両片想いの年の差溺愛ラブ 孤独だった健気な少年は、手を差し伸べてくれたスパダリ社長に愛されて――。

溺愛パパのじれったい初恋

dekiai papa no jirettai hatsukoi

溺愛パパのじれったい初恋
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神15
  • 萌×234
  • 萌7
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

25

レビュー数
12
得点
233
評価数
58
平均
4.1 / 5
神率
25.9%
著者
名倉和希 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
兼守美行 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
価格
¥870(税抜)  
ISBN
9784344846494

あらすじ

老舗旅館の次男でホテルグループ社長の泰成は、仕事は順風満帆なものの、周囲から見合いや結婚を勧められることを毛嫌いしていた。そんな中、遠縁の親戚で、家族を亡くし、引き取られる先もない、一人の青年の存在を知る。利害の一致もあり、その少年・優輝を引き取り育てることになった泰成。
月日は流れ、優輝も大学生となった。情を移すこともないかと思っていた泰成だったが、素直で健気な優輝との生活は幸せに溢れており、彼のことを大事に大切に愛おしみ、溺愛するまでになっていた。家族として優輝をずっと大切にしたいと思っていた泰成だったが、何でも話してくれた昔と違い、最近の優輝は何か隠し事があるようで……?

表題作溺愛パパのじれったい初恋

高羽泰成,35歳,老舗旅館の次男でホテル経営
高羽優輝,18歳,泰成に引き取られた遠縁の親戚で大学生

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数12

鈍感ヘタレ攻めのうろたえっぷりがかわいい


縁談除けに両親を亡くした中学生を引き取ったはいいけど、知ららないうちに本気になっていたセレブ社長と初めは保護者として慕っていただけなのにいつの間にか家族以上に好きになってしまった大学生の両片想い。


両親が事故で亡くなってから親戚中をたらいまわしにされていた優輝(受け)。
そんな優輝を遠縁の大手ホテルチェーン社長・泰成(攻め)が引き取ってくれることになります。
私立中学へ編入し、それまでの冷遇具合とは正反対のぬくぬくとした生活を送るようになって5年、優輝は大学に進学します。
泰成は優輝をかわいがり、過保護具合にますます拍車がかかりそれは束縛のようになってきていますが、優輝は高校の時に泰成への想いを自覚していたため嬉しく思うばかりです。
そんな二人を家政夫の照雄や泰成の秘書の内田は少し呆れながらも見守っていました。
そんな時、泰成を結婚させて会社の発展に使いたい泰成の母が動き出したことで二人の関係に変化が・・・


なんといっても泰成の鈍感っぷりには驚きです。
優輝が引き取られて5年たち、安定してきた彼らの生活は新婚生活そのものです。
家事全般は照雄がいるので手伝う程度ですが、出社時の見送り時はカバンをもって玄関までお見送り、帰宅時は出迎えはもちろん上着を受け取りブラシ掛けまで、今時こんな健気な新妻いるかってくらいです。
これをずっとやって貰っていて泰成は普通の家族だって思ってるんですから重傷です。
(優輝は自覚ありなので)
母親が優輝にゆさぶりをかけたことで二人の関係がギクシャク。


優輝が一人暮らしをすると宣言した後の泰成のうろたえっぷりは闇落ちしたかってくらいで衝撃でした。理性があってよかった。
それでも、暇さえあればGPSで居場所を確認したり、親友の彼女の相談に乗っているときや親友の宿泊するホテルのチェックインに付き合ってあげているときの行動はまさに嫉妬にかられた中年男(内田 談)でした。事情がわかってなかった二人はさぞかし意味が分からず驚いたことでしょう。
ちゃんと後で説明したのかしら。


今作では悪役は自分勝手な母親一人であとはいい人ばかり(たらいまわしにしていた親戚除く)でした。
照雄は泰成には父親のように優輝には祖父のように大きな愛で包んでる感じだし、内田は敏腕秘書なのに泰成を雑な感じで扱っているのが楽しい。
優輝も泰成には頼れなくても内田には相談してるところもすごく良い感じで、家族4人(実際は3人)で仲良く暮らしているって感じでした。
親友とその彼女は早くに優輝の想いに気付いていてもそっと見守っていた感じがすごくいいし、いい友人がいてよかったです。


