すべて、言い訳だった。

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表題作似た者どうしの

(仮)田中 爽,高校生
(仮)中田 汐哉,高校生

その他の収録作品

  • あとかき
  • カバー下・四コマ

あらすじ

新学期の書類提出。
同じようなミスをおかした「田中」と「中田」。
でも、二人が似通っていたのはそれでけじゃなくて…。

作品情報

作品名
似た者どうしの
著者
菅辺吾郎 
媒体
漫画(コミック)
出版社
マッグガーデン
レーベル
uvuコミックス
発売日
ISBN
9784800009906
4

(28)

(12)

萌々

(9)

(4)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
111
評価数
28
平均
4 / 5
神率
42.9%

レビュー投稿数8

高校1年生のリアルな恋愛

神評価にした理由として、BLにおいてえっちはしなくてもいいし、甘々じゃなくてもいいという人間が書いていることを念頭に置いてください。
まず、私がBLを読む理由は「同性での恋愛について描かれているものを読みたいから」です。
そして、賛否両論でしょうが、私は盛大に「恋愛対象が同性である」ということに悩んでほしいし、悩んでいなくても過去に悩んだことがあってほしいです。

この作品では、適度に悩んで、さらに青春を感じさせてくれます。

他の方も仰っている通り、女の子キャラが活躍します。あまり気持ちの良いハッピーエンドではなかったと仰っている方もいましたが、個人的には逆にリアルだなと思いました。
だって「高校時代の恋人」と、そのまま結婚する可能性ってめちゃくちゃ低くないですか?
危うくて、曖昧で、単純で、向こう見ず。でも、高校1年生の、16歳の、精一杯の「好きってなんだろう」が等身大で描かれているように私は感じます。

自分が高校生だった時からどんどん時間が経って、最近はあまり高校生モノに萌えられなくなっていたのですが、そういう意味でこの作品は大当たりでした。
いつか高校を卒業する頃の、今とは全く違う悩みに直面した二人を読んでみたいなと思いました。

1

リアルな同性同士の高校生の恋愛に心がヒリヒリする

まずかなり女の子2人(1人は彼女)が物語に深くかかわってくるので苦手な方は注意です。

心情表現がさすがといいますか、本当にこれぞエモいといってしかるべきのお話でした。
別に自分がゲイかどうかもわからずただ仲良くなった友達を好きになってしまった。そしてその友達には彼女がいる。ってすごくリアルな設定ですし、しかもそれをすごく頑張って隠してます!とか相手もめっちゃ意識してます!みたいな誇張表現が一切なく2人の関係性もものすごくリアルだからこそ、本当に読んでいてずっと心がヒリヒリしていました。本当に切ない…

最終的にはいい感じに収まるのですが、そこも完全無欠のハッピーエンド!というわけではなく、きっとこの先いい感じになるだろうと未来を期待させてくれるようなまとめ方だったのがとてもよかったです。

恋愛にもがくDKの切ないお話、最高でした。

0

似た者どうしの感情の機微がとても良い!

作家買いです。
女子が多く登場するので嫌な方もいるかもしれませんが、健気な片想いが胸を打つ素晴らしい作品でした。
四季を感じさせるところも良かったです。


名前が似ている「田中」と「中田」は、身長も50m走のタイムも携帯ケースも一緒、空を見上げるタイミングも。
二人は似たもの同士。なら、恋愛は?というお話。

〝似てる〟と〝似てくる〟は違いますよね。
田中と中田は似てるのか?っていうと、実はあまり似ていないんです。

似たもの同士と言われる二人は一緒にいることが多くなりますが、田中に彼女が出来た事で関係が変化していきます。
中田も彼女のことが好きなのでは?と疑う田中。
それは、中田が二人のことを見ていることに気付いたから。
でも、中田が目で追っていたのは田中でーー…

中田の片想いが苦しくて、少しずつズレていく二人がとにかく切ない。
彼女とのイチャイチャを見せつけるような、無神経な田中には腹が立ちました。

中田の、気付かれたくないけど気付いて欲しい……みたいな、微妙な気持ちの揺れがうまく表現されていて、読んでいて胸がキューっとなります。
ちょっとした事に希望を見出しては傷つき、胃を痛める中田。
叶わぬ想いに振り回されて、それでも諦めきれない気持ちがリアル。
終始、中田の気持ちで読んでいたから苦しかった。
 
でも、〝似てる〟ことに縋り付いていたのは田中も同じで、
中田を大切で可愛いと思っていた自分に気付きます。
共感・親近感は、愛情に繋がりやすいと思うんです。
偶然なんかじゃなく、中田が田中を見ていたから「同じ」が増えただけだという事実が泣ける。
中田の気持ちが田中を変えたんだと思うと、胸が熱くなります。

田中が、ちょっとズルい男なんですよね。
中田とのキスを見られた彼女とは自然消滅したり、中田には自分だけをずっと好きでいて欲しいと思っていたり。
田中を丸ごと好きで受け入れる中田の気持ちの方が、まだずっと大きい。
釣り合わないまま終わるんだけど、そこも中田の健気さが際立っていて良いんですよね。
多分、これからは田中が中田を見て「同じ」を増やしていくんだと思います。

そして、中田の良き理解者である双葉がとても好きでした。
サッパリしていて、恋愛には絡んでこないナイスな女子。
「い」攻めのしりとりは面白かった(笑)

9

初心忘るべからず

エロ増し増しの作品を最近読み続いたせいで、やや食傷気味に個人的に、勝手に、なっていたところで本作を手に取りました。「あ、最初の頃はこうだった⋯BLを好きになったキッカケって、この感じが良かったからだった⋯」となんだか懐かしい感じを思い起こさせてくれました。エロい作品も勿論良いし好きだけど、自分はやっぱり本作みたいな胸キュンストーリー重視なんだなぁ〜と改めて実感させてくれた作品でした。

1

同じ、なのは…

高校生の田中と中田。
名前もそこそこ似通っていて、身長も好みも行動も似ているふたりは意気投合して仲良くなって、クラスメイトの女子の谷垣さんが気になるようになるけれど…それは…。

はじめの似た者どうしなDKの田中と中田のわちゃっとしたやりとりににやついていたのも束の間、田中が谷垣さんとお付き合いを始め、女子(谷垣さんとさらにもうひとりのキーパーソンの双葉さん)がこれでもかとがっつりストーリーに絡んでくるので、B L匂わせ系の少女漫画なのかな?と思ってしまうほどの展開にちょっと戸惑い、どうなっちゃうのかドキドキしたのですが、女子による第三者目線からの田中と中田を見ることもできたので結果も含めてよかったなあ、という読後感でした。

中田の想いを知った双葉さん、そりゃそう解釈してるよね〜と、自分がどれだけBL脳なのかというのも思い知らされてしまいました(笑)

じくじくと痛む恋心を抱えて、10代だけどずっと大人びて見えるなあと思う時もあれば、年相応に悩んでもがく青臭さもあって、甘苦い青春に彩られた移りゆく四季も感じさせてもらえるお話しでした。

似た者どうし、同じ、なのは実は…な中田のモノローグにはそっか、そうなんだねえ…ときゅう〜っと胸が締め付けられ、窓の外を見るラストシーンでのふたりには私も思わず微笑んでしまいました。

1

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