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表題作魂管理局より愛を込めて

由、駿壱の養い子で魂管理局次期局長候補
多比良駿壱、魂管理局の新人局員、82

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

生涯独身を貫き、四人の子供を育て上げた駿壱は、八十二歳で息を引き取った……はずだった。
しかし、真っ白な空間で目覚め、背中に翼を生やした美形男子──養い子の
由と何十年かぶりの再会を果たす。八十二歳だった駿壱の姿は二十代のものに戻り、
由と同じように背中からは翼が生えていた。
驚く駿壱に告げられたのは、魂管理局の新人局員として生まれ変わったということで──

作品情報

作品名
魂管理局より愛を込めて
著者
髙月まつり 
イラスト
小禄 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
ISBN
9784775528648
3.2

(9)

(0)

萌々

(3)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
28
評価数
9
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

二人のやりとりがひたすら可愛い!(≧∀≦)

ユル~くてひたすら甘い、ハートフルファンタジーになります。
既刊の関連作みたいですが、未読でも問題無く読めました。

で、こちら、実は主人公が82才で大往生する所からスタートなんですよね。
魂管理局の新人局員として生まれ変わると、そこに居たのは元養い子である攻め。
で、管理局の次期局長候補である攻めから、「翼も良く似合ってる」的にうっとりと言われる・・・。

そう、養い親である主人公が好きで好きで仕方ないワンコな攻めがですね、ひたすら好き好き攻撃を仕掛けると言う、超甘々な作品なんですよ~!
子供と言うか、孫に対するおじいちゃんみたいな態度で攻めを可愛がる受け!
で、受けのどうでもいいような言動一つに、「何それ、可愛い」と真顔で言ってるキラキライケメン攻め!
この二人のやりとり、楽しすぎるじゃないかよーーー!!


内容ですが、魂管理局局員で元養い子・由×新人局員で大往生したばかりの元霊能者・駿壱による、ほのぼのハートフルなファンタジーになります。

人生の終わり際に、これまで育てた四人の子供達の事を思い出す駿壱。
実は不思議な美女から「この赤子を育てて欲しい」と、突然翼のある赤ちゃんを預けられ、本能的に神秘的なものを感じた彼は、一人で育てる事にしたんですね。
で、13年後に突如迎えが来て、去ってしまったその赤子・由。
その後、同じ経緯で三人の赤子を育て上げ、とうとう自分の人生が終わりになった時、迎えに来たのが最初の養い子である由。
彼の説明では、善行を積んだ事から「魂管理局の局員」として生まれ変われたそうで、自分の姿は20代に若返り、更に背中には翼まで生えているんですね。
で、「昔みたいに一緒に住もう。駿壱さんから離れたくない」と、大きくイケメンになった由から全力で甘えられー・・・と言った感じになります。

と、こちら、大筋としましては、あの世(?)で再会した二人が養い子と養い親と言う関係から、恋人になるまでがひたすら甘く可愛く綴られる。
+、ここに「魂管理局」と言う、ちょいサイキック系なんかも絡む、雰囲気としてはお仕事BL要素もあったりするお話でしょうか。

で、個人的に一番ツボだったのが、元養い親と養い子である二人のやりとり。

こちら、あの世(?)で「魂管理局」と言いましても、雰囲気としては現世そのままなんですよね。
普通にマンションに住んで、寝食も人間の時と同様。
また、この「魂管理局」の仕事自体も、とてもユル~くてまさにファンシーな雰囲気。
えーと、局員には動物達も居て、翼の生えた寅が同僚と談笑し、これまた翼の生えた猫がパソコンを打つみたいな。
いや、ほのぼのしてて癒される~みたいな。

で、こんな中で進む二人の恋愛がひたすら可愛い。
終始、駿壱の視点で進みますが、もう由のワンコっぷりと溺愛ぶりが半端無いんですよ。
マンションに初めて駿壱を迎える時は、花嫁よろしく抱き上げて入場。
で、言うセリフが「はー。俺の長年の夢が一つ叶った!」
また、「約束のキスして。子供の頃にしてくれた」と、何かと元養い子の立場を利用して、駿壱に警戒心を抱かせずに取り込もうとする。