私はヘタレ攻めはあまり好きではないんですが、今作の泰成はヘタレてても照雄や内田に宥められているところが楽しかったのでイラっときませんでした。

優輝から大切な話があるとメッセージを貰った後、「大変だ!」
「悪い予感しかしない」と大慌てのところを内田にはいはいと雑に宥められたり
、「昨日は立派だった」「ニュースを優輝が見てきっと見直すだろう」と優輝をだしに仕事をさせられたりと、普段ホテル王とか言われてるしっかりした社長なのに、良い感じに雑に扱われているのがかわいいかったです。
そして、照雄と内田の元上司と部下という関係も良い感じに想像できて面白い。
泰成たちを二人きりにするためにさらっと「今日は内田の家に泊まります」とい
えてしまうところとかニヤニヤしてしまいました。


今作は溺愛ぶりもさることながらヘタレ攻めの可愛い一面も楽しめるとても面白い作品になっていたと思いました。
あの自分勝手な母親がもっとぎゃふんと言わせられたらもっとよかったと思いましたが、彼ら4人がこれからも幸せに暮らしていけるならなんでもいいかな

3

幸せをありがとーぅ!

「これだよ、これ。これぞ名倉和希!」と叫びたくなる様な一冊。

高羽泰成35歳、老舗旅館の次男坊にして高羽ホテルグループの社長。
プロのモデルの様な見た目と自社のホテルを売り出す実力を兼ね備えたスパダリの彼が、はじめは無自覚なままに、気づいてからは全てを投げ捨てて恋に狂う様は、めったやたらと可笑しくて、愛らしいのです。

両親を亡くしたため親戚をたらいまわしにされ、疎まれていた過去のある高羽優輝くん18歳も、献身的に泰成に尽くす様から垣間見られる健気さとは裏腹に、何故か恋に対してだけは鈍感になってしまうという可笑しみ、可愛らしさを持っていますが、やはり比較すると泰成の方がダントツに可愛い。

この愛らしさは馬鹿になっちゃっているからだと思うのです。
『恋狂い』とはよく言ったものですね。
狂ってるんですよ、まさしく。
自分が変態じみた執着をしていることに気づかないほど。

ちょっとだけ考えてしまったのは、天下のスパダリが何でこんなバカになっちゃったのかということなんです。
生家の旅館は兄が継ぐものと端っから諦めていて、ホテルの仕事の為にはそれほど好きでもない広告塔になって、挙句の果てには実の母から実家の旅館を盛り立てる為に政略結婚を用意される……これって、恋に対して鈍感にならざるを得ないんじゃなかろうか?ひょっとして泰成の『おバカさん』って環境の犠牲になった挙句のこと?

でもだからこそ、この恋狂いが生きるのだと思ったんですね。
もう、ニヤニヤとかゲラゲラとか色々笑わせてくれてありがとう!
そして泰成と優輝の2人だけじゃなく、家政夫(って言うより家令っぽい)の輝雄や社長秘書の内田、優輝の親友遼太郎とその恋人の香織など、2人を見守る周りの人たちも優しくて善良な香りを漂わせているのが良いんですよ。いや、善良って言っても儚げじゃないのね。逞しいのよ。そして世俗っぽいの。
それがね、とても良かったんですわ。
幸せを運んでいただきました。

1

今このときのためのお話

幸せすぎてほろっとしました…あてられすぎておかしくなっちゃいました。

目にした方々のレビューがどれも、あまりにも。本文中の「温(ぬる)く見守る」モブの皆様と化していたので。安心して手に取りました。いやあ…エキストラ気分です。これは、ヌルい視線に、なる。なるわ。

周りの打算により引き取った子への愛情が、庇護から奪うものに変わる、ていうお話ですが、攻様の泰成さんの自覚がとにかく遅い。その間も、自分のおかしさに自ら合いの手で釘を刺す泰成さんのセルフツッコミに心から笑わせてもらいました。
家政夫の照雄さん秘書の内田さんどちらも辛辣で冷たくて、二人の前で取り乱す泰成さんがただの駄々っ子で情けな…イエ可愛いです。
優輝も、健気なだけでなく、泰成さんに培われた育ちの良さを社員たちに鷹揚に示しているところ、ただの薄幸の受さんではなく、とても好きです。正直だし、卑下しない良い子でした。肉食だし。
電子限定オマケ、手を握るだけでこんなに、と、えっちすぎて拷問でした。先をください。

高められた後の名倉先生の後書きの言葉に泣きそうになりました。まさにいまこのときのBL好きのために書かれた本なので、癒しを求めている方は今すぐ読んでゆったり浸ってほしいと思いました。

かなり現在的なお伽話だからこそ、内田さんの「嫁」に対する言葉は皮肉だと読みましたし、泰成さんもそこに気づいていくスパダリであってほしいなあ、てとこまで思ってしまった。

ふわふわです。ふわふわ。
内田さんと照雄さんの息のあいかたにもそわっとしましたが、あまりそこは考えずにいたいです。面白かったです。

4

まさに溺愛パパのじれったい初恋だ!

