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願いの種子が芽吹く、からだのおくそこで――
裏表紙のあらすじを読んで、ファンタジーかな?っと軽く手にとり読んだのですが、まさかまさかの読み終わったあと、胸がじ~んとなりました!こんな形の裏切りは大歓迎です!そのくらいとっっても素敵なお話です。
不思議な世界と、現実の繋ぎも設定がロマンチックで素敵なため、どんどん世界に引き込まれていきました。映像化が叶うなら、ティムバートンの描くダークファンタジーな映像が合いそう~!
内容は、ま、種をお腹に仕込んだりするので可愛いだけなお話ではないのですが、セッもたっぷりあるし、なんといっても受け様がお美しい。
攻め様は、一見スパダリ様かな?って思ったのですが、一途で可愛いんです!
健気攻め×美人受けかな?
ちび絵になると、まりもっ◯りのキャラクターのような目になるのも怪しげで良かったです!一応目が死んでるかららしいのですが、だんだん可愛く見えてくる不思議です。
不思議な世界観にぐっと引き込まれ、2人の愛情に胸打たれ、読み終わったあとの気分の良さは最高です。
こんなお店があるのなら、雨も嫌いではなくなっちゃいます。
【設定に怖気ついている方へ】
とんでも設定なのにこんなに引き込まれるファンタジーは初めてでした。
雨の日にしか出られない?なくしたものを思い出と引き換えに?種を埋め込めば男でも妊娠できる?子供ができれば店の後継者ができるから自由になれる?
これだけ聞くと「そんなバナナ」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし大丈夫です安心してください読んでいると魅力の方が勝ってしまってみるみるうちに引き込まれていってしまうのです。
確かに、気になる所は多々あります。彼らは何者でどこから来たのかとか。でもそれって実は颯(受)も知らないことで、だけど颯はそういう所も含めて知らないままに月路(攻)に惹かれていって...つまりは、好きになるのに少しくらいの謎なんて関係ないってことなんですよ恋愛も作品も!!
何回も読み返すと、これってこういうことなのかな、とか自分で考えて咀嚼できるので延々と楽しめます。
【ロマンティックポイント】
雨の日しか会えないって設定が惜しみなく使われていてとても素敵でした。
雨の日しか外に出れないから、月を見たことがない月路。
雨の日しか会えないから、天気予報を見ながら雨の日を待ち遠しく思う颯。
雨が止んだら死んでしまうのに、颯に待っててと言われて嬉しくて待ってしまう月路。
訳あって月路から記憶を消されたのに、雨の日になると胸が痛む颯。
そして月も随所で活躍するんですよね。
月を見たことがないから見たいと言っていたのを思い出して、月が中に入っている和菓子を買っていく颯。とそれを愛おしく思う月路と私。(月路が極度の甘党なので、颯は甘いの苦手なのにいつもドーナツとか甘いものを買ってくんです可愛い)
そして記憶を消された後に最近は雨も少なくなったなと空を見上げると月があるんですよなんてドラマティックなんだ、、、早く月路を思い出して、、、泣
そんな感じで雨、月、そして甘いものがふんだんに詰め込まれた雨月堂アンティーク。おしゃれだなあ。
【神評価の理由】
二人は骨董が好きという共通点から徐々に距離を縮めて行くんですが、それだけじゃなくて互いに人柄に惹かれているんだ、というのが明確に描かれている所がとてもポイントが高いです。展開が早いと思う方もいらっしゃるかもしれないのですが、二人の気持ちは自然に育まれていますし、丁寧に描かれているので、全然唐突感はないですよ!向き不向きはあると思いますが(想いが通じ合ったからって「子供が欲しいなんて思えるか?オメガバでもあるまいに」とか疑問に思ってしまう方はちょっとあれかもです)、少なくとも月路の孤独で優しくて子供みたいに素直な所に惹かれた颯が、「俺がお前に家族を作りたいんだ」と思うのは私にとってはごく自然の流れに思えました。何より、二人が互いに向ける愛が等しくデカいんですよ。月路が颯の記憶を消したのだって、颯が自分の為に子供を産むことで死ぬかもしれないと聞いて、自分は一生もうそこから出られなくなったとしても颯を手放すことを決めるんです。なんで記憶を消したんだ、と詰られた時の「…失えば生きていけません」の月路の顔が本当っっっに好き。その上で、「俺は死んだりしないしお前をひとりにしない」と迷い子のような月路を大きな愛で包み込む颯。このシーン大の男が二人とも泣いているんですが、それがとても美しくて、なんだか雨みたいだなあと思いながら眺めていました。
【個人的好きポイント】
颯も言っていたんですが、月路の「死んだ魚のような目」がめちゃくちゃ好きです。特に少しデフォルメ?に書かれた時のちょっとホラーな目がめちゃくちゃ好きです。先生のpixivの方にその後の同人誌があげられていたのですが、二人の娘ちゃんは月路に似たようで、死んだ魚のような目がしっかり遺伝していました(笑)
娘ちゃんとのほのぼのストーリーもめちゃめちゃかわいい&面白かったので、ぜひお買い上げになる際は(まだ公開されていたらですけど)そちらの方もご覧になってみてくださいね!
