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表題作王を統べる運命の子②

ユリヤ・ルジ,25歳,王の剣
リオ・ヨナターン,16歳,王の鞘

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

『王の鞘』として七使徒に選定され、
煌びやかな王宮へ──。
魔術師ユリウスに会えるかも、と期待と不安に
揺れるリオ。けれど、登城初日に出会ったのは、
身分の低いリオを蔑み、使徒など不要と公言する
貴族たち。七使徒排斥の空気が漂う中、
ついに国王との謁見の日が訪れて…!? 
魔女がリオを狙う理由や、ユリヤの呪いの謎、
第二王子の行方──全ての鍵を握る、
失われた記憶に迫る、緊迫の王宮編!!

作品情報

作品名
王を統べる運命の子②
著者
樋口美沙緒 
イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199009853
4.4

(150)

(104)

萌々

(25)

(11)

中立

(3)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
17
得点
656
評価数
150
平均
4.4 / 5
神率
69.3%

レビュー投稿数17

王様がかわいい

遅ばせながら1巻から突っ走ってます。

表紙や挿絵ではガタイがよく男前な王様ですが、私の中ではかなり可愛い王様に思える。
樋口先生の描く攻めが独占欲が強く執着心も強く我儘でヤキモチ焼きなのはいつものことですが(大好物です)カッコよくて俺様で攻め様!って感じなのに、今回はなぜかユリヤが子供みたいにうるさくてツンデレっぽくて可愛いって思っちゃう。でもやっぱかっこいいシーン多いから攻め様〜!とはなるんですが笑 しかしいつもより可愛いです。

それでも色々ユリヤは抱えていて葛藤をしていて、それを健気な受けのリオが正しく理解できなくてすれ違って…というのもオハコで間違いなく美味しい。

樋口先生の書くお話はいい意味で難しくなく読みやすいです。優しい読み物だと思います。噛み砕いてくれているというか。

2巻の結末はあまりにもこのままじゃ王様が可哀想すぎる。早く幸せにしてあげて…続きが気になりすぎて今夜は眠れそうにありません。

0

生きる意味、生きる価値を模索した先の真実

王との謁見を経て、王の正体がユリヤだったということを知り、本当のユリヤがどんな人間なのかわからなくなるリオの葛藤が今巻の読みどころだなと思いました。

王の鞘として王のため、国のため、セスの為にもと、前向きに自分のできることをしようと努力するリオに、なぜか鞘の仕事をさせようとせず教養をあたえることには協力的なユリヤ。

ユリヤがどうしてリオを抱こうとしないのか、悶々と考えながら自分の仕事をさせてほしい、役に立ちたいと自ら恥ずかしながらもいつその時がくるのか直接本人に尋ねるリオがなんとも健気で可愛らしい。

いろいろと歩みよろうとするも知識を与えること以外には冷たいユリヤの態度に一喜一憂するリオの苦悩や寂しさが伝わってきてとても切なくなります。

大蜘蛛との戦いで消耗しツラそうなユリヤを鞘の力で助けられない焦りから、自分の記憶を取り戻すため、アランの仕込んだ毒とも知らず与えられた薬を飲んでしまうリオのユリヤへの強い想いが痛々しくも愛おしく感じました。

そこまでしてやっとユリヤからリオを抱かない理由を聞きだしたあのシーンは本当に読んでいて心が苦しくて、自分はユリヤにとって憎むべき疎ましい存在であり、癒し手は他にもいる、自分は鞘としての仕事はできないのだと思い知らされるリオが本当に不憫でどうしようもない虚無感に襲われました。

内部の裏切り者によって更にリオへの不幸が続き、もうこれ以上リオを苦しめないであげて…。と悲痛な気持ちになるのですが、ひどく負傷したリオを助けたユリヤがやっと…本当にやっと…(強調)リオを抱いてくれる場面は、もうこのままずっとこの時間が続いてくれ!とリオの嬉しい気持ちとリンクして強く願ってしまいました。 

幸せな時間もつかの間、最後の最後にフェルナンによって危険な目にされされたリオが、失われていた記憶を一気に取り戻し、ユリヤの呪いや自分たちに与えられた宿命を知った先の決断が…で、ここで終わるんかーい!!!と非常に続きが気になるラストシーンだったのですぐに3巻を読みたいと思います!

リオーーーーー!!!!!                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      

1

とても切ないラブストーリー…

 最近最終巻が発売されて完結した「王を統べる運命の子シリーズ」。
ようやく2巻まで追いつきました。各巻ともにかなりのボリュームがありますが、じっくり読ませる王道魔法ファンタジーものなので、安心して世界観を堪能できました。BLの方も切ないラブストーリーが描かれていて、どっぷり引き込まれました。

 樋口先生のおはこの突き放す攻めが健在でした!
ルストの苦悩する姿が魅力的で良かった。
昔の少女漫画に出てきそうな主人公に冷たいけど実は…みたいなところに
キュンとしました。

 アニメにもあるような仲間ものバトル的なノリが良かったです。
1人1人のキャラが立っているので登場人物の数は多いですが、馴染めました。
2巻の後半では、1巻から気になっていた謎が明らかになっていきます。
2人の愛の成就に立ちはだかる運命の皮肉の数々にとても胸が痛みます。
ルストの呼び名も彼にとって特別な容姿をしたリオに惹かれないように自らの戒めなのかな…と深読みしたり色々考察する楽しみもありました。
「三番目の○人○」という言葉も引っかかります。あっと驚く事実が3巻以降に明かされるのかな。楽しみです。

非常にこのシリーズを楽しんでいるのですが、2巻を最後まで読んで2つ気になる点がありました。

ファンタジーものとして完成度は高いのですが、王道ならではで設定がどこかで見たり聞いた事のある要素が何個か組み合わさっているように感じ、目新しさがない点が気になりました。最近BLでもファンタジーものが多数でており、色々読み慣れている中で、もう少し新しさが欲しいと感じました。

 またリオもルストも自分の○を犠牲にしてでもお互いを優先する姿勢は美しいのですが、イマイチ感情移入出来にくい部分がありました。
長年時を共にしていて…なら分かるのですが、初対面でいきなり…とか短期間でそこまでの感情になるのか…と疑問を感じました。

次巻以降でルストが初対面のリオに入れ込んだ容姿以外の理由が明かされれば、しっくりいくのかと思います。ルストは立場上孤独で秘密主義だから仕方がないけれど、リオ側の描写だけでは読者に伝わりにくい面があり、少し置いてけぼりな気分になったのが残念です。

色々書きましたが、BLでも王道ファンタジーを楽しめたのは非常に良かったです。3巻、4巻を読み進めるのが楽しみです。
あと「タイトルがネタバレしすぎ…!」とツッコミを入れたくなりました。

0

偉大なるファンタジー作品

あああああああ………言葉にならない。
1巻からのこの流れよ。
スゲースゲースゲースゲースゲー!!!

