悪食

akujiki

悪食
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神19
  • 萌×210
  • 萌5
  • 中立3
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
9
得点
153
評価数
41
平均
3.9 / 5
神率
46.3%
著者
宮緒葵 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥650(税抜)  
ISBN
9784199009747

あらすじ

田舎の小さな村のあちこちに、
静かに佇む死者の姿──。
学校にも通わず彼らを熱心にスケッチするのは、
母に疎まれ祖父の元に身を寄せた18歳の水琴(みこと)。
風景は描けるのに、なぜ僕は
生きた人間が描けないんだろう…。
そんな秘密を抱える水琴の才能に目を留めたのは、
銀座の画商・奥槻泉里(おくつきせんり)。
鋭利な双眸に情熱を湛え、
「君の才能は本物だ。私にそれを磨かせてほしい」
と足繁く通い、口説き始めて!?

表題作悪食

奥槻泉里、水琴の才能に魅いられた画商、28
胡桃沢水琴、画家の卵、18

その他の収録作品

  • 蜜葬
  • あとがき

レビュー投稿数9

攻めの恋愛的好きはどこからきたんだ…


最後まで消えなかった気持ちです。
攻めの受けに対する食べ尽くしたいほどの性的好きはどこからきたの?

一目惚れであろう描写や心奪われた受けの絵の才能。仲良くなっていく流れもきちんと書かれていますが、昔は女性と付き合っていたゲイでもない攻めが受けにベタ惚れ状態になるのがどうにもしっくりこなくて、蚊帳の外な空気感で読み進めてしまいました。

おまけにはわわとか言っちゃいそうな(イメージ)可愛らしい受けがどうにもヒットせず辛かったです。
もうこの手の受けにハマれる歳じゃないのかもしれない。
純粋で健気ないい子ちゃんなんだけど、やっぱり受けでも雄みはほしい。
ショタでもいけそうなこのかんじの受けと私の相性が悪かったです。


宮緒さんの作品は5作目ですが、攻めのアレは太くて長い超立派な率が高くて、お、今回もか!と微笑みました。お好きな譲れないポイントなのかな。


決め台詞かのように何度か出てくる「君がこのベッドで着られるのは俺の腕だけだ」に毎度引っ掛かってしまいすみません。
寧ろ泉里と怜一カプだった方が自分が盛り上がった気がしました…。
そんなことも思ってしまいすみません。

1

はやくヤっちまえ笑

デンジャラスなハイスペック執着攻めを期待してた。始まりがそれだったから。

そしたら何⁉️妄想みたいな⁉️実体ではないだと⁉️

実体は思った以上にジェントルメンなハイスペック執着攻めだった。肩透かし。

始まりが濃厚な情事だった割になかなかエロい事しないんだもん。はやくヤっちまえよ!って感じでせかせか読み進めました。

なかなかエゲツない悪者達が出てきます。
オカルトも織り込まれて面白く読みました。

しかし、どうしちゃったの?エロが実体で合体1回きりで幽体?よりも随分とノーマルだったのはちと期待ハズレだった。

どんだけエロ好きやって?嫌いじゃないし、好きで読んだよ。ただまあ前半と比べてしまったらこうなったんだよぉ。

0

流石の文章力

死者の姿をスケッチする主人公とあらすじにあったので、恐々しながら読みましたが全然怖くなかったです。
むしろ死者より生きている人間の方が、とても恐い作品でした。流石の宮緒先生です。
狭い世界で守られていた水琴が、広い世界に出て行こうと決心したきっかけは奥槻です。
不思議ちゃんな水琴の考えを先読みして、行動出来る奥槻はスパダリでした。
義弟の犯罪が暴かれるまでは下僕のような扱いでしたが、解放されてからが別人でした。

後半のお話しも生きている人間の恐ろしさが際立つ内容でした。ちょっと水琴の鈍臭いところが前半よりもイラつきました。奥槻が言っていたように小悪魔要素があると思います。
BLの主人公だから大目にみて貰えますが、違うジャンルならあざといキャラで嫌われそうだと思いました。





