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『式神の名は、鬼』の2巻目。
作中で1巻の説明や登場人物の説明が書かれているので、1巻が未読でも読めないことはないと思いますが、でも続きものなので1巻から読まれた方がより楽しめるかと思います。
主人公は陰陽師の櫂。
ほぼ彼視点でストーリーは進みます。
櫂は八百比丘尼の子孫である(と言われているだけで、本当は違う)ために、彼の血肉を喰らおうと満月の夜、数多の魑魅魍魎に襲われるという日々を過ごしてきた。
が、彼はもうすぐ死んでしまう。
幼馴染で、淡い初恋の相手でもあった友人の伊織が魔物に憑依され、そのまま櫂を襲った。その時の呪詛が原因なのだ。魔物を滅することでしか呪詛が消えることはないが、当の魔物が今どこにいるかわからない。
すぐに死んでしまうのなら、今まで苦労させられてきた魔物に自分のボディーガードをさせてやろう。
そんな思いから強力な力を持つ鬼・羅刹の封印を解き、自分を喰らおうと襲ってくる魔物たち退治をさせようとするが―。
というところまでが1巻で描かれていたストーリー。
もうね、さすが夜光さん。
ストーリーの奥行きがすごい。
羅刹を自分のボディーガードにするために櫂が使った手段が術をかけて自分に惚れさせること。自分を抱かせることをエサにするわけです。
が、その行為が、羅刹と櫂の関係を複雑なものにしてしまう。
ここで、きちんとBLとしての恋愛面が描かれていきます。
さらに、伊織の存在。
彼は櫂を襲った後、倒れ、そのまま意識が戻らない。
伊織への友情、もしかしたら仄かに残った恋愛感情かもしれない、その感情から、伊織の入院費の一切を櫂が負担し治療を受けさせている。
で。
2巻ではこの「伊織」が重要なキーパーソンなのです。
6年間も意識不明だった伊織が、目を覚ます―。
この出来事をきっかけに、羅刹との関係もまた、進展していきます。
もうね、王道の両片思いというのか。
羅刹と櫂のモダモダと進む恋心にハラハラしつつ、でも激しく萌える。
1巻ですんごいヤバいやつ、という描かれ方をしていた安倍晴明の子孫である安倍那都巳。彼が今巻では非常にいい味を出していました。
なぜ那都巳があんなことをしたのか。
それについて、序盤からきっちり描かれています。
櫂は自分が八百比丘尼の子孫だと思っていないのですが、その「八百比丘尼」が、今作品のラスボスですかね。
櫂と同じビジュアルを持つ、美しい尼・八百比丘尼。
彼女は本物の八百比丘尼なのか、櫂は八百比丘尼の子孫なのかー。
そこが謎を解き明かすカギになりそうです。
1巻を読んだとき、めっちゃ面白くて、激しく萌えましたが、2巻を読むとあれだけ面白かった作品が、ほんの序盤であり、ストーリーの入り口でしかなかったことに気づかされます。1巻を大きく上回る面白さと萌えが、今作品には詰まっています。
そして、特筆すべきは笠井さんの挿絵。
完璧。
もうこの言葉しか出てきません。
絵柄が綺麗、というだけで括れない。
作品の持つ世界観、登場人物、ストーリー。
そのすべてをきっちり描き切っています。
鬼。
八百比丘尼。
そして九相図。
怪談要素もふんだんに盛り込まれていて、ホラー物が苦手な方にはちょっと注意が必要な描写もそれなりにあったりします。
が、とにかく面白い。
人の欲深さ、ブラックさ、そういったものもきっちり描かれていて、BLとして読んでも、怪談物として読んでも、非常に読みごたえがありました。ホラー要素は多いですが、雰囲気としてはコミカルよりなので、苦手な方にも手に取ってほしいな。
そして重要なキーパーソンである伊織。
終盤に、彼視点のショートストーリーが収録されています。
彼が魔物に憑依され、そして櫂を襲った理由。
羅刹×櫂の、モダモダな恋心に萌えつつ読み終えて(千寿のサポートが素晴らしい)、そこからこの小話ですか。さすが夜光さん。最後のスパイスが最高でした。序盤から最後まで、息つかせぬ展開で読者を一気にこの作品の持つ世界観へと引きずり込みます。
あと草太。
心配だ…。無事に帰ってきてくれるといいけれど。
夜光さんのあとがきによると次巻で完結とか。
終わってしまうのがもったいないと思う素晴らしき作品ですが、櫂の幸せを願いつつ、次巻を楽しみに待っていようと思います。
今シリーズの主人公・櫂に、めちゃくちゃハマってしまいまして。
ビッチで守銭奴で口が悪くてと、なかなかの強者なんですけど。
しかも1巻では、そんな彼が後先考えずに思いつきで行動した事が全て裏目に出てしまい、(自分で増やした)面倒事をヒーヒー言いながら片付けると言う、もはやギャグとしか思えない展開。
が、そんな人間くさい上に、妙な所で情に脆い主人公に心を撃ち抜かれちゃったんですよねぇ。
今作のあとがきで作者さんが、櫂の事を「人として欠陥だらけのキャラとして書いてる」とおっしゃられてて。
昔からこの手のキャラに異様に入れ込んじゃう私としては、妙に納得が行きましたよ。
人としてダメな部分があるキャラの方が、何故か主人公としては魅力的なんだよなぁ。
で、1巻も相当盛り沢山の内容でしたが、2巻では更にすごい事になってたりします。
1巻の終盤で出てきたおかしな陰陽師・那都巳が櫂に執着する理由が明かされ、新キャラである謎の女怪・八百比丘尼が登場し、なんと草太が鬼の血に目覚め、なんとなんと伊織が目を覚ます。
そして、ラストで衝撃の事実が明かされる!
