なし
裏表紙 : あり
カバーデザイン : design studio toyvox
電子限定特典 : なし
備考 :
ふた言 : NEOという存在が最後まで宙ぶらりんだった気がする。とても面白い世界だけど色々詰め込みすぎちゃってる印象。
〖紙媒体〗
未読
分厚くてとても読み応えがありました。
裏社会の情報屋×貴族という関係性に、貴族のほうにはいろいろと後ろ暗いこともあるようで、読み進めるたびに新しい発見があり、とても楽しかったです。
もちろんちゃんとBLしていて、きゅんとします。
ーーーーーーー感想とネタバレーーーーーーー
この物語の世界観がおもしろく、NEOという頭は動物で人間とは似て非なるものが力を持っています。
攻めは裏社会の情報屋、響。一緒に働く仲間もいてちょっとニヒルな感じの、くえない男。
受けの春野は貴族の当主という肩書きですが、その実は落ちぶれる一族の傀儡のような役割。NEOに身体を売って家名を残すために頑張っています。
2人は”春野の兄を探す”というところから知りあい、関わるようになります。
とくに春野の背景が切なくて、辛くてこの部分から恋に繋がっていきます。
春野は攻めだけでなく、他の人と致している描写があるので(無理やり含む)苦手な人は注意が必要だと思います。
基本的には攻めが受けの凝り固まったものを溶かして愛していく構図なんですが、この過程が甘くて可愛くてたまりませんでした。とくに春野が愛されているところが最高ですね。
物語としてしっかりと楽しませてくれるなかで、2人の恋にきゅんともさせられる。
とてもあるはずのない少年心をくすぐられるお話でした。