酸いも甘いもてんこ盛り。
そしてその世界観。物語と時代背景。個性的な登場人物たち。その人物像と言動、駆け引き、心理描写…どれをとっても最高レベルではなかろうか。

全4巻のうちの2巻。ぶっちゃけ謎はまだ多いしまだまだ話の全貌は分かりません。少しずつ点と点が繋がっていくその途中段階です。

誰が味方で誰が敵か?
全員味方かも知れないし全員敵かも知れない。表面上の状況的にはまるで分かりません。
ライアーゲームでもしてんじゃないか?ってくらい、心理戦バッチバチです。私はライアーゲームでもチンプンカンプンなので、もちろん敵か味方の察知能力も低レベルです。

もーねーもーねー…しんどい。

みんな味方で良いじゃん!って発狂したくなる。どんだけリオ襲われんだって話。死の縁を彷徨ってばかりで、三途の川渡らせようとする作者さんにドS属性を感じてしまいました。

恋愛面でも散々なんですよ…。
一番それかな…リオが負った心の傷が苦しかった。
鞘の仕事をさせてもらえない、好きな人に突き放される、好きな人に想い人がいるショック。
リオの失った記憶を取り戻す過程で起きる色んなことがリオへの試練になってるの分かるけど、これは本当にツラいです。

驚愕展開に突き落とされてばかりで読みながら何度泣かされたか分かりません。だけどこの壮大でミステリアスな物語から目が離せない!
掃除の合間に片手で携帯持ちながら読んでいましたが、掃除がいつのも倍以上時間かかりました(笑)


苦しく悲しい場面もあります。切なく怒りを覚える場面もあります。だけど…
温かい愛を感じる場面もありました。

2巻の時点ではネガティブなシーンとネガティブな感情が多く胸が掻きむしられるほど痛みましたが、ささやかな愛情や温もりのシーンがちょっとあるだけでパアッと一瞬にして幸福感に包まれました。

まだまだ前半折り返し地点。
後半のストーリーは起承転結でいう「転」の部分からスタート。なにか嫌なことが起きるんじゃないかとヒヤヒヤしています。

が!!!

最終巻となる4巻の発売が現時点で明日なので、3巻読了後嫌な感情が襲ってもすぐに終止符を打つことができます。
最終巻のフィナーレを笑顔で迎えたいと思います。

きっと最高の結末になると確信しています。
今から3巻の旅へGOしてきます!

1

謎が分かってくる!?王宮編!


「鞘」となったリオが王宮に上がったことで、また新たな問題と謎が出てくる第2巻です。
リオが落ち込んでは喜び、悩んで…と、ず~っとグルグルしています。

ユリヤはというと…まぁ~~素直じゃない!
素っ気ないしツンツン。でも…でも!!
後半にかけて徐々に愛が…これは、まさに樋口先生っぽい攻めだなぁと思いました。

そして2巻の終わり辺りから新事実が発覚して私、大混乱~!!(笑)
3年前に起きた事件が人物ごとまばらに語り明かされているので、ページを行ったり来たり…。
名前と時系列が整理しきれず、紙に書いて整理してました…。

しかし複雑そうに見えて大元の部分はいたってシンプル…なはず!

あと2巻もエッチは最後あたりに少しだけ。
ストーリー重視の私には、雰囲気を壊さない回数でとてもありがたい…。

とにもかくにも、とても続きが気になります。
予想している展開と答え合わせのようで面白いです。

1

耽美的 結末は大団円にしてほしい

感想だけ

過去の回想と今の状況を交互に繰り返して、挟み込むようにして話が進んでいくのですが、
前巻のリオが記憶を失って、導師とセスの手紙の内容と、リオが見た夢が軸になって展開していきます。

今もリオを取り戻そうとする魔女の目的と、眠り続けている第二王子とリオの関連と、元々その地域は2神教だった、など拗れの原因が分かるにつれ、
リオは、自分が今生きている意味と、命をかける場を求める気持ちが膨らんでいきます。
・・結局、リオは「よく生きること」じゃなく「良く死ぬこと」しか頭にない。幸せになってはいけないと思い込んでいるのが切ない。リオの、意味がある死に場所を求める気持ちは、益々強くなっていく。

リオの出生の秘密についての謎解きを読者がリオと一緒にしていくことになる進め方は、ドップリ物語に感情移入していくのでとても面白い。
リオが気の毒で、胸が痛みます。

焦れる進捗は、前半だけ。助走が終り上り詰めた所で、ジェットコースターが降下するように、後半は急展開。あっという間に、アレレ?な衝撃を受ける結末迄展開していきます。
残念だけど、結末はリオだけが満足する耽美的な終わり方。
お互いに愛する人の幸せを願いあって、想いが強い方が逝ってしまった。
あれは、生き残った方が未練を一生背負うので、死ぬより辛いよね。