うわあ。
マジかーーー。
まさか、全てがこうして繋がっていたなんてと、もう「すげー!」しか出てこないですよ。
いや、伊織が重要なキャラだとは思っていたけど、こう来たかー!と。
えーと、予想だにしなかった真相と展開に、ただただ圧倒されちゃってる状態なんですけど。
まぁそんなワケで、ストーリーとしては文句無しに面白い。
が、個人的に、そうじゃなくとも萌えまくっちゃった部分。
そう、櫂と羅刹のラブ部分になるんですけど!
1巻での二人ですが、ラブが皆無だったんですよ。
房中術により使役する陰陽師と、無理矢理ボディーガードをさせられる鬼って事で。
それが2巻では、その関係にジリジリ変化が訪れるんですよねぇ!
まずは、二人のエッチに甘さが増す。
いや、これまで自分の快感ばかりを追っていた羅刹。
彼が、櫂の感じる姿を見たいに変化するんですよね。
で、これでもかと櫂を乱れさせ、執拗に抱く。
そう、徐々に徐々に櫂への執着と愛情らしきものが増して行くのに、執着攻め好きとしてはたまらんがなと。
また、実は櫂の側にも、変化が起こるんですよね。
羅刹に命令を効かせる為の、ご褒美として始めたエッチ。
それが、羅刹の腕に抱かれる事に、何故か喜びを覚えるようになる。
で、羅刹が自分に執着するのは術のせいだと、寂しく思う。
イヤあぁぁぁぁ!
何コイツら、甘酸っぱい事言ってるのおおおお!!
なんと、エッチをしまくってた1巻からここに来て、超うぶうぶな二人を見れるんですよ。
丸々一巻を使ってここって、どんだけ焦らすんだよ!と。
更に更に、終盤に来て、二人の気持ちが(ちょっと)通じ合うのです!
前巻で若かりし櫂を襲った大蛇の化け物。
再びその妖魔に襲われた櫂をですね、血相を変えて羅刹が助けにくるのです。
結界により屋敷から出られない彼は、強引に破ってとボロボロになりながら。
で、ボロボロの状態のまま、櫂を守る為に戦う。
これ、二人の間に確かな絆が育まれていた事を感じて、やたら感動しちゃって。
また、助かった櫂から、自分が死ねば自由になれたのにと、助けた理由を尋ねられる。
すると、羅刹が話すセリフが可愛すぎるんですよ。
なんと、櫂が倒れているのを見た瞬間、ワケが分からなくなったなんですよね。
自由になるより、お前が動かなくなるのが嫌だった、なのです。
それを、ボソボソと喋るのです!
もう、何かある度に「クソ陰陽師、殺してやる」と言ってた羅刹が、よくぞここまで!!
「きゃーーーっ!」と、萌え転がっちゃうじゃないかよ。
いや、恋愛の入り口に立ったばかりだし、ようやくここからスタートなんですよ。
それなのに、めちゃくちゃ萌える。
ただただ萌える。
と、そんな感じで、更に面白さを増した続巻でした。
あと、こちら、次巻で完結らしいです。
くうぅ。もっと続けて欲しいんだけど!
夢中になって読みました!
