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受けは、老舗紳士服の社長でオッサン。
攻めは、オッサン好きの運送会社社員。
ことの次第は、受けの息子が攻めの勤務先へやって来て、別れて欲しいと頼まれるところから始まります。
もしや三角関係??
もしくは親子丼展開??
などと危うい関係を妄想し、ドキドキしていたら、そういう訳ではなかったようです。
タイトルを思い出し、「完璧なムスコ」という意味を読了後に思い知らされるのです。
そう。
受けにとっては、作中で亡くなった厳格な父に対して。
そして、攻めにとってはすでに亡き父へ対して。
それから受けの息子にとっては、自分を跡継ぎとしてくれなかった男を愛人にする父に対して。
3人の男たちの人生が、恋や拗らせた感情などに振り回されて描かれる様は、BLというジャンルではもちろんですが、ヒューマンドラマとしても楽しめる作品ではないかなあと思いました。
あと個人的に、りーるー先生と言えば本当に白ブリーフなんだなあ! と、パンツにワクワクしてしまいました。ありがとうございます。(白ブリーフに対して!)
私は先生のファンで、先生が描くおじいちゃんがかなり好みです。なので期待していましたが、予想と少し違って残念でした。こんなに美しい乙女紳士おじいちゃんがいるのにどうしてノンケの息子ばかり出すだろうか!とずっと心の中で嘆きました。梶さん自体よりは息子の方が登場回数が多くて、普通に苦手な性格なので少し苦労しました。
まあでもハッピーエンドなので許してあげます。おじいちゃんが好きなら読む価値はあると思います。
半額セールだったので5巻まで単話読み。
ヒューマンドラマ
ファーザー・コンプレックスの三者三様・・智と、梶社長と、その息子。
なにを指して「完璧」というのかが、この作品の肝。
りーるーさんの描写は、美貌でもないし、可愛くもない。絵柄自体が枯れた哀愁を感じる。
中身はコメディ調のヒューマンドラマ。味わい深かった。
1995年の神戸の震災から、今年で28年。
梶 行也さんの頑張りも、28年。
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●市橋 智:バイク便勤務。梶の息子より若い20代。
10才で父親を亡くした智は、枯れ専。
最近の相手は、ゲイバーで出会った老舗紳士服「KAJI」の社長。
梶の息子に「俺を満足させたら 父親と別れてやる」と言ってしまう。
●市橋奈々:智の妹。中学生。1才の時に父が死亡。
兄の理解者であることを智は知らない。
●梶 行也:50代
紳士服「KAJI」の社長。妻も認めるゲイ。「ネコ」。
男の愛人は過去50人以上。
智と会う翌日は、身も心もメンテされ艶々。
色気と思いやりがある、神戸生まれの乙女な苦労人。
●梶 恭介:紳士服「AIKAWA」の営業勤務 30代
智に、「父と別れて欲しい」と告げに行く。
父親が大事にしているものを踏みにじれば、何かが変わると思う。
・・父を越えられない息子。
●梶 科子:行也の妻。写真家。
行也の一番の理解者。
●梶 祖父:
神戸で紳士服店「KAJI]を開業。息子の行也に厳しい、職人気質。
神戸の震災で、足が不自由になる。
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神戸の震災で全部が変わる梶家。
祖父臨終の日、母親から父親について聞く梶の息子は、
結婚して親になり、やっと父を理解する。
コメディ調だけど、シンミリ温まる親子の話だった。
オジ受けってちょっと苦手なんですが、これはほんとダメだった。
まず梶さんの見た目がオジさんてよりおじいさんぽくて。
さらに妻も子もいるってのが無理だった。
いるだけならまだマシけど、息子がストーリーにがっつり絡んでくるのがもういたたまれない。息子は攻めとやっちゃうし。
最初、結局は息子の方とうまく行っちゃうパターンかな?と思っていたくらい。むしろそうであってほしかった。
梶さんが老舗テーラーの跡取りっていう事情はわかるし、奥さんも夫の性指向を理解しての家族の形だというのはわかる。
しかし、これ現実だったら地獄絵図だな~と思っちゃって。
息子が最初に父親や市橋に抱いていた嫌悪感だけが理解できて、それ以外はファンタジーと言えども受け入れがたかったです。ごめんなさい。
オジさまと年下くんカプの話だけれど、息子とのやりとりのほうが多い拗れた三角関係?みたいなお話。
智と梶さんはお互い必要としあっているが、息子はそれを良しとしないので別れて欲しがっていて…
まあ、事情を知らなければ息子としてはそれは当然なんでしょうね。最後のほうで明かされる梶さんの事情、もっと早く息子くんにも教えてあげてたらよかったのに…なんて、そんなこと言ってしまったらこのお話は生まれないであろう感想を持ってしまいました。
最終的にはハッピーエンドですからよかったです。
カップルの恋愛というより周りを含めての関係の在り方のお話という印象でした。