あとがきに「3巻も読んで」って書いてあるのですけど、未だ完結していないようです。
結末は、是非ともハッピーエンドで締めくくってほしい。

1

息も付かせぬ展開

序章とも言える1巻でも十二分に面白かったのですが、2巻は更に面白く、ワクワクよりもハラハラするような展開が待ち受けていました。
特に中盤〜終盤部分の怒涛の展開が目まぐるしい。
読み進めると400P超の厚さがあっという間に減り、ページ数も残りわずかに。
ちょ、ちょっとちょっと…いやいやいや…
勝手に2巻で完結だと思っていたので、まさかの続く!に驚き。
しかもここで…?!と、樋口先生の引きの上手さに唸る。
泣きながら唸っています…
ああもう、続きが気になって仕方がないです。
それくらい夢中になって読めるお話でした。
以下、まとまりのない長い感想です。

伏線や謎が次々と明かされ、そのどれもが辛く切ない。
何が辛いって、主人公であるリオが健気な良い子なだけに辛いのです。
アランが言っていた「ルスト」とはユリヤの事でした。
やはり、と言うべきか、彼は国王だった。
国王は王と使徒を兼任しており、1部の者しか知らない極秘事項。
王の元へとつく事になった「王の鞘」リオですが、これまで以上にユリヤは素っ気無い態度で。
ユリヤの頑なな態度や、リオに憎しみの感情を向けるアラン、謎めいた第2王子、3年前の戦争について等、作中のリオと同じく、未だ多く残る疑問の数々に悶々としたまま読み進めていく事になります。

リオに対して冷たさすらも感じたユリヤの言動、何故リオはあの辺境の町で育ったのか。
全てに理由がありました。
ラストまで読み終えてから、1巻、そして2巻を読み返すと、ユリヤ・ユリウスの言葉や行動の端々にちゃんと繋がっているものがあるんですよね。
思わず、ひ、樋口先生〜!となりました…
伏線が思っていた以上に細かに散りばめられていました…お見事です…

決して愛してはいけない相手を愛してしまったユリヤ。
終盤を読んで、彼の抱え込んでいた葛藤を想像すると、もう、もう。
「俺を愛すな」「俺も愛さない」
これは自分自身にも言い聞かせていたのではないでしょうか。
しかし、どうしようもなく惹かれてしまう。
2番目の子を愛している。けれど、リオに対する愛情は2番目の子に抱いている愛情とは違うのです。
3番目の「リオ」という子だからこその、全く違う種類の愛なのですよ…
リオが見た遠い記憶の中で「そういう子供を幸せにしたい」と語っていたユリヤと「生まれ変われるのなら、彼を苦しめるような存在ではなく、彼に助けられ、彼を救える子供に生まれたい」と願っていた2番目の子。
ユリヤは貧しい町の子供達に働き口を与え、リオは第2王子だった時に願った通りの生活を送り、彼に助けられ彼を救える子になった。
奇しくもその通りになっているのが切ない。
過去に自分が言った言葉を何気なく口にしたリオを見て、ユリヤは一体どんな想いになったのだろうか。

一方、記憶を少しずつ取り戻していくリオ。
母親ですら愛してくれなかった自分のことを、見つけ出してくれた人。
「彼」じゃないと知りながら、自分に命を差し出してくれた優しい人。
3年前からリオはユリヤの事が好きだった。
愛した人を苦しめているのは自分だったと知った時のリオの絶望と悲しみが辛すぎる。
リオの悲しくも愛のある選択は、また残される事となってしまったユリヤにとっては酷なものでしょう。
お互いを大切に思い合っているのが分かるだけに胸が苦しくて仕方がない。
このままで終わるはずがないと思いつつ、早く2人が幸せになってくれる事を願わずにはいられません。
どうか報われて欲しい。

改めて見返すと本当にタイトルが秀逸です。
こう繋がって来るとは思ってもみませんでした。
リオと2番目の子は別人ですが、魂の根っこの部分は同じなのですね。
「俺の知っているどの子とも違う」と言ったユリヤ。
もしかしたら2番目の子の前に1番目の子も居たりしたのかな。
もし1番目が居るとするならば…?
2番目の子の体は無事で、まだあと三月と三日残っている。
そちらもどうなるのでしょうか。
樋口先生流ファンタジー、かなり切ないですがとても読ませます…


2巻の癒しはエミルとルースとゲオルクですね。
この3人が裏切る事なくリオの味方で、共に居てくれた事が唯一の救いでした。
エミルの事を少しでも疑ってしまってごめんなさい…まさかこんなに良い子だとは…
ルースだけがユリヤから警戒されているのには笑いました。
戦闘シーンも使徒の皆が動物へと姿を変化させて敵をバッサバッサと倒したり、この辺りのシーンは読んでいてすごくワクワクしますね!
ファンタジーはこうでなくっちゃ。
リオとユリヤに目が行きがちですが、脇を固めるキャラクター達もとても魅力的でした。
リオに辛く当たりつつ、完全には悪者になり切れないアランが気になります。
きっと彼は物凄く情の深い人なんじゃないかなと思うんです。

ところで、ユリヤとユリウスが同一人物だということが判明しましたが、エラド教団の集会からリオを助け出した際にユリウスだったのは誰なのでしょう…?
前衛部隊で戦った3人の内の1人と言われているユリウスも。
そして、幼馴染のアランはユリヤとユリウスが同一人物だという事は知っていたのかな?なんて。

息も付かせぬ怒涛の展開が続いた2巻。
1巻での「誰も信じるな」という言葉が2巻でも否応なしに突き刺さります。
未だ姿を見せない魔女。そもそも、彼女はどこから現れ王妃となったのか。
まだ回収し切れていない伏線も謎もたっぷりです。
ウルカの神の双生神、エラドの神。リオは。ユリヤは。
続きが気になって仕方がありません。
手に汗握るという言葉がぴったりの、BL的にもファンタジー的にも非常に読ませる作品でした。
3巻の発売が待ち遠しい。

2

一歩進んで二歩下がるような構成

1、2巻一気に読みましたが、2巻の最後の方からはさーっと読みました。

辛口です。

まず1、2巻を通してリオがユリヤのどこを好きになったのか、いつそんなに好きになったのか不明。ユリヤも同様。
まだリオがユリウスを好きになる理由はわかりました。
あとユリヤとユリウスが同一人物だったのは結果オーライとして、途中まで別人と思ってて、どっちか選べって言われたときにリオは完全にユリヤを選んだんだよね??
なんかな〜と思いました。同じ人を愛してたんだねとか言ってましたけど、一度どっちか選んでるし、ユリヤを愛してるからみたいなこと言ってたのでその時点で同じ人を愛してるとは違いませんかね??

