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「お前からの告白、5年ぶり8回目やな〜」「いや、3年ぶり10回目だから」
こめり先生の作品は、ほんとに良作だといつも思います。
こちらも連載から、ずっと追っていましたが読んでると京都の大原みたいな景色が見えるんです。
美大で、知り合った専攻科こそ違うけど同級生の鶴間と三木。
鶴間は、三木と出会ってから絵を描く事が意味を強く持ち、ばぁっと視界が拓けるような感覚にもなるんです。
三木は、元々京都の不動産を営む家に生まれた、いわゆる、いーとこのぼんぼん。
ガツガツしてないし、はんなりとおおらかに生きている。まあ育ちがよろしいのです。
鶴間は美大時代から、既に三木が大好き。日常では、12年間も❤️愛を告白し続けているんです。挨拶みたいな、さりげなさ。
さて、この二人。やっと三木が色々自覚して付き合う事になるんです!
それからの二人が、めちゃくちゃ良いですよ…
鶴間は、日本画の作家として成功してきても時に不安定になります。でも、三木がいい風に力抜けてて、ほわんと鶴間を包み、解すような言葉をかけたり、態度を見せたり。
さすが、12年のキャリアは違う‼️
初えっちは、鶴間のがっつきがすごい。対して三木は乙女❤️
『雑に抱くな~』とか、床で、押し倒されちゃってヤり始めたから『痛い、背中痛い』とか、いちいちムードにかけるけど、なんか互いが好きを確認出来るえっちですよ❗
終わると二人が同時に賢者モードになってるのもリアル❗
二人のつれづれが、京都の四季を通して見えるのも、素敵です。
あと、三木のおばあ様がとてもナイスキャラです❤️とてもチャーミング。おばあ様が、意外に重要なポジションです~
こめり先生のユーモアと何気ない心理描写は、唯一無二の素晴らしさだと個人的に思っていまして。
ぜひ、京都12年愛を見ていただきたいですね❤️
好きである。
当て馬がいない、激しく感情を揺さぶられることもない、ただ2人が穏やかに過ごす日常が描かれているだけの作品。
ドラマチックなことは何もないのに、ページをめくるごとにどんどん好きが増えていく不思議。
画家に鶴間龍(30)には10年好きなひとがいる。
出会って12年、既に9回告白もしている(そのうち2回は相手に認識されていない)。
美大1回生からの親友、三木光に10回目の告白をしたが…。
実家が不動産業を営み、家は超豪邸。祖母は美術品を愛し、叔父は陶芸家。家は姉が婿を取っているので長男だけど気楽。大学教授をしている父のコネで私立校の美術教師をしている。これが三木光です。全体的におっとりしたおぼっちゃま。
対する鶴間は長野の田舎から出てきた「絵を描くことしかできない」人間で、三木と出会ったことにより、美術品を買って日常的に楽しむ世界があることを知り、自分の将来が見えてきたような開眼をします。
生まれたときからそういう世界が当たり前だった三木への羨望は愛情に変わり、いつしか性愛に…、という話とまとめると何か硬くなりますね。
そういう堅苦しさフリーな作品なのに。
3年ぶり10回目(三木の認識では5年ぶり8回目)の告白を受け流され、「もう友達ではいられない」という返事をもらったところから、2人の関係が変わっていきます。
冬には一緒にこたつに入り、春には三木の実家の桜をぼんやり眺め…と一緒に過ごしてきた時間が告白を断ったことで終わってしまうという現実に直面した三木が、「それはいやだ。親友がいなくなる!」とわたわたするのですが、この辺りの三木は愛せない子。
わがままで自分の希望だけ通したくて、相手の気持ちなんかお構いなしです。
だけど三木が最初の告白に気付かないフリをしたのも、その後もスルーしたのも、全部「恋愛は終わる。鶴間とはずっと一緒にいたい」という理由からだったわけで。
そこまでの2人の空気感もすごくいいのですが、そこからますます良い!
10年三木に恋してきた鶴間と、恋をし始めた三木のテンションの違いが素晴らしくて。ここの部分をここまでしっかり描いてる作品は、そうないかと。
恋って長くすればするほど、相手を好きでいることが当たり前になって、穏やかなんですよね、気持ちが。「好き」は標準装備だから。
でも「好き」を認識したてのときって浮つくし、ちょっとのことですぐ「好き」が盛り上がる。
ここのテンションの違いの描写が、こっちが気恥ずかしくなるほど秀逸でした。
友人だった頃と変わらない毎日の中に、ちょっとずつ「好き」を意識する瞬間があって、その瞬間が増えていってもやっぱり基本的に2人の毎日はゆるくて穏やかで。
先に彼女との初体験を済ませた三木への対抗心で初体験を急いだ鶴間が、その後も何人もの女性と場数を踏んでいたのと対照的に、三木は彼女はいても10年そういう関係に発展しなかったっていうエピソードが何だか好きです。
このエピソードに2人の人柄が現れている気がして、ふつうなら「鶴間!三木が好きなくせにぃ!」と思うはずのところを、「鶴間らしいや!」って思えてしまった。これも「鶴間」という人間をしっかり描きこんであったおかげです。
わ、すでにすごく長い。でも言いたいことは尽きない。
大福と期間限定の桜餅がおいしそうだったとか、別にここで言わなくてもいいようなことまで書いちゃう。そうじゃないのに、伝えたいのは、もっと…、うう…。
日常系の最重大ポイントは登場人物を愛せるかどうか。
愛せます。告白の回数を甲子園出場回数みたいに言っちゃう2人。10年以上の付き合いによる阿吽の呼吸。ちょっとした発言や思考から伝わる2人の人柄が好きにならずにいられません。
他の作品名を出すのは反則かもしれませんが、「僕とミドリのドリル」が好きな方は絶対好き。空気感が似てます。
ほのぼのした中のふとした胸きゅん。変わらない毎日の中で相手を思いやる瞬間。
そういう空気が好きな方は必読です。
我ながら長い!