長かった。色々色んな意味で。

溺愛…いい言葉ですね、大好きです
パパ…保護者や年の差もの大好きです
じれったい…切ないのが延々続くのは苦手ですがじれったいのは好きです
初恋…いいですね!

相変わらずの名倉節炸裂ですね。攻めの泰成が受けの優輝を誉め称える表現する言葉の豊富さったら!
もう優輝が可愛くて愛しくてたまらない泰成が読んでて楽しくて半分辺りまではスラスラ読めました。
有能なビジネスマンで男前なのに仕事中に養い子の優輝の写真を見ては癒されマメに優輝からのメールをチェックして、何かあればアタフタし血相を変えて狼狽したり浮かれたり。過保護にも程がありその過保護の原因は?

健気なシンデレラの優輝。一生泰成への恋心を胸に生きていくのかな?早く恋が実って!と祈りながら読みました。

泰成母の優輝への攻撃的な言葉から優輝が可哀想で。すれ違っていく二人。
とうとう泰成が優輝への想いを自覚した時にはもう…。

お互いに絶対に相手に知られてはいけない、気持ちをそっと胸にしまっておこうと思うものの切ないです。

そんなときに泰成のストーキングが?効をそうして!なりふり構ってられなくてとうとう気持ちを優輝にぶつけて。
そうなんですよ、きっかけが必要だったんですね。お互い相手への嫉妬に胸を痛めてはいましたが、俺の可愛い優輝が男とホテルにチェックイン!?で振り切れましたね!

夢のような一夜でした。
ここまで長かった。優輝は泰成と14歳で出会い17歳で恋心を自覚し19歳でやっと気持ちが通じて。
泰成も庇護欲から優輝を30歳の時に引き取り、大事に大事に育てて過保護が暴走気味でしたが、一緒にいる時間がかけがえがなくて。やっと愛してると自覚してからはさらに怒涛の毎日で。

そしてエッチも長かった。
絶倫も大好きです!ですが優輝がちょっと心配。家政夫にも泰成が怒られましたね。こんなに色窶れするほどいい年して初体験の子を抱き潰すなんてと。

泰成母にもガツンと言ってくれて、将来の話までしてプロポーズですね。

秘書も家政夫も親友もその彼女もいい人ばかりだし、優輝は可愛いし、泰成は暴走するし、名倉さんらしい楽しくてハッピーなお話でした。
なんというか安心して読めました。

6

とにかく面白かった

攻めの泰成がホテルグループのやり手社長で高身長で容姿端麗でしかも人格も優れている筈なのに、養い子である優輝の事になると過保護で情け無くなってしまうのに笑いました。

あんなに溺愛されてしまったら優輝が泰成を好きになってしまうのは、しょうがないと思いました。
しかも優輝は大分早い段階で泰成に肉欲を感じていて、意外に男の子だと思いました。

優輝の事が可愛くて大事にしたくて堪らない泰成の態度は、家政夫の照雄や秘書の内田から見たら優輝のことが好きなのは丸分かりなのです。

しかし鈍い泰成だけが自分の気持ちに気付いてなくて、優輝との両片想いがとにかく焦ったいのです。

優輝の親友の彼女に詰め寄ったり、親友を間男と誤解したりと嫉妬心丸出しでした。

泰成の母親が自分の思い通りにならないと気が済まない人で、優輝に辛く当たる嫌な人物でした。
この母親が原因ですれ違って危うく優輝が家を出そうになりましたが、堪え切れなくなった泰成からの告白で2人は両思いと分かって結ばれてました。

初めての優輝に対して泰成の長い2回目がえげつなかったです。ふらふらになって帰宅した優輝を見て、家政夫の照雄が憤ってました。ww
意外に肉食な優輝はやはり男の子だと思いました。

