俺のために生まれた愛しい神

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表題作神様のお嫁様

遠雷、頻繁に大噴火を起こす気性の荒い火の山の神
芙都、高天原の主から与えられた美珠から生まれた神

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

火の山の神・遠雷は気性が荒く、頻繁に大噴火を起こし神々の顰蹙を買っていた。見兼ねた高天原の主は「愛し子を得れば、温和になろう」と美しい珠を出す。その中に愛らしい神『美珠』が眠っていた。美珠は、「芙都」と名のり、形代達に傅かれ、大切に育てられ麗しく成長していく。愛しいと思う心を抑えられず、遠雷は「気持ちよくしてやる」と芙都を弾けさせ、温かい蜜液を迸らせる。陶酔の中、挿入によって契りを交わし! 蕩けるような神々の溺愛!

作品情報

作品名
神様のお嫁様
著者
橘かおる 
イラスト
タカツキノボル 
媒体
小説
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
カクテルキス文庫
発売日
ISBN
9784866692104
3.5

(6)

(0)

萌々

(3)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
21
評価数
6
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

荒神様の子育て物語

今回は気性の荒い火の山の神と美珠から生まれた神のお話です。

攻様と海の神との確執を絡めながら受様を伴侶とするまで。

火の山の神である攻様は猛々しい火山がを治めています。気性の荒い攻様は
しょっちゅう大噴火を起こします。しかし火の山の神としては正しい力の
行使であり、神々が高天原の主に抗議しても攻様を咎められません。

しかし海神は攻様が溶岩を海に流されたことで手塩にかけた珊瑚を壊滅され、
攻様への猛抗議を止めません。そこで主は攻様に対して一計を案じます。

それは攻様に子育てさせる事。愛し子を得れば荒い気性も温和になるだろう
と、渋る海神も渋々ながら攻様の様子を見守る事を約束させられます。

高天原の主が攻様に与えたのは神の眠る小さな美しい珠でした。この小さな
神様こそが今回の受様です♪

受様の眠る淡い光を放つ珠は、攻様が掌に握っままでいたら潰しかねず、落とし
かねません(笑)。攻様は荒涼とした攻様の土地に棲みつく半神半妖半人のおばば
を頼り、おばばは攻様の荒々しかった攻様の暮らしぶりをやめさせ、神殿造りの
館を構え、形代を働き手として作り、花々の咲く庭や錦の鯉を放つ池まで拵えさ
せて受様を迎える準備を進みます。

受様の珠は攻様の神力を糧として成長し、全ての関心が受様に向いた事で攻様は
ひどい噴火も起こさずにいました。その結果、岩だらけだった山肌に緑が復活し
鳥獣も集まるようになります。

珠を弾けさせて誕生した受様は攻様の掌に乗るくらいの愛らしい少年神でした。
攻様は受様の鈴の音を振るような声にも、可憐な唇の動きにも目を奪われます。

好奇心旺盛な受様のために、攻様は異界から白狐を呼び寄せ、受様を見守る存在
とします。白狐は子狐サイズでもまだまだ受様よりも大きいのですが、遊び相手
としてすっかり気に入られ、館は更に賑やかになります。

そんな攻様の生活は火の山の地に住む人間達の暮らしにも影響し、人間達は神社
を建立し攻様を奉るようになります。社殿の管理者となった人間は神力の片鱗を
もつ一族で、白狐を従える受様がたびたび訪れることから稲荷神神社と呼ばれる
ようになります。

そんな受様と人間の交流もあり、攻様は火の山の噴火を抑えていましたが、
本来火の山は定期的な噴火で気を吐く事で均衡を保っていたのです。噴火を
抑える事は攻様の力を抑制することでもありましたが、攻様は受様の成長と
ともに、緑が増えた攻様の山を美しいと褒められ、喜ばしい限りです。

そんな時、年に1度の神無月が巡って来ます。さぼりの常習の攻様でしたが、
今年は受様の処遇の確認のため高天原に向かうのですが、そこで攻様をよく
思っていない海神にある封印をされてしまいます。

攻様はそれに気づかず、高天原の主はそれを単なる悪戯と称しますが、やが
てそれは攻様の体調不良を招き、火の山の制御に異変を生じさる事になります。
果たして久方ぶりの噴火を喜ぶ火の山を攻様は制御できるのか!?

気性の荒い火の山の神である攻様に高天原の主が与えた受様との恋を描いた
コメディチックな人外ファンタジーになります。

既刊「神主サマはスパダリでした」の関連作ですが、既刊を遡った時間軸で
攻様を奉る神社の神主の家系に生まれた神主が既刊の攻様です。既刊を読んで
いなくても全く問題なく、読んでいればより楽しめる感じかな。

海神に力を封じられた攻様では火の山の活動を抑える事も生半可な事ではなく、
制御に手間取り、山が形を崩すほどに崩落しても攻様は山から戻りません。
受様は結界の消えた地を護りながら、攻様が戻ってくるまで待つ決意をします。

しかし何度季節が巡っても攻様は山から戻りません。そんな時、攻様が依頼し
ていた案件が実行され、受様は御礼の現状に高天原に出向きます。そこで
攻様の様子を主に伝えられた受様はひとまずは安心と帰還しますが、高天原で
受様を知った海神が受様を攫いにやってくるのです!!

海神は美しく育った受様を欲しいというよりも過去の攻様の所業を根に持って
攻様を効果的に傷つける為受様にちょっかいをかけるので、海神と受様では
力の差は歴然で、抵抗する受様が攻様に助けを求めるのもまた必然♪

攻様が海神を退けて受様を助け出して2人が祝言を挙げ、海の蟠りを解消して
の大団円まで楽しく読ませて頂きました。

人だけではなく、神様も自身だけで生きるのはあまりよろしくない結果を
生んだりする模様です。受様を得たことで攻様が徐々に変わり、受様も人と
関わる事で成長していく過程がけっこう面白かったです。

今回は子育て繋がりで鴇六連さん『黒鳳凰の愛する小鳥』はどうでしょうか。
こちらは受様が攻様を育てるお話です。

1

神様版源氏物語!?

この作家さんのファンタジーが好きなので、発売されるのをワクワクして待っていました。
読み始めて、『神主サマはスパダリでした』の関連作と気付きましたが、その内容を忘れていても(ゴメンなさいっ)全く問題なかったです。

さて、内容ですが、気性が荒い神様(遠雷)に少しでも温和になってもらおうと、高天原の主から珠を授かったことから始まります。その珠から産まれたのは、それはそれは美しい少年神(芙都)でした。

芙都が産まれたその日から、遠雷は夢中になります。誰の目にもふれさせたくいと独占欲全開でしたが、ある事件をきっかけに姿を消した遠雷を憎く思っていた他の神様に、芙都がさらわれてしまって…。

という感じです。
強くて男前な遠雷の溺愛と執着は気持ちがイイし、芙都もずっと遠雷が大好きなので、何の心配もなく、甘々を堪能できます。例え芙都がさらわれても、スパイスにしかなりません。
唯一可哀想なのは、芙都の幼さに理性を我慢していたところぐらいです。それなのに、芙都が無邪気に迫ってくるので…。

そんなイチャイチャ甘々は大好きなんですが、何だか平坦で物足りなさを感じ、読み進めるのに途中飽きたのが残念でした。でも、設定は大好きでした。

2

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