1

悪意ある生者と死者の無念

今回は東京の画商と死者の姿を絵にする青年のお話です。

受様の死者の視える力で攻様の母親の失踪事件が進展を見せる本編と
攻様の同業者の画商の両親の死の真相が解明する続編を収録。

受様は高祖母の美貌と不思議な力を引継いで生まれます。幼い頃から
人には見えない不思議なモノが見えていました。

彼らは陽炎のように揺らめいていて様々な場所でゆらゆらと佇んでい
ましたが、幼い受様が何度その存在を訴えても周囲の人間には気味悪
がられるだけでした。

そこで受様は誕生日に買ってもらったスケッチブックに彼らの姿を
描き貯め始めますが、真に迫った筆致で見えないモノを描き出す受様
は周囲から恐れられ、完全に孤立してしまいます。

受様は小学校に上がる前に彼らがこの世にいない人々で、自分以外に
は死んだ人の姿が見えず、見える事がおかしいのだと悟ります。しか
し、受様の目に映る彼らは在りし日を懐かしんでいるように感じられ、
彼らをスケッチする事が楽しくてやめられませんでした。

そんな受様を母は激しく拒絶し、父は母と受様との板挟みになり、
唯一理解し憐れんでくれたのは父方の祖父だけでした。祖父の祖母は
見えないものを見、聞こえない声を聞こえたと言われ、祖父の子供時
代には不思議な力を頼る者が多くいましたが、胡散臭いとつらく当た
る人々もいたと言います。

理解されずに苦悩する祖母の姿に受様を重ねたのか、受様を自分の住
む田舎の山村に引き取る事を提案します。その村に住む人々は祖父と
同世代の高齢者しかおらず田畑と自然しかないところでした所でした
が、受様を優しく見守ってくれる人たちばかりです。

受様は祖父の畑仕事を手伝い、東京よりもずっと少ないながらも村で
も漂っている死者の姿を絵が気ながらのんびりと過ごしていました。

ところが村に観光にやって来た夫婦が受様の画いた少女の絵をSNSに
アップした事から、東京の画商の目に留まる事になります。この画商
こそ今回の攻様になります♪

攻様は受様の絵から受様の才能を確信し、受様を画家として世に出す
べく手助けをしたいとやって来たというのです。そして描き貯めた受
様の絵を見ても絶賛し、画廊で扱いたいとまで言ってくれますが、受
様には自分がそれほどの才能があるとは思えません。

その上攻様には寄り添うようにぼやけた影が寄り添っていたのです。
その影は受様がいざ描こうとしたとたんに空気に溶けてしまい、描き
留められなかったことも気になっていました。

それから攻様は度々、受様のもとを訪れるようになり、受様も徐々に
攻様に慣れていきますが、ある時、攻様の務める画商の社長を帯同し
て村にやってきます。

社長は華やかな空気を空気を纏う人好きのする青年でしたが、受様は
彼の背後に禍々しく渦巻く黒いモノが見えて全身に寒気が走ります。
しかも社長はただの雇用主にしては攻様に馴れ馴れし過ぎ、攻様は痛
いくらい神経を張り詰めていて、印象がちぐはぐすぎるのです。

そんな2人の様子に耐えかねた受様はお茶を用意するからと席を外し
たのですが、戻った際に2人は通した客間にいなかったばかりか、
有名な画家の画いた掛け軸をかけた奥座敷で何やら言い争っていたの
です。

あの爺さんに気に入られているお前なら格安で仕入れられる。
それができないと言うなら、お前がご執心のあの子を俺に寄越せ。
裸に剥いて、初物の尻を思い切り犯してやりたいな。

受様は込み上げてきた悲鳴をすんでのところで呑みこみます。

攻様と社長の間には何があるのか!?
社長に狙われた受様に待ち受ける未来とは!?

