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表題作ベイカーベイカーパラドクス

十亀 秀臣
高校生,優等生の弟
十亀 秀征
高校生,天真爛漫な兄

その他の収録作品

  • シュレーディンガーの日常

あらすじ

ちょっとおバカな兄・ユキと、しっかり者の弟・臣は二つ違いの兄弟で同級生。
だめだめで甘ったれなユキに並々ならぬ想いを抱いている臣は、振られたと泣きつく彼を兄弟ルールで慰めたりと、お世話にいそしむ忙しい毎日だ。
ところがある日、突然ユキに「彼女ができた!」と無邪気に告げられて……。
臣がとった行動とは!?
歪でピュアな、兄弟愛!

作品情報

作品名
ベイカーベイカーパラドクス
著者
暮田マキネ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
白泉社
レーベル
花丸コミックス・プレミアム
発売日
ISBN
9784592721000
4.4

(210)

(135)

萌々

(41)

(24)

中立

(4)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
29
得点
915
評価数
210
平均
4.4 / 5
神率
64.3%

レビュー投稿数29

ガチ兄弟BL

ガチの兄弟BL
義兄弟とかで誤魔化しません!←

タイプが違う兄弟が愛し合う姿……至福

お兄ちゃんは事故の後遺症で精神的にちょっとおバカ
信じやすくて騙されやすい。無垢で可愛い。
弟はお兄ちゃん好きすぎて独占欲を隠そうともしない
一途だけどそこはもう執着に近い。

二人だけの生活と二人だけのルール。
そこにお兄ちゃんのクラスメイトの山村くんやその彼女、
彼女の友達と世界が広がるとともに、兄弟の関係性も崩れていく…
という暮田先生ワールド全開です!

エロいし切ないし可愛いしカッコいいし。
弟がお兄ちゃんを呼ぶときの「にーに」…最高✨

13

訳あり兄弟のルールと聖域

もしかしたら試し読みだけだと
好みじゃない方がいらっしゃるかもしれません。

受けは「兄」というには言動が幼すぎるし、
高校生の弟が「にーに」と呼ぶのも違和感。

でも!
単なる"オバカな甘えたキャラ"ではなく、
ストーリー展開する根幹なんですよね。

【十亀兄弟にはルールがある】
この一文から始まる十亀兄弟の日常と過去。

兄を庇護し、拗らせた感情で溺愛する弟。
弟に負担かけないため弟離れを決める兄。
"訳あり"な兄弟にとって聖域のような家の中。

個人的に兄弟BL大好物なので悶えました…!
ほのぼのゆるふわ感から仄暗さのギャップに
心臓ギュウギュウしながら読了です(;///;)


さてさて。
受け:兄・秀征(ユキ)は天真爛漫で少々幼い。
ちょっとおバカで純粋無垢100%という感じです。

攻め:弟・秀臣(臣)はとても優秀。
2人で暮らす家の家事仕事もすべて臣です。

実はユキが年齢の割に幼いのには理由があってーーーと展開します。

1話目のほのぼのさから一転、
この兄弟は重い過去を抱え込んでてギューっときます…!

そもそも親の影が一切見えないのが不思議だったんですが
蓋を開けてみるとシンドイ。
(作者さん曰く、悪い人達ではないけど毒親だそう)

ユキは過去に神童と呼ばれるほどの人物でした。
となると親からの期待も大きく、それに応えていた。
けれど交通事故で幼児退行してから親は見向きもしなくなるのですね。

そんなユキを守るために臣がしたこと。
親がユキに歩かせるつもりだったレールを自分が代わる。
その代わりユキの治療費は惜しまず出して。
ユキを愛せないなら家から離れて暮らして。

も~~~~なんすかこれ。゚(゚´Д`゚)゚。
聖域は臣が身を差し出していた上にあったんですよね。
自己犠牲というよりユキと幸せに暮らせる方法を選んだ形です。

で。兄弟のルールなんですが。
実は交通事故の前に兄弟の関係が崩れる"コト"が起こっていました。
(交通事故の原因がソレでますます重い…;)

臣はユキに伝えたい言葉があって。
けれどユキは全てを忘れてしまって。
求めるのはごく普通の「兄弟」で。
そりゃーもう、臣としてはショックなわけです。

そうして拗らせた感情で嘘のルールが作られる。
臣の幼稚な独占欲と振る舞いはめっちゃ萌えました。

ユキに彼女が出来た時の臣の態度は最低なんですが、
なんで俺じゃダメなんだ!!って憤りも感じられます。
まだ16歳。背負うもの大きすぎて吐き出したくもなるよねぇ…(;///;)

で。ユキが「兄弟」にこだわったのは
弟なら例えいつか嫌われても離れることがないからなんです。
自分がバカで迷惑掛けてることを重々承知しているのですね。

ユキはユキなりに臣のことを考えて行動してるのが
臣にとっては気にくわないことばかりというジレンマ…!
あああ~良き…良き…(;////;)好き

最終話の兄弟の本音ぶつけ合いはウルっときますね。
特に臣の交通事故のあとからずっとため込んでた叫びがキューっとなる。

ただラストのユキにあざとさを感じてしまうかな…;
作者さんのあとがきで「5話はにーにの遺書」とあってシンミリしました。
(私はバカで幼くても素で天真爛漫だったにーにが好きだ…。)