これ、駿壱の方の言動も可愛くてですね。
こう、彼にとって由は、可愛い可愛い養い子なんですよね。
だから、立派に育った由に対しても、まるで子供に接して可愛がるような態度。
なにかあればヨシヨシしてあげて、静かにさせたい時は「しっ」と指を唇に当てるジェスチャーで伝える。
で、そんな駿壱の仕草を見て「何それ、可愛い」と真顔で言う由。
「お前の方が可愛いと思うけどな」と、こちらも真顔で言う駿壱。
もう、甘すぎて悶絶じゃないかよー!と。
と、こんなやりとりをですね、終始繰り広げてるカップルなのです!

そもそも、私はオヤジ受けが大好きなんですよね。
いや、オヤジを通り越しておじいちゃんなんですけど、その「おじいちゃん」故のおおらかさが可愛くて可愛くて仕方ないんですよ。
「どっこいしょ」とか言っちゃう受けに、激萌えなんですよ!
そんな受けが、ワンコ攻めを「可愛いな」とヨシヨシしてあげたりするのに滾っちゃうんですよ!!
ついでに、意外としたたかな養い子が、そんな受けにつけ込んで虎視眈々と恋人の座を狙ってるのにも萌えまくっちゃうんですよー!!

とまぁ、そんな感じの、執着ワンコ攻めとほだされ受けのひたすら可愛い物語。

ただ、一つ残念なのが、攻めが過去に女性と付き合ってるんですよね。
ワンコだったら、ここは受けのみを思って純潔を貫いて欲しいんだけど!と。

と、ちょっと残念な所はありつつも、とてもツボ作品でした。

5

享年82歳から始まる魂管理局勤務ライフ

2019年刊。
ちょうど一年程前に発売された本だけど、続篇が発売されたのを機に買ってきた。

享年82歳で永眠する間もなく、魂管理局の世界に歓迎された義理父・駿壱の第二の人生は再会した養い子の一人、由との逢えなかった50年余りをこれでもか!!と埋める勢いの甘々バカップルライフだった。
冥界とも天国とも違う魂管理局の世界ってのは現世と違和感がなく、便利で居心地が良さそうだな。

そんな世界に引っ張り込まれた駿壱だが、身体が若返っても生涯を終えた実感も沸かないままで慌ただしいせいか、じいさんっぽい言動が抜けきらないところがご愛嬌だ。
それでも天性の父性は尽きる事なく駄々洩れなところがステキ。
元々霊能力者(祓い屋?)だったらしく、固定観念に縛られずにものすごーーーく考え方が柔らかいのもこれまたステキ(笑)
駿壱が順番に育てた由、千里、真理、十織の四人も仲が良い様子にもほっこりする。
親子の絆も健在なだけでなく、駿壱と由の両想いが成就するのを押せ押せで応援しているとは何とも懐の深い兄弟で結構な事すぎる。

てな状況なので、もうあっという間に義理父と養い子がくっつく訳だ。
ここまでの至れり尽くせり設定で始終トントン拍子に話が進んでいくのだが、攻め受けの恋愛事情が熟成していく様子を噛み締めたい人にとっては雰囲気に乏しくコレジャナイ感に見舞われるかも知れない。

元々高月さんの話はキャラ同志の掛け合いが面白くてコメディ度が高い作風だと感じるのだが、こういうのが肌に合うかどうかは人それぞれとしか言いようがないけれどね。
ちなみに自分は笑えるBLが大好きなので、この話も面白くて満足できたが。

まぁ魂管理局には他にも面白そうな面々が居そうだし、この一冊だけで収まらずに続編が決定したのは嬉しい限りだ。
ところで、本来彼らの仕事って魂の選別じゃなかったっけ(^_^;)?

1

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