雑誌掲載作であるタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で、死者
が見える力をもつ受様の絵の才能に惹かれた攻様が関わったことから
2人が不思議な体験をするオカルトミステリーになります♪

本作は受様が攻様に犯されているシーンから始まり、受様の過去と攻
様の過去が徐々に明かされて行きます。受様の死者を見る力は、攻様
に寄り沿っていた影の存在から攻様の母親の失踪事件の真相にまで行
きつくのですが、お話を読み進む間中、落ち着く先がどこなのか全く
わからず頁をめくり続ける事になりました。

そもそもどこがスタートのシーンなの!?と2人の関係の進展にワクワ
クしていたら、攻様の家族事情がけっこうヤバい!?とハラハラし始め、
受様が攻様に社長の自宅に連れ込まれてしまうと攻様自身がヤバい!?
とドキドキMAX!!です。

タイトルの意味が判って攻様が改めて受様に告白するまでたいへん
楽しく読ませて頂きました (^O^)/

天然過ぎる受様の言動で攻様が悶絶寸前なシーンがかなり萌♡でした。

今回はスパダリ繋がりで宮緒さんの既刊から『狂犬ドルチェ』をおす
すめとしたいと思います。こちらも宮緒風味満載なスパダリです♪

5

特殊な能力を発揮した事件簿

とても面白かったです。
あらすじだけでは分かりませんが、死者を描く青年と、
彼を愛する画商が活躍する事件簿みたいな作品です。


学校へも行かず田舎で絵を描く青年・水琴は、
死者の姿を描き出す事ができます。
その水琴の絵に魅了されて足繁く口説きにくるのは、
東京の画商・泉里です。

水琴は、人に憑く影も見ることができ、
その影は泉里の側にも……
交流を深め、二人はお互いに惹かれ合っていきます。

前半の『悪食』には、この世とあの世の狭間の世界が登場します。
〝あなたの知ら○い世界〟ばりの展開に戸惑いましたが、
その世界で水琴は泉里の執着愛を嫌ってほど身体に教え込まれます。

この時の泉里は普段の紳士的な態度からはかけ離れており、
きっと本能のままに行動してるんだろうな……
と思わせる執拗さと執着ぶりでした^^;
強引な攻め様が好きな方には堪らないかもしれませんが、
私はあまり好きではなかったです。

その世界で泉里に憑いている影が泉里の亡くなった母だと知り、
その訴えにより母の死の真相に迫っていきます。

これが一つ目の事件簿です。
本編はこの事件で終わりなのですが、
描き下ろしがそれを超えるほどに長い!

『蜜葬』
二人のその後が描かれています。
水琴は東京で絵の勉強をしながら、
泉里との同居生活をスタートさせます。

泉里の知り合いの画商・怜一に憑く二つの影とともに、
怜一の両親の死の真相に迫っていくお話しです。

二つの事件を通して水琴と泉里は心を通い合わせていくものの、
現実世界ではまだ一度も身体は結ばれていません。
水琴が天然たらしで思わせぶりな事ばかり言うので、
泉里は振り回されっぱなし(笑)
よくぞ理性を保っていられるな……と思うほどで、
泉里が不憫にさえ思えてきます^^;

一歩踏み出す勇気のなかった水琴は、
身の危険に陥り初めて泉里に抱かれなかった事を後悔します。
事件解決後は身体を許すのですが、
「最後までしてもらったら、気持ち良すぎて、おかしくなって嫌われるかも……」
なんてな事を言うもんだから、泉里はノックアウト寸前ですよ(^◇^;)
煽るよね〜‼︎

泉里は過保護で献身的な溺愛攻めだし、
水琴も素直に一途な思いをぶつけてきます。
相思相愛、入り込む余地なし……な二人がとても好きでした。

水琴が天然で泉里を煽り悩殺するので、
あまりの殺し文句に項垂れてしまう泉里が少し滑稽で、
そこも微笑ましかったです^^
泉里のキザなセリフも個人的にはツボでした!

ホラー系でも感動系でもないと思うのですが、
事件簿としても面白く、明らかに両片思いの二人がじわじわ進展していく恋愛も楽しかったです!

ただ、タイトルを「悪食」にしたのは何故でしょう?
少し内容とズレを感じてしまいました……


3

宮緒さん、ちょっと変わった?