4

大人の男が初恋に狼狽えるお話

大好きな作家さんの新刊なので、ワクワクしながら読みました。
とにかく、名倉さんの書かれる、溺愛する攻めというのが大好きなんです。なので、いつものごとく、あらすじも読まずに挑戦したのですが…。

いや~、もう、やっぱり攻めの泰成が最高でした!!
無自覚に執着して束縛して…それも35歳の恋愛経験豊富で、イケメンセレブときたら…美味しい以外ありません!!友人にまで嫉妬して、カッコ悪くなってる様子に萌えまくりました。おまけに、一緒に温泉に入って『ミロのビーナス』と表現したり、初Hで「君の味を記憶させてもらった」と言ったり、吹き出す場面もたくさんあって楽しめました。

それだけじゃなくて、不幸だった受けの優輝が、泰成に引き取られて幸せになっていくシンデレラストーリーだったのもホンワカとして良かったです。
そして、一緒に暮らしてる家政夫さんや泰成の秘書さんもとっても温かいイイ人達で、優輝との関わりにホッコリしました。
唯一、お母さんだけが悪者でイヤな存在でしたが、2人のためにスパイスになってくれたのかと思えば、そんなに腹も立ちません(苦笑)。

題名通り、溺愛仮パパの、じれったい初恋を楽しく堪能できました。
次の作品も期待しています♪

3

笑える良ラブコメ作品

もー、すっごく笑っちゃいました。
名倉先生のラブコメ大好きです。
両視点ものなので、優輝視点から始まる読み始めの時点では、ちょっぴり過保護なスパダリ攻めなのかなと思ったのです。
とんでもない間違いでした(笑)

一途で健気な優輝が密かに恋をしているのは、12歳の頃に辛い過去を持つ自身を引き取ってくれた養い親の泰成。
こちらの泰成、まだ30代半ばという若さで有名ホテルを率いる敏腕社長で、一言で言えばかなり仕事が出来る優秀な人間なんですよ。
顔立ちは整っていて物腰も穏やかで優しさもたっぷり。
どこからどう見ても完璧なスマートさを持つ良い男なのが伝わって来るんです。
本当にかっこいいんです。外から見ていると。
それが読み進めていく内に、あれっ…様子がおかしいぞ…?と、発言や行動の端々からぼろぼろと"スマートさ"がはがれ落ちて、養い子を盲目的な程に溺愛するが故の残念で憎めない愛らしい部分がどんどん出て来る。

どう考えても恋以外の何ものでもない想いに、自分では全く気が付かない神がかった鈍感っぷりを発揮し「これは庇護欲や親心のようなものだ」と勘違いをして無自覚な恋情を拗らせに拗らせ暴走しまくる姿がもう、情けなくも楽しくて。
やっと想いを自覚した35歳が優輝優輝とパニックになる様子が面白くて仕方がないんですよ。
いつも可愛いと思っていた優輝がもっともっと可愛く輝いて綺麗に見えちゃう。
両片思いものなのですけれど、家政夫の照雄さんや泰成の秘書の内田さんにはバレバレという。
この2人がまた良い味を出していて、一歩間違えば優輝の将来の選択肢すらも潰してしまいそうな勢いの泰成の暴走を叱ってくれたり、時には優輝を優しく見守ったりしてくれる見事なバランサーでした。
気が付けば、私も2人と同じ視点であららと見守っていました。
冷静に大人に叱られる35歳が可愛すぎる。

優輝視点だと養い親に対しての淡く切ない片思いの様子が良い感じに描かれているというのに、泰成視点の過保護を通り越した嫉妬と独占欲っぷりを見てしまうと、どうしても泰成のぶっ飛んだ行動の方に目がいってしまう(笑)
恋は人を盲目にさせるだけではなく、35歳の大人を初恋をした思春期の中学生にしてしまう事もあるらしい。

嫉妬して暴走した後に冷静になって仕事中にへこむ泰成が
「優輝くんも社長の勇姿を目にし、さすがだと見直したはずです」
「…そうかな?」
と、秘書の内田さんに飴と鞭で手綱を上手く握られている姿が物凄く単純でなんだか憎めなくて笑えてしまう。
このあたりの「はいはい」と社長の扱いが上手い内田さんに軽くいなされるシーンが子供みたいでとっても好き。
すごくヘタレだけれどかっこ可愛い攻めでした。

