電子限定かきおろし付
なんって素晴らしいお話なんだろう…
「君は純愛にふさわしい」まさに、まさに。
オメガバα×Ωだけど、αとΩだから好きになったわけじゃない。ひとりの人間として、彼だから、好きになった。
性と感情の狭間で模索し悩む、等身大の高校生のお話です。
つがるんの考え方がとても好きです。
α、Ω、β、性差のまえに、同じ人間だということ。人間に上も下もないということ。
つがるんはβ一家に突発性のαとして生まれて、でも特別扱いされることもなく、そういえばアンタはαだったね、くらいの扱いで育ってきて、そんな家族の影響が大きいと思います。
でも一歩外に出れば、誰がαだ、誰がΩだなどと、性差ばかり先に語られる。そんな世界への苛立ちが強く感じられます。
でも、ゆずと過ごすにつれ、自分の中にも、強烈にαとしての本能を感じてしまう瞬間があり、そんな自分に苛立ってしまうことも。
それでも絶対に本能のまま相手を求めたりしない、流されない強い精神を持っていて、努力のうえでの冷静さを保っています。
自分の気持ちを確かめながら、ゆずという人間をちゃんと見て知って、好きになる。
ほんとにこの子はすごい。すごいです。
人としてかっこよくて、強い。
強くあろうとしている。
いままでオメガバたくさん読んできたけど、こんなαに出会えて良かったと心から思いました。
ゆずは本当につらい環境にいる子でした。
Ωでいちばん読んでて悲しいのは、ゆずのように実の家族にまで疎まれ蔑まれている子がいること。
学校ではフワッと幼い振る舞いで浮いていて、はじめはつがるんもゆずを苦手に思っていたけど、橋から川を見つめるゆずの顔は壮絶に虚ろで。
Ωとして下に見られ、虐げられることを当たり前の日常にしてきたゆず。でも心はもう限界なのです。
兄のしたことは人間として許されることではない!
αとして生きるストレスがあっても、それをΩにぶつけていい理由なんかないのです。
つがるんの本能に流されない強さ、ゆずを人間としてみてくれる優しさは、ゆずの世界を変えていきますが、つがるんと自分を取り巻く環境には差がありすぎて、ゆずが思い悩む姿には胸がぎゅっと苦しくなりました。
川でのふたりのやりとりが、まさに純愛。
純愛にふさわしい…ふたりとも。
言葉にできないくらいの名シーンだと思います。
お互いを思い合う、思いやる気持ちがものすごく尊いです。
性差のしがらみというドブ沼を抜けて、人と人として愛し合って番になろうという強い決意。
このふたり、めちゃくちゃ愛しいです。
オメガバはもともと大好き。
でも、どうしても前提にある性差やそれに伴う差別、それが面白くもあるんだけど、どこかで反発する気持ちもあったと思います。
そのモヤモヤを晴らしてくれた、「同じ人間なんやから」という優しいつがるんの言葉に出会えたことに感謝します。
Luria先生の初単行本を拝読させて頂くのがとても楽しみでした。
個人的、各項目5段階で
硬派 3
オメガバース 2
エロ 2
な感じだと思います。
アルファの津賀くん×オメガの松前くんのカプです。
津賀くんはクラスメイトの松前くんのことが苦手。しかし、言動や雰囲気、何かと騒々しい松前くんが、橋の上で見せた憂いを帯びた横顔を見てしまい…。
オメガバース作品ですが、攻めの津賀くんはアルファですが、自身のアルファをあまりよく思っていないし、硬派な性格なので絡み描写も少なめなので、オメガバース要素は多くありません。
その代わり、松前くんはある理由からあまり家に居たくないからか、脇役キャラ達の家に泊めてもらった時に身体を重ねているようで、津賀くんとの絡み描写もありますが、他のキャラとの絡み描写がほんのりあります。でもあまりオメガバース要素とかは関係ないかな。
明るい言動だけど、松前くんが抱えてる悩みやそれに対して、最初は苦手意識を抱いていた津賀くんも真摯に向き合う様になって、お互いの純愛が素敵なので、是非とも読んでほしいです。
アルファだらけの家族の中で孤立すらオメガと、ベータだらけの家族のなかで、幸せながらも少し窮屈さを感じているアルファの話。
重めのエピソードもありますが(実の兄からの・・・とか。近親系地雷な方はお気をつけください)、最終的にはハピエンです。もっと手放しにエッチな本を想像してたので、思っていたよりズーンときました。
アルファくんが、第二の性に惑わされるのではなく、自分で選んで、フェロモンによる性衝動に負けないところが救いだし、そこがお好きな方も多いと思います。見た目はチャラついてますが、硬派なタイプのアルファくんです。
αばかりの家に生まれたΩの柚季とβばかりの家に生まれたαの津賀の、オメガバの少しシリアスな作品です。
最終的にはハピエンなのですが、なんせ柚季が本当にかわいそうです。αに生まれ、期待され続けている柚季の兄はその期待の大きさから時々おかしくなり、柚季を襲ったり、ピアスに穴を強制的に開けさせたりしており、また母親も自分の子供を「あんな子」呼ばわりする始末……。かなり胸くそな家庭ですし、その中でうわべだけでも元気に見せようと振る舞っている柚季にとても心が痛みました。
そんな中での津賀との出会いは柚季にとってとても大きなものだったと思います。柚季がヒートになったときに助けたり、兄に襲われそうになっている所を助けたりと、徐々に一緒にいるうちに、津賀も最初の印象から一転、柚季との距離がだんだんと縮まっているのが感じられました。
ビジュアルの面で言うと、津賀君はとても綺麗な顔立ちです!αであることを苦手に感じている珍しいタイプですがその理由を聞くと、少し納得しました。でも根っからいい人なんだろうなと感じられるいいキャラでした!
柚季はほんっっとうにかわいいです。関西弁も相まってとてつもなくかわいい…!甘え上手なのか津賀との情事の最中もかわいいですし、個人的には特に事後の朝がかわいすぎて悶えました……。私の読んだBL作品の中でもかなり上位にかわいい受けでした!
シリアスな展開の中でも愛が感じられる素晴らしい作品でした。
作画もとても綺麗なので情事のシーンも美しくて、おすすめです!!!!
とりあえず...最高でした!
Ωバース特有の格差社会について考えさせられる1作です。
本当にストーリーが素晴らしく良くて、最終回では涙してしまいました。
買うか迷っている人はとりあえず1度購入してみることをおすすめします!買って後悔はしないはずです!