あら?
宮緒さんの言葉廻しがちょっと変わった気が……
時代がかった言葉があちこちに散りばめられています。気の所為かもしれませんが。これが『この世の者ではない人を描く』という物語の雰囲気にマッチしていて、私は好きです。

不思議な手触りのするお話です。
『この世の者ではない人が見える』という登場人物が出て来るお話は結構沢山あると思うのですが、今作の主人公は『目に映るその人(?)を描いてしまう』のです。『描かずにおられない』と言った方が正しいかな。
水琴の目に映る死者は、誰かに何かを伝えたがっています。
その気持ちに揺り動かされて、水琴は絵を描く。
周りの人たち、挙句の果てには両親からも、気味悪がられ止められてもやめることが出来ないのですね。

宮緒さんのホラーって、人の性根の醜さ、怖さを見せつけられる様なものが多いと思います。今作も殺人事件がらみの話なのですが、死者を描く行為が水琴の優しさから生まれている為に読後感はとてもいい感じ。
そりゃあ、どんどん追い詰められていくホラーとか、人間の醜さだけをとことん書いている物語も面白いですよ。でも、個人的な好みとしては、話が一辺倒に進んで行くよりも間に笑いがあったり泣きが入ったりする、緩急がある物語が好きです。
最近の宮緒さんの本はそんな感じがするんですね。
偉そうな言い方になっちゃうかもしれませんが、また新しい段階に入られたような気がしました。

それでも、エロいのは変わらず。
私はこの辺がBL作家さんって凄いよねぇと思うのです。
何と言うか職人仕事的なものを感じます。
『軍人を感じる』というほどストイックな泉里が乱れる様(水琴はもっと乱れているんですけどね)は、なかなか読み応えがありました。

2作入っていますが、どちらも尺が長い割にはするする読めます。
萌えたかと言われればそこは今一つ。ただし、これはキャラの好みの問題で話自体はとても面白かった。
出来るものならシリーズ化していただけたらと思います。

2

絵を描く

宮緒先生だしみずかね先生だしマストバイ。静謐な印象の不思議テイストなお話がお好きな方には良いのではと思います。雑誌に掲載されたお話160P超+その続き170P超+あとがき。攻めはスパダリ系、受けは不思議ちゃんと感じ、お話は王道かなと思ったので、萌にしました。

祖父と二人で秘境と言われるほどの田舎で暮らす水琴(みこと)の下に、東京から画商の奥槻が訪ねてきます。彼はSNSで水琴の絵に目をとめ、絵を見せてほしい、絵を自分の画廊で取り扱わせてほしいと頼んできますが、絵を習ったことがある訳でもなく訳ありで中学しか行っておらず、SNSに触れたこともない水琴にしてみれば驚くことばかりで・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
攻めの義兄、義父、受けの祖父。後半では専門学校の友達、槇怜一(画商、イケメン♡)、槇の義父、義姉等々。前半と後半ではがらっと登場人物が入れ替わってます。

**内容に触れる感想

水琴は通常人には見えないものが見えてしまい、それを絵にしてしまう才能の持ち主。その絵が人を惹きつけて止まないものらしくSNSで大人気になっています。そして描いている当人が、絶世の美女だったと聞く高祖母に似て、めちゃくちゃ美人さん、そして世間知らずのうぶうぶさん=ほぼ妖精。男子の群れの中に放り込むと大変なことになると思われる方。また思ったまんま喋るんで、めちゃ攻めは煽られて、前半とても困ってました(笑)。

攻めさんはカッコいいスパダリ系で、絵以外の方面であからさまに口説いてはいないですが一目ぼれ、絶対逃がさないぞと思っていたに違いないです。遠路はるばる東京から画家として面倒みさせてくれと口説くべく、田舎へ通う通う、ご苦労様な状態でした。

お話全般がシリアス、特に前半は黄泉戸喫(よもつへぐい)を題材にしたものなので、くすっと笑うところはなく、攻めさんはひたすらカッコいい系でしたので、さらっと読み終わってしまいました。
攻めさんは受け一筋、何人たりとも触れさせるもんか的態度を、特に後半あからさまにしているのですが、べつに〇〇で臭い付けするというような執着変態系ではなかったので、変人好きな私としてはやはり物足りなく感じた次第です。