そして、すぐにくっ付くかと思えばなかなかくっ付かないのがじれったい。
うーん、しかしこのすれ違いと思い込みが両片思いの醍醐味ですよね。
やっと迎えたベッドシーンで、2回戦目は長いと言った通りの絶倫(遅漏…?)っぷりにも笑いました。
でもまああんなに可愛い事言われちゃしょうがない。
「君の味を記憶させてもらった」にも爆笑。

受けの過去にネグレクトがあったり、攻めの母親が鼻につくタイプなので…もしかしたらそこはちょっとなーと思う方もいらっしゃるかもしれません。
が、それを上回る健気で良い子な優輝があたたかく愛されていく様子が見られますし、優輝を溺愛する泰成のじれったい両片思い・勘違いとすれ違い・そして攻めの可愛げのある情けなさと面白さがあります。
幸せな感覚になりながら、くすくす笑ってしまう事間違い無しな良作でした。

5

笑える!!

のっけから、「受け可愛さがあまって前のめりになってる攻め」という名倉さんらしい攻めの描写にニヤニヤしまくりでした。

・多忙な経営者だけど、優輝(受け)とすごす週末がモチベーションとなってる。
・優輝の洋服を買うのが趣味のひとつで、クローゼットはやたら満杯(優輝は困惑気味)
・1時間の電車通学をしてる優輝を心配して、なにかと車送迎を申し出る(優輝は固辞)

なにしろ冒頭からわずか11P(電子で)まででこの調子。

だけど泰成(攻め)は、一言で言えば「無自覚」
その気持ちがなんなのかわかっておらず、あくまで大切な養い子に対する庇護欲ゆえと思っているんです。

というのも優輝を引き取ったのは、優輝が14歳のとき。
親戚中をたらいまわしで痛々しいほどやせ細っていた優輝の「スーパー保護者」になると決めて以来、大切に育ててきたんです、泰成は。
だから優輝をそういう対象として見たことがなかった。

だから泰成は実家の温泉宿で、一緒に露店風呂に入ろう!とあっけらかんと誘うんですね。
だけど、ふと目にした優輝の裸体の神々しさに、ようやく気づいた泰成の動揺がおかしくておかしくて…!!

「とっても気持ちいいですね」という優輝のつぶやきがやたら意味深に聞こえてしまうとか、「今、優輝と湯で繋がってる?!」とか。
おまえは性に目覚めたばかりの男子かっ!!みたいな。

「将来、優輝に嫁がくるかも」という可能性に初めて気づいて、隕石が落ちてきたような衝撃を受けてる泰成の姿にも笑えます。

そして優輝とすれ違い&切ない展開になるのだけど、泰成の動揺&憔悴がこれまたおいしい。
いい年した立派な男が、オロオロしまくって、ヨレヨレになって、受けのことで頭いっぱい!!!で、明後日の方向へ暴走しようとする。

それを諌める秘書と、住み込み家政夫さんのナイスな存在感がこれまた光ってます。

「優輝、優輝、優輝、優輝優輝優輝優輝優輝っ」も名倉さんらしいなぁと、笑ってしまいました。

4

安定路線

先生買い。けらけら笑えましたが、さらっと読んでしまったので萌2よりの萌にしました。コメディ路線の名倉先生がお好きな方でしたら、安心してお読みいただけるのではと思います。本編250P+あとがき。

5年前、観光業を営む家の次男坊である泰成(たいせい)の下に引き取られた優希。住み込みの家政夫である照雄を手伝いながら大学に通っています。超優良物件である泰成の女除けとしてコブつきにしてしまおうという周囲の思惑があって引き取られたのですが、十分な愛情をもって育ててもらえて、いつしか泰成のことを大好きになってしまって・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
照雄(攻めの家政夫)、内田(攻めの秘書)、攻め母、兄、遼太郎(受けの友人)、香織(遼太郎の彼女)ぐらいかな。

**内容に触れる感想

受けは健気かつ過保護に育てられた、可愛い一般的な子。なので、攻めの斜め上度合いがより分かりやすかったように思います。

冒頭から「可愛いからチカンにあう」だの「心配だから車で送迎する」だの、大学の入学式に出たいから予定を調整してくれと秘書に懇願するだの、自分でもわけがわからなくなっているようですが、とにかく溺愛。最初は「なんていい大人なんだ」と十分思われる態度だったのですが、あまりに溺愛が過ぎてちょっとおかしくなっている様子なので、楽しかったでした。

受けがどうこうというより、いい大人な攻めが受け限定で変になっている様子が楽しい、名倉先生らしい安定の一冊と思いました。

2

ホテル王はそれを我慢出来ない?

