ボタンを押すと即立ち読みできます!
鴇六連×羽純ハナで贈る、色男鳳凰×生真面目猛禽の鳥もふBL!
神仙界を舞台とした鳥モフBLで「黒鳳凰の愛する小鳥」のスピンオフになります。
今作だけで問題無く読めそうですが、「黒鳳凰~」の二人がちょこちょこ登場する事と、世界観が複雑な事から、そちらも既読の方がより理解しやすいし面白いんじゃないかと思います。
で、今作ですが、新米軍鳥である主人公の成長ものであり、純愛ものになると思うんですけど。
この主人公、ウブウブで熱血で健気でと、めちゃくちゃ可愛いんですよ。
また、攻めとなるのが、なんと前作で脇役でありながらすごい存在感を見せてくれた鶂己。
そう、瑞郷天一の美しさを誇り、飄々としていてつかみ所が無く、でもいざとなると頼りになる、格好よすぎるあの白金鳳凰です。
今回、彼の真実が分かるワケですが、これがなかなか切ない。
いや、前作を読んでるので、このへんの事情はうっすら想像がついてたものの、その想像以上に、心に深い傷を持ってたんだなぁと。
それを誰にも悟らせず、ただのスケベを振る舞うなんて、実はめちゃくちゃ不器用な男じゃないかよ。
いや、スケベは振る舞ってるワケじゃなく、元々か。
ザックリした内容です。
軍鳥を輩出する名門・鷲に生まれた嵐。
猛禽類の本能として、戦で武功を立てたいと憧れるものの、なかなか初陣のお許しが出ないんですね。
そんな中、その活躍と美貌から華やかな存在感を持つ白金鳳凰・鶂己の側仕えとして、出仕が決まる嵐。
生真面目に側仕えとしての仕事を果たそうとしますが、つかみ所の無い鶂己に振り回されてー・・・と言うものです。
まずこちら、序盤からですが、主人公の攻めに対する印象と言うのが、コロコロ変わるんですよね。
最初は、華やかで力強い尊敬出来る味方。
そこから、青楼街(色街)で遊びほうけるスケベ男。
更に、心に深い傷を隠し持つ、守りたい存在と言った具合に。
いや、軍場でも常に余裕のある態度で格好よすぎる活躍を見せてくれたかと思えば、「僕はエッチをしたいから」と隙あらば交尾をねだってくるドスケベ。
てな感じなんですけど。
で、そんな彼に振り回される主人公・嵐。
これ、嵐なんですけど、すごく真面目で一生懸命で熱血ないい子なんですよ。
最初こそ「なんてだらしない!」と鶂己に怒り心頭だったのが、彼と過ごして様々な姿を見て行くうちに、心に深い傷と強い怒りを抱える、隠した素顔を知る。
そこで、いつしか彼の側に寄り添い、守りたいと強く願うようになる。
この、主人公の心情の変化と言うのが、まずとても上手いんですよね。
また、激しい戦闘シーンは迫力があるし、細部まで作り込まれた瑞郷天と言う世界観も面白い。
が、個人的に一番心を打たれたのが、鶂己と言うキャラの生き様でして。
実は鳳凰でありながら純血では無い彼は、他の鳳凰達の慰みものになる運命だったんですよね。
えーと、片親のみ鳳凰として生まれた雛は、容姿が美しければ離宮に閉じ込められて、朱真鳳凰(純血の鳳凰)達の慰みものにする為に育てられるのです。
で、その運命に従う事を良しとしなかった鶂己。
玻璃(前作の主役)を離宮から逃がし、自分も若くして軍場に立って実力を示す事で、慰みものとなる運命を回避した。
ただ、共に育ちながら助ける事が出来なかった他の雛達に対して、強い罪悪感も抱えてもいる。
そう、彼が青楼街に入り浸る理由ですが、実は遊び呆ける為(だけ)で無く、そこにある隠れ家で、鳳凰の雛達を保護してるからなんですよね。
慰みものになると言う、彼等の運命を変えるために。
いやもう、器用そうに見えて、実はすごく不器用でいいヤツだったパターンですよ。
そして、本当はすごく寂しがり屋で、脆い部分があったパターンですよ。
飄々とした、その華やかな姿の裏に!