シリアスよりな不思議テイストお話がお好きな方でしたら、おススメ!です。

5

独特な世界観に引き込まれる

作家買い。

宮緒作品と言えば、ワンコを通り越したオオカミ攻め、のイメージが強いですが、今作品の攻めさんは程よいワンコ攻めさん。いつもの宮緒作品の執着攻めを期待して手に取ると、もしかしたら若干肩透かしをくう作品かもしれません。

『悪食』というタイトルにもしかしたら痛いお話かな?と思いつつ読破しましたが、『悪食』は、作中にも、そして宮緒さんが書かれたあとがきでも書かれていますが、「黄泉戸喫」を著しているのでしょうか。今作品はなんとも不思議で、けれど温かい、「死者」との関わりを描いた作品でした。





主人公は水琴。
まだ18歳の彼は親元を離れ、田舎に住む父方の祖父の元で暮らしている。
彼は「見えるもの」を絵に描く日々を送っている。
若いのにひたすら絵を描き続けている水琴に、祖父を含めた周囲の人たちは温かく見守ってくれている。

そんな水琴のもとに、一人の男が訪れる。
水琴の絵に惹かれ、絵を売ってほしいとやってきた画商の奥槻だ。

自分の絵に自信がない水琴だけれど、足繁く田舎に足を運んでくれる奥槻に少しずつ惹かれ始めて…。

というお話。

このストーリーのキモは、ずばり、水琴の描く「絵」です。
絵、というよりも、水琴が描く「人物」と言った方が良いかも。

水琴は、


ネタバレ注意!!






**************************************************

死者を見ることができるんです。
その死者を、絵に描いている。

その水琴の能力が原因で、彼は親からも気持ち悪がられ、友達もいないという孤独な日々を送ってきた。
そんな水琴を気の毒に思った祖父に助けられる形で田舎へ引っ越してきたという過去がある。

が、水琴が持っている能力と、そして祖父が水琴を心配する思いは、実はつながってるんです。

なぜ水琴は死者を見ることができるのか。
祖父の水琴に向ける思いはどこから来るのか。

その謎を追う形でストーリーは進みますが、BL作品なので。
そこに当然「奥槻」という男性の存在も絡んできます。

奥槻にも、秘密があるんですね。
その秘密とは一体何か。

その秘密を、水琴が持つ能力で解き明かしていく。

死者が登場したり、水琴が死者を視ることができる、というバックボーンではありますがオカルト感はほぼなし。

水琴が死者を視ることができることがきっかけとなり、いくつかの事件をも解決していきます。

ミステリーや刑事ものではないので、この「解決方法」がなんとも温かい。
悪者(というか犯人というか)逮捕に比重を置いた作品ではなく、水琴の持つ力によって、人が救われていく、というお話なんです。

それを、スパダリ・奥槻さんが陰から日向からサポートする。

ストーリー、バックボーン、攻めさん。
すべてめっちゃツボで、どうストーリーが進んでいくのかページを捲る手が止められませんでした。いくつかの謎を水琴は解明していきますが、少しずつつながっていて、ストーリーに奥行きがある展開なのはさすが宮緒さんというべきか。

みずかねさんの書かれた挿絵も美しく、この作品の持つイメージにぴったり。

がしかし。

受けさんが今一つツボに入らなかった…。
天然ちゃんにもほどがあるぜ!って感じ。

おぼこい、天然ちゃん、まっさらさん。

言い方は様々あれど、ちょっと度を越してる気がします。彼がもう少ししっかりしている青年だったら神評価だったんだけどな。こういう可愛らしい受けさんがお好きな方は多いでしょうし、完全に好みの問題ではあるのですが、個人的にはもう少ししっかりした受けさんが好きなんです。

そして、登場する人物すべてが水琴の魅力にドはまりする、というのも微妙。
彼がそこまで人を引き付ける人物には思えなかったのが残念でした。

奥槻さんが程よいワンコさんなためか、宮緒さん作品にしてはエロ度はやや控えめ。
濡れ場に突入するといつもの宮緒さんらしいエロは発揮されていますが、とにかく奥槻さんが水琴を大切にしているためにひたすら我慢する描写に激萌えしました。

