この瞳は、いつでもこんなふうに優しくて――

倫敦夜啼鶯

London nightingale

倫敦夜啼鶯
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×22
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
8
評価数
2
平均
4 / 5
神率
0%
著者
夢乃咲実 

作家さんの新作発表
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イラスト
八千代ハル 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
価格
¥630(税抜)  
ISBN
9784576200750

あらすじ

類稀な容姿を頼みに幼い弟分とその日暮らしを送るルーイ。
医者のハクスリーの元に身を寄せ、不眠の彼のため歌を歌うことに…。


ルーイは弟分のサミィの面倒を見ながらその日暮らしをする孤児。
仕事で過分なチップを支払った紳士に返金を申し出たルーイは、歌うことを条件にその紳士、ドクター・ハクスリー宅に住み込むことに。
不眠を患うドクターは、ルーイがサミィに歌った子守唄で安眠を得られたのだという。
優しく温かい人柄の一方で生活力に難ありなドクターの身の回りの世話をし、夜は記憶の片隅にある歌を歌う。
やがてその歌声は周囲の耳目を集めることになるが、孤児時代の自分を知られたくない思いやドクターへの想いでルーイは葛藤することに…。

表題作倫敦夜啼鶯

ハクスリー,30前後,不眠を患う内科医
ルーイ,10代半ば,類稀な美貌を持つ孤児

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数2

ドクターとナイチンゲール

表紙を見て、子育てBLだと思い手に取りました。
が、実際には表紙の3人は親子ではなく他人です。

浮浪児として生きてきたルーイとサミィは兄弟ではないのですが、大きな愛情と信頼関係で深く結びついています。
それでも日々の生活は苦しく、パンを買うのもままならない状況。
そんな二人が、偶然出会った医師のハクスリーによって幸せを手にしていくーーというお話です。

ドクターとの生活に幸せを感じながらも、このままでいいのか?と悩むルーイ。
心理的なもので言葉を話せないサミィ。
そして、ルーイはドクターにほのかな恋心を抱き……

流れとしては王道かなと思うのですが、貧しい人たちのために尽力するドクターが素敵だし、ここにルーイの素晴らしい歌声が加わることで作品の個性を出しています。

サロンで認められ始めたルーイの歌声ですが、最終的には本当に必要としている人のためだけに歌いたいと考えるようになります。
ルーイの歌声に癒され、のちにルーイがいればそれだけで満たされていくドクター。
音楽って人の心を解いてとかす、素晴らしい癒しツールだと思います。

ちなみに、タイトルの夜啼(鳴)鶯はナイチンゲールという鳥のことです。
日本語では「サヨナキドリ」といい、美しい鳴き声をもつ鳥のようです。
タイトルから、てっきり看護師の方のナイチンゲールを想像していたのですが、実は違いました(そもそも字が違う^^;)

ただ、ルーイがドクターを支えるための仕事をしたいと考えるようになったラストから考えると、多分ルーイはナースになるんじゃないかな?と思います^^
『われは心より医師を助け わが手に託されたる人々の幸のために 身を捧げん』という〝ナイチンゲール誓詞〟
ルーイの思いは、この志にピッタリじゃないでしょうか?

3

美しいヒストリカルロマンスですよ~!

19世紀のロンドンを舞台とした、ヒストリカルロマンスを思わせるお話。

浮浪児として生きてきた主人公が、優しい攻めと出逢った事により、穏やかで温かい毎日を手に入れる。
また、その類稀な美貌と歌声により、彼は社交界でも話題となり・・・と言った感じでしょうか。

こちらですね、まさに正統派ラブストーリーなんですよ。
人気者となった事で主人公が変わってしまうとか、二人の間にスレ違いが生じるとか、そう言う人間の醜い部分は無し。
毒気の無い、ただひたすら美しいお話なのです。
個人的に夢乃先生のお話が大好きなんですけど、作者さんのカラーが良く出た、切なくも素敵なお話だと思います。
えーと、表紙の雰囲気そのままに、美しいロマンスに浸りたい方にオススメしたい。

ザックリした内容です。
弟分サミィの面倒を見ながら、その日暮らしをする浮浪児・ルーイ。
使い走りや雑用で小銭を稼ぐ彼は、穏やかで優しい紳士のハクスリーと知り合います。
不眠を患うハクスリーの為、子守唄を歌う事を条件に、サミィと共に彼の自宅に住み込むように。
そこでかつて無い穏やかな毎日を手に入れ、更に歌声が周囲の話題となり、サロンに呼ばれては披露するようになるんですね。
そんな日々の中、売春紛いの仕事をしていたかつての自分を知る人物が目の前に現れー・・・と言ったものになります。

まずこちら、主人公となるルーイですが、美しい歌声と類稀な美貌を持つ孤児だったりします。
すごく健気で真っ直ぐないい子なんですよ。
弟分であるサミィの面倒を見る為、どうしても暮らしに困れば売春紛いの仕事までする。
一応、身体を触らせるだけで、行為そのものはやって無いんですけど。

で、そんな彼と偶然知り合い、使用人として雇うようになるのが攻めであるハクスリー。ドクターです。
彼はですね、浮浪児であるルーイに対しても紳士的な態度と、すごく優しくて穏やかな人物になるんですね。
一方で、生活能力に関してはあやしいもので、ルーイはそんな彼の身の回りの世話をする様になる。

個人的に、不憫受けが攻めと出逢った事により、幸せを手に入れると言うお話が大好きだったりするんですけど。
今作ですが、まさにその黄金パターンでして。
浮浪児としてみすぼらしいナリで、その日暮らしをしていた主人公。
そんな彼が穏やかで温かい毎日を手に入れ、更にちゃんとした衣服と、見違えるように変身する。
その上、美しい歌声が認められと、何もかも順調な、新しい人生を手に入れる。

いやこれ、攻めであるハクスリーが、とにかくスパダリなのです。
それなのに、ちょっと抜けてる所があるのも可愛くてですね!
こう、二人の日常がやたら優しくて、うっとりしちゃうんですよ。
ひたすら穏やかで大切に扱ってくれるハクスリーに、そんな彼の世話をする事が、嬉しいルーイてな感じで。
二人の距離が縮んで行くのがじっくり丁寧に語られ、その恋模様に萌えまくっちゃうのです。

と、そんな日々の中、ハクスリーに惹かれてゆくルーイ。
しかし自分の過去を知る男が現れ・・・と続きます。

これ、ルーイの出る行動がですね、若干浅はかだとは思うのです。
ただ、自分の汚い過去を知られる事、嫌われる事に強い恐怖を感じちゃうのは理解出来る。
こう、生きる為に必死だったんですけど、それでもその「仕事」が心の深い傷になってるんですよね。きっと。
だからって言うなりになるんじゃ本末転倒だよと、何とももどかしくて仕方ないんですけど。

と、多少切ないものの、痛い展開にはならないのでご安心を。
繰り返しになるんですけど、攻めがとにかく器が大きくてスパダリなのです。
これ、彼のバックボーンが語られる事によって、このスパダリぶりにも説得力がある所が上手いなぁと。

こう、お話としてはキレイにまとまり過ぎて、人によっては物足りないと感じるかもしれないんですけど。
もうちょい、人間としてのドロドロした部分なんかもあった方が、不自然では無い気もしますし。
ただ、キレイで優しいお話を読みたい方にはオススメ。
とてもロマンチックで素敵なお話だと思いました。

8

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