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巣作りして俺を待ってたのか?
作者さん初のオメガバース+軍になります。
で、こちら、とにかく面白かったです。
どうなるか続きが気になって気になって、グイグイとページを捲らせてくれる感じ。
もう、一気読みでした。
あと、タイトルではコミカルな感じですが、印象としてはわりかしハードだし、とても切なかったりもします。
オメガバ設定が非常に巧みなんですけど、オメガである主人公にとっては理不尽な世界観なんですよね。
特に、主人公を襲うある出来事なんかが辛すぎて、人によっては完全に地雷かも。
私も、まさかそこまでやっちゃうと思ってなかったので、不意打ちで張り倒されたくらいの衝撃を受けちゃって。
まぁそんなワケで、人によっては受け入れにくい作品では無いかと思ったりもするんですけど。
ただ、個人的には、そんな過酷な状況でも精一杯ベストを尽くす主人公にシビれちゃって。
中原先生の書くキャラは、しっかり戦う男って所がとにかく格好いいと思う。
でも、ガチで辛いので、苦手な方は最初から避けて下さい。
ザックリした内容です。
27才でありながら、未だ発情期が来ず、自分が出来損ないだと思っているオメガの五色。
軍人・黒瀬と出会い、初めての発情を起こします。
実は、オメガの発情を自由に操れる特別な存在「Sアルファ」である黒瀬。
また、オメガの発情に左右されないSアルファである黒瀬が、何故か五色に対しては発情してしまうんですね。
そこで、五色もまた軍が探している特別な存在「Sオメガ」であると気付いた黒瀬は、彼を自宅の屋敷で匿いますがー・・・と言うものです。
まずこちら、今作でキモになるのが、オメガバの特殊設定「Sアルファ」と「Sオメガ」になると思うんですけど。
Sアルファは普通のアルファより更に優秀で、オメガを自由に発情させられたり出来るんですね。
また、Sオメガですが、まだまだ謎が多い存在。
ただ、Sアルファすら発情させる事が出来、更にアルファやSアルファの子供を高確率で産めたりする。
その為、軍が「保護」の名目で探しだして、身柄を確保しようとする。
と言った感じでしょうか。
この特殊設定がですね、すごく巧みに生かされてまして。
Sアルファと「持てる者」であるが故に、アルファの上官で兄である上沼に強く憎悪を向けられている黒瀬。
また、発情期が遅いSオメガであるが故に、子供を産めない「出来損ない」だと勘違いされて、親から愛されなかった五色。
二人の心の傷だったり、その特殊体質によって事態がこんがらがったり逆に収束したりと、唸らせてくれるのです。
そう、主役二人が抱えるものが重くと、キャラに深みを出してくれてるのも上手くて。
いや、切ないけど。
が、とりあえずはほのぼのトーンから。
五色がSオメガだと気付いた黒瀬ですが、何故か軍には報告せず自宅に匿います。
そこで待っていたのは、6人もの子供達。
全員自分の子供だと告げる黒瀬ですが、料理は出来ない世話の仕方も分からない彼に代わって、仕方なく五色が面倒を見るんですね。
これが、やんちゃな子から引っ込み思案な子までと、ドタバタって感じですがほのぼのさせてくれて。
また、彼等との関わりを通して、黒瀬の本当の姿が見えてくるのが上手いと言うか。
いや、黒瀬ですけど、無感情で冷たい印象なんですよ。
最初こそ。
それが、無感情に見えるだけで、子供を大切にする思いやり深い男だと分かる。
なんてったって、自分の子でもない(捨てられた兄の子)オメガばかりを6人も引き取って育ててるくらいですしね。
と、そんな日々を過ごすうちに、黒瀬に惹かれてゆく五色。
しかし、軍に自分の存在がバレ、黒瀬と子供達を守る為に屋敷を出る決意をして・・・と言う流れ。
ここからですね、かなり切ないし怒涛の展開。
こう、黒瀬の心を変える為「こんな所で子供の世話なんて嫌になった」的に嘘を付いて五色は屋敷を出るんですよね。
また、軍では上沼により、子供を生む為だけの道具扱いされる。
こう、オメガである事で蔑まれつつ、それでも黒瀬や子供達の幸せの為に毅然と顔を上げてる姿にグッときちゃうと言うか。
で、ここから更に、個人的に一番辛かった展開。
五色ですが、黒瀬に対してしか発情しないんですよね。
それは黒瀬がSアルファであるが故か、それとも五色の発情がまだ不安定なせいか。
いや、個人的には黒瀬にしか発情しないと言う「愛」説を強く推したいですけど!
で、異様に弟に勝つ事に拘る上沼により、黒瀬の目の前で犯され番にされてしまう五色。
えーと、黒瀬を拘束した上で、彼の存在により発情した五色を孕ませる為に犯すみたいな。
いや、サラッと書かれちゃいますが、すんごいショック。
まさかのNTR。
その上、攻め以外の番!
果たして、二人は結ばれる事が出来るのか?