この作品の持つ世界観は非常に面白く、続編を作ろうと思えばいくらでも作れる気がします。

ということで、ぜひとも続編を書いていただきたいと思う1冊でした。

6

受けが光属性じゃなかったら、果てしなく闇堕ちしてたと思います

強烈なタイトルに死者の姿を視る主人公と、闇が深めの作品に見えそうですが。
実際は、包容力がある溺愛攻めに純真で真っ直ぐな主人公と、そこまでダークじゃないです。
後半の書き下ろしに至っては、かなり甘めで可愛く仕上がってたりします。

宮緒作品の凄まじい執着攻めも好きなんですけど、個人的には今作くらいのマイルドな「執着ぶり」が一番好みなんですよね。
とても良い執着溺愛攻めだと思います。
いやまぁ、彼がその執念でもって、受けをとある状態に引きずり込んだエピソードはちょっと怖かったけど。
これ、後から気付いた時に、ゾッとくるヤツですよ。
かなりヤバかったんじゃね?と。
受けが光属性じゃなかったら、果てしなく闇堕ちしてく作品になっちゃってた事でしょう。

ザックリした内容です。
死者の姿を視る事から、周囲に疎まれ田舎の祖父の元に身を寄せている主人公・水琴。
彼が描く絵に魅了された銀座の画商・泉里により、熱心に才能を世に出す事を口説かれるんですね。
足繁く通ってくる彼と過ごすうちに、その人柄に惹かれてゆく水琴。
しかし、自分の描いているのが「死者」の姿だとは言い出せずー・・・と言うものです。

まずこちら、純真で真っ直ぐ、ちょい天然な主人公・水琴と、穏やかで包容力がある攻め・泉里と言うカップリングになります。
で、この水琴ですが、絵に関して非凡な才能を持つのですが、彼が描けるのは「死者」の姿だけと言う特殊設定。
また、そんな彼の才能に惚れ込んだ泉里ですが、彼は彼で紳士的で包容力がありと完璧に見えて、実はとある重荷を抱えており・・・と言った感じでしょうか。

これ、見処なんですけど、泉里が凄まじい執着を見せる事となる、二人だけの不思議な世界ー。
ここだと思います。

泉里には決して逆らえない、画廊のオーナーで義弟である男がおりまして。
彼が水琴に目をつけ、自分に差し出すように命令するんですよね。
すると、追い詰められた泉里が望んだ事は・・・って感じで。

いや、まさに二人だけの世界で、何も不足の無いとても素晴らしい所に思えるんですよ。
そこで、思うさま水琴を激しくむさぼる泉里。
そして、服すら与えられず、意識が無くなるまで犯される水琴。
個人的ですね、こういう展開が大好きなんですよね。
受けが朦朧とするまで、と言うか意識を無くしてまで求め続ける攻めと言うのは、それだけでゾクゾクきちゃう。

で、そんな中、この世界に強い違和感を覚え、更に出てくる「料理」に対して、強い拒否感を覚える水琴。
共にここから出ていく事を訴えますが、泉里はこの世界に固執し・・・と続きます。

これ、しつこいですが、後からゾッとくる系ですねぇ。
本当、光属性の受けで良かったねぇと。
いやまぁ、個人的には、このまま闇堕ちでも楽しいけど。

ここまでが雑誌掲載作で、この後に書き下ろしで二人のその後になります。
この書き下ろしですが、東京に出てきた水琴との、甘々同居生活編。
泉里の溺愛ぶりがすっごい事になってる!
そして、その能力により大活躍する水琴と、なんかやたら甘いし爽やかなんですよね。
てか、ここでちょっとしたスレ違いもあるんですけど、もう「おいおい」と言いたくなっちゃう、可愛いスレ違い。
このバカップルめ~!!みたいな。
甘いですな。
ひたすら甘いですな!

そんな感じの、個人的にはとても好みの溺愛執着作品でした。

9

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