雨の日にだけ現れる不思議な骨董店「雨月堂」。颯は祖父の形見である懐中時計をみつけ、店主の月路に譲ってくれと頼みますが、代金として想い出を支払わなければならないことを告げられます。想い出は渡せないと言う颯に月路は「僕の子供を産んでください」と持ちかけ、颯は承諾し・・・
雨の日に現れる雨月堂が舞台のミステリアスなお話です。しゃべるフクロウ、雨の日にしか出歩けない月路。読み進めると月路の秘密がだんだん分かってきます。住む世界が違う2人が共に歩んでいくために選んだ結末とは・・・
ネタバレ見ずにぜひ読んでほしいです。
とっても不思議なストーリーですが、好きでした。
露久先生の絵が作品の雰囲気にとても合っていて、一冊の物語を読んだ気持ちになります。
雨の日だけ現れる不思議な骨董店に紛れ込んだ颯。
そこで祖父の形見を見つけた颯は、店主の月路に譲って欲しいと頼むも、商品と引き換えに要求されたのは意外なものでーー…!?
これだけでも不思議なのに、商品の代わりに要求されたのは〝大切な思い出〟
大好きだった祖父との思い出を失いたくない颯は、それ以外の方法を要求します。
すると、今度は月路の子どもを産むことを求められるーーという、本当に不思議な謎だらけの展開。
仮腹を作る「種」を下から挿入され、会うたび月路に種付けされる颯。
月路と時間を共有するうち、いつしか雨の日が楽しみになっていきます。
しかし、種が体に合わず、颯が命の危機と聞かされた月路は颯の命を最優先します。
全てを諦め、颯の記憶を消して解放しようとする月路は、このままでは一生店から出られなくなってしまうのです。
颯がいない世界なら死んでいるのと同じーーそう言って、なんの躊躇いもなく行動できる月路はとても健気な男だと思いました。
記憶を消された颯もまた月路を大切に思っており、自力で記憶を取り戻していきます。
そして、店に閉じ込められた二人が取った行動は……?
思い出はなくならず、巡り巡るもの。
代償を伴いながらも手にした二人の幸せなラストには、ホッと胸を撫で下ろしました。
最初から最後までファンタジー要素満載です!
無表情の月路が嫉妬する後日譚も萌えたし、ずいぶん人間らしくなったなと感じました^^
カバー下をみると、二人の子ども予想がみられます。
目が完全に月路で吹き出してしまいました(^^;;
月路が雨の日しか外に出られなかったり、喋る鳥がいたり、手紙化された人々の思い出があったり……と、謎がたくさんあります。
全てが明らかにされるわけではないのですが、健気な二人のお互いを思う気持ちに胸打たれ、感動できる作品だったと思います。
一番好きなエピソードは、月を見たことがない月路に颯が月を模した和菓子を買ってくるところ。
颯の優しさに胸が熱くなった、とても素敵なシーンでした。
雨の日に体から「つゆだく」な出逢いをしたふたりが「晴れの日」を迎えるお話。
骨董店が異空間であるファンタジー設定で、体を重ねるまでは早いんですが「好き」という想いをゆっくり静かに重ね合わせていく過程が素敵です。
優しい雨がふたりの気持ちをパッケージした作品でした。
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颯の日常を変えたのは雨。
インテリア会社に勤める颯が偶然見つけた不思議な【雨月堂】というお店…そこは雨の日だけ営業しているという骨董店。
店番をしている鳥ドゥードはたたずまいからして怪しさが漂っています。
そして謎の店主:月路に店に展示されていた、大好きだった祖父の形見の懐中時計と引き換えに「子どもを産んで欲しい」と提案される颯。
全編を通じてややダークな雰囲気や湿度の高い表現、「子どもを産む」ための濡場もふんだんに盛り込まれています。
種を下から挿れて借腹を作るってすごい設定!
骨董の話で意気投合する月路と体を重ねるうちに、少しずつ月路への興味に目覚め共に過ごす楽しさを知り始める颯。
この颯さん、非現実と現実を混ぜたような人で面白かった!
いきなり子ども産む選択するは、子どもの将来には口を出す宣言とか産休とれるか心配したり(笑)
端正な顔の下の理性と情緒がチグハグな感じに月路も惹かれたのかも知れません。
颯が何度も訪れるうちに無表情だった月路に表情が宿るようになる過程がすごく好きです。
颯も言っていますが、月路は素直で子どもっぽいところがあります。
得体の知れなさと無邪気な様子のギャップがとても可愛い。
ずっと独りの一日を繰り返しながら生き続けていたであろう彼が颯と出逢いで人間っぽくなります。
月路が仕事中の颯を待つエピソードがあるんですが、すごく好き。
静かに降る雨が颯への気持ちを表現するかのようで、月路本人も嬉しくて幸せだったと語っていますが、読んでるこちらも幸せになるような笑顔で胸がつまりそうになりました。
ある日、種を体内に挿れたことで体調を崩し気味の颯が「死ぬかも?」とドゥードに忠告された月路は颯を想う一途さから別れを選びます。
颯の記憶を消した後に残るのは、思い出と記憶だけ、それでも颯が生きていてほしい。
それが同時に月路が店の外に出られなくことを意味しても。
自由に焦がれていた月路の「颯のための」選択と柔らかい表情に涙がでます。
でも、颯は自分の消された記憶からも無意識に月路の断片を探します。
店のあった場所で懐かしい胸の痛みから、ついに再会へ(爆泣)
颯のプロポーズも、ふたりが揃って店から外へ出ようとする場面もかっこよかった! 好き!!
雨上がりが訪れた、ふたりの恋に心から安心しました。
颯こそ、月路にとっての「月」だったのではないでしょうか。
月をモチーフにしたお菓子、カラーで見てみたいなぁ。見つめる月路の胸もいっぱいだったんじゃないかなぁ…
あ、月路の作ったカレーも美味しそうだった!
後日譚は颯の同僚たちとの様子にヤキモチを妬く月路。コミカルで楽しい!
カバー下のドゥードの衝撃のネタばらしに笑いました。ふたりの娘ちゃん(想像図)の目元にも(笑)