あととにかく、話が進まない!!!!
それがもう死ぬほどイライラしました。
記憶を取り戻すことに対する考えや、それが必要だというくだりなど、グダグダグダグダと……。
もうそれはもうええわ!!って感じでした。汗
記憶を断片的に思い出すシーンも、思い出すシーン全部終盤まで同じだし。
またそこしか思い出さんのか……と。
なんていうんですかね、話が進んでるけど進んでないというか、テンポが悪いという以前に、謎かけをしてるようで、結局ループさせてるだけなんですよね。
だからイライラするのかな。
黒幕などもわかりやすいし、2巻で明かされる謎も、個人的に気持ちよくありませんでした。

ストーリー?重視なのか、BL的要素もかなり少ないし、説明ばかりです。

3巻は買わないと思います。
次回作に期待。

9

面白かったです!

1巻&2巻セット【イラストラフ画集付き電子限定版】を購入して一気に読みました。面白かったです。2巻を読み始めたあたりから、読み終えてしまうのは残念だしでも続きは気になるしで複雑な気持ちになるほど。作画を担当されている麻々原先生のイラストラフ画集も良かったです。 身長対比図にワクワクしました!

使徒や登場する貴族たちが持つ紋章などの設定に惹かれました。点だったことが線になったときは脳内で「わー!!」と言ってしまうほど楽しかったです。
また、これぞ樋口作品!というような部分もこの作品の魅力のひとつだと思います。具体的にあげると、人の『立場』や『役割』についての捉え方や登場人物たちの思考の流れ、色んな思いを受け入れることができるタイプの受(柔軟とも少し違うような…)が出会っていく人たちによって成長していく過程などです。個人的にそういうところが樋口先生の作品を読んでていて好きだなと感じる部分なのでとても楽しめました。

いわゆるエロの部分は、多くはありませんが作品のバランス的にはちょうどよかったかなと思います。ただ、気になったのは『潮』描写。同じぐらいの時期に出た別作品でも同描写がありその時も思ったのですが、なんとなく作品の雰囲気と合わないなと感じました。完全に合わないというわけではないですが…特に必要性を感じなかったというか…うーん、本当になんとなく。曖昧ですみません。

実は樋口先生×ファンタジー作品の組み合わせには少し苦手意識があったのですが、それも杞憂に終わりました。
(途中で断念していたムシシリーズをリトライしてみようと思いました!)
全体を通してとても面白い作品でした。
三巻の発売が待ち遠しいです!!
解けた謎もあれば深まる謎もありまたまだ謎ばかりで早く続きが読みたいです。

3

秘されていた過去に隠された想いと願い

今回は王の七使徒の「王の剣」と同じく七使徒の「王の鞘」のお話です。

攻様の命と国の失墜を狙う魔女と、王と神との聖約を糺そうとする勢力に
よって受様が絶体絶命の危機に陥るまで。

七使徒に選ばれた受様達は王宮に居を賜り、王との謁見の日を待つことに
なります。王宮について何も知らない受様は戸惑いの連続ですが、受様に
親しく接してくれた「王の鞘」の元候補者が受様の付き人となり、なにか
と受様を助けていくれます。

使徒は特別な存在であり、身分は第一貴族以上宰相以下、王宮内で使徒と
同等以上の身分をもつ者は同じ使徒、宰相、騎士団長、大主教と王だけ
です。

新たな使途に選ばれた者は「王の盾」や「王の弓」は第三貴族、「王の鞘」
である受様は貴族でさえなく、王宮内には七使徒の存在を煙たく思う人々
が少なくありません。

それに加えて前王の逝去は前王の七使徒達の裏切りに端を発し、その後、
現王の使徒が選ばれるまでの3年間、国を支えたのは自分達だと自負する
文官達は現王の力さえも疑問視されていたのです。

そして謁見の日。受様は「王の剣」に選ばれた攻様こそが現王その人であ
る事を知る事となります。賢者の集う『北の塔』出身であり王とともに
使徒選定を行う「王の眼」と王の幼馴染であり領主でもある「王の翼」は
攻様が誰であるか知っていましたが、多くの列席者や受様達は初めて知ら
されるのです。

王が神から受け取る力を王を通じて受け取る器である使徒は、いわば王の
分身でもあります。その為選定の館には代々王が身分を隠して入り、自ら
選定をする習わしがありますが、それは極秘事項として常に秘されて、
次代へと引き継がれていたのです。

七使徒は5日後に民人への披露目、さらに7日後には得るかの神の御前にて
洗礼を受ける儀式を行い、使徒である事が証明されるのだと言います。
受様は自分達が歓迎されていない事をひしひしと感じ、披露目や儀式が
本当に行われるのかと不安を覚えます。

しかもそれぞれの使徒は近衛騎士団や宰相府、魔術師の預かりとなります
が、受様は王の直轄となるのです。受様は攻様に抱かる事が仕事だと言わ
れたように感じますが、攻様にとって王とは貧しい人間を飢えさせ、苦し
めている好ましくない人物でした。

選定の館で過ごした日々で攻様を信頼できると感じていたからこそ攻様に
抱かれたのに、攻様が王その人なら受様が信じていた攻様は全て嘘だった
のかもしれず、受様の心は千々に乱れます。

受様は「王の鞘」として正しく役目を果す事ができるのか!?