個人的に、こういうキャラにめっちゃ弱いんですよね。
こういう男が、受けにだけ弱い素顔を見せちゃうと言うのに、グッときちゃうんですよね。
で、ここから、雛達を保護する隠れ家が朱真鳳凰達に見つかってしまい、雛達を庇って嵐が連行されてしまい・・・と言う展開。
実はここからがですね、ちょっと駆け足な気がするんですよね。
そのせいで、片が付くのがアッサリに思えちゃうのが残念。
ただ、鶂己がめちゃくちゃ格好いいです。
そして、仙華一枝にと、永遠の愛を誓う二人がすっごくロマンチックで、うっとり来ちゃうのです。
ちなみに、最初に主人公成長ものと書いたんですけど、初陣ではヨロヨロしてただけの嵐が、少しずつ成長してゆく様も素敵で。
あと、鶂己がドスケベなので、エロエロですしね!
本当、隙あらば交尾をねだってるよ・・・。
まぁそんな感じで、攻め受け共にとても魅力的なスピンオフでした。
ところで、今シリーズはこれは終了との事です。
ええ!Σ( ̄□ ̄;)
長く続けて欲しかったのにー!!
来た来た、来ましたよ。
全作『黒鳳凰の愛する小鳥』を読んだ時に私が恋してしまった(笑)鶂己が主人公のスピンオフ!
全作でも飄々としていて掴みどころがない癖に玻璃が危機に陥ると現れて救ってくれる。でも別に別に玻璃に惚れている訳じゃない。瑞卿天一美しく、おまけにべらぼうに強い。
「何処に欠点があるの~ぉ?」と叫びたくなる様なスパダリさまと思っていたのですが、このお話を読んで発見しましたよ、欠点。
でも、その欠点すら魅力的なんだよなぁ……やっぱり、これは恋だわ。
このお話、楽しむためには前作を読んだ方がよろしいかと思います。
なので、正確に言えばスピンオフって言うよりも、主人公を変えた『続編』じゃないかと。
鶂己が玻璃と同じ様に、純血である朱真鳳凰たちの慰み者になるべく育てられた生い立ちだったのは前作で明らかになっています。
ただ、どうやってそこから抜け出し、戦場での英雄になれたのかは謎のままだったんですね。
また、玻璃と烈のピンチを何故救ってくれたのかも。
鶂己に対するお相手は鷲の一族である嵐。
父も兄も姉も軍場の最前線で戦っているのに、体が小さいためなかなか軍場に出ることを許されないでいる子です。でも、この子、とっても良い子なんですよ。皆が軍場に出ている間、小さな雛鳥たちの相手をして彼らに心の底から好かれ、いつか軍場に出る為に鍛錬を惜しまない。どうも父たちが嵐を軍場に出さないのは「何かあったら大変だ」と思っている節も見受けられるんです。それくらい皆に好かれている。
嵐の念願がついにかなって、彼は鶂己の側仕えとして初陣に出ます。
で、鶂己の凄さを目の当たりにすると同時に鳳凰の一族の長とは反目していることを知ります。
また、とんでもない色好みで、軍場にいる以外は青楼街という色町に入り浸っていることも。で、嵐にも手を出してくる。いや、必死で拒むんですけれどもね。
でも、そうこうしているうちに嵐は気づくんです。
誰にでも優しい鶂己の笑顔が本心ではないんじゃないかと。
その陰に隠している感情があるのではないかと。
そして、軍場に出る為に側仕えとして鶂己を守るのではなく、鶂己を守る為に軍場に出ようと決意するまでになります。
鶂己は鶂己で、真直ぐで日向の匂いがする嵐に心の慰めを見いだす様に。
ああ、これ、すっごい良いカップリングだっ!
2人が少しずつ心を寄せていく描写は、かなりキュンキュンしました。
うおー、甘酸っぱいっぞぉ~!