でも1/3どころか1/10も伝えきれていない!
サブスクリプションサービスで何回も何回も読んだため観念して購入しました
付き合ってからの鶴間くんの露骨ながっつき方がなんだかとても好きなのです
付き合いが長すぎるせいで全然取り繕えない!
光は自分が恵まれてることをただ事実として何の屈託もなく受け取っていて、光の物としてではなく「ばあちゃん」や「うち」のだと話してその価値を謙遜して貶すようなこともしないので鶴間の羨む気持ちがそのまま丸ごと光への好感に昇華したのだと思うのです
光自身と光の育ち暮らす環境と言った切り離す必要のない部分はくっつけたままその人の個性として扱うのが自然に見える理由なんでしょうか
しかし、鶴間くん、絵に描くって自ら恋に落ちに行ったとこありますよね
十年ですか、、、、、、うーん、長い。
しかも、大学生からの十年ですからね。
そんな長い間片想いし続け、10回も告白した攻めに惹かれて読み始めました。
想いが強すぎる、、、!
しかしのらりくらりとかわし続けた光(受け)は、10回目もあっけらかんと笑ってかわしてしまいます。切ない!けどこのやりとりが面白い(笑)
鶴間がかわいそうだからちゃんと答えてあげて!と思うのですが、光は光で少しは意識している模様。だけど「大事な親友」という関係を崩したくないというのが強いんですね。
それでも、十年目にしてやっと、変化を見せる二人の関係。
友達だと思っているならもう二度と来るな鶴間に言われてしまいます。
ここからね、光が鶴間のことをちゃんと考えるようになる訳ですよ。
光の祖母のお気に入りである鶴間は光宅に呼ばれるんですが、そこでお見合いの話が持ち上がります。祖母のお節介に、当然鶴間は逃げると思っていた光ですが、鶴間は祖母の話に乗りながら、いい人いないのか聞かれた時に「つい最近ふられまして」と答えるんですね。それを聞いた光の反応がもう最高です。(私、好意を持たれている受けがその好意に甘えていたのにそうじゃなくなるかもしれないとなると「お前俺のこと好きなんじゃないのかよ」ってなる可愛い傲慢さが好きなんですけど、同志の方は絶対この作品読んだ方がいいです。)
鶴間が結婚してしまう未来を想像した光は、もやもや嫌な気持ちになって、お酒を飲みながらぼろぼろ泣きます(笑)そして鶴間相手に駄々をこね、「俺おまえにふられてんだけどな」と言われると、「ふってへんわ」と返します。た、確かに、かわしてただけではっきりとふってはいませんでしたけれども!(笑)
光は、付き合ってしまったらそのうち別れると思ってて、そんなのいやだから、親友でいたい、そう思っていたんですね。なんだ、めっちゃ好きじゃん〜〜〜〜。親友でいたい、の裏にはそういう想いがあったんだと思うと、今までの光の表情がまた違うものに見えて来ますね。
でも十年思い続けた鶴間がそんな簡単に別れてあげるわけないですよね。「そんなに簡単に別れるかよ!!」と言われた光は、あっさりと「せやったらよろしくお願いします」と頭を下げます。やったね鶴間くん!
鶴間くんとしては後十年は待つと思ってて、光が人生諦めた頃狙って落とそうと思っていたらしいです♪結婚チラつかせればよかったのかとぼやく鶴間が可愛くて仕方ありません。
とまあここだけでもう十分満足な濃さなんですが、聞いてください、ここまででまだ、全ページの2分目です。ということは!ここから先、二人がくっついてからのお話が読めるんですよ〜〜〜〜!十年分の片思いがあるからこそ、ここから先の展開が本当に尊くて、イチャイチャしているのを見るとニマニマしてしまって、始終楽しかったです。エロ度は確かに少なめかもしれませんが、心の結びつきが感じられるエッチだったからかエロ面でも満足でした(いつもならエロ度と満足度が比例するんですが)
この二人は人生の最後の最後まで末長く一緒にいるんだろうなと思えてきて、涙が出ました。
個人的には、関西弁で繰り広げられる会話のテンポやネタがとても面白くて、ギャグセンスも非常に高い作品だなあと思いました。たくさん笑わせていただきました!
決して派手さはないのですが、当たり前にそこにある
日常が繊細に、リアルに描き込まれていて
大満足の一冊でした。
図太いふたりの十年の間の距離感、空気感、雰囲気が
とにかく素晴らしい。
長年の片想いを経てからのムードもなにもあった
もんじゃない初めての時の流れも、
ちょっと雑な感じもまた逆にリアリティがあって
んんん〜って悶えちゃいました。
大好きな三木のを舐めて出させて「まっず」って。
そこで抱いちゃうの?みたいな。
そして初夜(じゃないんですが)への並々ならぬ執着を
見せる鶴間(笑)
気の置けない親友の延長線から恋人に辿り着いた
ふたりの自然なやりとりがずっと続いていくんだろう
なあ〜としみじみさせられるステキなお話でした。
三木のはんなり京都弁とまあるい後頭部が
愛おしかったです。