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作家買い。
カシオ先生の描く、ちょっとダークで繊細なストーリーが大好きなのですが、今作品はダークに振り切った作品ではないのでドシリアスが苦手な腐姐さまにも手に取りやすい作品かと思います。
ドシリアスな作品ではないんです。ないのですが、なんて言えばいいのかな。
薄いベールを一枚被せたような、と言えばいいでしょうか。
いろいろな伏線、バックボーンがありますが、それらがきちんと描かれていないんですよね。だから、読み手によっては消化不良な感じがするかも。
でも、その「包まれた感」が個人的にはめっちゃツボでした。
模索し、もがき、葛藤し。
「それ」が何かはっきりわからない。
でも、好き。
そんな、青く、若いDKたちが紡ぐ恋が描かれていました。
主人公はDKの浅井。
代り映えしない、退屈な毎日。そんな彼はある日登校中の電車内で痴漢されているDKを見かけ、とっさに助ける。
その痴漢されていたDKは、浅井の高校に転校してきた紺野。日々平凡に過ぎていく毎日だったが、紺野と出会ったことで浅井の毎日は変化していき―。
すんごく良くあるお話なんです。
東京から来た、見目麗しい転校生。
その転校生と恋に堕ちて。
が、ですよ。
浅井にも、紺野にも、内に秘めた想いがある。
ゲイという性癖に対する葛藤や軋轢。
血の繋がりのある叔父に対する恋心。
そういったドロドロしたものを彼らは自分一人では昇華することができなかった。そんな二人が、出会い、恋をして、少しずつ成長していく。
この作品の素晴らしいところは、彼らの恋心がこの作品の軸になっていないところなんですね。二人が出会って恋をして、はい、ハピエン!というお話ではないのです。
彼らの葛藤は、すべてが明らかになっていません。
浅井のお兄ちゃん。
紺野と、彼の叔父さんとの関係。
そういったバックボーンは、彼らの回想や会話の端々から推測するだけにとどまっています。
で、これらが最後の最後まで描かれておらず、ついでに言うと浅井×紺野の関係も恋人になった、と言い切れずに終わっています。
続きを描いてほしい、と思う一方、この曖昧な終わり方も味があって最高なんですよね。「カシオ」という作家の魅力が最大限に描かれている作品のような気がします。
ダークすぎず、シリアス過ぎず、けれどDKという青く若い主人公たちの葛藤も描かれていて、そのバランスが秀逸。
曖昧なまま終わっているゆえに好みが分かれそうな作品ではありますが、この曖昧さゆえにドツボに入る作品でした。
文句なく、神評価です。
やられました。
カシオ先生の描かれる作品の、心がざわざわとかき乱されるような読後感がとても好き。
今作もこの終わり方が1番美しい気がします。
2人の夏恋が描かれたこの先に訪れる秋や冬、春はどうなるのかなと思わず想像したくなる。
私は続きは不要かなと感じました。
退屈な日常、退屈な田舎、退屈な学校生活。
そんな新鮮味のない生活の中に突如現れた「東京から来た転校生」という名の異分子。
美しく儚く、どことなく危うい雰囲気が漂う"紺野棗"という1人の少年の存在によって、良くも悪くも田舎の学校という狭い世界が動き出す。
個人的にはこの作品を痛々しいとは感じませんでした。
しかし、決して爽やかな青春物語というわけでもなく、読み進めるにつれてレモンの皮をかじった苦味のようなものがほのかに広がる。
この気持ちは恋なのか、興味なのか、執着なのか。
登場人物達の心情ははっきりと描かれていません。
パズルのように少しずつ散りばめられたものをかき集めて想像するしかないのだけれど、なぜだかそれがとても魅力的。
ダークでもない、ただの青春物語でもない、不思議なお話でした。
個人的にですが、ネタバレは無しで読んで頂きたいなと思うのはカシオ先生の作品が多い気がします。
ぜひ真っさらな状態で、この短い夏の物語を読んで欲しい。
皆さんはどんな感想を持つのでしょうか?