お話の後半では鶂己にまつわる謎が解け、彼がずっとやって来たこと、やろうと思っていたことが明らかになるのですが、そこからの展開は前半の丁寧な描写に比べると少しばかりあっけなかったかな、と思いました。
神評価をつけられなかったのはこれが理由です。
ただね、萌え要素は『滾々と湧き出る泉の如き』なんですよ。
だって、最近の私、かなり枯れてきておりまして、登場人物に恋なんかしないもん。そのお相手にも温かい目を向けたりしないもん。
おかげさまで、久々に『空気になって2人の恋を見守る』正統派腐女子になれました。
鴇六連さん、若返らせてくれてありがとう!
今回は白金鳳凰である美麗な神将と鷲族でも小柄な側仕えのお話です。
受様が攻様の側仕えがとして成長し、攻様が悲願を達成するまで。
瑞郷天は鳳凰を頂点とする鳥達の世界です。鶴や孔雀等の公卿鳥、軍鳥や
番兵鳥を担う猛禽類、白鷺や白銀烏などの美鳥、大衆鳥と多種多様な禽鳥
が棲み、頂点に立つ鳳凰の一族は瑞郷天を守護し、縄張りを広げる営みを
数万年の間連綿と続けています。
受様は大将鳥を輩出する鷲の名門に生まれます。猛禽類は雄よりも雌が身
体が大きいものが多く、小柄な受様は上級の軍鳥である両親や兄姉たちは
武将鳳凰とともに戦場に出るため、受様は幼い家族を守るという大事な役
目を担っていました。
しかし1つ下の弟も軍場に出、17才になっても初陣を経験していない受様
は父親と兄姉に強く訴え続け、やっと受様は父親から初陣を告げられます。
しかも鳳凰神将の一時的な側仕えという誉れある役を賜っての参戦です。
受様が側仕えとなる鳳凰は白金鳳凰で、瑞郷天で最も美麗と謳われ、黄金
に輝く弓から放つ矢はかつて1度も外したことがない弓箭兵団の長です。
彼こそが今回の攻様です♪
瑞獣に与えられる階級は仙将、瑞将、天将、神将ですが、攻様は12才で初
陣後、瑞将から一気に神将へ栄進した傑物で、最近は9つある玉座の1つを
与えれたのに即座に辞したと話題の的でした。
軍場でしか武器を持たず、派手な衣服を好み、いつも異なる美鳥の匂いを
纏っていて、1夜に3、4羽の遊君を抱くとか、巣は遊郭のある青楼街に
あるとまで囁かれているのです。瑞獣は好色と言われますが、度が過ぎて
淫蕩で変わり者の鳳凰の側仕えなんて、こたびの拝命は朱真鳳凰の取り計
らいもあり拒むなど以ての外です。
翌朝向かった大規模な陣営で受様は初めて攻様と対面します。長煙管をく
わえた白金鳳凰である攻様は煙りかかった天幕の中で強烈な煌めきを放ち、
受様の想像を遥かに上回る絢爛さで、受様は正体不明な胸の高鳴りを覚え
ます。
しかし馴染らしい姉との会話全く身が入らないような適当さで、攻様は物
見遊山にでも向かうかのような様に陣営を飛び立ち、受様は不安を覚えま
すが、開戦の鬨の声が聞こえた瞬間、のんびり飛んでいた攻様が受様の視
界から消え、突如、敵方から攻様の奇襲を告げる絶叫と怒号があがります。
遅れて戦場に突入した受様は目まぐるしく変わる戦況について行けず、自
分に向かってくる敵の矢に死を覚悟しますが、攻様の放った黄金の矢がそ
れを射落として一命を救わるのです。
その後も受様は軍場を右往左往するばかりでした。小休止で陣営に戻るの
もやっとで、本の一時すら攻様を守れなかったどころか助けられてしまい、
猛烈な情けなさと恥ずかしさに打ちのめされる事になります。
攻様とともに帰還団の一員となり、攻様が戦況報告に鳳凰の城・玉煌朱宮
の九尊の間に向かった攻様に帯同します。玉座の朱真鳳凰達と攻様の間に
は奇妙な緊張感が漂い、受様は状況を告げる攻様の美しい笑みに違和感を
感じます。
受様が仕える攻様に纏わる噂は嘘か!? 誠か!?