「王を統べる運命の子」第2巻は、フロシラン王を支える七使徒に選ばれ
た受様達がいよいよ王に謁見し、受様も読者も疑っていた攻様の正体が
明かされるところからスタートします♪

大方の予想通り、攻様がフロシラン王でしたが、攻様は受様を「王の鞘」
として抱く事を良しとしないばかりが、受様に様々なの事を学ばせようと
します。

攻様の真意は誰にも判らず、受様ばかりか使徒達をも翻弄させていくので
すが、使徒の洗礼の儀式を阻むべく、魔女の魔の手も迫るのですが、辛う
じて使徒たちは儀式を経て得た神の御力を持って魔女の放った大蜘蛛達を
せん滅、受様は祈りによって光の雨を降らせ、傷ついた全ての人々の癒し
の手となるのでした。

しかし絶大な力を振るう事で魔女の呪いの影響を強く受けても攻様は受様
を受け入れないのです。そのため受様は自分の失った記憶を取り戻そうと
するのですが、それは攻様が魔女の息子であり、愛した第二王子と深く関
わっていて、全ては王である攻様を狙う魔女へと帰結していくのです。

すこしづつ歩み寄っていくように見えた攻様と受様でしたが、攻様が呪い
を受ける事となった3年前の失われた3日間に受様が関わっていた事を思い
出した事により、受様は自分が生きてきた意味を悟るシーンに激しく胸を
打ちました。

全ては受様がそうありたかったと望んだ未来であり、攻様が選んだ結果で
したが、1巻で張られた伏線が見事に収拾されていき、秘されていた謎が
次々と明かされていくのですが、受様が大変な窮地に陥って以下続刊!!
というのは衝撃的なラストでした (>_<)

そんな2巻なのに、肝心のラスボス魔女は方々の記憶や過去には登場する
ものの魔女その人としては登場しません。1巻では攻様の正体が見えずに
モヤモヤでしたが、2巻では魔女の姿が見えずモヤモヤモヤです。

3巻で終わるのかな!? 読み終えたそばから次巻が待ち遠しくなりました。
なるべく早めに読ませて頂きたいです!!

4

緊迫の2巻!

完全ネタバレ私の感想のみの投稿なので、気をつけてください。
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2巻の半分ぐらいで、名前がキーワードだと分かってきて、
そこから最後の全てが分かるところがもう、たまらない!
途中から、ユリア(ルスト)がリオに王位を譲りたいのだと言うのも分かった。
だから「学べ」と言い、みんなの前でリオの凄さも見せつけた。

そこまでするほど愛した弟とは?

疑問、謎、知りたいこと:

1)第二王子ユリア(魔女の二番目の人形)とルストはどこまで親しかったのか。
  プラトニックだったのか。どのようにルストはユリアに惹かれていったのか、
  彼らの過ごした日々が知りたい。

2)魔女は人形を作っては失敗し、作っては失敗しを繰り返していたのだとは思うが、
  では、一番目の人形はどのように失敗したのだろうか。
  そして、ルストは何度も失うのは嫌だと言った。
  一番目の人形とも関係があったのだろうか。

3)リオは元々土人形。十月十日で死んでしまうほど短命。
  今後また生まれ変わっても長く生きられない?
  それをどう二人のハピエに持っていくのか、知りたい!
  いや、もうウルカの神に願うしかないのは分かってるけど^^;

樋口先生、まじで、早めに3巻お願いします(ToT)
待てませんよ!!!!!

長編だけれども、何度も読み直せるエモい素晴らしい作品!
萌えが半端ないし、ダレる箇所が全くない!

もう樋口先生の才能が恐ろしくて、嬉しい(*^◯^*)

間違いなく「神」作品!

4

まさかそうくるとは

何故か2巻で終わると思いこんでいたので、終わらず、めっちゃびっくり!そしてめっちゃツライ!ふらふら揺れるリオの幼い心情にこっちも引っ張りまわされ、最後はトドメを刺され、超辛かったので神にはできないです、ごめんなさい。本編420P弱+あとがき。3巻はいったいいつ出るのだ。超超超どシリアスが平気でファンタジー好きな方でしたら。

七使徒の選定が終わり、「王の鞘」として王宮に入ったリオ。王に拝謁したのですが、「今は必要ない」と鞘の仕事をさせてもらえず、代わりに色々見て読んで学べと言われます。そして民人にお披露目され、ウルカの神の洗礼を受け・・・と続きます。

登場人物はまた増えた。
<七使徒>
リオ・ヨナターン:鞘
アラン・ストリヴロ:ストリブロの領主、第一貴族。翼。
ユリヤ・ルジ:第一貴族、25歳、剣。
フェルナン・リブル:第一貴族、眼。
ゲオルグ・エチェーシフ:筋肉直情系?第二貴族、盾。
ルース・カドレツ:第二貴族、三男坊、弓。
レンドルフ:鍵。
<その他王宮関係者>
エミル・ジェルジ:第三貴族、リオの従者に志願してくれる。
ユリウス:セヴェルから都へ同行した魔導士。
ルスト:王様
ベトジフ:左宰相
イネラド・ラダエ:右宰相
ヘッセン:騎士団長
ユリヤ:眠り続ける第二王子

以下内容に関する感想。
辛かった・・ルストに振り回され自分の気持ちもままならないリオに同調してしまい、読んでいてしんどかった。そして「ルストはどうしたかったの!!」という怒りを持ったまま、2巻ばっさり終了!
読み終わった時、「は、え、ちょっと待ってここで終わりっすか???」と泣きそうになりました。あとがき読んで、3巻あると知って安堵するとともに、「先生、いつ出していただけるのでしょうか?!」と詰め寄りたい気持ちに。

樋口先生のことですから、おそらく甘々溺愛などを期待してはダメなのでしょうね。覚悟を決めました。何巻になってもいいですから、お願いします、リオに安寧を。よろしくお願いいたします。それとももうリオには会えないのでしょうか(号泣)

忍耐強く小説を読める方限定で、おススメします。はやく3巻読みたい。

5

3巻が待ちきれない

夢中で読みました。
リオの正体もユリヤとユリウスの正体も想像した通りだったけど、最後までページをめくる手が止まりませんでした。

ユリヤがリオを本当は愛しているのが読者には伝わるのに、リオには伝わっていないのがもどかしかったです。

思うに魔女の2番目の子である王子をユリヤが愛していたのは確かだとは思うのですが、可哀想で不憫だと気に掛けて愛情を注いでたのだと思いました。
だから本当の意味で愛したのはリオになってからだと思うんです。優しくて健気な人らしい感情を持った3番目の子は魅力的ですもの。
終盤の抱き合うようになってからの、執着や嫉妬にそれが現れていると思いました。