って感じで。
とりあえずですね、ここから息をつかせぬ怒涛の展開で一気に読ませてくれます。
こう、すっごいショックなんですけど、それでも決して投げやりになるのでは無く、愛する存在の為に強くある五色が格好いいのです。
また、黒瀬も黒瀬で、指を咥えて見てるだけじゃないのです!
彼もまた、自分の方法で戦い、愛するものを守ろうとする。
くっ、二人とも格好よすぎる・・・!
また、落とし処が感動的でホロリとさせて。
そう、アルファだろうとオメガだろうとベータだろうと関係無く、あなただから大切なのです。
まぁそんな感じで、とにかく面白いしシビれる作品でした。
あと、オメガバだからか、エロ多め。
ちょっと、「この一夜を一生の思い出に・・・」系のエッチは切なかったですけど。
う~ん・・・。
NTRがきついのでご注意いただきたいんですけど、すごく素敵な作品だと思います。
私のマイページのリストにこの本のタイトルが上がった時に「え?」と思ったんですよ。中原さんがオメガバース?それもタイトルが『最強アルファと発情しない花嫁』?
私の中では中原さんはお気に入り作家さんの中でも一番と言って良いくらいオメガバースとは遠い作家さんだったんですよね。ここの所、中原さんの本はほとんど『当たり!』だったものですから「好みに合わなかったらちょっとショックかも」と思いつつ読み始めたのですけれども。
当たり!それも大当たりでした。
安定の中原さん作品でした。
オメガバースって登場人物たちが『繊細で脆くって可哀そう』なものが多い様な気がするんです。
でも、この作品に出て来る黒瀬も五色も芯が強い。
可哀そうな状況ではあるのですが、逞しい。
ニヒルな感じを漂わせている(そしてそうならざるを得なかった理由がとても明確な)黒瀬も、本質的に生きることに前向きなの。軍が関与するお話なので、2人を巡る状況は非常に過酷を極めるわけなんですが、それでもその中で最善の行動を選び取って生きようとする。もう一度会うために努力する。
これがとってもいい感じなのですよ。
『ハードなのに光属性』なんですよ!
もうひとつ中原さんらしいと思ったのは、2人の周りの人たちが人情に溢れていて『モブ』になっていないこと。登場人物全員に顔があるんですよねー。
五色はS(最強という意味の『S』ですね)アルファの黒瀬によって今まで起きなかった発情を誘発され喰われちゃった後に彼の家に『拉致?』されるのですが、その家にいた黒瀬を「パパ」と呼ぶ子どもたち(なんと6人)と心を通わせます。そしてこの子たちの為に最大の犠牲を払おうとする様になります。
これね、親元を離れてから五色の人間関係が非常に豊かだったことを示していると思うんです。だって五色って『発情しないオメガ』だったばかりに、精神的にですが、親に捨てられているんですよ。愛を知っていなければ人に愛をそそぐことは出来ないと思うんですよ。
お話冒頭の、尺にしたらほんのちょっとの、武田や矢内とのやり取りでちゃんとそれを垣間見せている所なんかは『上手い』を通り越して『手練れ』を感じさせます。
多くの方が読んでいる間に予測できるんじゃなかろうかとは思いますが、お話に『仕掛け』があるので、あまりあらすじは書かないでおこうと思います。
ただざっくりと紹介させていただきますと、
・バース性によって『子どもの価値』が決まってしまう社会の為、親の愛情が得られない子どもが出来る。
・アルファやオメガの中にも『スーパー』という階級が存在する。
・『スーパー』の性質はまだ研究が浅く、良く解っていない。
というキモがあります。
これがオメガバースでありながらお話を豊かにする仕掛けになっています。
物語を動かすのは、どのバースに生まれるかの『運命』ではありません。
『恋』なんですよ!
そして『行動選択』や『周りの人たちとの関係性』なの。
これは主人公グループだけではなく、悪役たちにも同じことが言えます。
だから面白い。
中原さんお得意の『動物の習性(この場合オオカミの習性)』が、五色の恋心を示すエピソードとして挿入されていたことも、ニヤニヤしてしまいました。
そして、私がこの作品を『神』評価にしたのは、ズバリ性癖故です。
NTRだよ!
プレイではないし、そのシーンがじっくり書き込まれている訳ではないのですが、それ故に想像の翼が大きく広がるNTRですよ。攻め受けどちらの方向でもかなり切ない妄想が出来る『良いNTR』が此処に!
NTR好きの姐さま方、この本絶対に読んだ方が良いですよ。
あと『遊郭もの』とかが好きな方にもお勧めです(身売りではないのですけれども、五色の心情はそれと同じような感じだと思うのですよねぇ)。
またしても思いました。
最近の中原作品に外れなし!
めっちゃ面白かったです!
基本のオメガバースに独自の設定をプラスした作品で、
素晴らしいオリジナリティを感じます。
黒瀬(Sアルファ)にしか発情しない五色(Sオメガ)も、
一度発情してしまうとどんなαでも欲しくなってしまう⁉︎
それが作品をシリアスに、かつドラマチックにしています。
最強アルファの黒瀬に嫉妬する義兄・上沼(α)は、
Sオメガである五色を孕ませるため黒瀬の目の前で五色を犯し、
無理矢理番契約を結んでしまいます。
ここは胸がドキンッ‼︎となって、
物凄いショックを受けてしまいました……
一生セックスできなくても五色と一緒にいたいと望む黒瀬と、
無意識に黒瀬のものを集めてネスティングする五色の、
お互いを愛する気持ちに胸が熱くなります。
そして、作品の肝になっている黒瀬の子どもたちが、
作中でも大活躍!