受様は立派な軍鳥になれるのか!?
鴇先生の既刊『黒鳳凰の愛する小鳥』のスピンオフとなる中華風擬人化
ファンタジーで、既刊の受様を陰に日向に支え続けた親友が今回の攻様
になります♪
玉煌朱宮を辞した攻様は受様に「帰れ」とも「ついてこい」とも言わず
にずんずんと進み、九尊の間での奇妙な応酬が気になりつつも受様は
攻様を必死に追いかける事しかできません。
そして攻様が辿り着いだ場所は音楽と歌い声、笑い声、客引きの声が混
ざり、優雅さと猥雑さが混在した摩訶不思議な世界・青楼街でした。受
様にとっては初めての青楼閣であたふたするばかりです。
攻様はそんな受様を面白がって軽く手を出しちゃったりするなかなか掴
みどころのない御仁ですが、受様は攻様の側仕えとして共に行動するう
ちに、攻様の笑顔に不自然な影を感じるようになるのです。
そしていつしか軍鳥になる為に攻様の側仕えとして攻様を守るのではなく
攻様自身を守る事を目的として攻様の傍らにいたいと願うようになるので
す。
既刊を読了した読者には攻様の過去から、攻様と朱真鳳凰達との確執や
攻様の目的がうっすらと想像は出来るのですが、攻様がそのために何をし
ていたのかという部分は受様とともに知っていく形で明かされていくので、
攻様が目的を達するまで、ハラハラ&ドキドキです。
既刊を読んだ際に裏方に徹した本作の攻様にぜひ幸せになって欲しい!!
と続編希望だったので、本作の発刊を知ってからとても楽しみにしてい
たのですが、本作もとてっも面白かったです ヾ(≧▽≦)ノ
スピンオフらしく(笑)瑞郷天の世界観等の説明が少ないながらも、既刊
キャラはそれほど絡まないので本作だけでも読めますが、攻様の過去が
絡む既刊を読んでいると更に楽しく読めると思います♡
華やかな外見を裏切らない事で飄々とした男を装う攻様ですが、かつて
親友を救うために自身が矢面に立ったように、かなり過酷な過去をもって
います。
それらを他人に見せないだけの矜持を持つ攻様にとって、生真面目でまっ
すぐな心根を持つ芯の強い受様が優しい癒しとなって、攻様だけの仙華一
枝を得る事ができて本当に良かったです♪
もう少しこの世界のお話読んでみたいと思ったですが、あとがきによると
瑞郷天の鳳凰と禽鳥たちのお話はこれで終幕との事。でもその瑞獣たちで
新作っていうのは有りですよね!? と望みは捨てずにいたいと思います。
前作を読み終わったあとに白金鳳凰の鶂己が気になっていたのと、憎たらしい丹天老君が失脚しないかと願ってたので、今作はとても面白かったです。
鶂己が何故飄々としていたのか?彼は何に対して怒りを覚えていたのかがハッキリしました。
離宮で玻璃を助けた後の事も知れてスッキリしました。
常に嵐に言っていたように、太陽の匂いがする唯一の仙華一枝を見つけられた鶂己は幸せそうでした。正しく鶂己を理解してくる嵐が側に居てくれるようになって心から良かったと思いました。
丹天老君を引きずり下ろして、歪だった玉煌朱宮の改革が出来た話にとても満足出来ました。
前作は独特の名称に難儀しましたが、今回は何度も繰り返しフリガナがふってあり読みやすかったです。笑
黒鳳凰~のスピンオフ作品。
前作では飄々と掴みどころのない無敵の美丈夫だったゲイキと、見習い軍鳥で側仕えの身となったランのお話。
受けはお家で攻めの帰りを待つ、みたいな線の細いのが好きな私ですが、こちらのランは最初から「おれが守りたい」スタンスで。
冒頭にある「金銀比翼」のくだりへと繋がっていくわけです。
ゲイキが花街で華やかで絶倫ぶりを発揮する生活を続けるのにも意味があって。
スピンオフだけど、二対の本といった印象です。
鴇先生のあとがきで、ふたりの今後が垣間見えたのも嬉しかった♡