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おっさんしか出てきません。7つのお話中、2話が続き物でほぼ背広、ネクタイのサラリーマンばかりの恋物語。
仕事に行き詰まったり、恋に破れてしまったり。かと思えば新しい出会いに意外な行動をとったり。
ある程度の年齢になった大人たちが主人公のファンタジーのような素敵な短編集です。
全てをハッキリと描かず、あえて余韻を少し残してある作品もあり、派手さはありませんがジーンと心にくるものがあります。そこが西田先生の凄さなのかな?とても夢があります。
面長な顔に分厚い下唇、ちょっとしゃくれたように見える顎や切れ長の目が色っぽかったです。
分け入っても分け入っても背広。
分け入っても分け入ってもリーマン。
…という短編集。7作品収録。
「恋をしましょう」
「恋を感じて」
合併で吸収される損保会社が舞台。準備室の部長・荒木と、コンサルの小林のあれこれ。
小林はスマートなゲイで、これまで若い男とばかり遊んでいたのだけどなぜか荒木に惹かれる。
合併の前日。抜け殻の荒木が自殺するかも⁉︎と誤解した小林が咄嗟に私と恋をしましょう!と叫び…
その後、頭も冷えてきたと思いきやの荒木の方が駆け引きしてくる!この会話劇がエスプリっていうか。軽くてそれでいてアツくてイイ。
「DIRT」
銀行の支店長と、銀行強盗。
だけどもちろんヒネリはあって、この強盗は乱調の美で支店長の心を奪う⁉︎
「あの頃に戻れない」
野心剥き出しで業績だけを追い続ける同期と、かつてのライバルで今は閑職の男。
傲慢に命令するのは「俺を見て」の裏返し。
「胸いっぱいの」
ゲイ恋愛はうまくいかず、仕事仕事で病んでいく男。
まとわりつく警備員の男は、救世主か死神か。
しかし、横道に降りた男は生気を取り戻し、心も取り戻していく。
「連れていってくれ」
体を壊した先輩を気遣うリーマンの清水。だがその気遣いは常軌を逸していく…
弱ってなきゃ自分のものにならないって思ってたんだよね。でも最後の最後に手放して。生還した先輩は全て分かった上で今度は清水に寄り添います。
「メモリアル・デー」
「目を閉じないで」の花田次長と村上のその後。
社内のボードに誕生日が書き込んであって、村上の誕生日⁉︎と慌てた次長がアタフタするSS。おもろくてのちちょっとホロリ。
あとがきは「まんがみち」。いつもの西田ヒガシクオリティ。つまり爆笑。
ほんと最高!!
こんな短編集読んだことないです!
すべて哀愁漂うサラリーマンたちが主人公なのですが、
どのカップルもそれぞれ違って、それぞれいい^^
とにかく、短編集としてはこれ以上ないってくらい面白かったです。
あー、西田先生天才!!!
クスクス笑えるものからシュールなもの、
そしてホロっとくる切ないもの……どのお話も良かった。
特に、『胸いっぱいの』と『連れていってくれ』が印象深かったです。
どちらのお話もグッとくるものがありました。
とにかく最高!
こちら総リーマン作品、計7話の短篇集となっております。
西田さんは長編もいいけど短編もうまいですね。
花音COMICSでは表紙(と題字)で損をしてる!といつも思ってましたが
こちらの作品は表紙買いおk!イメージぴったりです。
表題作はあまりぴんとこなかったんですが、
とくに萌えた&神レベルに面白かったものを。
「DIRT」
歯抜けの強盗にお堅い中年銀行員が監禁される話。
おしっこ我慢ネタあり。
見事にどんでん返しのオチが付いて楽しかったです。
「あの頃に戻れない」
ライバル関係にある同期の話
オフィスHがエロい・・・
相手の経歴に傷を付けないように失敗を引き受けてあげる受けさんがいい男過ぎてもうね。
本当は誰よりも仕事が出来、誰よりも思いやりがあって、周りに好かれている。
西田作品にはこういう無条件にかっこいい男がよく出てきますよね。
「連れて行ってくれ」
アル中で休職中の先輩×冷血漢の後輩
明るく皆から好かれる人気者の先輩。でもそんな彼には妻も愛娘もいて…。
彼を自分だけのものにするためアルコール漬けにしてしまいます。
オチがとてもいい話。
リーマンを浴びるほど堪能したい気分の時にぜひどうぞ!
コミカルおっさんBLの両雄のうちの一人西田さんですが、
この本のやけぼっくいに火をともしっぷりを見てると
「まだまだ俺イケる!」
感を強く抱いてしまうのが不思議です(幻影です!)
はなっからゲイで男を物色するという趣味までかねてコンサルしてたら
離婚まじかのおっさんにうっかり気を惹かれて悩んでしまうという
「テダレの自ら巻き起こす勢い負け」
なドタバタ感覚がいかにも西田さんらしいというか。
逐一細かく述べるほどインパクトはなかったんですがなんというか
「会社勤めのいい年こいたおっさんがホモをする」
という事のガチさをなんとなく感じさせられる本でした。