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表題作セブンティーン・ドロップス

江里口侑
高校生,母子家庭
奥村広久
高校生,父子家庭

あらすじ

誰かを可愛いと思ったのはそれが初めてだった。
江里口侑、小学校四年の始業式で広久の前に立った少年。
すぐに彼は転校してしまうが、時が経ち、進学したばかりの高校で、広久は江里口と再会する。
女の子より可愛かった彼は、背も伸びて見違えるほど男らしくなっていた。
人気者の江里口。
誰とでも仲良くなれる江里口。
高校二年生、同じクラスになった江里口と、広久は初めて親しくなるが…?七年目の恋物語。


作品情報

作品名
セブンティーン・ドロップス
著者
砂原糖子 
イラスト
佐倉ハイジ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403521232
3.4

(61)

(16)

萌々

(10)

(25)

中立

(6)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
18
得点
201
評価数
61
平均
3.4 / 5
神率
26.2%

レビュー投稿数18

No Title

高校生の青春ものです。
付き合うまでのモダモダと付き合ってからのモダモダが半分ずつくらいの割合で構成されています。

主人公の広久が真面目で優しく善人で応援しやすい人物でした。若干無神経な部分もありますが、若さと人間らしさがあって良かったです。

主人公ではありませんが未成年の喫煙描写があることと、攻めが女の子とかなり軽い気持ちで肉体関係を持つ人物なので、その辺は苦手な方も多いかなと思います。

2005年の作品ということで、主人公の思考回路に前時代的なところが若干あると思います。
私はセックスに至るまでのやり取りだけ少しモヤモヤしました。

とはいえ、登場人物どちらも好きになれるキャラクターで、青春を感じたりしながら最後まで楽しく読むことが出来ました。

0

受けがちっちゃい男前(だけど不器用で奥手)で好き。

受けのヒロがすっごくいい子なんです。
母親代わりに家事をこなしているけどそれを苦にしたり、声高に俺やってます!と主張することもなく淡々とやるべきことをやるのみ……みたいな武士っぽさがあるというか。
寡黙で、芯があって、真面目でちっちゃいけど男前な子。

対する攻めの侑は、人当たりがよくてスマートな振る舞いが身についていて、セフレがわんさといる。
基本ウェルカムなんだけど、去る者追わずな子。

人への接し方、性に対する考え方など180度違う二人だから、恋に向かって歩いていてもテンポが全然違うんですね。

だから、すれ違う。
で、ジタバタ、ぐるぐるして、落ち込む。

そこが甘酸っぱくて、お互い初めての恋って感じで良かった。

とりあえず告白されたら付き合うし、セフレにも事欠かなかった侑が、初めて「好き」という感情に目覚めるんですね。
だけどヒロを泣かしてしまい「おまえなんか死んじまえ!嫌いだ、おまえなんかっ」と拒絶されてしまう。

そのあと侑が自己嫌悪する様子や、「ヒロが認めてくれるような、優しいいい男にきっとなるから。だからもう一度、俺を好きになって」とよれよれ&シワだらけな制服姿で許しを乞うところが、ちょい攻めざまぁ成分混じってて萌えました。


後半も良かった。

付きあうってどういうことだろう?
「好き」をどうやったら形に変えられるのか、悩むヒロ。

バイト先(弁当屋)の常連客である女装のオネエとの不器用な交流がキラリと光って、私はここが好き。

今まで、自分の主張を飲み込んできたヒロにとって、言葉で自分の気持ちを表すということは至難の技。
勇気を出して声をかけてみるも、案の定不器用すぎるド直球質問でオネエを激怒させてしまう。

でも、そのあと再会したときのやり取りで
「男なのに、男と付き合うって難しいんでしょうか」と悩みを打ち合えたヒロに対して、
「男だから難しいんじゃなくて、他人だから難しいんだと思うけど?」と答えたところが好き。

2

青春の1ページ

高校生同士の青春BLから枝葉となる特殊な要素を限りなく取り除いたような、どこかで一度は読んだことのあるような、シンプルなお話です。
攻だけでなく受も男の子らしい強さがあり、好感が持てました。
ともすれば退屈になる設定でも最後まで楽しく読むことができたのは、偏に砂原さんならではの豊かな表現と、キュンとするイラストのお陰だなーと思います。
性的な描写は少なめで、あっさりしているので、BL初心者の方でも安心して読めるのではないでしょうか。

0

ふたりとも良い子なんですけどね


自分が大人になってしまった分、高校生ものはピュアで大好きなんですが、こちらはあまりピンときませんでした。
攻めも受けも、大人ぶったりしていても、どこか可愛らしい高校生なんですけどね。


受けの広久は父子家庭で、携帯電話の一つも欲しいと言い出せない家族思いの少年です。

攻めの侑は母子家庭で、女性に囲まれて育ったせいか扱い方がうまく、しかも見目も良いのでモテ男子。


小学生以来の再会ものです。
広久とは転校する小学生時代はドングリの背比べ状態だったのに、高校生になったら背が伸びかっこ良くなって戻ってきた侑。

侑はおばさんになってしまったわたしから見ると、言い方は適切でないかもしれませんがマセガキって感じです(苦笑
反面、広久は、等身大の派手さのない可愛い子です。
というより、親にしたら出来過ぎな良い子。
このマセガキさんと純情さんが、お互いなんだか惹かれ会うお話です。

先にも書きましたが、広久があまりに良い子で可愛い。
ただ、だからといって乙女系というわけでなく、きちんと男の子。
序盤、乗らず、あまり読み進められなかったのですが、広久があまりに良い子なもので頑張りました(笑

侑は性に対して我慢いらずに成長してしまったので、何事にも我慢だった広久とのギャップがかなりありましたが、お互いがお互いに歩み寄ります。
侑も広久も、学生時代の特権とも言える青い余裕のなさがキラキラしていました。

佐倉ハイジさんのイラストもなかなかにカッコ可愛い高校生なのですが、もっとポヤーっとした感じの方があっていた気がしました。

2

受けが男前な話は大好物です!

そして広久、外見はともかく中身は本当に「男」です。
だから余計に、同じ男である侑が好きだと気付いた時、戸惑います。

広久が恋心を自覚したきっかけは、
クラスメイトの桜田に頼まれて侑に桜田の気持を伝えたとき。
付き合い始めた2人に、ほんとうは侑に断ってほしかったんだと気付きます。

そして広久が恋を自覚した後の心の動きは切なかった。
広久は、本当に良い子だし、「男」らしいと思います。
母親が居ない為に家族の世話や家事を一身に受け、色々な事を我慢してきた広久。
  ずっと泣いたことなんてなかった。
  男なのに、もう十七歳なのに。
自転車を漕ぎながら泣くシーンは、じんじんときてしまいました・・・
そして、本当は欲しかった携帯電話を家族からプレゼントされた時、
「良かったね、ヒロ~」と私も本当に嬉しくなりました!

一番の見せ場は、やはり侑が広久の気持に気付いたシーンでしょうか。
侑、大好きなヒロも自分を好きなんだと知り、
嬉しさのあまり暴走しちゃいます(笑)
そのせいで広久を傷つけてしまいます。

その後、仲直りしたい侑が頑張り、2人は無事お互いの気持を確かめ合います。
そして交わすキスも、広久、男らしい(笑)

後半の「セブンティーン・キス」は、2人が付き合いだしてからのその後。
広久が男同士の恋愛を少しずつ受け入れていくお話です。

とにかく、前編通して爽やかでピュアです。
サブキャラですが、桜田、私は結構好きです!

3

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