【電子限定おまけ付き】【イラスト付き】
約2年半ぶりの続編!
よくぞ書いてくださり、出版してくださった。
谷崎さんと出版社に心から感謝申し上げます。
谷崎さんってあまり饒舌じゃない作家さんだと思うのです。
お話を隅から隅までキッチリ説明しないと言うか。
どこか謎を残したり、これからの進み方によっては更に波乱の含みを感じさせたりしたままお話を終わらせることが間々ある様に思います。
だから読み終えた後、どこかモヤッとしたものが残ることがあるんです。
実は私、それがとっても好きで。
多分、そんな風な感じが好きというのは少数派だと思うんですが、リアル社会ではそういう事の方が多いと思うのですよね。
すべてが明確になるわけではない。でも、登場人物たちの人生は続いて、相変わらず攻めさんは受さんのことを大好きで、だからこそ少しづつ『モヤッとした中身』が解ってきて、2人の関係性に応じてクリアになったり、敢えてクリアにしなかったり。
だから事件そのものより2人の関係性の方がグッと浮かび上がる様に感じます。
この音喜多と九嶋のシリーズも、その手の物語だと思いました。
で、そこがたまらんのですよ。
『スクランブルメソッド』でほんの少し触れられていた『九嶋の過去の事件』と、音喜多が九嶋にベタぼれするきっかけとなった『音喜多が10代の頃に想いを寄せていた九嶋そっくりの女性が殺害された事件』の中身が今作で明らかになります。
前作は2人とも謎が多いままでしたから『変人同士の組み合わせのコミカルBL』の匂いの方が強かったですものね。
「前作で欲求不満を抱いた姐さま方は是非お読みください」と声を大にして叫んでおきます。
また『短編を積み重ねていくうちに、それがひとつの大きな物語になっていく』という構成のお話がお好きな方にも、力強くお勧めします。
いやいや、こうなってくると続きも読みたいですねぇ。
また3年くらいかかってもかまいませんので、よろしくお願いしたい。
その間、2人の関係性がどう変化するのか、想像しながら待っています。
あ、LOVEについて全然書かなかった。
音喜多の『相手を想う故の臆病さ』も、九嶋の『感情表現の超絶不器用』も、激しく萌えまくったことだけ書いておきますね。
「スクランブルメソッド」の謎は全て明らかになってて、スッキリしました。
そして今回も三話構成でしたが第一話で事件はあったものの、第二話は第三話への序章といった感じでした。
今作は音喜多と久嶋の仲がグッと深まっていたと思いました。自分の感情が分からない久嶋なりに無意識下で感情は育ってたと思います。
第三話の音喜多の過去に繋がる事件で、それが鮮明になったと感じました。
内容を書くと折角のお話が面白く無くなると思うので書きませんが、音喜多の為に取る久嶋の行動が前巻とは違ってました。
お約束通りの脇役たちも相変わらず面白かったです。そして音喜多の為にと久嶋に苦言を呈する成田の存在が良かったです。
ただ気になるのは音喜多の方の過去は解決したのですが、久嶋が日本に来る事になった事件の方はこのままなのでしょうか?
久嶋が日本にてアメリカでの事件解決は難しいと思いますが、スピンオフででも是非読みたいと思いました。
その時には音喜多の夢も叶えて欲しいです。
カラフルでお菓子が散りばめられた可愛い雰囲気とは裏腹に
お話はそんなに甘くない!けど、甘い!!
感情持ち合わせてないトンチキ久嶋だけど、
本質的には特別と思っていて、それが「好き」ということだと変化が見えるようになって、
音喜多さん良かったね!!!と肩を叩きたい気分!
音喜多さんはめちゃくちゃハイスペなのに不憫すぎて本当にどうしようかと…
そんな姿も楽しいんだけど、攻めて戸惑って攻めてが徐々に効いて
久嶋の感情は鈍感でも快楽には素直で、音喜多さんもそこはグイグイおらおらで…良かった!!!
普段は久嶋に振り回されっぱなしで、久嶋の考え最優先なのに!
ここぞで攻めるの良い~~~~~
謎の面もスッキリして、読み応えがありました。
久嶋のトラウマはまだ解決してないけど、そこには対面して欲しくないと思う音喜多さんを尊重したいような、一緒に乗り越えて欲しいような…
続編が出たら喜んで読ませていただきますけど!!
笠井先生のイラストが大好きで挿絵もとっても可愛くて麗しかったです。
悲しいことに、ひかりは真っ白で泣きましたけどね!!
1作目はシーモアで良トーン修正だったのに!!!
昨今厳しくなったのか、サイトの違いか…笠井先生の美ちんが………
ばばーーんって構図なだけに泣いた。大いに泣いた。
前半は久嶋の言動に音喜多が気の毒で。久嶋だから仕方ないけど、人間は欲張りだから。
そんな中音喜多の初恋の人の事件の犯人が動き始めた事で、音喜多と久嶋の過去が浮かんできます。同時にギクシャクし始めた2人が心配でした。
過去が明らかになるにつれ、2人の苦しみが伝わってしんどかった。特に音喜多は改めて久嶋と向かい合う事で迷いが大きかったと思う。覚悟を決めて一緒にいる事を選択してくれて良かった。久嶋は無意識だろうけど、態度が変わってきていて特別な関係である事も認めて、これは大きな1歩。
事件の解決も初恋の供養になったんじゃないかな。
2人の周りと同様にやきもきしたけど、2人共にある事を願ってます。
ああ…大大大満足!の一冊でした。
新刊「アディショナルデザイア」でこちらのシリーズを知り、順番的には変則になりますが4巻(新刊)→1巻(「スクランブルメソッド)→2巻のこちら、と読み進めています。
溺愛系年上スパダリ×天才変人元FBIアドバイザーという、異色のカプ。
二人と周囲の人々のコミカルかつシュールなやりとりと、
巻き込まれる事件の解決に刑事もの・サスペンス大好きな自分は毎回滾ってしまう!
今回は、前作、シリーズ1作目で知りたくてもどかしかった二人の過去が明らかになっており、大興奮しました。
具体的には↓
・音喜多の過去、想い人を失った事件の全貌
・久嶋がアメリカで被害者となった事件についてと、その影響
この2点です。
音喜多の抱える過去の辛い体験、そして久嶋の記憶障害の事実は読んでいて辛かった、、( ; ; )
「なぜ音喜多に抱かれようと思ったか」が久嶋本人の口から明かされ、
それを知った音喜多が今までどおり後ろからではなく、
違う体勢で抱きながら言う「好きだから、優しくしたいんだ」という言葉が
重く心に響く。。
音喜多の心のつかえとなっていた事件は犯人逮捕までいったけれど、
久嶋の事件はいまだ犯人が捕まらないまま…
こちらは次の3巻で何かしらの動きがあるのかな。
もう読みたくて読みたくてうずうずしてます。期待…!
久嶋が日本に来た理由やアメリカで受けた仕打ちなど、心痛む場面も多かったけれど…
変わらぬ音喜多の深い愛と、変わりつつある久嶋の心、それを自覚する久嶋が
なんとも愛おしくグッと心を掴まれる作品でした。
最高で大好きなシリーズに出会えたことに感謝です✨