• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作この夜の果て

秘書・長瀬
元華族の家柄・和彰

あらすじ

元華族の家柄の和彰は、結婚して事務機器販売会社『オムラ』に婿養子に入り、社長として仕事に励んでいた。しかし、会社でも家庭でも自分に求められているのは華族というブランドだけだと思い知らされる。そして、己の存在意義がわからなくなってしまった和彰は、我を失いなんと自らの手で自分の局部を切断してしまう。そんな心身ともに傷ついた和彰に救いの手を差し伸べたのは、秘書の長瀬だった。退院後、長瀬の誘いで彼の家で同居することになった和彰だが、傷が治っても、局部を切断したため自慰も満足にできず性欲を持てあまし、苦しみ悶える。そしてそのことを長瀬に知られてしまい。

作品情報

作品名
この夜の果て
著者
毬谷まり 
イラスト
石田育絵 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576060354
3.1

(6)

(1)

萌々

(1)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
17
評価数
6
平均
3.1 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数4

シリアス?なのかギャグなのか?

主人公が局部を切断するというショッキングなお話。

しかし何度も笑ってしまったのは何故?

出したい欲求はあれど、モノが無い為に放出できない苦しみ。
その苦悶が妙に笑いを誘う。
私は男ではありませんので解りませんが、出せないのってそんなに苦しいものですか?

だって何日も悶絶して食欲まで失い、すっかり憔悴した姿にって…。
スイマセン、どう表現したら良いのでしょうか?とにかく必死過ぎて、主人公が真面目に悩む姿が妙に可笑しいんです。

―今夜果たせなかったら、たぶん自分は狂ってしまう―

って何で?

そりゃもうこんだけ必死なら、放出時のあの雄叫びも納得です。

前述の方々が御指摘のカタカナ表記の喘ぎ声~!
もう、やっと出せたね、気持ち良かったね、そうかい私も嬉しいよ。思う存分、叫びなさい!

一体これは痛いのかギャグなのかどっちだ!?
登場人物全員キレる人?やたら皆さん叫んでます。

こんな作品久し振りに読みました。最近のBLには無い、人間臭さが好きかも。
最後まで楽しませて(笑わせて)頂きました。
是非、気持ちに余裕がある時に読んでみて下さい。不思議な作品です(笑)

1

茶鬼

こんにちは、はじめはじめさま

早速読まれたのですね♪
自分もオススメしてから引っ張り出してみたんですが、久々の読後感想ははじめはじめさまと同じ!面白さでした。
始めて読んだ時は、とんでもBLだな~と思いながらもユニークだとは思ってはいたのですが、、、まさか笑いに昇華しているとは☆
古い作品には時々驚かされます。
オススメしてよかった・・・んですよね?(笑)

チョン切り注意!痛い!激情劇場

ともふみさまレビューでさっそく手にとりました。
とっても痛い、痛い、どこが痛いってアソコも痛ければ、心も痛ければ、人間も痛い、とっても痛いお話でした。
萌えかと言われれば・・・・中立よりの萌え。
何と言っても、アソコを切ってしまうお話って初めての体験でしたので。

今更、そんなに旧華族なんて家柄は大切か?と思うほど家柄に執着するオムラの姑と嫁。
和彰は、結婚に情熱も愛もさほどあったわけではないけど、それなりに頑張ろうと努力していたのだけれど、結局は種馬としか見られていなかった。
ののしり、罵倒しまくる女たち。
衝動的に自殺しようとした和彰が切ったのは、手首とか動脈ではなく男根!
これさえなくなれば、オムラの呪縛から逃れられると。

女たち、特に姑はヒステリーだ。
しかし、和彰も衝動に任せての切断とはいえ、その激情はヒステリーに相違ない。
ヒステリー狂想曲・・・前半はまさにそれにつきた。
痛い人達というは、自分にとって実に愛すべき人達で、萌えさえもよおさせるものだが、このヒステリーはいただけない。
もっとも忌み嫌うべき感情だ。