微に入り細を穿つ。と、言うべきかもしんない。非常に、用意周到に。設定に留意しているのだ。何処からも、誰からも、何憂うこと無く、公明正大に愛を叫びたい!んだと思う、多分。その持って回った丁寧さに読み手側はぷっと吹き出してしまいたい気持ちになる。

小学生の頃、事故で両親を亡くした優輝は、親戚に疎まれながらたらい回しにされて育った。特に、大叔父には酷く折檻され、食事もロクに与えて貰えなかった。中学生の頃、そんな優輝を引き取りたいと、遠縁の泰成という男がやってくる。そこからはもぅ。怒涛のシンデレラストーリーなんである。
泰成は有名なホテルグループの社長で。優輝に何不自由無い暮らしばかりか、大学まで通わせてくれる。そして、そして、めちゃくちゃ可愛がる‼︎
男前で優しい泰成にいつしか恋心を募らせて行く優輝。けれどそんな気持ちを抱いてはいけないと自分を律している。何も気付いていない泰成はひたすら優輝を甘やかしていたが…。
泰成はもう自分でも自覚無い程の執着に囚われてしまっていて。優輝の若々しい美しさに見惚れ、女の子の友達とお茶しているのを見ては荒ぶり。自分で温泉に連れ出しておきながら、優輝の身体を見てドギマギする。
35歳の大の大人が七転八倒する様子をコミカルに綴られている。
そして私たちはハタと気付く。作者の思惑にほくそ笑む。優輝を見つけ出し、引き取るのは中学生の頃。もっと幼い頃だと、泰成が源氏よろしく自分好みに育て上げる、という禁忌感が出て来てしまうのを回避。あと、年齢差も少し躊躇して見て取れる。19歳と35歳なんて、ギリギリセーフでしょ。と、言わんばかりである。もっと言うと泰成にちゃんと言い訳もさせている。自分は小児性愛者では無いと。優輝の事を意識したのはたった今なのだと。
これは。どこからも文句言わせないからね、と言いたげな作者の心配りなんである。きっと、ええ、多分。
優輝を心配するあまり、携帯に勝手に付けたGPS。優希が親友の遼太郎が先に出て行ったあと、香織ちゃんとカフェにいる所に泰成が飛び込んでくるなんて。ああ、これは来るな、来るよね、キターッ!ってなもんである。遼太郎が彼女と過ごす為に取ったホテルに付き添って来た優輝を誤解して飛び込んで来るのも予想出来る範囲内。
もう、くすぐったい程に泰成が思い通りに動いてくれるのだ。
名倉先生が編集さんに何度も「攻めはカッコ良く書いて下さい。」と言われる程に。大人の攻め様が必死でカッコ悪くなってしまうのは可愛いらしいんである。
カッコ悪いんじゃ無い、カッコ可愛いんである。と、いうことにしておこう。

途中、本家の旅館を仕切る女将である泰成の母からホテルグループの社長として政略結婚を持ちかけられたり。優輝がこの母から冷たく出て行けと言われて苦しんだり、という些末な事件もありますが、2人を見守る家政夫さんの照雄さんや、秘書の内田さんの援護もあって、丸くめでたし!と相成ります。

心情の発露のまま大告白をする泰成に驚きながらも、意外にも冷静に受け止めているかの様な優輝。ここはもっと、なんかこう、感激のあまり震えて欲しかった。いや、その後怒涛の絶倫攻めで、優輝の震えは止まらなくなるんだけども。いやはや。
後で照雄さんに叱られる程、抱き潰すって。どんなけなんだよ、泰成。照雄さんと秘書にバレバレっていうのも恥ずかしポイントですね。
泰成の「臍に届きそうなほど反り返っている」「太さも長さも色も、迫力も。そしてその下の二つの袋もどっしりとした大きさだった。」という、あけすけな文言も。
初めての筈なのに、後日はしたない願いを口にする優輝にもビックリです。エッロ。

ところで、生涯のパートナーにすると決めた2人のその後をもうちょっと見たかったな。卒業後、優輝と遼太郎は泰成が最初計画した様にホテルグループの一つで働いているのか。それとも。ただ泰成の帰りを待つ可愛いお嫁さんとなっているのか。気になるところではありますねぇ。

2

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