二人で歩む恋路はどこまでもー。 これは月日をかけて育まれていく、未熟な恋の物語。

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表題作たよりたよりて

北條ルイ
大学生,理央の父の教え子
高柳理央
高校3年生

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき
  • カバー下漫画

あらすじ

出会った瞬間、彼の灰色の瞳に惹きつけられるように奪われたキスは、まるでこれから世界が変わる合図のようだった。

ある手紙を頼りに理央のもとを訪れてきたという青年・ルイは「一人で泣いてる気がして」と、涙をすくうように理央の頬に触れ、愛しそうに何度も何度もキスをする。

はじめのうちはその行為に戸惑い、ぎこちない反応を見せる理央だったけれど、いつしかその振る舞いに救われていることや求められることに期待している自分に気付き――…。

作品情報

作品名
たよりたよりて
著者
すけやま 
媒体
漫画(コミック)
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
G-Lish Comics
発売日
ISBN
9784866692999
3.8

(83)

(28)

萌々

(24)

(25)

中立

(6)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
11
得点
317
評価数
83
平均
3.8 / 5
神率
33.7%

レビュー投稿数11

雰囲気は好き

高校生の理央の元に突然ルイがやって来るところから始まります。

理央の父親が海外にいて時々音信不通になるという育児放棄ぶりに引いてしまって物語に入り込めませんでした。
元から自由な父親ならともかく母親が亡くなってからの行動という点に引っかかりました。

灰色の瞳だけで東北出身とはならないし、ルイの家庭環境がよく分からなかったりで気になる点が多かったです。

手紙がルイと理央の縁を繋ぐところは面白く、強引なルイに絆される理央は可愛かったです。

シーモアは白抜き修正でした。

0

玄関先にて

 まず、心構えとして、イケメンが玄関先にて行き倒れでいた時の対処法をいまから妄想に妄想を重ねるが、結局イケメンは可愛い男(こ)が介抱する妄想に尽きるという妄想をマンガにしてくださった作品。
 表紙は春の穏やか日のふたり。黒髪が理央高校三年、もう一人のイケメンはルイ大学生で理央の父親の教え子らしい。
 ある日差し出し人不明の手紙に玄関先に灰色の瞳をした青年が行き倒れていて、助けようとしたらキスをされてしまう。
 
 ルイと生活するうちに理央の内に秘めたさまざまな思いが溢れ出して、、、、

 ルイとつばさ(理央の幼なじみ)とのバトルも見ものなので是非。
 

1

幸いを込めて

父からの連絡を待つ理央のもとに届いた差出人の書いていない手紙と灰色の瞳の青年。
玄関先で倒れていた彼は「君に会いに来たんだよ」と、意味深なことを言ってきて。
始まりがそんな感じだったので、不思議っぽいお話なのかなと思いきや…
素敵で温かい、心が洗われるような作品でした。

理央はこれまでツライことや悲しいことがあってもひとりでじっと我慢して、寂しい気持ちも弱音も吐き出すことなくやり過ごしてきたんでしょうね。
ふと遠くを見るような表情からそんなことを思いました。
誰に強要されたわけではなく、理央自身も無意識にそうしていたんだろうというのが切なかった。

でもルイの登場でそれが良い方向に綻んでいったことに感動。
自分の心を明かせる相手に出会えるって本当に素晴らしいことなんだなと感じました。

表紙の桜は本編のラストの場面なんですね。
温かくて幸せそうなふたりの雰囲気にピッタリで、すごくほっこりしました。

2

優しい世界

なんて繊細で美しい画を描かれる方なのでしょう。
こちらの作品がデビュー作と聞いて驚きました。
カバーイラスト通り、とても穏やかであたたかいお話でした。
このデジタル機器があふれる時代に、作品テーマが「手紙」というのが素敵だな。
電話もメールもメッセージアプリも手軽で良いけれど、手紙って書き手の気持ちがより相手に伝わるものだと思うんです。

「たよりたよりて」という不思議なタイトル。
作品を読んでいく内に隠れた意味が分かるというか、どう解釈しても良いようになのか、あえてのひらがななのが良いなと。
ダブルミーニングだったのですね。
こういう遊び心のあるタイトル、好きだなあ。

ある日突然、理央の目の前に広がったグレーがかった美しい瞳の色の衝撃。
出逢ってすぐのキスから世界が変わっていく。
母親は既に他界。子供達に勉強を教えるため、日本のみならず世界各地を飛び回っては不在がちな父親を、家で1人暮らしをしながら健気に待ち続ける高校生の理央。
なんだろうなあ…父親が居ないのは当たり前と思っているようにも見えますし、父親のしている仕事を尊敬しつつも、どこか自分に「いつものことだから」と言い聞かせているよう。
ちょっとした引きの画だとか、ふとした時の目線、後ろ姿から、なんだか寂しさを抱えているのが伝わるんですよ。
すけやま先生、すごく上手いです。

そんな、寂しさを抱えた理央の元に突如として現れたのが、理央の父親の元教え子だと言うルイという大学生の青年。
いきなりのキス、告白、そして同居。
これだけだとルイの怪しさメーターがMAXですし、距離感の近さも相まって、なんで??となります。
ただですね、ここで効いてくるのが手紙なんですよねえ。

知らない人間のはずなのに、なぜか一緒に暮らしていく内に、すっと懐に入り込んで来て、気付けば少しずつ寂しさがなくなっていっていた。
それはなぜなのか。ルイとは?
少しずつ気を許し、お互いを優しさで埋め合うように心を通わせる2人の姿が印象的でした。
なんて優しい世界なんだろうか。
ルイが理央の額にキスをする仕草にきゅんとする。
非常に読後感の良い作品です。

ルイの親にも、理央の父親にも思うところは多々ありますが、あくまでもメインは2人の心の交流なので…そこには少々目を瞑りつつ。
これからは同じ街に住んで幸せに暮らすのかな。
優しい2人ならきっと楽しく暮らしていけるはず。
すけやま先生の今後の作品も楽しみです。

2

最後まで読むとタイトルの意味がわかりました

冒頭からいきなりレオが理央にキスしてきて、レオは知っているらしいのに理央には覚えが無い。
そんな人物を受け入れて家に置く事に躊躇がない。
レオの思わせぶりなセリフに、謎解きのように物語が進んで行きます。

理央の幼馴染みの女の子が当て馬として出張って来るかと思いきやそんな事もなくて。あっさりと退場して行きました。

レオの過去話からあっさりと2人の接点が判明します。そしてレオが理央の手紙を頼りにしてた意味も分かり。その辺りからドッと物語が動き始めるのです。
根無し草のように感じていた理央の父親が本当にしたかった事を成し遂げた時に、亡き妻の夢と理央の約束という言葉があった事に感動しました。

レオは周囲に距離を取っていた理央の懐に入る事が出来た唯一の人物です。理央が父親からの手紙の秘密に気が付いてくれて良かった。

意外にもすんなりとセックスまて行ってしまい、その辺だけ唐突に感じてしまいました。

2

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