あんなに城の内部に魔女の手先が居るとは思いませんでした。でも良く練られていてハラハラしながら楽しんで読めました。

リオの命を狙った仲間の使徒を迷わず排除するユリヤと、愛するユリヤのために命を捧げて神に祈るリオに最後は泣きながら読みました。

ウルカの神にリオの願いが届いて奇跡が起きる事を願ってます。

5

ネタバレ非推奨。まっさらな気持ちで読めるのは人生で一度きりだから。

いつものBLならネタバレするのも、されるのもさほど気にしない性質ですが、
この作品に関しては完全にネタバレアウト!!

というのも、このお話って
・攻が誰かはっきりしていない
・主人公リオの過去も実力もはっきりしていない
・ハピエンの保証もない
「あえて空欄だらけ」という特徴があるんです。

この謎を埋めたい!知らないことを知りたい!という好奇心が分厚いページをめくる原動力になるんです。そしてその原動力をもって自分で掴んだ答えだからこそ、心から感動できると思うんです。
空腹は最大の調味料なんて言いますが、ファンタジーBLストーリーにおいては好奇心こそ最大の調味料ですね。
伏線満載、最大限まで関心を煽る樋口先生のストーリーは好奇心のお腹を目一杯空かせて、楽しんでもらうのが一番。
もちろんネタバレではなく、プロの匠な文章で。
つまみ食いは厳禁ですよー。

で、実際読んでみると、
まあ……とんでもなく揺さぶられました。
展開も心情も。
予想が当たる・外れるとかそんなに単純なものじゃない。

これ、まっさらな気持ちで読めるのが一度きりなのが辛い。
できることなら記憶を消去して、何度でもこの感動とスリルを味わいたかった。
それくらい、あらゆる意味でドキドキです。心臓が痛いです。

そして予想通り2巻を読んでしまえば、もう1巻をまっさらな気持ちで読むこともできなくなりますのでご注意を。
あのシーンで、ユリウス、そしてユリヤの態度、言葉に込められた思いは?
悲惨なリオの境遇に隠された意味は?
さらーっと流し読みしてしまったあのシーン、言われてみれば確かに…??
見える!?見えるぞ!!登場人物の微妙な心理が!
といちいちびっくりしながら1巻を読み返していました。

とはいえ、まだここでも、全貌は明らかにはなりません。
次巻へ続くんです。
それも海外ドラマさながらの絶妙なタイミングで。

なんという焦らしプレイ。
結局のところ、発売日まで好奇心のお腹をたっぷり空かせて待つしかないのです。

9

息つく暇もないくらい怒濤の展開に涙。

謎がどんどん明らかになる怒濤の展開。
2人の気持ちや他者の思惑も絡みあってすごく面白いです!
そして新たな事実がとにかく切なくて…(;ω;)

てっきり2巻でまとまるのかと思い込んでたので
まさかの展開に「嘘でしょ…嘘だと言って…」と号泣しながら
ページ捲った瞬間に目に入った【あとがき】の文字にしばし呆然。
頭真っ白で涙も引っ込んだ…。

確認したら【3巻】の文字が見えて心底安心しました。
(ここで終わってたら暴動が起きてたと思うわ…)

個人的にはネタバレなしで読むのをオススメします。
謎が多いので段々正しいフラグさえ見失って
ちょ…ちょっと待って??ってなるけどそれが面白い。
そして謎が解けてきた時に萌えます…!!!


さて。内容は書いて下さってるので感想を。
以下ネタバレが避けられないのでご注意です。


選定が終わって王宮に上がる場面から始まります。
まず1つめの謎、『王=ユリヤ』が確定しました。

鞘であるリオは王宮にあがったら初対面の王に抱かれなければいけない。
もしそれがどんなに醜い人物だったとしても。
覚悟を決めてても揺れ動くリオが見てて辛かったのでホッとしました。

けれどですね…!!
ユリヤはリオに素っ気なく冷たくあしらうのですよ。
個人的に攻めが受けに冷たくし受けが傷つくのに異様に萌える質なので
これには切なキュンが止まらず、リオの悲しみに涙しました。

だってユリヤは
「俺はお前を抱かない」
「抱かれたいなら他の男をどーぞ」(※意訳)
って平然と言うのですよ!?信じられん(絶許)

でも冷たくあしらってるくせに
実際男に抱かれようもんなら嫉妬で狂うし
相手の男を殺す勢いで殴り込みそうだし
ああああ~~~~ギャップ堪らん~~~!!!
これね、めっっっっっっちゃ萌えます!!!!!

そういう意味でアランの存在は萌えスパイスでした。

アランもアランでリオを殺したいほど憎んでいるけど
口でひどいこと言う割には戸惑いも垣間見えて…。
アランの本質を見抜いたリオの柔らかい感情にもジンワリ。
(そんでこの2人事情があってキスするの萌え禿げた…)
(治療の為なのに妙に艶めかしい描写でドキドキした…)

で2つ目の謎。
ユリウスとユリヤが同一人物かという疑惑。
同時に同じ場所で存在し、別人物とハッキリ映し出されます。

リオはユリウスとユリヤを混同して、
刷り込み・憧れ・恋心がごっちゃになっていました。
しかし別人物と認識したうえで『ユリウス』『ユリヤ』を区別することで
リオの恋心がはっきりと彩られていく描写がとても良かったです。

あれほど会いがってたユリウスを目の前に「ユリヤ」を選んだ時は
めちゃくちゃキュンキュンしました(∩´///`∩)
(2つめの謎は2転3転仕掛けあって要注目です♪)