他、歪な兄弟を見守る周囲が素敵です。
特にユキの友人・山村くん。
芯がしっかりしてて、
相手を楽にさせる言葉選びが上手くてですね。
臣にも気を配ってて最高のキーマンでした…!
兄弟の従兄も2人を見守る良きお兄ちゃんです。

評価は若干萌え×2寄りなところもありますが
ガチ兄弟愛で寄り添うBLは性癖なので神です。

11

一気に引き込まれた

ガチ兄弟物なのに禁忌感が少ないです。それは家の中に両親の姿が無いからだと思いました。

事故に遭った兄は逆行性部分健忘症で、両親が期待した以前の姿とは変わっていました。弟は兄を守る為に治療費を払い続ける事と、両親が兄から離れる約束をさせるのです。そして兄弟のルールを作って縛りながら兄を守るのです。

自分の服で自慰をする兄を目撃してしまい、それがきっかけで兄は事故に遭うのです。弟はあの時に自分の気持ちを伝えていたらと後悔します。
兄が彼女を作った事をきっかけに2人はすれ違います。彼女といる時に記憶を無くす前に自分に告白して来た同級生と会った事がきっかけで兄は倒れてしまいます。
健忘症は弟に気持ちを知られた事による心因性のものだったのです。家に帰宅した兄は弟に気持ちを伝えて恋人同士になりました。

記憶が戻った後も兄は弟に知られないように、記憶を失った時のように振る舞っています。
兄の友人はその事に気がついてました。

2人で静かに暮らして行きたい気持ちが見えて応援したくなる作品です。

8

溢れた本当と新たな嘘

臣の気持ちを考えるとしんどくて切なくて堪らん。
大人びてる(背伸びせざるえない)けれどまだ16とかだよね…
何もかんも一人で抱えようとしているのが痛々しい。
心が幼い兄の前で弟でありながら常に兄のように振る舞ってきた臣が後半、心を殺して兄離れしようともがいてついに本音が溢れ出る場面はもう涙無くして読めなかった。
ああ頑張ってたんだね
張りつめてたんだね
泣け泣け泣いてしまえー

キスもハグも騙してしていたんだと懺悔した臣。
それを聞いて「なんで嘘つきとおさなかったの?!」と臣に詰め寄ったにーには実は記憶取り戻してもうちゃんと18のにーにだけれどその事実を少なくともすぐに臣に告げるつもりはないっぽい…
溢れた本当と新たな嘘。
何故ユキは元のスペックに戻った事を伝えないのかずっと考えていました。
にーにが昔みたいにできる子に戻ったら毒親が再び過干渉してくるな、とか事故後のにーにが幸せそうだと臣が思っているならその姿のままでいいと思ったのかなとか、あるいは臣に愛を伝えるには幼いにーにのままでいた方がユキ自身が都合がよかったのか…

ガチ兄弟、地雷の人も多そうですが私は二人を見ていて愛とは何たるやをものすごく考えさせられてしまった…
常識だの世間体だのモラルだのどうでもいいから2人の世界で生きてくれーと思ってしまった。
幸いノリちゃんやヤマの様に2人の関係を批判したり否定したりせずに側に居て必要な時には手を差し伸べてくれる存在もいて…十亀兄弟の世界もそんなに酷いことばかりではないのかもしれない。
毎度作品でなんで主人公にこんなに苦難ばっかり与えるの〜?!と思わせておいてちゃんと救いやら優しい人を配置する暮田先生らしい配慮ですね。

個人的にはとても好きな…先生の作品の中でも1、2番に好きな作品です。十亀兄弟の従兄弟がでてく「助教授のケーススタディ」は昔読んだけれどだいぶ記憶飛んでるので今から読み返してきます。

7

嘘と真実

弟(臣)が好きな兄(にーに)。兄が好きな弟。その真実が、あることをきっかけに崩れていき、歪んだ兄弟愛へとなっていく…ゾクゾクして凄く面白かったです( ◠‿◠ )!!

弟の服でオナっていた兄と、目撃した弟。慌てた兄は、家を飛び出して事故に…。事故から目覚めると、記憶をなくしています。自分を責めた弟は、異常な愛で、兄を束縛していきます。弟もまた兄を、同じように愛していたからです。愛していたのに、兄を肯定できなかった弟。そのせいで事故にあった兄。
記憶が戻らなければ良いと願う弟に対し、事故前の"異常な"兄を知る友人との再会により、兄は記憶を取り戻しますが、それを弟に知られまいと偽っている事が描き下ろしでも分かります。

互いを求めるあまりについた嘘で、歪ながらも幸せそうに見えるところが、読み終えて鳥肌が立ちました。愛し合っている真実のために、嘘をつく。それが2人の愛の形だと思うと、"嘘"を"嘘"で突き通せたら、それは"真実"になるのではないかなと感じました。

兄を支える友人、ヤマの存在がかなり大きく、私はヤマが好きです。客観視するヤマ目線が、2人の異常さを色濃くすると同時に、純粋に兄と弟の愛を感じます。

タイトルは、先生のあとがき?にありますが、"大事なことほど思い出せない"、と言う意味が込められています。肝心な事、それは、事故が起きた原因や、弟が嘘をついていた理由、兄が記憶を取り戻しても偽っている理由、などが私は浮かびました。そのどれもが、"愛"へと繋がっているようで、根本的なものほど単純で見落としがちで1番大切なことだなって感じました。

(謎なレビューですみません。ぜひ読んで歪んだ兄弟愛をゾクゾクしながら楽しんで頂きたいです!)

6

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