みんな八百比丘尼に繋がってました。
安倍晴明の子孫の那都巳は幼い頃に会ってたし、羅刹を鬼に変えたのも比丘尼でした。
ようやく意識が戻った伊織は比丘尼によって鬼に変えられてしまいました。しかも、彼の元々の本性が凄かったです。これから櫂を食べようと狙って来ると思いますが、比丘尼の目的が分からないので不気味です。
草太が小鬼から鬼に成長してしまうし、鬼が3人に増えました。
伊織に憑いてた大蛇の魔物を倒しても櫂の呪詛はそのままだし、一体どうやって決着がつくのか次巻が気になってしょうがありません。那都巳が味方になってくれるのかも気になりました。
櫂と羅刹も思ったより恋人っぽくなってました。
いそいそと読み出した2巻。
いや〜これ、どうなるの〜〜〜(;゜∀゜)
ラストまで、心配と驚愕の連続でした。
登場人物の過去にまで遡って、いろんな糸が繋がってた!
予想外の相関図が少しずつ出来上がってきていて、続きが気になって気になってたまらないです。
重くなっていく展開なのに、羅刹と草太のケンカを始めると「修理代がかかる」と止める櫂のセリフに和んだりもしました。
そしてBLのLoveの方もいいです。
櫂と羅刹の間に芽生え始めてる感情(≧▽≦)
2人のえっちが、縛り付ける術的なものから、甘さが漂ってきているのもステキ。
2人がギスギスしてる時は、ハラハラしっぱしでした。
親友だと思っていた伊織の真実を知って、最後まで驚きです。
鬼になってしまって行方不明の草太もどうなっちゃうのか気になるし。
すぐさま3巻へGOです。
待ちに待った2巻目。
いやー、綺麗なだけじゃなく壮絶な表紙ですねぇ。
中身もなかなか妖艶で壮絶です。
前の巻で『ビッチでタフなのに健気でよろめく』主人公、櫂にメロメロになっちゃった私。
実は「この巻で伊織が目覚めてよろめきに拍車がかかるのでは?」と勝手に思っていたのですけれども。
……ちょっと違った。
このお話、櫂無双というか『総受け』なんですね。あくまでも『心情的に』ですが。
全ての人の『想いの熱』みたいのが、全て櫂に向かっている。
そしてその後ろに、例のアレですよ、八百比丘尼が控えているという感じです。
前の巻からそうでしたが、物語の中心に八百比丘尼がいる。
そして、彼女が一体どういう存在で、何を目的として行動しているのかが全くの謎なんです。
いや、彼女がとても不気味なのよね。でも、この雰囲気……そそるのです。
ああ(女性キャラなのに)とてもそそられたっ!
この巻では、この人が一番妖艶ですよ。
何たって『死の香り』が凄い。不死なのにねぇ。
夜光さんは本当にこういうダークなキャラを書くのが得意だなぁ。
そして那都巳と伊織ですよ。
天才陰陽師(安倍晴明の子孫だもの)の那都巳は、自分の有り余る能力に飽いているが故に、子どもの頃に出会ってしまった八百比丘尼に魅せられてしまっているんです。人より物の怪との関係を重視する彼は八百比丘尼とやり取り(最終的には『調伏する』事らしいのですが)がしたくてたまらない。1巻では『ヤな奴』としか思えなかった那都巳が「ああ、あんた、そういう人だったのね」と憎からず思う様になりました。
で、伊織。
これは書かないでおきます。読んで欲しいから。
もう、吃驚だよ。
顎が外れるほど吃驚したよ。
若かりし頃、櫂が切ない想いを抱いて、守銭奴の様になってまで高額の治療費を払い続けていた伊織が。
そう来たか。
夜光さん、半端ない。
羅刹の過去も判明します。
激しい感情に振り回される鬼だけど、彼は結構単純で解りやすい。
櫂への執着も一途ですし。
周りがあまりにも複雑ですからねぇ。
この巻では羅刹が出て来ると、むしろホッとしている自分に気づきました。
だからこそ、櫂が絆されて行く訳で。
ホント、この人、人当たりは悪いけれど実はとっても良い人だよねぇ。
だって、羅刹を鬼神に変えたいとか思っちゃっているんですよ。
自分も呪われていて、あと数か月で死んじゃいそうなのに。
何なの、このお人よしぶり!
1巻とはまた違った風に櫂が好きになっちゃったじゃないかーっ。
さて、役者が揃って謎は深まりました。
次巻での完結が楽しみですねぇ。