何より切なキュンだったのは
ユリヤがリオに冷たくする理由です。

ユリヤは義弟である第二王子を愛してた、
って事実が発覚したときは兄弟萌え属性持ちには天を仰ぎましたね。(←ガチで)
そしてユリヤが愛していた第二王子の『現在の姿』にリオが関わっている…と。

ユリヤにとってリオは
自分から愛する人を奪った憎い相手でもあったのです。
こんな皮肉な運命ってありますか…?(;ω;)

憎むべき相手にどうしようもなく惹かれるユリヤ。
好きな相手の大切な人を奪ったと自責の念にかられるリオ。
苦しい展開に泣けて泣けてしょうがなかった。

私は第二王子がリオなのかな~と楽観視してたので
どんどん複雑な関係になっていくのがビックリというか。
ユリヤもリオも想いを口に出来ない関係になってしまい読んでて辛いです。

ちなみに4つめの謎。
リオと第二王子の繋がりは簡単なものじゃなかった。
同一人物ではない。別人。だけど・・・。

『王を統べる運命の子』の名の通りリオはユリヤの命すらも握っていました。
ぶっちゃけると、ユリヤかリオ どっちが死ぬか、みたいな展開です。
(そこに至る理由や過程が切な苦しいのですよ…)
複雑に絡み合う愛憎が綯い交ぜになった純愛に堪らない気持ちになります。

ユリヤ・リオ中心の感想を書きましたが、
他の魅力的なキャラ達や魔女との戦いも絡み合って展開し
とにかくページを捲る手が止まらない面白い作品です…!
(で、今読むと首を長くしながら3巻待ちも必須・泣)

ほんともう…この運命の先はどうなってしまうのか。。。

13

壮大すぎる怒涛の展開に頭パニック!

何てところで終わるんだ。゚(゚´Д`゚)゚。
2巻は捲し立てるような怒涛の展開に目が回りそうでした。
次から次へと湧き起こる疑問と解決していく疑問ーー
物語の核心に触れる展開にハラハラし、ラストは涙です……

ーーネタバレしますのでご注意下さい。

王の鞘に選ばれたリオが王と謁見する機会が訪れ、
ドキドキのリオでしたが、王であるルスト・フロシフランは、何とあのユリヤ・ルジでした!
しかもユリヤの鞘であるリオを拒絶し、全く抱こうとしません。

ユリヤがリオに他の男と寝るのは自由だと言ったり、
「俺を愛さなくていい。俺もお前を愛していない」と冷たく突き放します。
あんなに優しく抱いていたくせに、あまりの変貌振りには怒りすら覚えました(`・д・´)
でもユリヤの言動にはすべて意味があり、とても分かりにくいけどリオへの溢れんばかりの愛があるのです。
それに、王としても非常に優れています!

結論から言いますと、リオは魔女が作った土人形です。
魔女が第二王子のユリヤから心臓を奪い、
新たに与えられたのがリオでした。
ここは、1巻でリオが土人形である事を匂わせる箇所があったので、やっぱり……と納得。
(紛らわしいのでユリヤ・ジルは以下、ルストと明記します。)

ルストは義弟であるユリヤを愛していました。
だからこそリオに惹かれる自分にブレーキをかけていたのです。
結果的には、リオのせいでユリヤは死んでしまったのですから……
ルストもリオもとても切ない(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
リオはユリウスへの恋情は憧れで、ルストへの愛情こそが自分の本当の気持ちだと気付きーーと、ラブストーリーも加速していきます。

そして今回は、何度もリオの命が狙われるドキドキ展開!
毒を飲んだり、切りつけられたり、連れ去られたりーー
何度も危険な目に遭いながらも、いつも既の所のところで助けられます。
ドキドキヒヤヒヤで、自分の感情が追いつかないよ(;´д`)

国と恵まれない子どもたちのために頑張ろうとしていたリオは、
本当は好きな人に認めてもらいたいだけの普通の男の子でした。
男娼のような役でも誇りを持ち、国民のために身を削って惜しみなく力を使う。
健気で優しいリオがとにかく愛すべきキャラで、
そんなリオに皆が心動かされます。
最後にはルストもリオを愛してると認め、義弟のためにリオを死なせるような事はしないと誓います。

実は、ルストはリオに首ったけでメロメロです(´>///<`)
リオを助けるためにキスをしたアランに嫉妬し、
リオへの好意を隠さないルークは近付けない(笑)
若き王は、意外と普通の恋する青年でした♡
こういうところは、とっても萌えました!

ほんの少しほのぼのターンを満喫したのち、
ラストに大きな爆弾が:(;゙゚'ω゚'):
賢者の集まりである『北の塔』がリオの抹殺を計画し、
それを請け負ったのが、なんとフェルナン(つД`)ノ
ずっと公平中立であった尊敬すべきフェルナン!
まさかの展開に脱力しました……
そこに助けに来たのはユリウス。
そして、ユリウスとルストは同一人物だということが分かり、
いつもリオの側にいてくれたルストの想いには胸打たれました。

先の戦争で命を落としかけたリオを助けるために、
ルストは自分の命をリオに捧げていたのです。
自分の命が短いとルストは知っていたからこそ、
リオを抱いて呪いを解くことをしなかったし、
いずれリオを王にするつもりで準備していたのだと思います。
そう思うと本当に切なくて痛くて泣けます……

ラストは短命の人形と自分の命を入れ替えてしまったルストに、
真実を知ったリオは真名を返し、命を手離しながらながら祈るのです……
「ーー神様。ユリヤに愛する人ができますように。
 そうして愛する人と、どうか幸せにしてあげて。」

最後は号泣。゚(゚´Д`゚)゚。
ルストの真名を知ると、そこもまた泣けちゃって……
優しすぎる王と優しすぎる王の鞘ーー
この二人にハッピーエンドなんて訪れるのでしょうか?
心配過ぎて夜も眠れないかも……
次巻の発売日が書かれていないので待つしかないのですが、
なるべく早くお願いしたいといか言いようがないです。
待ち切れないよ〜

※長くなってしまい、お目汚し失礼致します。

26

怒涛の展開ですよ!何てこった、パンナコッタ~!Σ( ̄□ ̄;)

「王を統べる運命の子」第二巻で、王宮編になります。
まだ完結してないですよ!