そして、傷ついた和彰を癒したのが秘書の長瀬。
切ってしまったとはいえ、精巣は残ったのでモヨオシはあるわけで、、、
そこで、ともふみさまレビューに自分が突っ込んだシーンが登場♪
普通「あっ、」とか「ああ、、、」とか「ふっ、」とかが一般的でしょうが、この和彰「アアアアアーーーーーー!」と叫んでおりました。
カタカナ表記ですよ、カタカナ!驚愕でした!
まあね、裏が竹林のひっそりとたたずむ一軒家ですから、近所迷惑にはならないでしょうが、ただ、きっと夜遅くにこの家の前を通る人がいたら、幽霊でも出たかと思われるかもしれません。

そんなで、最初はイケスカナイ社長と思われていた和彰ですが、一生懸命社長として仕事を頑張っていたので、長瀬は愛おしく思っていたということですね。
だから、壊れかけた和彰の面倒も進んで見てくれたということで。

長瀬を除いての主要登場人物のヒステリーに萌えが削がれた感もありますが、ちょっと古臭い感じの下剋上ラブストーリー。
インパクトは大きいです。

4

はじめはじめ

茶鬼様―

お気遣い有難う御座います。もう大満足の一冊でした。

昼メロ愛憎劇ドロドロ系かと思いきや!
痛いどころかお笑いですよ。
まるで一人H覚えたての中学生のように、射精に拘る主人公が微笑ましかった。
哀れみを通り越してギャグにしか思えなかった(笑)
また攻め様の冷静な切り返しが良い!
二人が真剣であればある程 可笑しかった~。
この作家様、もう活動されてないんですかね、だとしたら残念です。
茶器様、いつもツボにハマる面白い情報を有難う御座います(^0^)

アレを自分で切り取っちゃった主人公

有能で完璧な秘書・長瀬×婿養子で社長・和彰の、ドロドロなのにセンシティブなラブ。
ちん様を自ら切断しちゃった受けという仰天設定です。(あらすじにあるのでネタバレボタンは押しません)ホントに切り取っちゃいました。あわわわわ。
とはいっても猟奇的なのはソコだけで、予想していたほど病的な重苦しい空気がなかったのが意外…というか残念。
湿度は十分でしたけど。

兄の会社への資金援助を条件に、大企業「オムラ」の婿養子として迎え入れられ、若くして社長に就任した主人公・和彰。
必死の努力の甲斐も虚しく、会社でも家庭でも自分の存在意義を見つけられない和彰は追い詰められ、性的不能、つまりインポになってしまいます。
そして義母と嫁からセックスレスを糾弾された夜、ぷっつんしちゃった和彰は発作的に局所を切断してしまうというひょえ~な幕開け。

更には、大醜聞だと実家からも婿入り先からも受け入れ拒否された和彰は、秘書の長瀬の家で療養することになるわけなんですが、
でも和彰はその長瀬に強いコンプレックスを抱いていているし、その長瀬も和彰に対しては一線を置いているような態度をとっていて、二人の間には壁があるわけですよ。
ちょっとずつ距離が近くなっていきます。

そして和彰には思わぬ問題が発生。
竿はないけど袋はある…つまり精液は生産されるのに、棒がないから摩擦による射精ができないという。
そしてここぞとばかりに登場なのが、長瀬と前立腺です。笑
女のわたしにはどうしても理解できない苦しみなので、その辺りの描写がとっても興味深かった。あと、夢精とかしないのかな?とか色々気になりました。
悶え苦しんだ後の、前立腺による射精シーンの雄叫びがすげぇです。
その後のセックスでの和彰の喘ぎも凄すぎる。
「アア―――ッッッ」とか、何の事件かとご近所の人が駆け込んできそうだから!