誰の子でもどんな子でも愛するという黒瀬ーー
五色が、黒瀬自身が欲しかった言葉がここにありました。
上沼に番にされ、どうなることかと思いましたが、
Sアルファの【S】はスーパーのSだったんだね!
そう実感させる超トリッキーな展開も、
ハッピーエンドのためなら受け入れられました。
でも、一番驚いたのはスーパーαの黒瀬がDTだったこと‼︎
素晴らしいの一言ですな(≧∀≦)
表紙・イラストもとても素敵でした!
作家買い。
作家買いですが、挿絵が奈良さんということでそれも高ポイントではあるのですが、さらに今作品は中原さんお初のオメガバースもの。
ということで、発売を心待ちにしていました。
オメガバースは、その独特性からか作家さまによって設定が若干異なります。
今作品は、
Ωはαの子を産むための存在としてしか価値がない。
Ωは侮蔑の対象である。
Ωであるというただその一点において、子を大切にしない親さえいる。
という、ドシリアスなバックボーンがてんこ盛り。
受けである五色はΩ。
Ωだけれど、発情期がこない、いわゆる「ぽんこつ」なΩである。
αの子を望んでいたけれど、Ωの子しか恵まれなかった。
しかもαの子を成すであろう存在でありながら、発情期がこない息子。
そんな息子をないがしろにした、彼の両親。
自分の親に絶望した五色は、家出をし、名を変え、そしてΩの薬を調合する師のもとで生きてきた。
このまま発情期を迎えずに、一生を終えれればいい―。
そんな風に願っていた五色だが、Ωの発情期を促すことができるSアルファと呼ばれる黒瀬と出会い―?
というお話。
なんて言うんでしょうね。
非常に中原さんらしい一冊でした。
骨太っていうのかな。
男らしい、と言ってもいいかもしれない。
中原さんらしい男の色香満載の、オヤジギャグをぶっ放す、コミカルなおやじは今回は登場しません(あ、それは嘘。サブキャラでは登場します)。
が、ですよ。
この黒瀬という攻めさんがめっちゃカッコいいの。
何がカッコいいって、何から何までカッコいい。
正直、こんなにかっこいい攻めさんを中原さんが描けるのか、という感想を持ちました。
いやいや、中原作品の攻めさんてどの攻めさんも等しくカッコいいのですが、今作品の黒瀬という攻めさんは紛うことなき、正統派の、カッコいいスパダリさんです。
だからこそ、と言っていいでしょう。
人の想いをきちんと慮る人物だからこそ、五色とのすれ違いがなんとももどかしい。
五色の嫌がることはしたくない。
五色の気持ちを大切にしたい。
そんな黒瀬の男気がカッコいいし、悶えるし、萌えるのです。
で、カッコいいだけじゃないんですね、黒瀬という男性は。
まー、できる男なんですよ。
そして五色という青年も。
自分ができることで、沢山の愛する人たちを守りたい、という、こちらも男気溢れるナイスガイ。
五色の秘密(は、ぜひとも読んで堪能していただきたい)のために身を狙われますが、自分のことよりも周囲の人たちのためにあんなことやこんなことをされても、負けることなく立ち向かう姿が非常にかっこよかった。
社会的な弱者であるΩ。
うなじを噛まれることによって、番になってしまうという世界観。
そして、Ωがαの持ちものを寄せ集めて行う「巣作り」。
オメガバースならではの設定が、これでもかと盛り込まれ、それでいて薄幸なだけでなく一本筋が通った男気も描かれていて、多くの腐姐さまの萌えツボをがっちりつかむこと請け合いな一冊でした。
何より、ストーリーが面白い!
二転三転しつつ、予想を上回る結末と面白さに、ページを捲る手が止められませんでした。
そして特筆すべきは奈良さんの挿絵。
うっとりする美しさと、男の色香、そしてぶれない強さ。
そういった世界観を損なうことなく、むしろよくぞここまで、と思うくらい見事に描き切っています。
キャラ。
設定。
ストーリー。
そして挿絵。
どれをとっても素晴らしく、神評価しか付けられませんでした。
SアルファとSオメガの存在が面白かったです。
攻めの黒瀬がSアルファだった故に救いがあったので、スッキリとした読後感でした。
警察の介入があって黒瀬の処刑を阻止出来て、異母兄である上沼の組織の私物化とオメガの人権侵害が明るみになりました。裁判中で終わってたので胸糞悪い異母兄と父親がどうなったか知りたかったです。
黒瀬が異母兄が捨てた子たちを引き取って、愛情深く育てていました。黒瀬と春は運命の番であったけど家族愛に恵まれなかったもの同士でした。
正式に子ども達を養子にして2人の間にも子どもが生まれて、幸せそうな様子が奈良千春先生の素敵なイラストでも堪能出来ました。