実は前巻ですが、それなりに切ないものの、主人公は想いを寄せる相手と結ばれと、(樋口先生にしては)優しい展開だったんですよね。
が、今回はめちゃくちゃ切ない。
こう、あまりに痛い上に切なすぎる・・・!
えーと、ラストでリオの失われた記憶、そして「王の呪い」の真実が明かされます。

いや、伏線はキッチリ張ってあったけど!
ここに来て、タイトルの意味に驚愕したけど・・・!
もう、泣けて泣けて仕方ないですよ。
なんでこんな過酷な運命を、リオは背負わされなきゃいけないのか。
悲しい。
悲しすぎるよ!
胸が張り裂けそうだよ!!
てか、ここでラストって、あまりに殺生ですよ!!!

ザックリした内容です。
主人公・リオが「王の鞘」として七使徒に選定され、王宮へー。
と言うのが前巻のラスト。
で、ここから、怒涛の王宮編。

初登城したリオを待っていたのは、身分の低い彼を蔑み七使徒を不要だと公言する貴族達。
そんな中、ついに国王との初対面が行われるんですね。
そこで見た、国王の正体とはー?
また、魔女の攻撃が激しさを増す中、ユリヤの呪いの謎、そして国を裏切ったとされる第二王子の行方、そしてリオの失われた記憶の真実が分かりー・・・と続きます。

えーと、実は今回、国王の正体が明かされるんですね。
で、なんとその正体ですが、大方の予想通り、ユリヤでして!
実は国王本人が、選定の館に身分を隠して入り、自分自身で七使徒を選定すると言う習わしとの事で。
いや、わりと早い段階で国王の正体が明かされるんですけど、これには歓喜ですよ。
思わずニヤケましたよ~!
むしろ、ここで裏切られたら、絶望しましたよ!!

まぁそんなワケで、鞘としての仕事=エッチをし、ユリヤの呪いを一刻も早く解こうとするリオ。
しかし、何故かそれを拒み、決してリオを抱こうとしないユリヤ。
それどころか、鞘としての能力を他の者にも分け与えればいいと、自分以外の人間と寝る事さえ示唆する。
そう、リオにとって、かなり切ない展開なんですよね。

これ、リオがですね、それでもすごく健気で、真っ直ぐなんですよ。
ユリヤの態度には何か理由があるんだと察し、それが自分の失われた記憶に関係あると確信する。
そこで、ユリヤを救う為、国を救う為、失われた記憶を取り戻すべく真実を探し始めるー。

う~ん・・・。
前巻ですが、あまりに謎だらけであちこち気になって仕方ありませんでしたが、今回はその謎の大部分が明かされます。
まさに怒涛の展開なんですけど、これがリオにとってはかなり切ない展開なんですよね。

三年前にハーデで終結した戦争。
そこで、魔女の討伐と共に、三日間もの間、完全に行方不明になったユリヤ。
彼が戻った時には、その身に「呪い」を負っていたんですね。
また、魔女の連れ子である第二王子。
戦争を引き起こし獄中に居るとされる彼ですが、実は意識の無いまま深い眠りについていた。
そう、魔女側に居たのは偽物だったんですね。
彼が三年前から眠りについている、その理由はー?

これ、三年前のハーデでの「三日間」が、全てのキモとなってきます。

リオですが、魔女にソックリの自分の容姿や、三年前以前の記憶が無い事から、自身が魔女に深く関わりがあり、自分の存在そのものが国を不幸にしてしまうのではと深く悩む。
また、ユリヤがひどい事を言い、リオをわざと遠ざけようとしたその理由。
そして、城の奥深く見つかった第二王子が、リオそっくりだったと言う驚きの、その真相。

もうこれ、最初から最後まで、ユリヤとリオはスレ違い状態なんですよね。
で、受け贔屓の私としては、ユリヤの冷たい態度にムカついて仕方なかったりするんですよね。
だって、リオがめちゃくちゃ健気なんですよ。
ただただ一途に、自分の命を賭してでも、ユリヤの呪いを解こうとする。

が、終盤であの三日間に起こった真実を知ると、もうダーっと泣けちゃって。
いやこれ、運命って、あまりに残酷すぎる・・・!

何故、ユリヤがこれほどまでに苦しみながら、それでも呪いを解こうとしなかったのか。
そして、リオの驚愕の正体。
一つネタバレすると、実はユリヤにとって、リオは憎むべき存在だったんですよね。
愛する人の命を、結果的に奪った。

もうね、真実が分かった時に、ユリヤのこれまでの苦しみと葛藤にも、切なくて切なくて。
彼にとって、リオは決して愛してはいけない相手だったんだなぁ。
それでも、想いを止める事は出来なかったんだなぁと。

そして、何より哀しいのがリオ。
彼もまた、全てを知ってしまうんですよね。
自分の悲しい正体に、誰によって今、生かされているか。
そして、ユリヤを苦しめている呪いを、真実誰が負わせたのか。

で、ここで衝撃のラストですよ。
もうもうもう、リオがマジで哀しすぎて、胸が張り裂けそう。
また、彼が最後の最後まで願う事に、涙が止まらないんだけど!
ここで以下次巻って、あまりにあんまりですよ!!
辛い。
辛すぎる。

ちなみに、二人のラブ部分もですね、今回で一気に進みます。
この二人、互いが互いを、めちゃくちゃ大切にしてる。
だからこそ、より切なくて仕方ないんですけど。
とりあえず、ユリヤの隠しきれない執着心だったり、ついつい出てしまう独占欲だったりに萌えまくりました。
あと、ユリウスの正体!
これにも思わずニヤリと。
そうよね!
そうこなくっちゃ!!

まぁそんな感じで、文句無しに面白かったですよ。
三巻発売まで、身悶えしながら待たなきゃいけないけど。
どうか、リオが報われて、二人が幸せになる未来が訪れて欲しい。

18

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