そして最後に、"僕の穏やかな日々を壊したのは 美しい君でした"という帯の一文のセンスの良さが素晴らしいです。
今まで明るいストーリーのものばかり好んで読んできたのですがこれは衝撃的でした。
普段明るいものばかり読んでいるのでしんどい感覚がありました。がそれが癖になる感じなんですよね
シリアスかと聞かれたらそれは少し違う気がするんです…。なんというか完璧すぎない人間らしさを感じました。
本来なら攻めはこーして受けはこうするでしょう。という枠にハマらなく、ズレてる感じがあって 逆に人間味があってゾクゾクしました。
そして終わり方、びっくりしました。よく見るハッピーエンドとズレていてなにか物足りなさが残る感じ…。でも続編がでるとなると少し違うんですよね。この終わりが美しい。スッキリしない感じなんですけどこのモヤがかかった感じで終わるのがとても良かったです。
なのでスッキリするような作品が好みの方には向かないのかな?あとラブラブな感じもなくセックスもシコいって感じで見れないと思います
絵柄は線が細い感じで綺麗な子を描くのがお上手だとおもいました。
普段は読まないタイプのものでしたが他にもカシオさんの作品を読んでみたいなと思う作品でした
カシオ先生が描く、センシティブな青春ラブストーリーです。
『君恋』掲載作品なので、混沌とした中にも高校生たちのピュアさを感じる事が出来ます。
ただ、これ1巻?と何度も見直す程、ラストが物足りない。
描き下ろしもなくて、ちょっと中途半端かな。
あらすじです。
刺激のない田舎の生活につまらなさを感じていた高校生の浅井。
そんな彼の前に現れたのは、美しい転校生・紺野。
転校初日、紺野が痴漢されているところを助けた浅井は、なんとなく紺野の事が気になってーー…
紺野によって、浅井の代わり映えしなかった日常は乱されていきます。
美しくてミステリアスな紺野の事が気になりすぎて、浅井の心はカオスに……
紺野は、有名な画家である叔父の家に身を寄せています。
二人はゲイ?そこは匂わせ。
しかも、紺野には売りをして退学になったという噂があり、
そこも真偽の程は定かではない。
多分、本当なんだろうな。男を買っていた叔父への当て付け?
言葉でハッキリさせないところが多い印象。
心は抗ってるのに、身体は紺野を求めてしまう浅井は、
紺野にキスをし、遂には身体の関係まで迫ります。
罪悪感を抱かない方法ーーそれは、お金で紺野を買うこと。
拗れていく2人の関係がもどかしく、苦しい。
思春期の複雑な感情や、性的指向への悩みが伝わってきます。
浅井もゲイなんだろうな……
浅井の尊敬する兄は、男同士の恋愛?で勘当されています。
だから、浅井は簡単にアイデンティティを受け入れられない。
この葛藤ですれ違う2人……
浅井も紺野も悪くない。
本当は、純粋で傷付きやすい普通の高校生。
カオスに陥れば、それを正そうとする防衛反応が働く。
だから、心が乱されるの。相手を傷付けちゃうの。
それでも、自分の気持ちに素直になって駆け落ち?した2人ーー
これって青春?きっと、そうなんだろうな。
デレる2人に萌えが止まりません。
時間は腐る程……という、冒頭の浅井のプロローグに繋がるラストがエモい。
うーん、でも、この先の2人が気になっちゃうんだよ……
読者に委ねられた2人の関係とこれから。
ここは余韻と捉えて浸れる方にはいいと思います。
ただ、凡人のわたしは作者に答えを求めがち^^;
浅井の兄や紺野の叔父さんの事もハッキリしないままです。
読み取る云々じゃなく、単純にもっと彼らの事が知りたかった。
やっぱり、続編があったら嬉しいです^^
シーモアで期間限定、1話2話無料で読めます。
気になる方は、まず単話を読んでみて下さい。
爽やかな青春物語かな?と読み始めましたが、カシオさん独特の仄暗さが健在でした。
男子高校生2人の一夏の思い出を覗き見ているような、背徳感を感じるお話です。傷つきながらも成長していく姿が眩しい...。
関係性や過去について多くを語らず、読者の想像に任せる部分が多いので...ミステリアスで素敵だなと思いましたが、起承転結がきちんと欲しい方向きではないかもしれません。
最初と最後のモノローグがリンクしていて、この巻だけでも綺麗に纏まっているとは思うのですが...続編があればぜひ読みたいです。