ストーリーとしては、和彰の心の闇や、嫁との関係、長瀬の真相、社長という地位等々…いまひとつ設定を活かしきれてないなあという印象でした。
和彰の進退は、実家や会社を巻き込んでもおかしくない大事のはずなのに、和彰と長瀬と嫁と義母の4人だけのミニ修羅場で話をまとめてしまっているのが違和感あったかな。
それと、この4人がみんな同じようにテンション高くヒステリーっぽい性格なので、大袈裟な舞台芝居を観ているような気持ちになりました。
まあでも、愛憎劇ってこんな感じ?

この題材を選んだ、著者の思いきりの良さには拍手したいです。
でも最初にも述べたように、局部を自ら切り落としてしまうという暴挙にでてしうほどの和彰の心の闇に、あまりリアリティが感じられなかったかな。
こう、皮膚に迫ってくるような生々しい苦しみが汲み取れなかった。惜しい。
これ、切り取ったのが攻めだったらどうなるのかな…

5

ともふみ

こんばんは茶鬼さん。
わたしも局部切断という設定にど胆を抜かれてついつい。
さらっと読めると思うのは、水原さんとか木原さんとかで鍛えられたからかもしれません。でも茶鬼さんなら絶ーーーーー対大丈夫!!笑

喘ぎ声は終始そんな感じで叫んでてビビりました。笑
この著者さん初読みなので作家さんの持ち味なのか、よっぽど攻めのテクがスゴイのか分かんないんですけどね。

アレはですねー、ちょこっと根元が残っているくらいの短さで、だから射精はできるし排尿も不便だけどできるみたいです。
もし攻めだと、挿入できない自分の代わりに他の男に抱かせて見物するとかみたいなどろっどろ展開とかですかね??寒い…
いやでも今の世の中いい玩具もあることだし、そっちで追求してもらってもいいんじゃないかと…って何の話だ。笑

茶鬼

ともふみさま

評価は中立ですが、ヒステリックな四人と、阿部定を自前でする受け様に興味深々です。
しかも、エチ時の喘ぎが殺人事件のような悲鳴と…
ドロドロしてそうなのに案外さらっとしてそうなのも読みやすそうですね。
性転換と違って管が短くなるだけなのかな?と局部を想像してしまった!
攻め様が切ったら攻めにはならないかな?
読んでみたくなりましたよ。

いろんな意味で痛いのでご注意を

この作品は嫌だ!と言う人も多々いるかも知れませんが、私は好きなんですよね。
まさに人間のエゴ丸出し。
エゴも丸出しだけれど、悲しさも丸出し、でも最後はハッピーエンドなんですから言うことなしです。


これは重要だと思うのでネタバレ書きますが、




「局部切り落とし」があるんですよ。
しかも凄く悲しい場面。
自分はどこからも必要とされなくて、でも家柄という「種」だけ求められている。
そのプレッシャーで夜の生活がうまくいかないのに、それだけで役立たずのように言われ、自分のすべてを否定され続ける。
その原因を自分で見つめて「いらない」と思ってしまう。
女だから想像するしかありませんが、本当に出来る男の人いるんでしょうか?
自分で切ってしまえる人が?
だからこそ、そこまで追い詰められた受けが可哀想で……

でも話はむしろそこから。
そのせいで性欲が起きても自慰が出来なくなる。
状態だけ書くとなんと滑稽な。
そしてまた苦しむ受け。作者さん、どんだけSなんだと思いましたが、この先の読めない前半の展開に萌えました。
まぁその先はありがちと言えばありがちな、仕事の出来る秘書にコンプレックスを持っていたんですが、その彼に助けられ、そこに元妻も絡んで……みたいな展開なのですが。

人間の性(さが)って色々な意味で貪欲だなと思いましたね。
お金だとか家柄に固執する嫁親子もそうですが、仕事で矜持を保ちたい受けもそうだし、性欲も含め、人間て欲の塊なんだと思いました。
他の動物と違いそこにプライドが絡むから愛憎入り乱れるのかも。

生ぬるい話しに飽きた人にお勧めです。

2

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP